5309.中国の今後を予想



「中国を知る」の講演会を開催しているが、多くの方から今後の中
国と日米の関係はどうなるのかという質問が寄せられる。それに答
えたいと思う。津田より

0.中国の長期戦略
1980年代に、ケ小平の右腕の中国海軍提督の劉華清の海軍長期戦略
では、まず、沖縄諸島から先島諸島、台湾、フィリピン、ボルネオ
に至る線を第1列島線と定義し、2010年までにこの海域から米軍の影
響力を排除して、次に、2030年までに空母部隊を完成させ、小笠原
諸島からグアム、サイパン、パプアニューギニアに至る第2列島線の
海域の制海権を確立する。さらに、2040年までに、西太平洋とイン
ド洋から米国の支配権を削ぐ。としている。

米国トップレベルの中国研究者であるマイケル・ピルズベリー氏は
、中国は1949年の共産党政権による建国から100年を迎える
2049年までに、米国に取って代わる世界の超大国となる戦略を
持っているとしている。まあ、劉華清の海軍長期戦略を知っていれ
ば、それは当然のことであると見える。

この戦略に沿って、海軍力を整備し、経済力を高めて経済覇権の確
立も目指しているのである。

2008年のリーマン・ショックで欧米が経済的な問題を起こした
ことで、中国にビックチャンスが訪れたのである。中国流の国家資
本主義の経済の方が、欧米的な自由経済より良いことを証明できる
ことになる。論語などの礼節を取り入れた政治システムが最良な国
家体制であると、習近平は考え、その方向で国家を作る計画である。

しかし、中国経済も徐々に成長力が失くなり、7%程度の成長がや
っとになってきた。経済成長には、国内消費を高めることも必要で
あるが、それより中国国営企業の競争力を上げて、世界で売れる物
を作り、どんどん世界に出て行くことにしたのである。

しかし、現時点、世界に新幹線も原発も船も、日本や欧米に比べて
品質が悪いので売れない。このため、アジア・インフラ投資銀行を
作り、金も出す体制にして、中国製品を売り込もうとしている。そ
のため、国営企業の改革に乗り出して、巨大な企業群を作り、その
企業が世界出て、巨大投資できるようにするようだ。

中国は外貨準備高が3.8兆ドルもあり、米国に対抗するために、
それを有効利用することが必要であると、動き出したのである。

このアジアインフラ投資銀行(AIIB)に先進七カ国(G7)で
初めて参加申請した英国に続き、オーストラリアやフランスも参加
を検討していることが明らかになり、G7の結束が中国によって分
断されるのではないかとする警戒感が広がっている。アジアのイン
フラ整備だけでなく、中国に擦り寄ることで得られる中国本土での
ビジネス環境の経済効果は計り知れず、追随の動きは米国をいら立
たせている。日本は参加しないが、多くの国が参加すると、中国主
導の金融体制に世界は向かう事になる。

これと並行して、中国は人民元の国際通貨化を進めて、人民元での
取引拡大を図っている。国内不良債権のために、2000兆円とい
う膨大な資金を中国人民銀行は地方政府に貸し出している。このた
め、その希釈化が必要なのである。このため、人民元の拡大を進め
るようだ。

人民元のドルリンクから外れることも視野に、人民元とウォンの先
物取引を開始するという。

1.海軍力の増強
中国人民解放軍も徐々に遠方への派遣ができるようになり、国連平
和維持活動(PKO)や海賊対策活動などの国際活動に積極的に参
加して、1つに国際社会での「中国脅威論」を払拭(ふっしょく)
する狙いがあるとともに、軍の能力向上につなげている。

また、中国軍の複数幹部は、中国の製造部門が初の国産空母を建造
していると明かした。技術担当将官の馬偉明氏は空母の艦載機発艦
装置(カタパルト)について、「我々の技術は米国に劣らず、優れ
たものである」とした。空母の建造も進めているようである。

2030年までの空母部隊を作るという劉華清の海軍長期戦略に従
った動きである。

というように、中国は米国に代わり世界の覇権を握る動きを加速し
始めたようだ。

2.米国からは中国衰退説
WSJ紙に「The Coming Chinese Crackup」が載っているが、ジョージ
・ワシントン大学教授シャンバーグは、もうすぐ中国が崩壊すると
いう。

中国は、5つの問題点が有り、1つは、幹部が資産を海外に持ち出
していること。2つには民主化と西欧的価値観の禁止など政治弾圧
を強化していること、3つ目は「中国の夢」というスローガンを中
国の学者や官僚が信用していないことである。

4つ目に汚職追放であるが、解決できない。社会の仕組みが一党独
裁、親分子分のネットワーク、法律が欠けている社会ができている
ので、無くならない。そして、反汚職というのは、反対者へのパー
ジに使われている。生きている江沢民前総書記の仲間を排除してい
るので、習近平は大きな危険が迫っている。5つ目、民主化などを
禁止したことで経済改革が日の目を見なかったこと。

政治改革で、以上の5つの亀裂が固定化したようである。このため
、中国はイノベーションを起こす社会や知能社会には決してなれな
いことになった。中国の政治システムが経済・社会改革の障害にな
ることが確実である。

このため、崩壊する危険が有るのだという。

この論文に反論するのが、ナショナルインタレスト誌に載っている
「Sorry, America: China Is NOT Going to Collapse」で、マカオ
大学の准教授チェン氏である。

1つ目の幹部が資産を海外に持ち出していることは、半分本当であ
るが、それ以上に海外留学した中国人が中国に戻っている。これは
中国の将来を確信しているからである。2つ目の政治弾圧であるが
、前政権とそれほど変化はない。3つ目の中国の学者や官僚はいつ
の時代でもそうである。4つ目は汚職が中国の問題であることは確
かであるが、反汚職運動は国民の協力もあり、うまくいっている。
5つ目は、中国の経済成長は確かに減速している。この点は確かに
新しい見方である。しかし、経済成長が減速したとしても6%成長
であり、経済破綻したのではない。としている。

3.中国は将来どうなるのであろうか?
しかし、シャンバーグ教授の議論では、経済発展に欠かせない技術
開発などの力が、欧米的な自由さを禁止したことで自由な発想がで
きないので、これ以上の経済発展は無理になったという。

今までと同じように、海外製品のコピーを安く作ることで中国経済
を維持するしかないことになる。

このため、海外市場開拓には、強制力を必要とすることになり、金
融力と軍事力を使用した海外展開を考えるしかないようだ。

中国の政治上から言うと、中間層を多くすると、民主化要求が多発
して収拾がつかなくなるので、あまり大きな所得のUPをしない方が
良いとも考えているのではないか、疑いたくなる。

中国の1人当たりのGDPは日本の5分1程度であり、所得がもう少し
上がる可能性が高い。そうすると、米国経済規模より大きくなる。

その経済規模を使って、中国は世界に金融・軍事力で出てくること
になる。米国が現在、優位にあるのは金融・軍事力が1位にいるか
らであり、それに中国は対抗することになる。

これでは中国と米国は、いつか対決することになる。それが大戦争
にならずに、経済戦争程度に収まって欲しいと思うのは、私だけで
はないと思う。このため、米国では、中国は崩壊するという論文が
多数出てくるのであろう。これは米国の願望でもあるような気がす
る。

米国の学生が中国に留学しなくなったということも、米国が中国と
将来、敵になる可能性を感じてきたからではないかと思う。

しかし、日本は、どちら側についても、最前線にいることになり、
大きな戦争被害を受ける立場に位置することになる。

日本がどうすれば、生き残れるのか、真剣に検討することが必要で
あるとみるが、どうであろうか?

さあ、どうなりますか?


参考資料:
China’s Middle Class Chafes Against Maze of Red Tape
http://www.nytimes.com/2015/03/14/world/asia/chinas-growing-middle-class-chafes-against-red-tape.html?smprod=nytcore-iphone&smid=nytcore-iphone-share&_r=1

Sorry, America: China Is NOT Going to Collapse
http://nationalinterest.org/feature/sorry-america-china-not-going-collapse-12389

The Coming Chinese Crackup
http://www.wsj.com/articles/the-coming-chinese-crack-up-1425659198

Doomsday: Preparing for China's Collapse
http://nationalinterest.org/feature/doomsday-preparing-chinas-collapse-12343

A tightening grip
http://www.economist.com/news/briefing/21646180-rising-chinese-wages-will-only-strengthen-asias-hold-manufacturing-tightening-grip?fsrc=scn/tw/te/pe/ed/atighteninggrip

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米、G7分断を警戒 中国主導インフラ投資銀
2015年3月15日 tokyo朝刊
 【ワシントン=斉場保伸】中国が主導して設立する国際金融機関
、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に先進七カ国(G7)で初
めて参加申請した英国に続き、オーストラリアやフランスも参加を
検討していることが明らかになり、G7の結束が中国によって分断
されるのではないかとする警戒感が広がっている。アジアのインフ
ラ整備だけでなく、中国に擦り寄ることで得られる中国本土でのビ
ジネス環境の経済効果は計り知れず、追随の動きは米国をいら立た
せている。
 「それが英国の国益にかなうからだ」。ロイター通信によると、
キャメロン首相の広報担当者は英国が参加申請を決めた理由をこう
説明したものの、国益が何かは具体的に言及しなかった。だが、中
国のみならず、経済成長著しいアジア地域参加への「プラチナチケ
ット」を手に入れたいように、他の先進国の目には映る。
 AIIBは経済成長の潜在力が高いアジアの国々で道路や鉄道な
どのインフラ整備を支援する国際金融機関。中国の習近平国家主席
が二〇一三年十月に提唱し、一四年十月に参加二十一カ国が覚書に
署名した。北京に本部を置き、一五年末までの設立を目指している。
参加表明は英国を含め二十八カ国に拡大した。資本金は一千億ドル
(約十二兆円)で、アジア開発銀行(ADB)の約六割の規模とな
る。
 AIIBは、米主導で設立された世界銀行や、日本が歴代総裁を
輩出するADBのライバル的な存在となるとみられ、日米は警戒感
を強めている。というのも、佐々江賢一郎駐米大使は十三日の記者
会見で「(AIIBは)運営の透明性や責任の所在など国際的な基
準に沿うかという懸念があり、日本は慎重な立場だ」と、AIIB
を「悪貨」にたとえるほど世銀やADBへの悪影響を懸念するから
だ。
 米国も「参加は各国の判断」と平静を装いつつ、「世銀などと同
様の高い融資基準が必要」と強調し、環境破壊や人権侵害につなが
る事業に資金が回らないようくぎを刺す。
 一月に行われた一般教書演説でオバマ大統領は環太平洋連携協定
(TPP)の重要性を指摘した上で「(アジア太平洋)地域で中国
は自分のルールを作りたいと思っている。そうなればわれわれの労
働者やビジネスには不利になる。われわれこそがルールを確立すべ
きだ」と、中国に対する対抗意識をむき出しにした。ここにきて米
国はAIIBをめぐって緊密に先進各国と連絡を取り、懸命の引き
留め工作をしているもようだ。
 しかし、英国に先を越された格好となったフランスやドイツなど
欧州のG7各国が、中国市場で事業拡大を目指す自国企業の圧力を
受けてなだれを打ってAIIBに参加表明する可能性は否定できな
い。そうなればG7の結束そのものに打撃となりそうな情勢となっ
ている。
 【シドニー、北京=共同】フランスとオーストラリアが、中国主
導のAIIBへの参加を検討していることが分かった。今月中にも
結論を出す見通し。
 オーストラリアのアボット首相は十四日、参加の是非を再検討し
「数週間のうちに結論を出す」との考えを示した。地元テレビのイ
ンタビューで語った。
 来日中のフランスのファビウス外相は十四日、都内で会見し「参
加できるか検討中」と述べた。また「国際ルールに沿って機能する
」ことが重要だと指摘した。
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中国軍、「脅威論」払拭狙う=国際活動参加で−防衛研報告書
 防衛省のシンクタンクの防衛研究所は13日、中国の安全保障政
策に関する報告書を発表した。中国人民解放軍が国連平和維持活動
(PKO)や海賊対策活動などの国際活動に積極的に参加している
と指摘。国際社会での「中国脅威論」を払拭(ふっしょく)する狙
いがあるとともに、軍の能力向上につなげていると分析している。
 中国は軍事力を活用して国際的な評価を高める活動を「軍事外交
」と位置付け活発に推進。2000年代に入ってからPKO参加を
本格化させた中国は経済的に関係が深いアフリカを中心に部隊を派
遣している。報告書はその目的について、アフリカでの権益拡大に
加え、「国際社会で高まりつつある中国に対する脅威感を低減させ
る効果も期待されている」との見方を示した。 
 また、中国は08年に参加を決めたソマリア沖アデン湾での海賊
対策活動に、14年12月まで艦艇を19回派遣。報告書では、活
動実績をアピールすることで「『中国脅威論』を払拭(ふっしょく
)」するとともに、(1)指揮統制能力(2)食料補給など後方支援
能力−などの向上を実現したと分析している。これにより「わが国
周辺海域での演習にも積極的に活用されている」と警戒感もにじま
せた。
 一方、治安対策費に当たる「公共安全支出」が10年から国防費
を上回っているとして、「中国共産党が政権の動揺につながりかね
ないテロや民衆暴動への対処を重視している」と言及。今後も政権
安定のための治安対策費が増加していくと予測した。
(2015/03/13-17:10)
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米国から中国への留学、なぜ減っているのか
雇用機会が減少していることに敏感に反応
ロイター 2015年03月13日
[上海?13日?ロイター] - 米国では過去数年、中国に留学して中
国語を学ぼうとする学生の数が大幅に減少しているという。米カリ
フォルニア大学交換留学プログラム(UCEAP)では、中国への
留学数は4年前の半数に満たない水準になると予想されている。
また、ワシントンにある留学団体CETは、2013年以降、中国
への関心が低下し続けていると明らかにした。
こうした関心低下を一部の中国専門家は憂慮している。ウィルソン
・センター・キッシンジャー米中関係研究所のロバート・ダリー所
長は、両国関係の重要性を考えれば、中国語を話し、中国の文化を
理解する人材がさまざまな業界に存在することは「国益に関わる問
題」だと指摘。「中国の言葉で理解しない限り、われわれは中国に
論理的かつ効果的に、そして完全に対処することはできない」と語
った。
米国際教育研究所によると、海外留学生の数は全体として若干増加
している一方、2012─13年の中国への留学生数は前年比3.2
%減の1万4413人だった。
対照的に、米国で学ぶ中国人留学生の数は2013─14年に前年
比で16.5%増え、27万4000人を超えた。
米国の学生にとって、中国への留学にはいくつか「心配の種」があ
る。1つは深刻な環境汚染。そしてもう1つが雇用機会の減少だ。
留学経験のある中国人が増えており、中国の多国籍企業が採用する
のはほとんどが中国人。中国語が話せる外国人の需要は減りつつあ
る。
「中国語を学んで給料の高い仕事に就けると考えて中国に留学した
が、そうはならないことがすぐに分かった」。こう語るのは米大学
院生のイアン・ワイスガーバーさん(25)。「自分と同じくらい
英語が話せる中国人がたくさんいる。それに、中国語は彼らの母語
だ」
一方、前述UCEAPのゴードン・シェーファー氏は、中国への留
学生数の減少は、連続して授業を取る必要がある科学やテクノロジ
ー専攻の学生が増えていることも一因との見方を示した。また複数
の留学団体の幹部は、学生が中国の大学に自分たちで直接留学する
傾向にあることが、従来の留学プログラム利用者が減少している原
因の1つだとしている。
中国で学ぶ外国人留学生についてのリポートを執筆した、中国のシ
ンクタンク「中国与全球化智庫」の王輝耀・理事長は、米国には中
国への留学を斡旋する団体が少なすぎると指摘。また、米国政府の
対策不足にも不満を示した。
将来の保証
留学団体幹部の話によると、米学生が中国に滞在しても、その期間
は短くなる一方であり、語学を学ぶより旅行が目的であることも多
いという。
10年前の中国ブームの後は、中国語への関心は米学生の間で薄れ
ているように見える。語学教育で知られるバーモント州のミドルベ
リー大学では、中国語の入門クラスの登録者数は、2007年時の
約半数の水準だという。同大学のトーマス・モラン教授は、昨年に
中国語を履修した学生の総数は「過去10年で最低」だったと語っ
た。
米近代語協会が先月発表した調査結果によると、米国の高等教育機
関における中国語の学習者数は2002─06年の間に50%増加
し、2006年からの3年間でさらに16%増えた。しかし2009
─13年は伸び率がわずか2%に減速した。
「結局は、お金の問題に行き着く」。こう指摘するのは、中国留学
に長年携わってきたジョン・トンプソン氏。「最終的に報われると
いう保証が何もないのに、極めて難しい言語を習うため就職もせず
に数年を棒に振るだろうか」
(Alexandra Harney記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
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中国、軍関係者が「国産空母」建造を認める=香港紙
【大紀元日本3月13日】中国軍の複数幹部は8日、香港メディア・香
港商報の取材に応じ、中国の製造部門が初の国産空母を建造してい
ると明かした。ウクライナ製の空母を改修した「遼寧」より、優れ
た性能を持っているという。軍関係者が公式に建造を認めたのは初
めて。
 中国海軍の劉暁江・元政治委員(上将)が取材で、旧ソ連の空母
ワリヤーグを改修して2012年に就役した「遼寧」と比べ、国産
空母の性能などは必ず向上すると述べた。
 海軍の丁海春・副政治委員(中将)が「建造と試験航行が完了後
、製造部門より海軍に交付する」と今後の予定を語った。一方、技
術担当将官の馬偉明氏は空母の艦載機発艦装置(カタパルト)につ
いて、「我々の技術は米国に劣らず、優れたものである」との見方
を示したという。
 国産空母建造に関する情報は1月にも出回っている。江蘇省常州
市政府は1月31日、微博(ウェイボー)の公式アカウントで2隻
目の空母建設を同市電力ケーブル会社が落札したと発表した。翌日
、投稿は削除されている。
 昨年1月18日には、「遼寧」に続き、2隻目の空母が大連造船
所で建造を開始したと香港メディア・大公報は伝えた。工期は6年
の予定。中国は将来的に4隻以上の空母を保有すると、遼寧省のト
ップ・王a書記の話を報じた。
 米メディア・ビジネスインサイダー(Business Insider)は10
日付け評論記事で、アジア最強の軍事国を目指す中国は、海洋にお
ける影響力を強めるため、空母建造のほか、最新型の対艦巡航ミサ
イルや弾道ミサイル駆逐艦と潜水艦などの開発にも注力していると
伝えた。
(翻訳編集・王君宜) (15/03/13 17:13)
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中国の「新常態」、米国には雇用増の好機−FRB議長に朗報
2015/03/13 15:37 JST
  (ブルームバーグ):中国経済の「ニューノーマル(新常態)
」は、米国の労働者にとってニューディール(新規まき直し)の様
相を呈しつつある。これはいずれ、イエレン米連邦準備制度理事会
(FRB)議長に朗報をもたらしそうだ。
中国が成長率低下を容認し、成長のけん引役を輸出と投資から消費
にシフトするこうした動きは、国際競争による米国の労働者への締
め付けを緩めると同時に中国の米製品需要を押し上げる。その結果
、米国人労働者にもっと給料の高い仕事を多くもたらし、世界経済
トップと2位の両国関係を大きく変化させる可能性がある。
エール大学のシニアフェローで元モルガン・スタンレー・アジア会
長のスティーブン・ローチ氏は「中国は生産者モデルから消費者モ
デルに変化しつつある」と述べ、「米国にとっては極めて大きなチ
ャンスだ」と語った。
中国の輸出急増で米労働市場にはこの四半世紀に大きな穴が開き、
一部の産業は一掃されたも同然となった。その結果、米国では1999
年から2011年までに最大240万人の雇用が失われたと、マサチューセ
ッツ工科大学(MIT)のデービッド・オーター教授らは試算する。
更新日時: 2015/03/13 15:37 JST
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ミスチーフ礁を埋め立て=中国
 【ワシントン時事】国際軍事情報大手IHSジェーンズは12日
、中国がフィリピンなどと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名ス
プラトリー)諸島のミスチーフ礁で進めている埋め立て工事の模様
を捉えた人工衛星画像を公表した。
 画像は今年1月30日に撮影された。建設済みの構造物の近くに
停泊したしゅんせつ船や、浅瀬に積み上げられた土砂などが確認で
きる。船と土砂は、2014年7月撮影の同じ場所の画像には写っ
ていなかった。(2015/03/13-09:35)
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韓国、人民元とウォンの先物取引を開始へ=関係筋
2015年 03月 13日 13:06 JST
[ソウル 13日 ロイター] - 韓国は早ければ6月にも、人民元
とウォンの先物取引を開始する。同国の企画財政省と証券取引所の
関係者が13日、明らかにした。
先物の取引単位は10万元となる見通し。
企画財政省高官は13日、ソウルのセミナーで、元とウォンの取引
を拡大するため、投資家向けに様々な金融商品を導入すべきだとの
認識を示した。
人民元の国際化を進める中国と、人民元の取引ハブ(重要拠点)を
目指す韓国は、元とウォンの直接取引を推進している。
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中国「一帯一路」構想と
高まる軍事プレゼンス
ギリシャの港に中国海軍の艦艇
2015年03月13日(Fri)  小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防
衛駐在官)WEDGE
2015年3月5日、全人代開幕当日に行われた政府活動報告の中で、李
克強首相は、「海洋権益を断固守り、海洋強国という目標にまい進
する。ハイテク兵器・装備の開発に一層注力する」と述べた。中国
国防予算は、前年度比10.1%増で、約16兆8500億円に上り、日本の
防衛予算の3倍を超える。海空軍の予算の伸びが大きいが、中でも、
海軍の予算が最も厚く手当されていると言われる。海軍に予算が多
く配分されるのは、中国の「一帯一路」イニシアティブにも関係す
ることだ。「一帯一路」の「一帯」とは「シルクロード経済ベルト
(陸上)」、「一路」とは「21世紀海上シルクロード」を意味して
いる。陸と海のシルクロード経済圏構想である。
 海外では中国の国防費にも注目が集まる一方で、中国国内で最も
関心が高いのは、経済発展と環境汚染対策である。中国は、2015年
の経済成長目標を「7%前後」に引き下げ、構造改革を加速させる方
針を打ち出した。しかし、中国の経済発展は、国外への活動拡大な
しには成し遂げられない。全人代に合わせて8日に開かれた記者会見
において、王毅外交部長は、「『一帯一路』は、(中国単独の利益
追求ではなく)各国との共同発展が理念だ」として、巨大経済圏創
出の意欲を見せた。
 言葉だけではない。中国の「一帯一路」は、習近平指導部によっ
て、既に実践されている。そして、そこでは海軍が大きな役割を担
っているのだ。
中国の投資に期待するギリシャ
 2015年2月19日、ギリシャのピレウス港に停泊中の中国海軍大型揚
陸艦「長白山」の甲板上に、チプラス・ギリシャ首相の姿があった
。中国海軍の艦艇が地中海に姿を現すのは、もはや珍しいことでは
なくなったが、ヨーロッパの首脳が中国海軍の艦艇に姿を見せるの
はやはり珍しい。
 アデン湾での海賊対処活動を終えた中国海軍第18次護衛艦隊が、
イギリス、ドイツ、オランダ、フランスの欧州4カ国を訪問し、次い
でギリシャを訪問した。この入港時期が中国の新年である春節と重
なり、チプラス首相が、「長白山」艦上で催された新年会に招待さ
れたのだ。
 中国外交部は、そのホームページで、艦上新年会の様子を、写真
を並べて紹介し、新華社は、中国海軍儀仗隊の栄誉礼を受けて赤じ
ゅうたんの上を歩くチプラス首相の姿を報じている。華々しい報道
だが、注目すべきは新年会における同首相の発言だろう。
 中国外交部ホームページによれば、同首相は中国語で新年の挨拶
をした後、「ギリシャは、中国と協力して海洋協力年を執り行い、
中国遠洋運輸集団(COSCO)のピレウス港投資事業を積極的に支持し
、中国のギリシャに対する投資の拡大を歓迎する。ギリシャは、21
世紀海上シルクロード及び中央ヨーロッパにおける陸上・海上高速
輸送路建設に積極的に参加したい」と述べたのだ。
 新華社の英文報道は、同首相が「ピレウス港は、中国製品をヨー
ロッパに配送するための鍵となる入り口として、ヨーロッパ及び国
際社会のレベルで主要な貿易のハブとなるだろう」と自信を示した
としている。中国の投資への期待を表したものだ。経済危機にある
ギリシャは、EUとの交渉の過程でも、中国の経済協力を牽制に使っ
ていると言われる。
「陸と海のシルクロード」にとって重要なギリシャ
 しかし、両国の協力関係に期待するのはギリシャだけではない。
中国にとってもピレウス港は非常に重要である。2月11日に李克強首
相が新任のチプラス首相と電話会談し、ピレウス港の投資事業につ
いての約束を守るよう念押ししたのは、それを裏付けるものだ。
 先の英文報道が述べた「ピレウス港は貿易のハブとなる」という
主旨の首相発言は、中国語でも報道されている。同じ新華社だが、
中国語の報道は、チプラス首相が「ギリシャは中国が欧州に入る重
要な門戸である」ことを強調したとしている。「ギリシャが中国に
とって戦略的に重要である」という主旨に替わっているところが興
味深い。
 中国が、陸と海のシルクロードの地理的終点とするのはヨーロッ
パであり、大西洋である。中国の貿易・投資等の経済活動がヨーロ
ッパに展開する拠点として、ギリシャは格好の位置に存在している。
 中国の陸と海のシルクロードは、それぞれまっすぐな一本の路で
はない。東南アジア、南アジア、中東、ヨーロッパの複数の地点で
交わっている。陸路と海路、すなわち内陸部と港をつなぐのは、鉄
道であり高速道路である。海上輸送路だけでなく、中国の鉄道建設
においても、ギリシャは重要な位置を占めるのだ。
 また、世界地図を見れば、ピレウス港が、地中海に艦隊を展開す
る際の優良な拠点となり得ることが理解できる。中国は、経済活動
の展開には、その保護のために軍事力の展開を伴う必要があると考
えている。実際に軍事プレゼンスを示すのが海軍だ。中国海軍はそ
のための準備を進めている。中でも重要なのが、水上艦艇部隊の統
合と機動化である。
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全人代2015)人民銀総裁「年内にも」 中国の預金金利自由化
2015年3月13日05時00分asahi
 中国の中央銀行、中国人民銀行の周小川総裁(67)は12日、
「年内に預金金利を自由化できる可能性は非常に高い」と述べ、金
利自由化に向けた改革を完成させる意欲を示した。在任12年の周
氏を巡っては交代説もささやかれるが、中国経済が難所にさしかか
る中で「ミスター人民元」を退陣させにくい事情もある。
 周氏…
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アングル:中国に業界再編の波、国有企業肥大化の懸念も
2015年 03月 12日 14:11 JST
[北京/香港 11日 ロイター] - 中国政府は自国産業の世界的
な競争力を高めるため、さらなる業界再編に取り組む方針だ。国有
企業を効率化させる狙いもあるが、一方で有力企業の肥大化が進む
との懸念も出ている。
李克強首相が全国人民代表大会(全人代)での政府活動報告で打ち
出したのは「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」。国
外での鉄道敷設や原子力発電所の建設など、主要産業の振興に注力
し、国際的に競争力のある巨大企業を誕生させる取り組みの一環だ。
中国の家電大手、TLC集団の李東生・最高経営責任者(CEO)
は「規模と強みがなければ、国際化はかなり難しい」と話す。3月
中の発表が見込まれる再編計画には、国の保有株式を管理する資産
運用会社の設立をはじめ、政府がコントロールする企業に民間から
の投資を認めることや、業績連動型報酬の導入など、幅広い施策が
盛り込まれると専門家はみている。
中国景気が鈍化する中、国有企業の効率化は重要課題で、「2025
」戦略はその取り組みの一環だ。政府は、エネルギーや運輸、国家
安全保障に関係する企業など戦略上重要な産業の管理を強化しつつ
、それ以外については株式売却や上場を通じて管理の手を緩める方
針。
調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの調査部門幹部、アンドリュー
・バストン氏は「中国は世界的に競争力のある企業を誕生させるこ
とを狙っている。企業規模の拡大を進めることが、それを達成する
ための1つの手段だ」と述べた。
<造船、エレクトロニクスなどで再編加速か>
最近の流れとして原子力や鉄道の分野での合併が顕著になっている
が、その他の製造業セクターでも再編が加速する可能性がある。
李首相が「2025」戦略を宣言した同じ日に、資産管理当局が大
手鉄道車両メーカーの中国北車(CNR)と中国南車(CSR)の
経営統合を承認。両社の合併は12月に公表されていた。
2月には中国電力投資と国家核電技術公司(SNPTC)が合併を
模索していることが明らかになった。アナリストによると、総資産
は960億ドル超という。
中信証券(CITIC証券)のチーフエコノミスト、Zhu Jianfang
氏は「中国にとっての再編は、世界的な視野から捉えられるべきだ
」と述べ、様々な業界でさらに再編が行われるとの見方を示した。
業界の専門家によると、造船、エレクトロニクス、建設の分野での
合併が見込まれる。業界関係者や現地メディアの報道によると、既
に中国船舶工業集団(CSSC)と中国船舶重工集団(CSIC)
の合併計画が進行中だ。
北京を拠点とする長盛基金管理のポートフォリオ・マネジャーは現
在進められる国有セクター改革で恩恵を受けるとみられる企業を積
極的に模索することが最優先事項の1つになっていると明らかにし
た。安徽省や上海などにある国有企業の多くが今後、親会社からの
資産注入を受けるか、上場する可能性があるという。
<疑念を抱く業界幹部も>
ただ、国家主導の合併で、世界的により競争力のある国有企業が誕
生するとの見方に疑念を抱く業界幹部もいる。これまでの10年で
、低利の融資や助成金により有力な国有企業が肥大化し、効率化を
犠牲にした事業拡大が行われたからだ。
中国の石油・ガス分野の専門家は、一部で資産統合の動きが見られ
る可能性は認めつつも、先月、国外で伝えられた中国石油天然気集
団(CNPC)と中国石油化工(シノペック)の合併観測について
は否定した。そうした合併はコントロールできない程巨大な独占企
業を誕生させ、中国の消費者が不利益を被ることになる、と指摘し
た。
(Matthew Miller記者、Charlie Zhu記者;翻訳 青山敦子;編集 加藤京子)
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中国新疆イスラム衣装禁止を検討 ウイグル族の反発必至
2015年3月12日 13時43分
 【北京共同】12日付の中国の英字紙チャイナ・デーリーによる
と、新疆ウイグル自治区の議会は、顔や頭を布で覆うイスラム教徒
の衣装の着用禁止などを盛り込んだ過激な宗教思想を取り締まる法
令案の提出を検討している。同自治区の高級人民法院(高裁)の院
長が明らかにした。
 自治区では、ウイグル族女性が宗教上の理由で頭にかぶるスカー
フの着用禁止をめぐってたびたび治安当局と住民との衝突が起きて
おり、法令で禁じられればウイグル族の反発が強まるのは必至。
 院長は「過激な宗教思想は自治区の最大の問題の一つであり、法
に基づいて処理されなければならない」と強調した。
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中国の工業生産と消費 減速鮮明に
3月11日 18時38分NHK
中国では、ことし1月と先月の工業生産がおよそ6年ぶりの低い伸
び率となったほか、消費の伸び率も9年ぶりの低い水準となり、中
国の内需の弱さを示しているという見方が広がっています。
中国の国家統計局は、旧正月の春節の時期が年ごとに異なる影響を
考慮して、生産と消費の統計は1月と2月の分をまとめて1つの指
数として発表しています。
それによりますと、ことし1月と先月の工業生産は前の年の同じ時
期に比べて6.8%の増加となり、去年12月より1.1ポイント
低下し、リーマンショック後の2008年12月以来、およそ6年
ぶりの低い水準となりました。これは不動産市況の低迷でマンショ
ンなどの在庫が高止まりするなか、ガラスの生産が落ち込んだこと
などによるものです。
また、ことし1月と先月の小売の売上高は前の年の同じ時期に比べ
て10.7%の増加となり、規模の大きな飲食店の売り上げの伸び
悩みや、原油価格の下落でガソリンが値下がりしたことなどから、
伸び率は、去年12月より1.2ポイント低下して、9年ぶりの低
い水準となりました。
中国では、先月、輸入が4か月連続で前の年より減少したほか、企
業が製品を出荷する際の値動きを示す指数も5年4か月ぶりの大幅
な落ち込みとなるなど、生産と消費の伸び悩みが鮮明になっていて
、内需の弱さを示しているという見方が広がっています。
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焦点:中国原発輸出、問われる「メード・イン・チャイナ」の信頼
性
2015年 03月 11日 14:53 JST
[香港/北京 10日 ロイター] - 原発輸出大国を目指す中国が
、「信頼性」という大きな課題に直面している。求められているの
は、まず国内で独自の原子炉を建設し、安全に運転できると証明す
ることだ。
30年に及ぶ経済発展の中で獲得した外国の技術に支えられ、中国
では世界最多となる原子炉が建設され、独自開発した原子炉の輸出
計画も進んでいる。
李克強首相は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相
当)で、主要な原発プロジェクトを含め、幅広い先進業界で世界シ
ェアを高める目標を掲げた。製造業の発展に向けた「中国製造(メ
ード・イン・チャイナ)」計画だ。
先月には独自モデルの原子炉「華龍一号」をアルゼンチンに輸出す
ることで基本合意。しかし、国営メディアが同モデルの「初航海」
と表現したにもかかわらず、中国国内ではまだ華龍一号は1基も建
設されていない。世界市場に原子炉を出荷できるのか、中国の輸出
能力に懐疑的な見方が強まっている。
中国の国家核電技術公司(SNPTC)でシニアエキスパートを務
めるシュー・リェンイー氏は「われわれの致命的な弱点は、管理基
準があまり高くないことだ。国際基準とは大きな差がある」と話す。
米ウエスチングハウス(WH)の技術を取り入れるために設立され
た国家核電は、最終的に世界市場をターゲットとする別の原子炉を
開発しようとしている。
中国は20年以上にわたり国内で原子炉を運転しているものの、い
ずれも海外で設計されたもので、独自技術の信頼性を輸出先に示す
必要がある。鉱業といったその他の分野では業界基準や安全性に好
ましくない印象があるため、なおさらこうした信頼性が必要だ。
アモイ大学エネルギー学院の李寧院長によると、福建省における中
国初の華龍一号プロジェクトは、今年着工し建設が順調に進んでも
2020年までに完了しない可能性があるという。
<「最高の安全性基準」>
中国は、2011年の東日本大震災に伴う原発事故を受けて1年に
及ぶ安全性見直しを行った後、新規原子力プロジェクトの承認ペー
スを遅らせている。華龍一号や、将来の輸出を視野に入れた別の国
産モデルである「CAP1400」といった「第3世代」原子炉を
利用し、「最高の安全性基準」にこだわると表明している。
ウエスチングハウスから移転される技術をベースとするため、CA
P1400のローンチは浙江省で行われているウエスチングハウス
の第3世代原子炉試験の動向に左右されるが、この試験は技術的な
問題のため3年遅れとなっている。
一方、ここへきて原発の新設に乗り出す動きも見せている。国営新
華社は10日、遼寧省の紅沿河原発で、1ギガワットクラスの原子
炉2基を増設することが認められたと報道。福島の原発事故後に原
発の新設が認められたのは中国では初めてで、独自開発した第3世
代原子炉「ACPR1000」を採用するという。
知的財産と金融資源を結集し国を挙げて世界市場に打って出るため
、中国政府は国内の合併も促している。



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