5243.最強の“若返り薬”「NMN」



NHKの1月4日放映「ネクストワールド 私たちの未来(第2回)」で取
り上げられた最新治療の話は面白い。1つが、若返り薬NMNであり
、もう1つが東大の片岡一則教授の光応答性ナノマシンの話である。

ワシントン大学の今井眞一郎教授がNMNの効果を最初に発見した。
彼の行った実験では、糖尿病のマウスにNMNを一週間飲ませると、
マウスの血糖値が下がり、糖尿病が劇的に治った。そして、NMNに
より膵臓の機能が、回復したと見られている。

NMNとは、ニコチンアミドモノヌクレオチドという化学薬品であり、
7種類のサーチュイン遺伝子を、全て活性化させる物質であること
がわかった。

ということで、若返りの薬でもあり、今後、人に対する臨床実験が
開始されて、1年後には認可される可能性が高いという。この実用
化をしているのが、オリエンタル酵母工業ではすでにサイト上で研
究用試薬として製品番号が有り、研究者に売り出しているようであ
る。
http://www.oyc-bio.jp/products/view/nmn001

東大の片岡一則教授の光応答性ナノマシンは、ガン細胞だけに薬を
確実に届けるドラッグデリバリーシステムであり、治療が難しいと
されたすい臓がんなどですでに臨床実験が始まっている。

今後、ナノマシンが体の中に常にいて、人間の異常を監視するシス
テムを作るという。長生きをするためのもう1つの必要な病気をし
ないことが実現できることになる。

2015年時点で、将来の可能性が広がっていることが分かる。

さあ、どうなりますか?



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最強の“若返り薬”への可能性が開かれる 実験で明らかになった
「NMN」の重要性とは?
2013.12.23tocana
 誰にとっても時間は平等に過ぎていく。どれほどのお金や権力を
以ってしても、過ぎ去ってしまった時間を取り戻すことはできない
。体は歳を重ねるごとに衰え、病気にかかりやすくなり、残された
時間は刻一刻と……という、あらゆる生命が背負ってきた宿命が、
どうやら変化する可能性もありそうな発見だ。
 12月19日に「New Scientist」が掲載した記事によると、科学者の
チームが、ある方法によって、歳をとったネズミの老化を食い止め
、さらに若返らせることにまで成功したというのだ。
■そもそも、なぜ老化するのか?
 哺乳類の老化は、細胞の中にあるミトコンドリアと深いつながり
があると考えられてきた。ミトコンドリアとは、それ自身が独自の
DNAを持ち、呼吸を行うことで細胞にエネルギーを供給する役割を担
っているもの。しかし、哺乳類が歳を重ねるうちに、ミトコンドリ
アの機能は衰え、その結果としてアルツハイマー病や糖尿病にかか
りやすくなるといわれているのだが、ハーバード大学医学大学院の
アナ・ゴメス氏のチームによって、その詳しいメカニズムが明らか
になりつつあるようだ。
■老化の原因1=ミトコンドリアの衰え
 まず、ゴメス氏のチームは、生後6カ月の若いネズミと22カ月の年
老いたネズミの骨格筋の細胞内において、遺伝子情報を運んでいる
「メッセンジャーRNA」の値を比較した。その結果、若いマウスと年
老いたネズミでは、細胞核における「メッセンジャーRNA」の値には
それほど差がないことが判明する。ところが、それとは対照的に、
ミトコンドリアにおける「メッセンジャーRNA」の値は、歳とととも
に衰えていた。この時点で、ミトコンドリアの衰えこそが老化の原
因であることが確認された。
■老化の原因2=「SIRT1」の不足
 次に、このように対照的な値の変化を見せる物質が、もう一組発
見される。長寿に強く関わっているとされ、細胞内で、核とミトコ
ンドリア間の連携を促す仲介者的な役割の「SIRT1」というタンパク
質と、「HIF-1α(低酸素誘導因子)」というタンパク質だ。
 「SIRT1」が不足している年老いたネズミでは、逆に「HIF-1α」
が高い値を示すのだというが、「HIF-1α」の増加は、細胞の構成分
子の連携(核とミトコンドリアなど)に大混乱をもたらすのだとい
う。
 以上の結果は、細胞核とミトコンドリアとの間の連携は、「HIF-1α」
と「SIRT1」という2種類のタンパク質の量に左右されているという
事実を示している。細胞内の「SIRT1」の値が高く、核とミトコンド
リア間の連携が良好になされる限り、老化は抑えられるそうだ。
■老化の原因3=「NAD+」の不足
 しかし話はより複雑で、その「SIRT1」というタンパク質に仕事を
させている存在があり、それこそが「NAD+」と呼ばれる分子である
という。「NAD+」が不十分だと、「SIRT1」は「HIF-1α」を監視す
る能力を失ってしまうそうだ。つまり、哺乳類の老化にとって決定
的に重要なのは、「NAD+」の量であり、その減少こそが、年齢によ
る衰えの原因であるということだ。ゴメス氏のチームはこれらを実
証するため、22カ月の年老いたネズミに、1日に2回ずつ1週間にわた
って、「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」と呼ばれる
「NAD+」の値を上げるための分子を投与し続けた。
■実験結果
 すると、1週間が過ぎようとするころには、22カ月のネズミの筋肉
の萎縮量と炎症の値は下がり、さらには、6カ月の若いネズミにも似
た、異なる筋肉の型が発達してきていたのだという。「私たちが行
った実験は、ネズミのミトコンドリアの機能を向上させ、老化症状を
改善したものと考えます。つまり、これは若返りの方法を見つけたと
いうことに他なりません」とゴメス氏は語る。
 また、ゴメス氏のチームのある研究者による、「老化のプロセス
とは、夫婦のようにも見えます。若いときは(細胞核とミトコンド
リアが)よくコミュニケーションをとる。しかし歳を重ねるごとに
コミュニケーションは減退していく。そしてコミュニケーションの
復活こそが老化を止める鍵だったのです」という言葉も印象的だ。
 ミズーリ州セントルイスのワシントン大学において老化の研究に
携わってきた今井眞一郎准教授も、この研究についてのコメントを
求められ、「『NAD+』が不足すると、著しく老化します。この問題
を改善するためには、『NMN』のような物質を用いて、『NAD+』を増
加させることが鍵なのです」と語っているようだ。
 今後この研究がさらに進展し、私たちの寿命が飛躍的に延びるよ
うな時代が来るかもしれない。しかし、「長く生きること」と、「
良く生きること」は次元の異なる問題だ。たとえ人生の残り時間は
増えても、一瞬一瞬を無駄にすることなく生きたいものだ。
(文=グリーン・M)
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nmnを製造する食品会社は?
2015-01-06news-trendtop
寿命が延びる?細胞が若返る?と注目されているnmnという物質です
が製造している食品会社はどこなのか?と話題になっています。

◆30年後には平均寿命100歳??
慶応大学で行われたシンポジウムで最も注目された物質がNMNという
物質です。
この物質は、老化を鈍らせ、寿命をのばす効果があると見られてい
ます。

ワシントン大学の今井眞一郎教授がNMNの効果を最初に発見しました。
彼の行った実験では、糖尿病のマウスにNMNを一週間飲ませました。
するとマウスの血糖値が下がり、糖尿病が劇的に治りました。
NMNにより膵臓の機能が、回復したと見られています。

老化は生物にとって逃れられないというのが、今までの常識でした
が、最新のコンピューターでの遺伝子解析の結果、寿命を左右する
長寿遺伝子が存在することが分かりました。

今井教授の研究グループが発見した遺伝子は、サーチュイン遺伝子
と呼ばれ7種類ありますが、普段は働いていません。
これまで、このサーチュイン遺伝子を、活性化させることが課題と
なっていました。
サーチュイン遺伝子全てを活性化させること出来る物質がNMNでした。
NMNはすべての生物が持っているが、老化とともに減少してしまい、
これを補給することで、老化を防ぐことが出来るといいます。

このNMNによって、30年後には平均寿命が100歳をこえると見られて
いたり、他にも、アルツハイマーを防ぐことなどができると言われ
ています。

◆すでに食品会社で培養しているNMNの実用化を睨んで、世界中の企
業が乗り出しているといいます。
日本の大手食品製造会社研究所では、NMNの培養が、既になされてい
ました。

1月4日放映の「ネクストワールド 私たちの未来(第2回)」で取り上
げたNMNの実用化研究では、社名を伏せて、オリエンタル酵母工業と
いう会社を紹介していました。

オリエンタル酵母工業という会社は、日清製粉グループ傘下の会社
です。
いくつかの病にも効果があり、寿命も延びてしまうということが本
当ならば、一日も早く実用化されるといいですね。

早ければ今年中に、そのNMNの臨床実験が始まるらしく、大きな一歩
を踏み出す一年になりそうです。 
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未来の“若返り”サプリメント「NMN」の研究
老化による身体や臓器の衰えに歯止めをかける、夢のような成分
「NMN」が発見された。しかもその開発をリードするのは日本人の研
究者だ。NHKスペシャル「NEXT WORLD」取材班は、ワシントン大学・
今井眞一郎教授に独占インタビューを敢行した。
2015.2.16 MON wired.

NEXT WORLDは、まだまだ続く…!
全5回にわたって放送されたNHKスペシャル「NEXT WORLD 私たちの
未来」が紹介してきたのは、テクノロジーの進展によって実現しう
る未来の姿だ。『WIRED』では、番組の取材班が行った世界中の研究
者や企業への広範な取材成果を、15回の連載記事として公開してい
る(記事の一覧ページ)。3月9日からは、BSヴァージョンとしてリ
メイクした「NEXT WORLD」が4夜連続で放送される。今回は、番組第
2回「寿命はどこまで延びるのか」(NHK-BS1・3月9日〈月〉21時放
送)より、「NMN」についてレポートする。
2011年、ワシントン大学教授の今井眞一郎が、マウス実験で糖尿病
に劇的な治療効果を上げた、ある物質の存在を世界で初めて報告し
た。
それからのちに、その物質「NMN」は糖尿病に限らずさまざまな臓器
や眼、さらには脳などの老化に伴う症状を改善すると判明する。し
かも、不思議なことに、この物質を投与されたマウスの器官は、若
いころの状態にまでほとんど修復されていたのである。
「この4、5年で、老化や寿命のシステムの解明に非常に大きな進歩
がありました。どういう機能が、老化によって低下するのかわかっ
てきたのです。そのなかで、NMNの投与が、全身の機能を保持し高め
るのに劇的な効果があると判明してきました」
このNMNは現在、「若返りの薬」としてさまざまな分野で注目を浴び
ている。例えば、米国でこの物質を研究するハーヴァード大学博士
のポーヘン・アーは、美容業界からの注目をこう語る。
「われわれの研究によって、NMNには実際に若返りの効果があること
が判明しています。NMNを酵母で生成すれば、毒性はありません。皮
膚につけることも食べることもできます。石鹸やローションのよう
な日用品として使えるのです」
すでに博士の研究室は、企業とのコンタクトを始めている。美容製
品なので、薬のように認可のハードルも高くはなく、早期の出荷が
見込まれる状況まで来ているという。
NMNとはどんな物質か
このような話を聞くと、まるでNMNが魔法の薬のように思えてくる。
だが、実際にはどんな物質なのか。NMNの発見者である今井氏に聞い
てみた。
「NMNとは、ニコチンアミド・モノヌクレオチドという物質の略称で
す。ビタミンB3からつくられる物質で、わたしたちが身体の機能を
保つのに必要なNADという物質に変換されます。老化すると、このNAD
という物質が各臓器で減少する一方で、NMNを体内でつくる能力も減
少していくと判明しています」
つまり、NMNという物質は人体の臓器を修復する上で重要なのに、こ
れが加齢によって減少してしまうわけだ。今井氏は、この物質がも
ともと「わたしたち全員が体内にもっている物質」であることを強
調する。NMNの投与は、その低下を補っているに過ぎない。したがっ
て、その治療は通常の薬物によるそれとは少し違い、いわば身体能
力を全体的に高めて機能を補正する、ということになる。
「NMNの使い方はふた通りあると考えています。ひとつは、病気にな
ったときに、多量のNMNを使って病気の症状を改善させる『治療薬』
としての使い方です。もうひとつは、日常的にNMNを摂取することで
、老化とともに自然と低下する身体機能を補正する、いわば『予防
薬』としての使い方です」
「マウスでの結果を踏まえると、人間は50代後半から60代のあたり
でNMNをつくる能力が落ちてくると予想されるので、その少し前から
“補充”するのがよいかと思います。逆に、20代から30代には充分
にその能力がありますから、必要ないと思いますね」
ただし、今井氏はこの薬を「万能の薬」とはみなしていない。すべ
ての病気に効用があるとは言わないし、老化がなくなるとも断言し
ない。
「例えば、ある種のがんを抑える働きはあるようですが、白血病の
細胞に与えるとむしろその活動を活性化して、増殖を促してしまう
のです。がんによって効果が違うのですね。また、健康な期間を長
くできるとは思いますが、寿命を何倍にも飛躍的に伸ばしたり、不
老不死が望めたり、ということはありえないと考えます。また、マ
ウスでは明らかな副作用は認められていませんが、できる限りヒト
での安全性や効能を確認することが必要です」
NMNは日本発の研究
現在、世界中で競い合うように研究開発が行われているNMNだが、実
は日本から始まった研究である。転機は今井氏のもとに飛び込んで
きた日本企業からのEメールだった。
「8、9年前に、オリエンタル酵母工業という日本企業の若い研究者
がメールを送ってきたんです。その内容は『今井先生が研究してい
るNMNという物質をつくることはできないか。もしくはつくったとし
て、なにか面白いことができないか』というものでした。ちょうど
わたしもパートナーを探していた時期で、まさに渡りに船の提案で
した」
そこから始まった地道な努力は、やがてオリエンタル酵母工業によ
るNMNの開発と大量生産の実現に結びつく。今井氏も大きく協力しな
がら、その効能をマウスでテストしてきた。NMNは、日本の企業と日
本人研究者が密接に協力し合った成果、ようやく世界中の研究者が
注目するようになったものなのだ。
日本は現在、世界でも類を見ない超高齢化社会に突入しつつある。
その日本からNMNが誕生し、世界に広がっていく。そこに大きな意義
があると今井氏は考えている。
「お年寄りになってもより健康的で活発な時間を過ごし、人生を充
実させるために使っていただけると思っています。そして生き生き
としたお年寄りの姿を、次世代の人々が目にする。これは社会を明
るくするように思います。そのプロセスにおいて、お年寄りの貴重
な体験や知識は次世代へと伝わっていくでしょう。そうすれば日本
は未来に向かって明るく開けた、活気ある社会になっていくと信じ
ています」
この言葉の背景には、今井氏の哲学がある。
彼にとって、「人間が死から免れること」は研究の目標ではない。
また、教授は老化という現象を完全になくせるとも思っていない。
彼が自らの研究の究極の目標にしているのは、「人間が充実した、
健康かつ幸せな人生を送ること」こそにあるというのだ。
「ニーチェは、『偶像の黄昏』という作品のなかで、『人間は死ぬ
べきときには死ぬべきだ』と言っています。ある意味においては、
いずれ人生を全うしてこの世から去るということは重要なのではな
いでしょうか。そのときに大事なのは、自分の人生が充実していた
かであり、自分が幸せであったかなのだと思います」。
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禁断の「若返り」、細胞研究はここまで来た
こうすれば細胞分裂の能力が大幅に向上!
FUTURUS 2015年02月14日TK
近年の科学技術の進歩は、20世紀には考えられなかったようなこと
を次々と可能にしているが、いよいよ人類は禁断の領域に足を踏み
入れつつあるのかもしれない。
スタンフォード大学で、あくまでも研究室内で培養されたものでは
あるが、人間の細胞の“若返り”が可能になったという研究発表が
なされた。
細胞分裂の能力を向上させる
テロメアを伸ばすタンパク質をエンコードされたRNAを培養中の人間
の細胞に供給することで、細胞分裂の能力が大幅に向上したという
のだ。
もう少し詳しく説明しよう。ただし、かなり専門的な分野なので、
用語の使用が厳密でないかもしれないが、そこはご了承いただきた
い。
テロメアというのは、われわれの染色体の先端につくキャップみた
いな部分だ。この部分は“若さ”と密接に関連している。若いうち
は、テロメアは8000〜10000ヌクレオチド分の長さがあるが、細胞分
裂を繰り返すたびに短くなっていく。そしてある程度の短さになる
と細胞分裂は止まる。これが老化だ。
しかし、同大学の研究チームは、約1000ヌクレオチド分のテロメア
を伸ばす方法を見つけたという。つまり、その分人間の細胞を若返
らせることができるというのだ。これは人間の人生でいうと何年分
にもあたる。
研究チームがテロメアを伸ばすために使ったのは、修飾をほどこし
た伝令RNAだ。このRNAはDNAの遺伝子から細胞のなかの“タンパク質
工場”に“指令情報”を運ぶものだが、実験に使われたのはテロメ
ア逆転酵素(テロメラーゼという酵素の成分)のためのコーディン
グ領域を持たされたRNAだ。
通常の培養細胞に比べ、皮膚細胞は28倍も分裂
このテロメラーゼは精子や卵子となる幹細胞において発現するもの
で、細胞分裂してできた次の世代の細胞においてもテロメアを良好
な状態に保ってくれる働きがある。このテロメラーゼは幹細胞以外
の細胞においてはわずかしか発現しない。
この作用を起こす修飾RNAを、培養している人間の皮膚細胞と筋肉細
胞に適用したところ、テロメアは約10%以上にもあたる1000ヌクレ
オチド分伸び、通常の培養細胞に比べて、皮膚細胞は28倍、筋肉細
胞は3倍以上も細胞分裂を起こしたという。
この新しい手法にはもうひとつ大きなメリットがある。効果が一時
的なのだ。修飾されたRNAの効果は約48時間でなくなり、いちど伸び
たテロメアは、その後はまた以前のように分裂するにしたがって短
くなる性質をとりもどす。したがって、無制限に伸び続けることは
ない(無制限に伸び続けると癌のリスクが高まって危険なのだ)。
現在、研究者たちは、さまざまなほかの種類の細胞に関しても研究
を続けている。この技術は、老化による病気や、衰弱を起こす遺伝
性の病気の対策として期待される。筋ジストロフィーや糖尿病、心
臓病へも応用できるかもしれない。
そして、究極的には人間の“若返り”を可能にしてしまうかもしれ
ない。もしそれが可能になったとき、われわれはどうするのだろう
??そしてどうするべきなのだろう??そろそろ考えるべき時期が来
ているのではないだろうか。




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