ロシア軍の問題点がだんだん、明らかになっている。見通した通り である。正規軍は、これ以上の犠牲者を出したくないので、これ以 上のウクライナ東部での戦争をしたくないが、非正規軍(内務省特 殊部隊やチェチェン特殊部隊)は、多くの犠牲者を出したので、ウ クライナ南部・東部の親ロ派への支援を強化し、支配地域をルガン スクとドネツク全土に広げるよう、要求する。 この正規軍と非正規軍の対立が出て、非正規軍の一部がロシア野党 指導者のボリス・ネムツォフ氏を暗殺したのである。この非正規軍 をサポートするのが、ロゴジン副首相であり、ウクライナ東部で積 極的に領土拡張を推進していた。 この裏には、チェチェン特殊部隊は雇用兵的であり、戦争がないと 雇用が保証されないことがバックにある。欧米やロシアツディでも 現地の親露派兵士へのインタビューで、チェチェン紛争から転々と 紛争地を転戦していることが分かっている。 この非正規雇用兵たちの不満が大きくなっているようである。次の 戦争地域を作り、そこに転戦させないと、ロシアが安定しない構造 になっている。チェチェン紛争を解決したことによる問題が出てい るようだ。 しかし、こんなに予想通りの展開になるとは、ビックリである。 さあ、どうなりますか? ============================== アングル:ロシア野党指導者暗殺、プーチン政権内の亀裂浮き彫り 2015年 03月 13日 14:42 JST [モスクワ 12日 ロイター] - ロシア野党指導者のボリス・ネ ムツォフ氏の暗殺事件からほぼ2週間。事件の背景や「黒幕」につ いては依然、謎に包まれたままだが、事件をきっかけに、プーチン 政権内部の亀裂が浮き彫りになっている。 政権内部で何が起きているのか、外部からはうかがい知れない。た だネムツォフ氏に近い筋は、政権内のある一派が事件を利用して、 大統領に不満を持っていることを知らしめようとしている、と話し ている。 ネムツォフ氏の弁護士のヴァディム・プロホロフ氏は、ロイターに 対して「プーチン大統領にとっても、事件は寝耳に水で、恐怖を感 じているのかもしれない。クレムリンに近い場所での暗殺が可能と いうことは、(大統領の)車列への攻撃も可能、ということになる 」と述べた。 プーチン大統領が今週、何の説明もなしに、カザフスタン訪問をキ ャンセルしたことで、憶測は一段と広がっている。カザフの政府当 局者の1人は、体調不良のためだと述べたが、クレムリンによると 、プーチン大統領の健康状態は良好で、通常どおり執務を行ってい るという。 プーチン政権内で、誰がどの派閥に属しているのか、そもそも派閥 が存在するのかについて、確かなことは言えない。プーチン政権内 に主張の異なるグループがあることは、誰も公式には認めていない からだ。 ただアナリストは、チェチェン共和国のカディロフ首長と、大統領 の最側近である治安当局者との間に、深刻な対立があると指摘する。 <国内ではプーチン大統領「弱腰」批判も> プーチン政権内で不穏な動きを見せているのはナショナリストだ。 ロシアによるウクライナへの介入は西側諸国の怒りを買ったが、ロ シア国内では、プーチン大統領は弱腰だと不満を持っている向きも ある。 ロシアでは、ウクライナ南部・東部の親ロ派への支援を強化し、支 配地域をルガンスクとドネツク全土に広げるよう、要求する声が強 い。 ウクライナ東部の親ロシア派の間でよく知られているロシアの指揮 官、イゴール・ギルキン氏は1月、ロシアのインターネットTVと のインタビューで、プーチン大統領の側近を「西側寄り」だと批判 した。 ロイターの記者は昨年12月、プーチン大統領に質問した。ウクラ イナ危機やロシア経済悪化による圧力が高まるなか、宮殿クーデタ ー(支配者の側近によるクーデター)が起こるリスクを感じている かと。 大統領は「宮殿がないため宮殿クーデターは起こりえない。大統領 の正式な居住地はクレムリンであり、警備に怠りはない」と強調し た。 (Christian Lowe記者、Jason Bush記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子) ============================== ロシアのプーチン大統領は健康、報道官が体調不良説を否定 2015年 03月 13日 01:31 JST [モスクワ 12日 ロイター] - ロシア大統領報道官は12日、 プーチン大統領は健康だと述べ、体調不良説を否定した。 ペスコフ報道官はロイターの電話取材に対し、プーチン大統領は健 康だとし、「大統領は常に会議の予定がある。今日も明日も会議の 予定があるが、どれがマスコミに公開されるかはわからない」と述 べた。 プーチン大統領は11日、予定されていたカザフスタン訪問を延期 。大統領府は体調不良が理由との報道を否定しているが、国内メデ ィアは、プーチン大統領は今月5日のイタリアのレンツィ首相との 会談以降、テレビのライブ画像に登場していないなどと報道。11 日に予定されていた南オセチア代表団との会合も18日に延期され ており、健康不安説が出ている。 ただロシア金融市場に大きな影響は出ておらず、ルーブル相場はや や強含んで推移している。 62歳のプーチン大統領は2012年にも健康不安説が取り沙汰さ れた。 ============================== プーチン大統領、健康不安?=1週間姿見せず−ロシア 【モスクワAFP=時事】ロシアのプーチン大統領が1週間にわ たり公の場に姿を見せず、インターネット上などで健康不安への臆 測が広がっている。ほとんど休暇も取らず、「強い指導者」のイメ ージを強調するプーチン大統領だけに、ペスコフ大統領報道官は12 日、ラジオ局「モスクワのこだま」で「体調は万全で心配ない」と 述べるなど火消しに努めた。 プーチン大統領は5日にイタリアのレンツィ首相と会談した後、 公式の場に現れていない。今週はカザフスタン訪問を延期したほか 、グルジア北部の親ロ派分離独立地域、南オセチアの指導者との会 談も中止。連邦保安局(FSB)の会合にも姿を見せなかった。 (2015/03/13-06:24)