5234.アフガン戦争の結果



アフガニスタンの治安維持のため、13年にわたって駐留してきた
アメリカ軍を中心とする国際部隊の戦闘任務がことしで終了するこ
とを受け、28日に現地で式典が開かれ、オバマ米大統領は、「米
国史上最長の戦争が、責任ある終結を迎える」と声明した。

しかし、国際部隊はこれまでに3400人以上の兵士が死亡したが
、反政府武装勢力タリバンの勢いは弱まっておらず、むしろ各地で
攻勢を強めている。

NATOのロシア代表部のグルシコ大使は26日、「アフガニスタ
ンでは反政府武装勢力タリバンの攻撃が増加し、タリバンの影響下
に入った村も増えている」と指摘し、「国際部隊は、麻薬の問題を
13年間ほとんど解決できなかった」と批判したうえで、「状況が
さらにひどくなることを心配する」と述べ、ロシアの安全保障に影
響が出ることに強い懸念を示した。

また、「ランド研究所」のジェーソン・キャンベル氏は米政府の出
口戦略について「16年末までの2年間で何を達成したいのか具体
的に示していない」と述べ、撤収日程以外、内容に乏しいと批判。
「タリバンは耳目を引く勝利を得ようとするはずだ」と反政府勢力
の攻勢を予測し、兵力縮小を急ぐべきではないと説く。

その心配の通りにタリバンは、アフガンでの勝利を宣言している。

ガーディアン紙に「Taliban declare victory in Afghanistan as 
Nato-led forces end combat mission」が載っている。リンクは最
後。

13000人の欧米部隊が引き続き、アフガン政府軍や警察の訓練
などに残るが、今年、4500人の政府警察と軍隊を殺している。

今後、アフガンでの戦闘をタリバンが増やして打ち負かせて、政府
を倒すようである。

アフガン政府軍が、タリバンに勝つような感じがしない。それは政
府高官の腐敗がひどく、まともな統治ができていないことによる。

この戦いでも、米国はベトナムに続き敗退することになる。しかし、
米国は、イスラム国との戦いで中東に残り続けている。失敗原因を
追究しないで、反省もしていない。

さあ、どうなりますか?


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「米最長の戦争終結へ」 アフガン、米大統領
 【ワシントン共同】オバマ米大統領は28日、アフガニスタン駐
留米軍など国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務終了式典がカ
ブールで行われたことに関連し「米国史上最長の戦争が、責任ある
終結を迎える」とする声明を発表した。
 声明は2001年の米中枢同時テロ直後から続いたアフガンでの
戦いで、米軍や米情報機関が「尋常でない犠牲」を払ったと指摘。
その結果、国際テロ組織アルカイダの指導部を打倒し、新たなテロ
を阻止して「数え切れない米国民の命を救った」と称賛した。
2014/12/29 09:52   【共同通信】
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国際部隊の戦闘任務終了で式典 アフガニスタン
12月29日 4時41分NHK
アフガニスタンの治安維持のため、13年にわたって駐留してきた
アメリカ軍を中心とする国際部隊の戦闘任務がことしで終了するこ
とを受け、28日に現地で式典が開かれ、国際社会によるアフガニ
スタンの再建は大きな節目を迎えました。
アフガニスタンでは2001年の同時多発テロ事件を受けた軍事作
戦に伴い、アメリカ軍を中心とした国際部隊が駐留してきましたが
、ことしで戦闘任務を終え大部分が撤退します。
首都カブールで28日に開かれた式典では、国際部隊を指揮するア
メリカ軍のキャンベル司令官が演説し、「国際部隊は13年にわた
る戦闘任務を終了する。われわれは多くの偉業を成し遂げた」と述
べ、駐留の成果を強調しました。
これに伴い治安維持の権限は来年からアフガニスタン側に全面的に
移譲され、最大で14万人を超えた国際部隊は、来月以降1万2000
人規模にまで縮小されて、現地の軍や警察の訓練などに当たること
になっています。
国際部隊はこれまでに3400人以上の兵士が死亡していますが、
反政府武装勢力タリバンの勢いは弱まっておらず、むしろ各地で攻
勢を強めています。
国際部隊の戦闘任務の終了で、アフガニスタンは大きな節目を迎え
ることになりますが、今後みずからの手で治安を改善し、自立と復
興を図ることができるのか大きな課題となっています。
ロシアなどは治安悪化を懸念
アフガニスタンのでアメリカ軍を中心とする国際部隊の戦闘任務が
ことしで終了にすることを受けて、ロシアや、アフガニスタンと国
境を接する中央アジア諸国は治安の悪化に懸念を示しています。
このうちNATO=北大西洋条約機構のロシア代表部のグルシコ大
使は26日、ロシアのメディアに対して、「アフガニスタンでは反
政府武装勢力タリバンの攻撃が増加し、タリバンの影響下に入った
村も増えている」と指摘しました。
そして「国際部隊は、麻薬の問題を13年間ほとんど解決できなか
った」と批判したうえで、「状況がさらにひどくなることを心配す
る」と述べ、強い懸念を示しました。
アフガニスタンと国境を接する中央アジアのタジキスタンやウズベ
キスタンは、2001年に国際部隊が駐留する前に、アフガニスタ
ンを拠点としたイスラム過激派がテロや襲撃を繰り返したことから
、ロシアと連携して自国への過激派の勢力拡大を阻止する構えです。
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米大統領「遺産づくり」に誤算=中東で終わらぬ戦い−平時への移
行、道半ば
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は、アフガニスタン駐留米軍
の戦闘任務終結を区切りに、米社会を2001年の米同時テロ以降
続いた戦時から平時に移行させたい考えだ。だが、中東では過激組
織「イスラム国」という新たな脅威が出現。米国は軍事作戦に着手
せざるを得なくなり、戦争終結を任期中の「レガシー(遺産)」と
したい大統領の計算に狂いが生じつつある。
 「10年以上にわたる戦いの末、重要な節目を迎えようとしてい
る。アフガンを舞台にした米国の戦争は今月、責任ある形で終わり
を告げる」。大統領はクリスマスを控えた15日、ニュージャージ
ー州の米軍基地を訪れて兵士を激励した。
 米政府は来年以降、駐留米軍の任務をアフガン治安部隊の訓練な
どに切り替え、15年中に兵力を5000人程度まで削減、16年
末までに全面撤収させるスケジュールを発表した。自身の任期末で
ある17年1月までに完全撤退を実現させるという大統領の意図は
明白だ。
 だが、急激な部隊削減で、反政府勢力タリバンが勢いづく恐れが
ある。「ランド研究所」のジェーソン・キャンベル氏は米政府の出
口戦略について「16年末までの2年間で何を達成したいのか具体
的に示していない」と述べ、撤収日程以外、内容に乏しいと批判。
「タリバンは耳目を引く勝利を得ようとするはずだ」と反政府勢力
の攻勢を予測し、兵力縮小を急ぐべきではないと説く。
 危険な前例は、既にある。米国は11年、イラクへの米軍駐留継
続を可能にする地位協定をイラク政府と結べず、完全撤退に追い込
まれた。イラク情勢はこの後、混迷の度合いを深め、イスラム国の
台頭を許した。
 パネッタ前国防長官は回顧録で「ホワイトハウスはイラクから抜
け出したいあまり、協定の取りまとめより撤収に前向きだった」と
11年当時の大統領の消極姿勢を非難。わずかでも米部隊を残して
おけば、混乱回避に向けイラク政府軍を支援できたはずだと嘆いた。
 かつてイラク戦争を「悲劇的誤り」と呼び、終結を急いだ大統領
は今年、イラクとシリアを舞台にイスラム国掃討という新たな戦い
の口火を切る皮肉な役を演じた。米軍高官は、イラクが安定を取り
戻すまで最低3年はかかるとの見方を示している。軍事作戦を必要
としない完全な平時は、大統領の任期中に訪れそうもない。
(2014/12/28-15:42)






Taliban declare victory in Afghanistan as Nato-led forces end combat mission

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