5371.経済問題の基礎



子供と話していて、経済問題の観点を知らないと、このコラムに書
いてあることが分からないことを知った。このため、基礎的な経済
問題の観点を解説した。それを書く。

景気が悪くなると、経済活動を活発にするために、貸出金利を下げ
て、お金を借りやすくする。お金を借りでビジネスを始めたり、家
を買ってもらい、経済活動を活発化させたいのである。しかし、貸
出金利がゼロの場合には、これ以上の金利を下げることはできない。

貸出マイナス金利では、皆が借りることになる。借りただけで儲か
るからであり、それはできない。このため、お金の量を増やして、
インフレになると思わせて、今買う方が将来買うより安いと思わせ
る必要がある。そうすると、皆は現在消費してくれて、景気が上が
る事になる。

なぜ、量的緩和で物価が上がると思うのかは、通貨量が増えると通
貨価値は下がるので、相対的に物価が上がる事になるし、円安にな
り、輸入品の価格が上昇することになる。

しかし、量的緩和をすると、貯金していた人は、通貨で持つのは価
値が下がるので、不動産や株などの資産価値がある物を買うことに
なる。このため、株や不動産が値上がりしやすいのである。

しかし、庶民の給与が上がらないと、実質賃金は下がり、消費を抑
える必要が出てくることになる。また、年金生活者は年金額を物価
スライドではなく抑制するので、実質支給額が下がり、年金生活者
は、消費を下げざるをえない。

このため、日本は年金生活の高齢者が多いので、消費量が減るとい
うことになる。消費が減ると、国内産業や輸入業者は売上高が減り
、かつ輸入品が上昇するので赤字になる可能性が出てくる。

輸出業者は、円安になり、輸出が増えて売上高も増えることになる。
この輸出業者が国内還元すれば、日本の景気は上昇する。やっと、
このフェーズになったようである。

しかし、量的緩和をするためには、日銀が資産を買う必要がある。
今までは国債を年80兆円買っていたが、今年度36兆円しか国債
を発行しない。まだ市場には600兆円もあるというが、いつかは
買うものがなくなることになる。円安の米国を怒らせない範囲とな
ると、1ドル=120円程度が限度であり、これ以上の量的緩和は
無理である。

もう1つが、輸出できるのは、世界の景気が良いからで、もし、景
気後退になると、日本の高級な品物を買わなくなる。ということで、
欧米の景気に左右される。その米国の景気は曇になってきた。欧州
はギリシャ問題があり、今後どうなるかわからない。

ということになり、日本の景気も先が見えないような状態になって
いる。

景気が加熱してきた場合は、貸出金利を上げて、景気の冷やすこと
が必要で、もししないと、バブルを形成して、そのバブル崩壊で、
大きなダメージを受けるので、景気が過度にも上げてはいけない。

今は、その心配がないとは思うが、株式市場がバブルになる可能性
をイエレンFRB議長は警告した。



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