5293.原油価格の動向



原油価格が今後、上昇するという評論が多いが、どうも違うようで
ある。サウジアラビアは、原油市場での供給調整の役回りは米国産
シェールオイルに押しつけ、自らは生産量を維持して、シェール・
オイルの減産を待ち、シェールオイルが少なくなったら、価格は上
がると見ていた。多くの評論家も同様である。

しかし、事実は、米国ではシェール油田の新規開発が減少するなか
、生産量は過去最高の水準が続き、価格が上昇するための供給量の
減少には結びついていない。

過去最多に達していた米国のリグ(掘削装置)稼働数が減少し、石
油会社は少なくとも計400億ドル(約4兆8000億円)の支出削減計画
を発表したが、スイスのUBSや米バンク・オブ・アメリカ(BO
A)、ドイツのコメルツ銀行は原油価格が下落に転じると予測した。

しかし、ヘッジファンドは原油先物に対し、ここ7カ月で最も強気
な姿勢を示している。これが影響して、16日の原油先物相場では
、北海ブレントが1バレル=62ドル付近に上昇している。

リグの減少で開発会社の要員のリストラは拡大しているが、シェー
ル石油会社の倒産はない。いうより、生産量が拡大している。

どうも、シェール技術が発展して、1つの井戸からくみ出せる原油
の量が拡大したことと、イーグルフィールド、バーミアン盆地の優
良な産地に開発を集中させている。

このたえ、現時点のオイルシェールの1バーレルのコストは、30
ドルから40ドルに下落しているという。

この影響で、米国のオイルシェールの産出量が下がらないことで、
原油価格は、今後10年程度は上がることはなく、40ドル以下に
下落の可能性もあるようだ。

この影響を受けるのは、サンドオイルやオリノコ川の重質油である
可能性で出てきた。この開発は今後中止になるのではないかと見る。

日本にとっては、良い方向であるが、さあ、どうなりますか?


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米シェールにしぶとさ 原油安で減産進まず(真相深層) 
2015/2/25 3:30日本経済新聞 電子版
 原油価格の低迷が続いている。米国指標のWTI(ウエスト・テ
キサス・インターミディエート)は1バレル50ドル前後で推移。値
下がりに歯止めがかかってきたものの上昇に勢いはない。焦点とな
る米国ではシェール油田の新規開発が減少するなか、生産量は過去
最高の水準が続く。浮かび上がるのはシェールオイルの意外なしぶ
とさだ。
 米石油産業の中心地、テキサス州がレイオフ(人員整理)に揺れ
ている。1月上旬、同州でシェー…
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供給調整役、今やシェール=石油製品輸出で変化に対応−サウジ
 【ロンドン時事】原油価格急落にもかかわらず、石油輸出国機構
(OPEC)は昨年11月の総会で減産を見送った。OPECの盟
主として、かつて「石油ショック」を演出したサウジアラビアだが
、原油市場での供給調整の役回りは米国産シェールオイルに押しつ
け、自らは生産量を維持。その上で付加価値の高い石油製品の輸出
拡大で市場の変化に柔軟に対応しようとしている。
 サウジの産油量は2014年で日量約970万バレルと、OPE
C内では2番手のイラクの約3倍。「OPECの戦略はサウジの戦
略」(英専門家)と言えるほど、OPEC内で絶大な力を持つ。O
PEC減産見送りにより、サウジは市場シェア維持を図るとともに
、生産拡大が続く米国産シェールオイルの減産を促した格好だ。
(2015/02/22-19:26)
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原油は下落に転じるとの見方−米増産継続で供給過剰拡大か
  (ブルームバーグ):上昇している原油価格は下落に転じると
、スイスのUBSや米バンク・オブ・アメリカ(BOA)、ドイツ
のコメルツ銀行は予想している。米国での増産により世界の供給過
剰が膨らむためと説明している。
過去最多に達していた米国のリグ(掘削装置)稼働数が減少し、石
油会社は少なくとも計400億ドル(約4兆8000億円)の支出削減計画
を発表。ヘッジファンドは原油先物に対し、ここ7カ月で最も強気
な姿勢を示している。このため北海ブレント原油先物は今月に入っ
て、強気相場入りした。3行のアナリストらは、これらの要因はい
ずれもブレント原油価格が現在の1バレル=約61ドルから3カ月以
内に45ドル以下に下落することに歯止めをかけないと予想している
。価格は1月13日に45.19ドルまで下げた。
UBSのアナリスト、ジョバンニ・シュトーノボ氏(チューリヒ在
勤)は、「原油価格には再び下押し圧力がかかるはずだ」と指摘。
「生産はさらに増加する可能性が高く、在庫は引き続き拡大するだ
ろう。このため、今年上期(1−6月)は供給過剰の状態が続く」
との見通しを示した。同氏はブレント原油価格が向こう3カ月間に
40ドルに下落すると予測している。  
更新日時: 2015/02/18 10:02 JST
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北海ブレント上昇、リビア戦闘激化や供給減見通しで
2015年 02月 17日 06:08 JST
[ロンドン 16日 ロイター] - 16日の原油先物相場では、北
海ブレントが1バレル=62ドル付近に上昇している。リビアでの
過激派組織「イスラム国」との戦闘激化をめぐる懸念に加え、今年
下期に原油供給量が減少するとの観測が支援している。
エジプト軍は同日、イスラム国がリビアで拘束されたエジプトのキ
リスト教の一派、コプト教徒21人を殺害したとみられる映像を公
開したことを受けて、リビア国内のイスラム国拠点を空爆した。
クウェートのオメール石油相が、供給量の減少に伴い、原油価格の
反発が2015年下半期まで続くとの見通しを示したことも追い風
となっている。
1257GMT(日本時間午後9時57分)時点までに、北海ブレ
ント先物LCOc1は0.41ドル高の1バレル=61.93ドル。
米原油先物CLc1は0.20ドル高の同52.97ドルで推移してい
る。
ただ米国がプレジデンツデーの祝日で休場のため、商いは低調とな
っている。
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米「新規原発」が苦悩する、建設遅延と大幅な予算超過
2015.2.9 MON wired.jp
BY JOHN TIMMER
34年ぶりに新規原発認可へと舵を切った米国だが、新規原発の建設
は遅延と大幅な予算超過とに苦しんでいる。天然ガス価格の低下や
、進む再生可能エネルギー導入も逆風となっている。
米国では、廃炉予定時期を過ぎた多くの原子炉の運転期間が延長さ
れているが、一方で、天然ガスの価格低下が、一部原子炉の閉鎖を
後押ししてきた。
米国が現在の原子力発電量の規模を維持するには、新しい原子力発
電所を建設して運転を開始する必要がある。しかし、地元の反対と
、大幅な予算超過を受けて、電力会社はほかのエネルギー源に関心
を向けており、米国ではこの数十年間、新規原発が建設されていな
い。
だが最近になって、オバマ政権はいくつかの新規原発を認可した。
現在、5カ所で建設が進められている。これらの原発は、1970年代に
原発建設の幕を閉じさせた諸問題を、現代の原子炉設計と建設技術
の向上で克服できるかどうかを初めて示すものとなる。
ただしこれまでのところ、状況は芳しくない。ジョージア州ヴォー
グル原子力発電所を所有するSouthern社は、2012年2月に、米国では
34年ぶりになる新規原子炉2基の建設認可を受けた(東芝のグループ
会社Westinghouse Electric社が開発した新型加圧水型軽水炉「AP1000」
で、3号機は2016年後半、4号機は2017年後半の運転開始が目標だった)。
しかし、現在その建設は遅れており、Southern社は、原子炉建設の
事業主体であるWestinghouse社やChicago Bridge & Iron社との訴訟
に巻き込まれている。
Southern社が今回、さらなる遅延を発表したことから、事業計画は
1年半以上先延ばしになる。その結果生じる融資延長による費用は、
7億ドルを超えると見られる。
AP通信の記事で指摘されているように、ヴォーグル原発と設計が似
ているサウスカロライナ州の原発も、遅延と、巨額の予算超過に陥
っている。天然ガスや再生可能エネルギーなどの競合する電力源は
、安定した費用でもっと急ピッチで導入できることを考えると、米
国の原子力業界は今後も低迷が続きそうだ。
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米1月人員削減予定数は急増、エネルギーが4割占める --- 安田 佐和子
2015年02月06日12:47agora
米1月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比17.6%増の5万
3041人だった。過去6ヵ月間で3回目の増加となり、2013年2月(5万
5356人)以来の高水準。2014年12月からは、62.5%増加している。
原油安を背景に、人員削減予定数のうち40%はエネルギー関連が占
めていたという。
4大地域別では、3地域が増加。西部が前月比196.5%増の3万1575人
だったほか、南部も21.4%増の8060人となる。シェールブームの恩
恵を受けた州を含む地域での減少が目立つ。東部は32.4%増の8205
人。中西部のみ43.2%減の5201人だった。
シェールブームは、西部と南部が中心。
各地域の産油量は産油国を上回るほど。
発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョ
ン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、1月の結果を受け「
原油関連の人員削減がセクターは採掘・探索の分野を巻き込んだと
みられる」と指摘。米経済はシェールブームに乗って拡大してきた
ものの、今後は原油安に伴う雇用減少が打撃となり「小売をはじめ
建設、外食、娯楽などあらゆるセクターで大幅な人員削減をもたら
す可能性がある」と悲観的な見方を寄せた。2014年12月に示した「
2015年は職探しに良い機会となり、新しく就いた仕事の確保にも安
心感が高まる」とのスタンスから、一変させている。
人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はエネルギーで2万193
人だった。足元で油田サービスのシュルンベルジェが9000人、ベー
カー・ヒューズも7000人、2位はホリデー商戦明けの小売で6699人が
入り、JCペニーやウェット・シールが押し上げている。3位は金融で
5375人となった。
採用予定人数は8774人と、2014年12月の7332人から増加した。ただ
し、足元は2ヵ月連続で1万人割れにとどまる。1位は前月と同じく自
動車で2035人。ガソリン価格の下落を背景に米1月新車販売台数が好
スタートを切ったように、順調なペースを保った。2位輸送で1500人
、3位は通信で1050人だった。なお小売は2014年9−10月の2ヵ月連続
で1位、11月も1200人で4位だったものの、前月に今回も0人に終わっ
た。
??以上、人員削減予定件数はやっぱり原油安の影響を色濃く映し出
しました。石油メジャーはそろって設備投資を削減するなか、再編
・効率化を目指し雇用を削減させてもおかしくありません。シュル
ンベルジェなどに続き、ウェザ?フォード・インターナショナルも本
日5000人のリストラを発表。米新規失業保険申請件数は足元で堅調
なペースを維持するものの、ラグを伴って顕示化しそうです。
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原油底割れの恐怖薄れ「世界同時株高」、景気刺激への期待好感
2015年 02月 4日 16:52 JST
[東京 4日 ロイター] - 原油価格のリバウンドが好感され、市
場に活気が戻ってきた。底割れの恐怖がいったん後退したことで、
海外勢がリスク資産などにショートカバーを入れやすくなっている
という。原油価格は反発したとはいえ、水準は昨年の半額程度。
景気刺激効果も依然として期待できるという理想的な展開に、世界
同時株高の様相となっている。
<「ようやく底入れ」の声>
原油価格下落は世界景気にとってトータルで見ればプラス。この見
方が、株高として表れにくかったのは、価格底割れの恐怖が消えな
かったためだ。原油急落によって損失を被った市場参加者による益
出し売りへの懸念が、投資家のリスク選好を押さえ込んでいた。
だが、米原油先物CLc1は前日まで4営業日連続で上昇。一時54.
24ドルまで反発し、1月安値の43.58ドルから約24%の急
速リバウンドとなっている。底割れの恐怖におびえていた市場でも
「ようやく底入れ」(国内投信)との声が広がってきた。
原油価格の持ち直しを好感し、3日の米ダウ.DJIは305ドル高。
4日の日経平均.N225も一時、400円を超える大幅高となり、株高
が世界的に広がった。東証1部売買代金は2兆8072億円と今年
1番の大商い。「海外短期筋を中心としたショートカバーが入って
いる」(大手証券トレーダー)という。
原油反発の理由は、1)米国内の石油掘削リグ稼動数の大幅減少、
2)国際石油大手の投資計画縮小、3)米商品先物取引委員会(C
FTC)などにおける投機ポジションの縮小、4)ドル高の一服──
などが挙げられている。昨今の急落でチャート的にも自律反発しや
すい状況にもあった。
ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩
孝氏は「生産調整による需給改善にはしばらくかかるため、原油価
格が一気に60─70ドルに反発するのは難しいが、オーバーシュ
ート気味だった市場の動きが、リグ減少などの材料を織り込む形で
ようやく落ち着きつつある」と話す。
<現水準なら景気にもプラス>
ただ、原油価格の下落は「逆オイルショック」によるマイナス効果
もある半面で、コスト減を通じた景気押し上げ効果もある。原油価
格が反発すれば、このプラス効果は薄れてしまうことになる。唯一
好調だった米経済までもが減速し始める中で、今度はこちらの警戒
感が高まってしまう。
ソシエテ・ジェネラル証券東京支店・チーフエコノミストの会田卓
司氏は現在の原油水準ではプラス効果の方が大きいと指摘。「原油
価格が反発したといっても昨年の半額水準程度。このままの水準が
続けば、景気の押し上げ効果は今年後半にかけて大きくなり、米経
済をけん引役としてグローバル経済も持ち直す」との見方を示す。
米原油先物は昨年6月の106ドル台と比較すれば、以前として半
額水準に位置する。リバウンドしても50─60ドルであれば、景
気押し上げ効果は大きいとみられる。
国際通貨基金(IMF)のシニアエコノミスト2人は昨年12月、
原油安に伴う来年の経済成長率押し上げ効果について、世界が0.
3─0.7%ポイント、中国は0.4─0.7%ポイント、米国は
0.2─0.5%ポイントとの見通しを示している。当時の原油価
格は1バレル55ドル程度だった。
<需給環境に変化なく不安定さ続く>
ただ、原油価格の動きは依然不安定だ。アジア時間4日朝の原油先
物市場で、米原油先物は一時2%超急落した。米石油協会(API
)がこの日発表した週間石油在庫統計で、前週の在庫が600万ド
ル以上積み上がっていたことが嫌気されたという。
需給環境が大幅に改善したわけではない。石油掘削リグなどが減っ
てきているとはいえ、供給過剰状態は続いている。資源国は原油か
らの収入を確保するために、価格が下落しているからといって減産
しにくい状態だ。サウジアラビアの態度変化をうかがわせるような
材料も特段見当たらない。
需要面でも中国などの需要は弱いままだ。「ネット販売など統計で
カバーされていない部分があり、GDPなどの数字上よりも中国の
景気は悪くない。ただ、環境対策で石炭などエネルギー関連の輸入
を減らしているようだ」とSMBC日興証券・投資情報室中国担当
の白岩千幸氏は指摘する。
石炭や鉄鉱石など原材料の世界的な需給を示すため、世界貿易の動
向を占う指標として注目が高いばら積み船運賃の国際市況を示すバ
ルチック海運指数.BADIは、1986年8月以来、約30年ぶりの低
水準に落ち込んでいる。
今回の原油価格のリバウンドはテクニカル的な自律反発の面も大き
い。原油安が世界経済を押し上げ、それによって原油価格が上昇す
る展開が訪れるまでは、不安定な原油相場に一喜一憂する展開が続
きそうだ。
(伊賀大記 編集:田巻一彦)
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ロシアの石油生産、15年もソ連崩壊後の最高水準付近となる見通し
2015年02月04日(水)13時34分
[モスクワ 3日 ロイター] - ロシアの石油生産は原油安と欧米
の経済制裁にもかかわらず、今年もソ連崩壊後の過去最高水準付近
を維持する見通しだ。石油会社関係者や当局者、アナリストが明ら
かにした。
ロシアは石油生産世界トップの座を当面維持する見込み。2014
年の同国の石油生産量はソ連崩壊後で最高となる日量1058万バ
レルとなった。北極圏を含む新たな油田が寄与した。
ウクライナ危機をめぐる欧米の経済制裁では、ロシアの大手石油会
社に対し、欧米メジャーの新規エリアでの開発支援凍結、借り入れ
制限が実施されている。ただ、今年に入ってこれまでのところ、ロ
シアの石油生産量は日量1066万バレルとほぼ前年並みとなって
いる。
インタファクス通信によると、ロシアのエネルギー省は2015年
の石油生産量について、前年並み、もしくは0.6%減になると見
込んでいる。
ズベルバンクCIBのアナリスト、バレリー・ネステロフ氏は「原
油価格が1バレル=50─60ドルのレンジにとどまれば、(ロシ
アの)石油生産は昨年の水準にとどまる可能性が高い」と指摘した。
ルクオイル、スルグトネフチェガスといったロシアの石油大手はロ
イターに対し、今年の石油生産について削減する計画はないと明ら
かにした。
ロシアの政府系天然ガス大手ガスプロムの石油部門、ガスプロムネ
フチは3日、今年の石油生産の伸び率が昨年の6%よりも拡大する
との見通しを示した。
ロシア最大手の石油会社ロスネフチはコメントを拒否した。
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NY原油、53ドル台に急伸
 【ニューヨーク時事】3日のニューヨーク商業取引所(NYME
X)の原油先物は、ドル安による割安感や供給逼迫(ひっぱく)観
測から急伸した。米国産標準油種WTIは前日終値比3.48ドル
高の1バレル=53.05ドルで取引を終了した。終値としては昨
年12月31日以来、約1カ月ぶりの高水準。(2015/02/04-08:39)
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原油価格揺るがすシェール革命、「2020年には衰える」(1)
2014年12月04日10時24分 [? 中央日報/中央日報日本語版] 
米テキサス州南東部のある鉱区で労働者らがシェールガスを採掘す
るため掘削管を打ち込んでいる。   世界のエネルギー市場を揺るが
している「シェール革命」がこれまでの見通しと異なりそれほど長
くは続かないだろうとの分析が出てきた。米国政府の生産量予測が
誇張されたという理由だ。 
  世界的な科学ジャーナル「ネイチャー」電子版は4日、米テキサ
ス大学研究チームの最新の研究結果を引用し、「米国のシェールガ
ス上位4地域の生産量は2020年をピークに減少に転じるだろう
」と予想した。これは「2040年までシェールガス生産は拡大を
続けるだろう」としていた米エネルギー情報局(EIA)の見通し
と異なる結果だ。 
  シェールガスは泥が積もって作られた堆積岩(シェール)の中に
広く溶け込んでいる。このため垂直に穴を掘る従来のボーリング方
式では抜き取ることができない。そこで管を水平に入れ、水と砂、
化学薬品を高圧で噴き出してシェールを壊した後にガスやオイルを
抽出する水圧破砕法を使う。 
  別名フラッキングと呼ばれるこの技術は1990年代に開発され
たが、多くのコストがかかり歓迎されなかった。だが、原油高状態
が続くと多くの業者が開発に参入した。特に米ウェストバージニア
州からペンシルバニア州、ニューヨーク州にまたがるマーセラス、
テキサスのバーネット、アーカンソーのファイエットビル、ルイジ
アナ州とテキサス州の境界のヘインズビルのガス地帯にガス井が集
まっている。これらは米国のシェールガス生産の3分の2を占め、
「ビッグ4」と呼ばれる。 
  これらが主導した「シェール革命」により、中東産ドバイ原油基
準で6月に1バレル当たり110ドルを超えた原油価格はわずか5
カ月後の先月末には70ドル以下に急落した。耐えられなくなった
石油輸出国機構(OPEC)が最近米国のシェールエネルギー会社
を枯死させるために“価格戦争”に突入したほどだ。	
  これに先立ち米国政府はこうしたシェール革命が相当期間続くと
の見通しを示した。EIAは今年のエネルギー見通しで地域別の見
通しを別に出さなかった。だが、ネイチャーは、「EIAがビッグ
4は生産量が急速に増え2020年以降は停滞期を迎え、残りのガ
ス地帯は成長を維持するとみている」と伝えた。ゴールドマンサッ
クス、ウッドマッケンジーなど世界的コンサルティング会社の見通
しもEIAと同じだ。 
  だが、3年間ビッグ4のシェールガス層を研究してきたテキサス
大学のタッド・パツェック石油・地球システム工学部長はこうした
見通しを「とても楽観的」と批判した。彼が挙げた問題点は大きく
2種類だ。 
  最初に、分析の枠組みが細かくない。EIAは各ガス地帯を行政
区域別に分けて平均生産性を計算した。1000平方キロメートル
を超える地域をひとつの単位として見たりもした。この程度の面積
なら長さ1キロメートルの水平ガス井が数千個ある。これらの平均
生産性を正確に分析するのは容易ではない。これに対しテキサス大
学チームは各ガス地帯を1平方マイル(2.6平方キロメートル)
単位で細かく分けて分析した。EIAより平均20倍は精密だ。 
  2番目に、いくらシェールガスが多く埋蔵されていても経済性が
ある採掘候補地は多くない。生産コストが多くかかるフラッキング
技術を使うためだ。テキサス大学チームはボーリングが困難な湖の
下や大都市周辺は未来開発候補地から除外した。実際に2日のロイ
ター通信の報道によると米国のシェールガス採掘許可は10月の
7227件から先月は4520件に急落した。1カ月間に37.45
%減ったのだ。司空壱(サゴン・イル)世界経済研究院理事長は、
「シェールガスはベンチャー企業水準の企業が主に生産する。彼ら
が価格下落に耐えられず開発を断念している」と話した。 
  これに対しEIAはテキサス大学チームよりはるかに多くの鉱区
がさらに開発されると予想した。専門家らは米国発のシェールガス
革命が思ったより早く終わるなら米国だけでなく世界のエネルギー
市場がまた1度大きく揺れ動くと懸念している。	













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