5268.イスラム国と日本の対応について



イスラム国と日本の対応について
國井
年に入って、湯川遙菜、後藤健二の両名がISILに拉致されて以来、
持ち切りといったところである。
正確にいうと、湯川遙菜氏は8月に拉致され、同氏を探しに行った
後藤健二氏が10月に拉致されたということで、湯川氏が拉致され
ていることを公表されていれば、後藤氏は、探しに行くことはなか
ったはずである。

我々日本人が上記事実を知りえたのは、安倍首相が中東歴訪して、
イスラム国と戦っている国々に2億ドルの人道支援をすると表明し
た。そこで、ISILは、二名の人質解放に2億ドルを要求してきたの
である。
この時点で、われわれ日本人は、2名が拉致 されていることを知っ
たのである。
欧米人も多くが拉致監禁され、殺害されたり、身代金の支払いで解
放されたりしている。

ISILを言葉の限りを尽くして、非難をする。全く異議を挟む余地は
ない。内にあっても西洋のものであるサッカーを観戦したと13人
の少年を公開処刑をした。親たちは、報復を恐れて、遺体を引き取
れなかったと、もはや言葉もない。
話は逸れるが、ボコハラムは、少女の体に爆弾を巻き付け、自爆攻
撃をさせたのである。
私は毎日、胸が締め付けられている。

しかし乍、欧米は、如何なることをしてきたか。アフリカ、中東、
アジア、中南米 と植民地として、命を富を奪い
この世界を混乱に陥れてきたのである。この結果が出てきたのであ
る。

娘一家がサイパンへ行くというので、Wikipediaで検索した。

『1668年にイエズス会のサンヴィトレス神父を長とする伝道使節団
がマリアナ諸島のグアム島に来訪して以来、マリアナ諸島全域で住
民のキリスト教化が始まった。当初の布教は順調であったが、先住
民の習慣に干渉する神父たちに島民は反感を抱くようになり、1670
年1月にサイパン島で先住民による伝道師殺害事件が起きた。
この事件がその後十数年に及ぶスペイン=チャモロ戦争の発端とな
り、スペインは軍隊を派遣して先住民を虐殺した。』

植民地支配は、サイパンに限らず先ず、宗教(カトリック)で支配
がはじまるのが大方のようである。

十字軍の遠征も悲惨なものであったようである。
原爆投下のために飛び立つ兵士に神父は、祝福をしたとのことであ
る。

ルワンダの民族紛争も宗教が原因のようである。 
シュバイツァーは布教したが、現地の人に石を投げられたと聞く。

エリートという言葉は、聖書からきている のではなかろうか。
選民思想にあるのではなかろうか。
仏教の一切衆生悉有仏性とは大きく異なる。

私たち日本人は、係る歴史を背負った世界と付き合っていかねばな
らないが、一線を画すべきである。
国際社会に貢献していくには、これらの呪縛を解くと言うとおこが
ましいようにも思えるが、如何に貢献していくか、十分に考えねば
ならない。
安倍首相は、「イスラム国と戦っている国を支援する。」等という
ことは、とんでもないことである。

そもそもイスラム国といわれる地域は、原油をドルで取引しなかっ
たことで、大量破壊兵器を所有しているとでっち上げて、攻撃した
イラクと反政府組織に武器を供与したシリアに 存在するのである。
これらの事実さえも論じられないことは、問題である。
國井 明子 
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(Fのコメント)
湯川氏が拉致された時点では、報道されている。そして、イスラム
国の指導者と連絡が取れるハサン中田教授が外務省に、解放交渉の
前面に出ると提案したが、拒否されたという。

このハサン中田さんが日本の外務省から拒否されたので、後藤さん
が助けに行くことを決めたという。この一連の手順が外務省として
よかったのかどうかである。私の意見は間違いであると思う。

日本人を助けるのに、手段を選んでいられない状況にも関わらず、
外務省は、米国の非難を恐れたようである。

このため、最後まで日本の外務省は直接、イスラム国と連絡ができ
なったようだ。余りにもおかしいと思う。

欧米は安定している中東の独裁国リビア、イラクなどを崩壊させて
、安定を崩したのである。民主主義を広めるという目的は果たせず
に、イスラム国を作り、各地のテロ集団を作ったのである。

一神教の連中は、自分の考え方が絶対で、それ以外は邪教というの
で、その状況がどうなるかを考えない。このため、より悪い事態に
なってしまうのである。失敗しても撤退して欧米への憎悪だけが、
その地域に広まるので、より欧米に憎悪を持った集団が出てくるこ
とになる。自業自得である。

安倍首相は、イスラム国に代償を払わせるという言葉を使ったが、
どうするかでしょうね。安全保障の範囲をどこまでにするかの議論
をして基本法を作り、その基準で判断するべきであると思う。

今の日本は、何でもありと思われて、ずるずると国際紛争に引き込
まれることになる。日中戦争に引き込まれた通州事件(つうしゅう
じけん)と同じようなことになることを恐れる。

準備もなく、戦争に引き込まれるのは、非常に危ない。



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