5242.世界は原油安でデフレに



サウジアラビアは5日、2月積みの欧州向け原油価格を大幅に引き
下げた。これを受けて、6日のニューヨーク原油先物相場は、根強
い需要低迷懸念から4営業日続落し、指標の米国産標準油種(WT
I)2月渡しの終値は前日比2・11ドル安の1バレル=47・9
3ドルと約5年8カ月ぶりの安値に急落した。

この原油安で、ニューヨーク株式が大幅安になり、東京市場も日経
平均が17000円割れになり、投資家が安全資産の国債に回ったことで
、米国と日本、ドイツの10年債利回り平均は初めて1%を下回った
。特に日本の10年国債の金利が0.3%より低くなっている。

この原油安は、サウジのシェールオイル潰しのなので、ここ当分続
くことになるので、世界の方向は、原油安で、物の値段は下がりデ
フレの方向になる。また、米国のシェール企業の借入金の焦げ付き
を意識して、安全資産に米投資家やヘッジファンドは周り、リスク
オフになる。

ということで、第2のリーマンショックをヘッジファンドは意識し
始めてきた。しかし、ここ数年、シェール・バブルが膨らんでいる
ので、そう簡単にこの投資を引き上げることはできないはず。

2015年は明るいと多くの評論家は数日前に言っていたが、本当
なのであろうかという感じも出てきた。

もし世界経済が上向くのなら、国債利回りはインフレ加速期待を反
映し、リスク資産は魅力を増すはずだ。しかしインフレ率は下降し
ている。JPモルガン・チェースは原油がバレル当たり60ドルを下
回る状況が続けば、世界のインフレ率は1%という低さになると予
想している。

さあ、どうなりますか?


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サウジが欧州向け原油を大幅値下げ、シェア防衛強化か
2015年 01月 6日 05:10 JST
[ニューヨーク 5日 ロイター] - サウジアラビアは5日、2月
積みの欧州向け原油価格を大幅に引き下げた。米国向けも小幅に引
き下げたが、アジア向けは逆に値上げした。
今回の措置は、サウジアラビアが市場シェア防衛への動きを強めた
表れとの見方も出ている。
国営石油会社のサウジアラムコは、代表油種「アラビアンライト」
の北西欧州向け公式販売価格(OSP)を前月分より1バレル当た
り1.50ドル引き下げた。ブレント加重平均価格(BWAVE)
より4.65ドル低く設定、2009年以来の安値水準とする。
米国向けの公式販売価格は0.6ドル引き下げ、アーガス・サワー
原油指数(ASCI)より0.3ドル高い水準にする。
アジア顧客向けの価格は0.6ドル引き上げ、オマーン原油とドバ
イ原油の平均価格より1.40ドル安い水準とした。
欧州向け値下げについて、あるトレーダーは同地域での西アフリカ
産の原油販売を難しくすることを狙った可能性があるとの見方を示
す。
アジアへの西アフリカ産輸出は1月、昨年8月以来の低水準になる
とみられている。
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NY原油急落、終値47ドル台 5年8カ月ぶり安値
 【ニューヨーク共同】6日のニューヨーク原油先物相場は、根強
い需要低迷懸念から4営業日続落し、指標の米国産標準油種(WT
I)2月渡しの終値は前日比2・11ドル安の1バレル=47・9
3ドルと約5年8カ月ぶりの安値に急落した。
 このところの株価下落で原油安が世界経済に及ぼす悪影響が急速
に意識される中、7日に発表される米週間石油統計は在庫の増加を
示すとの見方から、売り注文が広がった。
 市場関係者は「需給が緩んだ状態が当面続くとの見方が多い」と
話しており、価格の下落に歯止めがかかる兆しはみえない。
2015/01/07 08:38   【共同通信】
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日米独のフリーマネー、世界経済の暗い先行きを示唆
  (ブルームバーグ):世界の主要国の借り入れコストが、ただ
同然になっている。シティグループのG10通貨戦略責任者、スティ
ーブン・イングランダー氏によると、米国と日本、ドイツの10年債
利回り平均は初めて1%を下回った。
これは朗報ではない。インフレを考慮するとゼロを下回る金利は「
長期にわたって何の展開も期待できないとの投資家の見方」を示し
ていると、イングランダー氏は5日付リポートに記している。
もし世界経済が上向くのなら、国債利回りはインフレ加速期待を反
映し、リスク資産は魅力を増すはずだ。しかしインフレ率は下降し
ている。JPモルガン・チェースは原油がバレル当たり60ドルを下
回る状況が続けば、世界のインフレ率は1%という低さになると予
想している。
大恐慌時でさえ、米国など各国政府が10年間借り入れるコストは現
在より高かったと、イングランダー氏は指摘する。危機に見舞われ
た2008年の年末でも、主要3カ国の10年債利回りは2%を上回って
いた。
ニューヨーク連銀でエコノミストを務めた経歴を持つ同氏は、借り
入れコストがただ同然となった現状の理由として2点を挙げる。一
つ目はサマーズ元米財務長官が広めた「長期停滞論」。2つ目は世
界の中央銀行が積極的に金利を引き下げ量的緩和を追求しても、も
っと革新的な金融政策がなければ事態は好転しないと投資家が結論
づけているという考え方だ。
イングランダー氏は低利回りの状況について、「危機のパニック局
面ではなく、パニックが終わり世界的に資産価格が著しく回復した
後に起きているというのは驚異的だ」と記した。
更新日時: 2015/01/07 07:01 JST


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