5322.中東シーア派対スンニ過激派



イエメン情勢が緊迫してきた。イスラム教シーア派系の武装組織「
フーシ派」がハディ暫定大統領の拠点である南部の港湾都市アデン
へと進撃し、ハディ氏は大統領宮殿から退避した。

ハディ暫定大統領の敗北はサウジアラビアにとって打撃となる。イ
エメンを守るために行動すると明言しているサウジはイランがイエ
メンの混乱を引き起こしていると非難しており、中東の貧困国イエ
メンはサウジとイランの覇権争いの最新の焦点となりつつある。

中東でイスラム国を攻撃できるシーア派が米国の支援を受け、力を
持ち、スンニ派に不満が溜まっている。米国に不満の持つスンニ派
諸国とイスラエルが関係を正常化している。

米国はスンニ派の代表格であるサウジからの石油に頼らないので、
サウジは中国などに輸出攻勢をかけている。

スンニ派諸国は、イスラム教原理主義者の顔をした過激派がいるの
で、この過激派対応もする必要があり、両面の敵を抱えて力を失っ
た。そのトリガーがイラク戦争とアラブの春であるが、この2つで
スンニ派諸国は、大きな痛手を受ける。

米国は、中東でイランを助ける状況は、今までにはなかった。

このような行動を米国が取るので、中東地域では元米国同盟国のイ
スラエルやサウジなどが難しい状況になっている。

しかし、米国は明確な中東戦略があるとは思えないので、戦略的な
行動でもない。行き当たりばったりの行動で、中東の秩序が崩れて
、何か大破壊の起きる予感がしている。


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イエメン暫定大統領がアデンの宮殿から退避−フーシ派攻勢
2015/03/26 07:02 JST
  (ブルームバーグ):イエメンでは25日、イスラム教シーア派
系の武装組織「フーシ派」がハディ暫定大統領の拠点である南部の
港湾都市アデンへと進撃し、ハディ氏は大統領宮殿から退避した。
ハディ暫定大統領が宮殿を離れたことを認めた側近のモハメド・ハ
ディ氏は暫定大統領の現在の居場所については明らかにしなかった
。ニュースサイトのマスダールによれば、フーシ派とサレハ前大統
領に忠誠を誓う兵士らはアデンの空港を掌握した。
ハディ暫定大統領の敗北はサウジアラビアにとって打撃となる。イ
エメンを守るために行動すると明言しているサウジはイランがイエ
メンの混乱を引き起こしていると非難しており、中東の貧困国イエ
メンはサウジとイランの覇権争いの最新の焦点となりつつある。
紛争が長期化する様相を示す中、サウジを含む湾岸協力会議(GC
C)6カ国が巻き込まれるリスクが強まっている。ただ政治アナリ
ストらはGCCが介入に前向きかどうか疑問だと指摘する。
英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の准教授(
比較政治学)で中東専門家のステフェン・ヘルトーク氏は25日の電
話インタビューで、「GCCの選択肢が限られているのが現状だ」
と指摘。「GCCに協力する勢力がイエメン国内にいない。ハディ
氏はいるが、同氏が失脚すれば再び権力の座に就かせる手立てがな
い」と説明した。
更新日時: 2015/03/26 07:02 JST
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大統領標的に空爆か=ザイド派が南部へ攻勢−イエメン
 【カイロ時事】イエメンからの報道によると、南部アデンにある
ハディ大統領の滞在先の敷地一帯が25日、所属不明の軍用機によ
る空爆を受けた。2月上旬の事実上のクーデターで首都サヌアを奪
取したイスラム教シーア派系のザイド派武装勢力が、大統領を標的
に攻撃を加えた可能性が高い。
 大統領は空爆を前に安全な場所に避難したとされ、無事とみられ
る。空爆を受け、アデンの空港は操業停止を余儀なくされた。
(2015/03/25-22:55)
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サウジ軍が迫撃砲など南部に移動、隣国イエメンの内戦懸念で
2015年 03月 25日 10:12 JST
[ワシントン/国連 24日 ロイター] - サウジアラビアが迫撃
砲などの軍装備を同国南部のイエメンとの国境付近に移動させてい
ると、米当局者が24日明らかにした。イスラム教シーア派系武装
組織「フーシ派」が攻勢を強めるイエメン情勢を受けたものとみら
れる。
フーシ派は昨年9月に首都サヌアを掌握。21日には南部の要衝タ
イズを制圧し、親米派のハディ暫定大統領の避難先である南部アデ
ンに迫っている。
複数の米当局者によると、サウジ軍は装甲車両や迫撃砲などを「大
規模」に移動させている。フーシ派がアデンを攻撃した場合、ハデ
ィ氏援護の空爆を準備することも考えられるという。
イエメンをめぐっては、フーシ派を支援するイランとハディ氏を支
援するサウジなど湾岸諸国とのイスラム教宗派間による代理戦争に
陥るリスクも高まっている。
一方、ハディ氏は24日、フーシ派に対する「有志国」の軍事行動
を認めるよう国連安全保障理事会に要請した。
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イスラエルとの対立は現実問題=政策見直し−米大統領
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は24日、ホワイトハウスで
の記者会見で、パレスチナ国家の樹立に反対したネタニヤフ・イス
ラエル首相との対立について「自分と首相の個人的な関係の問題で
はなく、現実的な(政策の)問題だ」と強調した。
 大統領は「首相の一連の発言から(パレスチナ国家の樹立を)ど
のように達成できるのかを描くのは困難だ」と改めて批判。米国が
過去に反対してきたパレスチナ国家樹立のための国連安保理決議案
を支持するかと聞かれて「(政策を)見直しており、イスラエルが
組閣を終えるのを待っている」と述べた。(2015/03/25-10:17)






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