日経新聞などを見ていると、世の中は景気が上昇しているように見 えるが、実際は違うようである。日本のGDPの6割は消費経済で あり、この部分が10%以上も落ち込んでいるということは、景気 は悪いとしか見えない。10.6%減は、比較可能な2001年以 降で最大の落ち込み。 その理由も、3月の勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり44万9 243円で、実質前年比0.3%減と18カ月連続で減少。消費世 代でもある年金生活者の年金給付が減少しているので、この層は、 物価上昇で、消費を控えるしかない。このため、消費経済は減少す る。これはしょうがないことである。 それを仰臥するほど、勤労世代の給与が上昇して、その落ち込み分 をカバーしなければならないが、そうなってはいないようである。 29日の東京株式市場で日経平均は大幅反落した。下げ幅は今年最 大となった。30日もこの流れを引きずっている。 市場の予想を下回った1━3月期米国内総生産(GDP)を受け、 米景気の先行きに対する懸念が広がった。さらに日銀が金融政策の 現状維持を決定した後、短期筋とみられる一部の失望売りが出たこ とで、後場に下げ幅を拡大した。東証1部の売買代金は今年2番目 の大きさとなった。 米国経済も弱く、FRBも6月の利上げを諦めたという。 この上、日本の貿易収支が黒字になったことで、円高になるという 観測も出ている。 エネルギー価格が1バーレルあたり60ドル程度に上昇してきたの で、シェールオイルの採算ライン以上の井戸は増えていると思うが 、ドル高で輸出企業の業績が落ちている。また、FACEBOOKやグーグ ルの業績も落ちている。 また、ヨーロッパは、ギリシャ問題があり、金融緩和により少しよ くなっているが、まだわからない。世界的な需要不足が変わらない。 ということで、日本が良くなっても、世界的な状況は、難しい。 このため、日本も内需が弱く、外需に頼るしかなく、世界的な需要 不足を円安で貿易を増やして、帳尻を合わせている。 このような状況なので、東京株式市場も、世界的なことで、乱高下 しやすくなっているようである。 さあ、どうなりますか? ============================== 消費支出、3月は前年比10.6%減と最大の落ち込み 2015年 05月 1日 10:24 JST [東京 1日 ロイター] - 総務省が1日発表した3月の家計調査 によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は1 世帯当たり31万7579円となり、実質前年比で10.6%減と なった。減少は12カ月連続。昨年3月が消費税率引き上げ前の駆 け込み需要のピークだったことから、反動で過去最大の落ち込みと なった。季節調整済みの前月比は2.4%増と2カ月連続で増加し た。 実質消費支出は、事前の市場予想で前年比12.1%減(予測中央 値)が見込まれていたが、結果はこれを上回った。 前年比での減少率は、前年同月に消費税率引き上げを間近に控えて 駆け込み需要がピークを迎えたため、反動が大きく出た。10.6 %減は、比較可能な2001年以降で最大の落ち込み。設備の修繕 ・維持や自動車購入、家庭用耐久財、保存が効く食料品など駆け込 み需要が大きく発生した品目の減少が目立つ。 一方、前月比は2カ月連続で増加した。「光熱・水道」や「交通・ 通信」を除く幅広い項目で実質増となっており、総務省では「足元 の個人消費は緩やかな改善が続いている」としている。基調判断も 「このところ持ち直している」に据え置いた。 3月の勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり44万9243円で、 実質前年比0.3%減と18カ月連続で減少。名目は同2.5%の 増加となった。 (伊藤純夫 編集:山川薫) ============================== 3月の消費者物価指数、原油上昇で消費増税除き+0.2% 2015年 05月 1日 10:22 JST [東京 1日 ロイター] - 総務省が1日公表した3月の全国消費 者物価指数は、指標となる生鮮食品を除くコアCPIが前年比2.2 %上昇した。昨年4月の消費増税の影響を除くと0.2%の上昇で 、前年比横ばいだった2月からプラス幅が拡大した。 一方、先行指標とされる4月の東京都区部コアCPIは、食料・エ ネルギーを除くコアコアCPIが消費増税の影響を除くと前年比で マイナスに転じており、日銀が指摘するように物価の基調が上昇し ているのかどうか微妙な局面だ。 3月の全国コアCPIは2月よりも0.2ポイント上昇率が拡大。 「2月の原油価格上昇によるガソリン・灯油の上昇で0.1ポイン ト上昇した」(総務省)。このほかエアコンなど家庭用耐久財が 0.03ポイント、外国パック旅行が0.02ポイント指数を押し 上げた。焼肉や宿泊料、婦人上着、ハンドバッグなども上昇した。 <4月都区部コアコアはマイナス0.1%> 一方、4月の都区部コアCPIは前年比で0.4%上昇したものの 、消費増税の影響(公共料金は昨年5月に実施)を除くと0.2% の上昇にとどまった。3月は増税の影響を除くと0.3%上昇して おり、実質0.1ポイント上昇率が縮小した。電気代と都市ガス代 の上昇率縮小と、外国パック旅行の下落が指数を押し下げた。 また「外食関係は上昇しているが、家賃が下落を続けている」(総 務省)ことなどから、食料・エネルギーを除くコアコアCPIも4 月は増税の影響を除きマイナス0.1%に転落した(3月プラス 0.2%)。 (竹本能文) ============================== 日経平均株価、今年最大の下げ幅に 米GDPなど嫌気、連休後一段安も ロイター 2015年04月30日 [東京?30日?ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落。 下げ幅は今年最大となった。市場の予想を下回った1━3月期米国 内総生産(GDP)を受け、米景気の先行きに対する懸念が広がっ た。さらに日銀が金融政策の現状維持を決定した後、短期筋とみら れる一部の失望売りが出たことで、後場に下げ幅を拡大した。東証 1部の売買代金は今年2番目の大きさとなった。 29日の欧米株安を嫌気し、東京市場では売りが先行。独10年債利回りが急上昇したほか、米国では10年債利回りが 2%台に乗せたことなども背景に、「緩和マネーの巻き戻しが意識 されている」(国内証券)との指摘があった。月末・大型連休前と いうことも重なり、ポジション調整が強まる形にもなった。 日経平均は寄り付きで2万円を割り込むと安値圏で推移。さらに日 銀が金融政策の現状維持を決定したと伝わるとさらに軟化し、下げ 幅は一時550円を超えた。「日銀追加緩和の思惑で買いポジショ ンを積み上げていたヘッジファンドから売りが出た」(準大手証券 )という。 主力株は総じて軟調。情報通信、食料品など内需関連の下げがきつ く、東証1部全体の77%の銘柄が下落した。ただ前週、追加緩和 の思惑で上昇したとされる銀行株は大引けにかけて下げ渋り、三菱 UFJ<8306.T>は小幅ながらプラス圏で取引を終えた。 市場からは「3、4月の日本株のパフォーマンスが良かっただけに 、連休後、国内企業の決算発表が一段落したら、機関投資家が利益 確定売りに動くことも見込まれる」(内藤証券・投資調査部長の田 部井美彦氏)として、軟調な地合いが続く可能性を指摘する声もあ る。 東証1部騰落数は、値上がり337銘柄に対し、値下がりが1464 銘柄、変わらずが81銘柄だった。 ============================== 日経平均は500円超安、今年最大の下落幅:識者はこうみる 2015年 04月 30日 17:06 JST [東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均.N225は前 日比500円超える今年最大の下落幅となった。米国景気の先行き 懸念で売りが先行するなか、後場に入り日銀が金融政策の維持を決 定すると、短期筋とみられる一部の失望売りで下げ幅を拡大した。 市場関係者のコメントは以下の通り。 <大和住銀投信投資顧問 経済調査部長 門司総一郎氏> 国内外のネガティブ材料が大幅株安の要因になった。国内では低調 な決算や保守的な業績見通しが嫌気され、個別ベースで急落してい る銘柄も少なくない。株価が高値圏に位置していたこともあり、利 益確定売りのきっかけになった。外部要因では1─3月期の米国内 総生産(GDP)の予想比下振れに伴うドル安/円高に加え、独消 費者物価指数(CPI)上昇で欧州中央銀行(ECB)による大規 模緩和修正の可能性が警戒された。さすがにマイナス金利まではや り過ぎたということだろう。 年初から続いた米国から欧州へのマネーフローは、欧州から米国に 回帰する可能性がある。とはいえ株式市場から資金が流出するわけ ではない。欧州のマイナス金利がゼロ金利になっても緩和環境に違 いはない。 日本株は一時的に影響を受けるが、日経平均は高値から約5%押し の1万9000円が下限とみている。1万9500円を下回れば押 し目買いも入るだろう。日柄的には1カ月程度、少なくとも5月中 旬まで調整含みだろう。 <内藤証券 投資調査部長 田部井美彦氏> 前回の金融政策決定会合が終わって以降、日銀の追加緩和に対する 期待感が強まっていたが、実際、今回の会合で現状維持となったこ とを受け、売られてしまった。ギリシャ問題の先行き懸念も売り材 料とされている。 3、4月の日本株のパフォーマンスが良かっただけに連休後、国内 企業の決算発表が一段落したら、機関投資家が利益確定売りに動く ことも見込まれる。しばらくは戻りを繰り返しながら、1万8000 円台に向かう相場になっていくのではないか。 ============================== コラム:「円高」を予想し始めた海外投資家=佐々木融氏 2015年 04月 30日 18:50 JST 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長 [東京 30日] - 日銀は30日、予想通り金融政策を据え置いた 。同日公表された展望レポートも黒田総裁会見も、内容的に想定内 で、特段目新しいことはなかった。 物価上昇率2%の達成時期に関する見通しを「2015年度を中心 とする期間」から「2016年度前半」に変更したが、現実を見れ ばそれでも早過ぎると考えられるため、市場への影響は大きくない だろう。つまり、市場は最初から「2015年度を中心とする期間 」に2%のインフレ率が達成されるとは織り込んでいない。 そもそも、重要な局面を迎えている環太平洋連携協定(TPP)交 渉にとって、ドル円相場が円安方向に大幅に動くことは好ましくな い。日銀の追加緩和を受けて円安が再び加速するようなことがあれ ば、「日本は為替を操作している」との非難の声が米製造業から上 がり、TPP交渉の進展にとって大きな障害になることも予想され るからだ。 また、オバマ米大統領とTPP交渉を行った安倍首相はまだ米国に いる。今回は、追加緩和を最も実施しにくいタイミングだったと言 えるかもしれない。 <米利上げには最低でも2%成長が必要か> 29日に発表された米国の第1四半期実質国内総生産(GDP)成 長率は、前期比年率0.2%と市場予想を大きく下回った。港湾ス トの影響で純輸出が1.3%ポイント成長率を押し下げたが、在庫 が0.7%ポイント押し上げた。在庫増と国内最終需要の伸びが 0.7%にとどまったことを見ると、第2四半期に向けて成長のモ メンタムが強く回復するとの期待を抱くのは難しそうだ。 ちなみに、1990年以降の米連邦準備理事会(FRB)の4回の 利上げ局面で、利上げ開始前の3四半期の中でこれほど低い成長率 が1四半期でもあったことはない。最低でも2%以上の成長率が続 いて利上げが行われている。JPモルガンは米国の潜在成長率が 1.75%まで低下していると見ているが、それでも0.2%の成 長率は利上げを行うには低過ぎるだろう。 主要国の中で米国だけが利上げを行うとの見方が強い中、ドルは名 目実効レートベースで昨年7月から今年3月半ばまで急上昇した。 しかし、経済指標は市場が利上げを確信するほど強くはなく、投資 家は次第にしびれを切らし、ドルの買い持ちポジションを解消し始 めた。 一時は年内に2回の利上げを織り込んでいたフェデラルファンド( FF)金利先物市場も、現在では年内に1度だけ利上げが行われる 確率でさえ60%程度しか織り込まなくなっている。今週に入って からは、ドルの名目実効レートはレンジを下抜け、下落基調をたど っている。 29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文は、足元の景気 認識を下方修正したほか、エネルギー以外の輸入品の値下がりを指 摘した。また、前回はあった次回のFOMCに関する記述を削除し たが、全体として大きなスタンスの変化を示す内容とはならなかっ た。 日米両国の状況に鑑みると、ドル円相場がドル高・円安方向に進む のは、短期的には難しくなってきているかもしれない。実際、以下 に述べるように、世界の投資家は円相場がさらに円安方向に進む可 能性を次第に懐疑的に見始めている。 <「今年は円買いが盛り上がる」との声も> 筆者は4月13日の週と20日の週に、それぞれ欧州大陸諸国とオ ーストラリアに出張し、年金基金など現地投資家と面談してきた。 全体を通じて非常に印象的だったのは、主に以下の4つの理由から 、円に対して強気な投資家が多くなっていることだった。 1)日本からの対外株式投資が増えているにもかかわらず円安にな らない、2)日本政府がさらなる円安を好ましくないと思っている と見られる、3)円はそもそも実質的に歴史的な割安圏にある、 4)今後経常黒字が増加する見通しがある。こうした理由を背景に 、現状レベルから大きく動くとしたら円安方向ではなく、円高方向 ではないかとの見方が強まっていたのだ。 ============================== 米FRB、景気認識引き下げ=利上げ、雇用・物価で判断−ゼロ金 利据え置き 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は28、29 の両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、事実上のゼロ 金利の据え置きを決定した。声明では「冬季は成長が減速した」と して景気認識を引き下げたが、一時的な要因も影響したと判断。今 後も雇用は改善を続け、インフレ率も中期的に目標の2%に向かう との見通しを維持した。 FRBは6月から年末までの利上げを視野に入れている。ただ、 29日に発表された1〜3月の米実質GDP(国内総生産)の大幅 鈍化などを受けて、市場では9月以降になるとの見方が強まってい る。 声明は利上げについて、雇用が一段と改善し、インフレ率が目標 に向かうとの「合理的確信」を得る必要があるとの指針(フォワー ドガイダンス)を改めて確認。経済情勢を踏まえて判断する姿勢を 強調した。 また雇用について、伸びが緩やかになったとして、前回の「一段 と改善した」から下方修正した。インフレ率はエネルギー価格や輸 入物価の低下を受けて目標を下回っているが、長期的な見通しは引 き続き安定していると指摘した。(2015/04/30-07:38)