5360.上海市場バブルか?



中国の上海指数が急激に上昇している。投資マネーが流入する動き
が鮮明になっている。上海総合指数は4月8日、一時約7年ぶりに
心理的な節目の4000台に乗せ、売買代金も過去最高を更新した。

この動きは、4月中続いて、上昇の一途であった。株価が2倍以上
の膨れている。「一帯一路」政策などで、企業の業績が向上すると
見ているようであるが、実体経済は、それほどの成長をしていない。
市場では「(個人向け高利回り商品の)理財商品と住宅市場に代わ
って株式市場が個人の投資資金の受け皿になっている」(準大手の
中原証券の張青アナリスト)との分析が多い。

この急激な上昇は、株券などを担保に証券会社から資金を借り入れ
て投資資金を膨らませる信用取引が株高を加速させている。証券監
督当局がたびたび証券会社に調査に入り、行きすぎた信用拡大をけ
ん制しているが、効果は限られている。信用取引残高は1兆5千億
元を超え、連日で過去最高を更新している。

この対応として、中国政府は空売りを認めた。しかし、民衆が熱に
浮かされているので、今は空売りができる状況ではない。

しかし、欧米の多くのファンドマネジャーは、こうした中国株の急
上昇を見込んでいなかった。JPモルガン・アセット・マネジメン
トのクライアント・ポートフォリオ・マネジャー、エミリー・ウィ
ティング氏は「運用担当者の多くは、中国株の上昇で大きな打撃を
受けた。少しも予想していなかった上昇だ」と述べた。

新興国市場の中でも、中国への消極的な投資姿勢が特に目立つ。ゴ
ールドマン・サックスが運用資産1兆ドル以上の投資家を対象にま
とめた調査では、3月末時点で中国への投資配分は、ベンチマーク
指数で同国が占める割合よりも6%ポイント低かった。

このため、投資家は、新興国戦略練り直しをする方向である。

これはいつ、空売りを仕掛けるかである。熱がピークを付けた時が
一番の狙い目である。一万円が4万円近くまで上がった東京市場の
株を米証券会社は、一斉に空売りを仕掛けて、潰したが、それと同
じことが起きる可能性が高い。

そのときを中国はバブル崩壊になり、庶民は大きな損害を抱える事
になる。

さあ、どうなりますか?


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中国株7年ぶり高値 上海指数、住宅市場から資金流入 
2015/4/8 21:26 nikkei
 【上海=土居倫之】中国で株式市場に投資マネーが流入する動き
が鮮明になっている。上海総合指数は8日、一時約7年ぶりに心理
的な節目の4000台に乗せ、売買代金も過去最高を更新した。住宅市
況の悪化で投資マネーが株式市場にシフトしており、相場の割高感
も強まっている。
 上海総合指数は午後の取引で一時前日比1%高の4000を付けた。
昨年末と比べた上昇率は23%に達する。売買代金は8391億元(約16
兆3600億円)と過去最高を更新。同日の東証1部の6倍強となった。
 15日に発表予定の1〜3月期の実質経済成長率は7%前後に減速
する見通し。企業業績も減速するなかで株高が続く。市場では「(
個人向け高利回り商品の)理財商品と住宅市場に代わって株式市場
が個人の投資資金の受け皿になっている」(準大手の中原証券の張
青アナリスト)との分析が多い。
 加えて株券などを担保に証券会社から資金を借り入れて投資資金
を膨らませる信用取引が株高を加速させている。証券監督当局がた
びたび証券会社に調査に入り、行きすぎた信用拡大をけん制してい
るが、効果は限られている。信用取引残高は1兆5千億元を超え、
連日で過去最高を更新している。
 急激な株高で割高感も強まっている。中国工商銀行など時価総額
の大きい主力株は上海・香港市場に重複して上場するケースが多い
。為替の影響を除くと、理論上は株価が同水準になるはずだが、実
際には同じ銘柄でも上海が香港の株価より平均で約3割高くなって
いる。
 このため一部資金は上海から香港にシフトしているもようだ。8
日は昨年スタートした上海・香港の株式相互取引制度を利用した中
国本土から香港への株式投資額が初めて一日の限度額である105億元
に達した。香港ハンセン指数は前営業日比3.8%高と急上昇した。
 中国では日米欧など先進国のように個人が自由に海外の株や債券
を買うことができない。このため個人の余剰資金が中国国内で値上
がりが見込める特定の分野に集中し、投機色が強まる傾向がある。
2007年には空前の株式ブームが起き、上海総合指数は6000台まで上
昇した。その後株式相場が急落すると、投資資金は住宅や理財商品
などにシフトしていた。
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アングル:中国株急伸で意表つかれた投資家、新興国戦略練り直し
か
2015年 05月 1日 16:43 JST
[ロンドン 1日 ロイター] - 4月の中国株式市場の大幅上昇で
意表をつかれた投資家は、さほど魅力的な投資先と見込んでいなか
った新興国市場の戦略再考を迫られるかもしれない。
中国の上海総合指数.SSECは4月に18.5%上昇し、滬深300指
数.CSI300も17.3%高を記録、昨年12月以来の大幅な上昇率と
なった。また、両市場の時価総額は昨年9月から倍に拡大している
ほか、MSCI中国株.dMICN00000PUSは年初から30%近く上げて
いる。
こうした中国株の急上昇を背景に、MSCI新興国株価指数.MSCIEF
の4月の上昇率は7%に達し、S&P総合500種.SPXの上昇率を
2012年以降で初めて上回った。
<中国株高で予想外の損失>
多くのファンドマネジャーは、こうした中国株の急上昇を見込んで
いなかった。JPモルガン・アセット・マネジメントのクライアン
ト・ポートフォリオ・マネジャー、エミリー・ウィティング氏は「
運用担当者の多くは、中国株の上昇で大きな打撃を受けた。少しも
予想していなかった上昇だ」と述べた。
その結果、ゴールドマンの試算によれば、今年は新興国株式ファン
ドの2割、日本を除くアジア株ファンドの4割しかベンチマークを
アウトパフォームしていない。過去5年間の平均6─7割とは対照
的だ。
「中国への投資比率を低くしていたファンドマネジャーには、中国
株の上昇を補う代替手段がほとんどなかった」とゴールドマンのア
ナリストは指摘する。
新興国株式市場のパフォーマンスは2010年末以降ずっと、先進
国市場のパフォーマンスを下回っている。そのため、投資ファンド
は新興国市場への投資に消極的だった。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは先月、今後1年新興国市
場のポジションを「アンダーウェート」に引き下げ、4月にはさら
にポジションを縮小した。
新興国市場の中でも、中国への消極的な投資姿勢が特に目立つ。ゴ
ールドマン・サックスが運用資産1兆ドル以上の投資家を対象にま
とめた調査では、3月末時点で中国への投資配分は、ベンチマーク
指数で同国が占める割合よりも6%ポイント低かった。
ファンドマネジャーの中国に対する弱気見通しの背景には、過去10
年の高成長時にリターンがさえなかったことがある。
<新興国市場の転換点か>
ただ、中国経済の減速を背景に景気刺激策が見込まれるなか、金融
緩和による資金供給が米国の金融引き締めの影響を和らげるとの見
方もある。
4月の預金準備率引き下げでは、1兆元(1610億ドル)の資金
供給が見込まれていた。また、クロスボーダー・キャピタルは、中
国国内の流動性は昨年10月以降2倍に拡大したと試算。こうした
資金が株式市場に流入しているほか、他の新興国経済へ波及効果を
もたらしている、と指摘する。
ウェルズ・ファーゴ・アセット・マネジメントのシニア・ポートフ
ォリオ・マネジャー、アンソニー・クラッグ氏は「新興国市場にと
って大きな転換点かもしれない」と述べ、「中国が好調になるだけ
でなく、それが新興国にも伝わり、全般的な見通し改善につながる
。投資家は慌ててエクスポージャーを拡大している」との見方を示
した。
ゴールドマン・サックスは、新興国市場ファンドが中国の見通しを
ニュートラルに変更すれば、260億ドルの資金供給が見込めると
試算する。
<根強い警戒感>
一方で、企業収益が依然伸び悩んでいることなどから、投資家の間
で慎重姿勢も根強い。1株利益(EPS)をみると、中国企業の業
績に回復の兆しはみられない。
さらに、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派的スタン
スが示され、第1・四半期の米経済成長率が弱い数字になったにも
関わらず、新興国市場の株価が上昇しなかったことは、米利上げ再
開に対する警戒感が投資家の間で根強いことを示している。
モルガン・スタンレーは、MSCI新興国株価指数とドル指数は逆
相関関係があるとし、最近の同指数の上昇は、米ドルが3月ピーク
時から6%下落したことが一因だ、と指摘する。
米利上げ再開時期が近づきドル高が進むにつれ、新興国市場への圧
力が再び高まる可能性がある。
(Sujata Rao 記者、翻訳:伊藤恭子 編集:加藤京子)


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