5373.債券市場の動揺を心配



本来なら、ギリシャ問題の展開が今週の一番大きなテーマであった
のに、ギリシャへの支援はできずだが、IMFには1000億ドルを返済し
たというので、当分の時間的な余裕が出来た。どちらにして、ギリ
シャが全面的に屈服するか、ギリシャがユーロ離脱になるかしかな
いことも明確化した。

それより、米国で13、14両日に開くオバマ大統領と湾岸協力会
議(GCC)加盟国との首脳会議に関し、GCC6カ国中、サウジ
アラビアのサルマン国王ら4カ国トップが欠席の見通しになった方
が重要な意味がある。

湾岸協力会議(GCC)加盟国は、石油の最大輸出国であり、その
トップの多くが欠席ということは、GCCは、米国から離れる可能
性があることを明確に示した。

この意味は、ドルと石油のリンクがなくなることに等しい。という
ことは、ドルの基軸通貨としての機能が1つ失われることになる。
これは、昨日、記述したが、それが確定的になることを意味する。

このため、外貨準備通貨としてのドルは安定的と見ていた国家は、
外貨を米国債で持つことが多いが、その米国債を売りに出す可能性
が出てきたことになる。

この可能性に対して、12日の米国株式市場は続落。米利上げ見通
しをめぐる懸念に加え、最近みられる世界的な債券利回り上昇への
警戒感が強まった。この世界的な債券利回り上昇は、米国債の売り
のことである。

株式市場も警戒し始めたことになる。

さあ、どうなりますか?


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米国株式市場は続落、世界的な債券売りへの懸念で
2015年 05月 13日 06:25 JST
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 12日の米国株式市場は続
落。米利上げ見通しをめぐる懸念に加え、最近みられる世界的な債
券利回り上昇への警戒感が強まった。
ダウ工業株30種.DJIは36.94ドル(0.20%)安の
1万8068.23ドル。
ナスダック総合指数.IXICは17.38ポイント(0.35%)安の
4976.19。
S&P総合500種.SPXは6.21ポイント(0.29%)安の
2099.12。
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米、中東戦略を再構築=13日、湾岸諸国と首脳会議−イラン対応
が最大の焦点
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は13、14両日、ワシント
ン近郊の大統領山荘キャンプデービッドなどでイスラム教スンニ派
を中心とする湾岸協力会議(GCC)との首脳会議に臨む。軍事支
援の強化など米国による域内の安全保障を共同文書にまとめ、欧米
がシーア派国家のイランとの核協議を進展させていることへの不安
を取り除くのが狙い。
 一連の首脳会議に参加するのはサウジアラビア、アラブ首長国連
邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートの首
脳や皇太子ら。大統領は13日にホワイトハウスでGCC首脳らと
の夕食会を開催し、地域情勢について意見交換する。
(2015/05/12-19:29)
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4カ国首脳が欠席へ 米・湾岸諸国の会議
 【ワシントン共同】米ホワイトハウスのローズ大統領副補佐官は
11日の電話記者会見で、米国で13、14両日に開く湾岸協力会
議(GCC)加盟国との首脳会議に関し、GCC6カ国中、サウジ
アラビアのサルマン国王ら4カ国トップが欠席の見通しだと明らか
にした。
 米サウジ両政府などは否定しているが、核問題の包括解決を目指
してイランに接近する米国に対しサウジなどが不快感を示した結果
との受け止めが根強い。過激派組織「イスラム国」対策などで湾岸
諸国と連携を強化したいオバマ米大統領の求心力低下は否めず、会
議の意義が問われかねない異例の事態となる。
2015/05/12 12:13   【共同通信】







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