5289.資本主義の終焉と歴史の危機



きまじめ読書案内 水野和夫著 資本主義の終焉と歴史の危機
From: tokumaru
みなさま

東京管理職ユニオンの機関紙「ファイティング・ポーズ」に書評を
書いてみましたのでお届けします。

得丸

きまじめ読書案内      得丸久文 
水野和夫著「資本主義の終焉と歴史の危機」集英社新書

 資本主義とは、お金がそれ自体で価値を生み出すとする考えであ
る。お金そのものは本来交換と保存の道具であったので、金利や配
当といった制度が資本主義の根幹にある。

 歴史的にお金がお金を生み出せたのは、希少価値をもつ物資を遠
隔地から運んでくることや、鉱物や森林や野生動物といった自然資
源を略奪して経済内部に取り込んだことで生まれた利益を、独り占
めした人々がいたためだ。地球という惑星の自然が略奪されつくす
と、この外部経済効果は薄れた。

 日本をはじめとする先進諸国で超低金利時代が続いていることを
、金利の専門家である水野和夫氏は、資本主義の終焉と分析する。
だが水野氏は本書で、この20年日本において労働分配率が減少し続
けていること、会社が株主配当を増やしていることについては論じ
ていない。

 自然からの搾取が思うようにいかなくなった資本は、いまや労働
者の取り分を減らすことで生き延びるようになった。労働者派遣法
や下請けいじめは、資本主義を続けるためのなりふり構わぬ延命索
である。

 じつは日本の高度成長とオイルショック後のひとり勝ち状態を生
み出した「日本的経営」は、敗戦後の混乱期を、会社がお互いに株
を持ち合って、配当をミニマムにし、資本の経営参加を抑制してい
た。このためきまぐれな資本家に邪魔されない合理的な経営判断と
、高い労働分配率が実現していたのだ。

 それをウォルフレンら歴史修正主義者たちが分析して解体に追い
込み、外国人投資家たちが日本企業の株主となったことが、今日の
日本の会社経営の混乱の最大の要因といえる。

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STAP細胞
From: Kumon Kimiaki TOKUMARU

皆様、
今日会社の人と、帰りがけにビールを飲んだときの話題です。
 物理学博士の友人とビールを飲みながら、言葉の定義の話になった。

「STAP細胞には定義がない。定義がなければ、STAP細胞があるかないかも厳密
に議論できない。」

「最近、言葉の定義がない議論が多い。ビッグデータも定義しなければ、ビック
カメラとどこがどう違うのか正確にいえない。」

 私は昨年2月に小保方さんがネイチャーに投稿した論文を図書館でコピーして
読み、ジュースに漬けて、別のメスの子宮に戻した細胞はBリンパ球であり、そ
こでおきた活性化は二、三日しか続かなかったことを知った。

 インフルエンザに感染すると三日程熱が出るが、この間免疫細胞はそのウィル
スに最適化した抗体を試行錯誤で 作り続ける。このBリンパ球の「免疫二次応答
における体細胞超変異」現象とSTAP細胞は似ている。

 もしかしてSTAP細胞とはBリンパ球の体細胞超変異ではないかと今も思ってい
るが、STAP細胞の定義が明らかでないために、確認できないでいる。

得丸
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Re: STAP細胞
From: 山本
得丸さま、皆さま

小保方さんを犯罪者とすることで責任の所在を、理研から切り離そ
うの思惑が見え隠れしていてとても不快です。理研の運営体制が
どうであれ、最終責任は理研が負うのが当然ではないでしょうかね
。マスメディアもSTAP細胞有り無しの詮議を超えた見地で、問
題を多角的に捉えてもらいたいものです。
なお、小生、4月以降、非常勤顧問になり(ほゞ退職なのですが)
、来週あたりから出社しないことが多くなります。
したがって、連絡のメールは自宅のメールアドレスに代えていただ
ければと存じます。 

山本

5248.「資本主義の終焉と歴史の危機」2015.01.13得丸

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