5227.選挙に勝つためには?



今回、民主党候補者の応援に入り、選挙戦に参加したが、どうすれ
ば選挙で当選できるのであろうか?この選挙中考えていたことを検
討したいと思う。特に自民党の地盤がある候補ではなく、野党の候
補をどうすれば、当選できるのかである。 津田より

0.地方の自治会の強い地域
「日本社会に野党は存在しえない」小幡績氏の評論(最後に掲載)
があるが、それは、ほとんど正解ではあるが、例外も多数存在し野
党でも生き残れる余地がある。

地方では自治会、町内会、村寄り合い、結などといろいろな名称で
呼ばれる、そこに住んでいる住民の集まりがある。この集まりで推
薦する政治家を決める。

そこの住民が生活上で必要な要求を実現するために、国、村・町、
県に要求する窓口を求める。この窓口として、どうしても政治家が
必要なことになる。国会議員を先生を呼んでいるが、要求を実現さ
せるために必要な窓口であり、ギブ&テイクの関係ができている。

しかし、昔、中選挙区時代に、自治会は違う派閥の自民党の政治家
を候補にして戦い、今でも自治会同士が仲が悪い地域がたくさんあ
る。このような地域では、有力自治会群を押さえるのが自民党候補
でないことがある。

このため、自民党以外でも、野党でも当選できる。自民党に対抗す
る自治会群を押さえれば当選できる。昔の中選挙区制度の名残だ。

このため、無所属ながら自民党二階派の派閥活動に参加している長
崎幸太郎氏と山口壯氏は、先の衆議院選挙の小選挙区で自民党の公
認候補などを破って当選し、長崎氏は自民党への復党を、山口氏は
入党を求めるとなる。

しかし、これに対し、党執行部では「選挙を終えたばかりであり、
時期尚早だ」として、地方組織の意見も踏まえて慎重に対応すべき
だという。その地域の自民党を支持した自治会が、野党や無所属を
支持した自治会に、その地域での主導権を渡すことになる。このた
め、抵抗する。小選挙区制度では、自民党候補が1人しか立てない
。このため、これを認めると今までの自治会群は、違う野党の候補
を見つける必要がある。このため、抵抗するのだ。

このような選挙区を地盤とする政治家は、地方の自治会の御用を日
常の政治活動でも行うことが必要になる。ある地方の野党政治家の
スケジュール表を見たが、東京で10分毎に地元の有権者が挨拶に
来ているし、地元の青年会の要求で、地元商品の海外市場を見つけ
る活動をしている。この政治家は昔、自民党の有力政治家の秘書を
していたので、地元の自治会と自分の地位がギブ&テイクであるこ
とをよく知っている。

この政治家は、月曜日から金曜日までは東京であり、土・日曜日は
地元である。地元での自治会の集まりに小まめに顔を出し、日曜日
の宴会を地元でして、夜中に自動車で東京に戻ることが多かった。
月曜日朝に新幹線ということもあるが、ほとんどが日曜日夜中に地
元を達ち東京に戻っている。地元のどこに行くのかは、地元秘書が
スケジュールを組み立てて、金曜日までに政治家に渡している。

1.自治会の弱い大都市の場合
自治会主体の政治活動ができる地方の方が、実を言うと当選が楽で
ある。当選を見通せることができる。票読みが非常に楽であり、ど
の自治会が自分で、どの自治会が相手候補か、大枠の票が読めて、
その上にどれだけ票を上積みするかが問題になるので、自治会の弱
い地域(都市部)やどちらの候補を推薦するか決めていない自治会
を優先的に周り、自陣営自治会幹部を説得に、決めていない自治会
に行ってもらうこともできる。

しかし、大都市は自治会が非常に弱い。東京でも下町が選挙区の柿
沼未途氏などは自治会中心に日常活動を行い、自治会での選挙をし
ているが、山の手や多摩地域など東京近郊の住宅地域は、自治会が
弱いし、政治家を使うという感覚自体がない。ギブ&テイクではな
く、政策やムードでその都度、政治家を選択している。

私も東京近郊に住んでいるが、妻の投票活動は、毎回違う候補であ
ることを知っている。その時のムードで投票している。このため、
ムードが重要になる。今回のようにムードがないときは、与党が優
位になる。特に、今回は野党に明確な自民党に対抗する政策がない
と、負けるべくして負ける。

それなら、どうするべきなのか?自民党も野党も実を言うと、東京
など大都市はイーブンなのである。このため、維新の会、橋下さん
が、自民党が優勢で、維新の会が劣勢と認める発言をして、票を引
き戻したりと、ムードをどう形成するかが重要になる。橋下市長は
庶民感覚が優れているので、何をするべきか、その場でわかるので
ある。

東京で核になる支持者獲得をどうすればよいのか、この問題を考え
てきたが、ある政治家の選挙を手伝ってわかったことは、手伝いを
する人たちに占める高齢者の割合が非常に高いことである。

20才前後の学生も多いが、ほとんどがインターンとして、この政
治家を選択した人達であるが、それより数的には高齢者たちの方が
断然多い。また、30歳から60歳までの人たちがほとんどいない。
この年齢の女性は、少しいるが自由業や専業主婦である。

これは、どの候補も同じであると見る。表面には高齢者はいないが
、その裏には、多くの支持する高齢者たちが、事務所に集まり選挙
を手伝い、丸でお祭り気分である。前回の選挙時から会っていない
人たちが消息を話して、盛り上がっている。

しかし、選挙終盤、その熱心な高齢者たちと飲んだが、寂しそうに
している。選挙が終わったら、また何もしない日常が戻り、野菜を
育てるしかないと、本当に寂しそうである。

私は、やっと日常に戻れて、ネットを駆け回り面白い英文が読める
と、英文が読めない選挙戦中に英語力がどれだけ落ちたか心配して
いたが、それとは違う高齢者の悩みを聞いた。

人は、他人とのコミュニケーションで、自分の存在を確認してるこ
とを思い知らされた。煽てることがうまい姉御が登場し、皆をうま
く煽てながら使っている。自分の存在を認められることで高齢者た
ちは気持ちよく活躍している。

それなら、高齢者たちを日常活動の中心に持ってきて、それで地方
の自治会のような活動を自主的にしてもらい、その上で政治家も自
分を売り込めばよいのではないかと思い立った。

そして、高齢者たちは得票率も若い者に比べて、数段の上にいるの
で、その高齢者の存在感を高める活動をすれば、有効的な日常活動
ができるし、集まりを土曜・日曜日にしてもらうことで、近所のサ
ラリーマンにも来てもらえる可能性が高い。そして、支持の輪を広
げることができる。土日に政治家も参加して、自分を売り込めば良
いのである。

しかし、この集まりのやり方など細部は、この方法が広まると効果
がなくなるので、コンサルトを希望の政治家は、メールしてくださ
い。

自民党候補でも東京など大都市では同じである。しかし、私が応援
する政治家の相手である自民党政治家には、お教えできないことを
予め、宣言させていただきたい。

高齢者をベースにした新しいムーブメントを都市から作ることが出
来るように感じている。新「選挙 票固め十ヶ条」が出来ると見る
。という意味では、自民党元選対部長の兼田喜夫氏の唱えた「選挙
 票固め十ヶ条」を古くすることである。

さあ、どうなりますか?


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自民 無所属2人の復入党 調整に時間も
12月20日 5時10分NHK
自民党内では、先の衆議院選挙で当選した無所属の2人の議員が復
党や入党を求めていることについて、認めるべきだという声がある
一方で、地方組織の意見も踏まえて慎重に対応すべきだという指摘
も根強くあり、調整には時間がかかる見通しです。
無所属ながら自民党二階派の派閥活動に参加している長崎幸太郎氏
と山口壯氏は、先の衆議院選挙の小選挙区で自民党の公認候補など
を破って当選し、長崎氏は自民党への復党を、山口氏は入党を求め
ています。
これに関連して、長崎氏は19日、自民党の谷垣幹事長と党本部で
会い、みずからの復党に向けて、地元、山梨県連の理解と協力が得
られるよう働きかけを要請しました。
こうしたなか、自民党二階派会長の二階総務会長は、両氏の復党や
入党を速やかに認めるべきだと主張していて、19日に開かれた党
の役員連絡会で「自民党は謙虚になって『どうぞお入りください』
と呼びかけていくことが大事だ」と述べました。
これに対し、党執行部には「選挙を終えたばかりであり、時期尚早
だ」として、地方組織の意見も踏まえて慎重に対応すべきだという
指摘も根強くあります。
谷垣幹事長は19日の記者会見で「それぞれの選挙区には事情があ
り、丁寧に進めていくことが必要だ」と述べていて、調整には時間
がかかる見通しです。
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田中元首相があがめた「選挙の神様」が唱える「十ヶ条」 どれだ
けの候補が実践者たりえているのか
2014.12.19 11:00サンケイ
 第47回衆院選は12日間の選挙期間を終えた。与野党の候補は
それこそ死に物狂いで選挙戦を繰り広げたことだろう。でも、泣い
ても笑っても、地元での活動にどれだけ汗をかいていたか、前回衆
院選で初当選を果たした議員の大半は、悔悟の念を拭いきれないの
ではないか。そこで、おあつらえの指南書として、故田中角栄元首
相が「選挙の神様」とあがめた自民党元選挙対策部長の「選挙 票
固め十ヶ条」を熟読し、実践することをお勧めしたい。もう次期衆
院選に向けた戦いは始まっている。(『選挙 票固め十ヶ条』の全
文を原文のまま最終ページに掲載)
 ある自民党秘書によれば、党事務局長室のソファ背後の壁には、
元選対部長の兼田喜夫氏の唱えた「選挙 票固め十ヶ条」が掲げら
れているという。訪れる来客は、政治家だったり秘書だったり、政
界に関わりを持つ人が多いのは間違いないから、その内容がいかに
大切か、それとなく伝えているのかもしれない。
 聞けば、兼田氏は旧陸軍時代、中隊長の任にあり、上等兵だった
田中氏の上官に当たるそうで、選対部長は田中氏が首相在任中に務
めていたという。「十ヶ条」はなるほど、少しばかり世間の耳目を
集める発言を口にして知名度を高めることでよしとする風潮がはび
こる当世の政界事情からすれば、目からうろこが落ちる内容ではな
いか。
第1項では、選挙の位置付け、戦略の立て方を説く。
 「選挙は戦い。戦いは作戦。作戦の基本は、候補者のイメージア
ップ(相手候補のイメージダウン)、事前活動、緒戦、中盤、終盤
を通じ、綿密周到な計画と陣営の訓練が肝要」(原文のまま)
 今回選挙は、衆院解散の翌日から公示日までは11日間で、過去
10回の衆院解散を振り返ると、橋本、森両政権下で行われた衆院
選と同じ間隔しかなく、準備期間が短かった。それでも、こうした
考え方が底流にあれば、慌てふためくことなく、選挙戦に臨めたは
ずである。
 選挙期間中、連絡をとった別の自民党秘書は「行き当たりばった
り選挙戦になっている。当選できたら奇跡ですよ」と自嘲気味に話
していた。
 第2項から7項にかけては、婦人層の支持を獲得することの重要
性、時流にそぐう選挙戦の展開、「政治地図」を作成して拠点を作
り、点で結んでいく選挙戦略の提唱。また、反対派の支持者でも「
あたってみよう」と進言しているほか、支持をお願いするだけでは
駄目で、「点検を綿密に行うことが絶対必要」などと唱えている。
 自民党関係者によれば、「十ヶ条」の中で、ことのほか大切だと
認識されているのは第9、10の両項だという。
 第9項 「得票は一票一票、足でかせぐこと。一票一票が積って
山をなし、当選となる」(同)
 つまりは、「どぶ板選挙」をいとわずに取り組むべきだというこ
とだろう。戸別訪問は公職選挙法で禁じられているため、ミニ集会
などを通し、有権者一人一人に人となりを分かってもらう「足でか
せぐ」地道な取り組みを求めている。田中氏当人が「十ヶ条」の忠
実な体現者であり、「手を握った数しか票はでない」との言葉を残
している。
 「どぶ板選挙」を怠っていれば、支援組織は脆弱(ぜいじゃく)
となり、衆院選が行われたときに、幸運にも吹いてくれる「追い風
」頼みの選挙戦しかできないことになる。落選したり当選したりの
繰り返しでは、腰を落ち着けて国政に当たることなどできはしない。
 第10項 「人気だけでは決して勝てない。人気よければ陣営が
弛み、対立候補に乗ぜられる。最期まで危機意識に燃え、強固な団
結と強固な必勝の信念を持って頑張ろう」(同)
 公示後の4日、産経新聞社をはじめとする報道各社が実施した世
論調査による序盤情勢では、「自民 300議席超 勢い」(産経
)、「自民、300議席超す勢い」(朝日)、「自民、300議席
うかがう」(日経)などと、自民党が圧倒的に有利だと報じた。
 これを受け、安倍晋三首相は早速、自身のフェースブックで「油
断した方が負ける」と警鐘を鳴らし、谷垣禎一幹事長と茂木敏充選
対委員長は連名で、各候補に緊急通達を出し、引き締めを図った。
こうした対応はまさに、第10項の戒めを実践した形だ。
 民主党が圧勝し政権交代を引き寄せた平成21年の衆院選で、自
民党は119議席を獲得している。それとは反対に、自民党が政権
復帰を果たした前回の24年選挙のときは、日本維新の会(当時)
など「第三極」が台頭し野党は分裂。それでも、民主党は57議席
を得ている。
 これ以上ない逆風下で迎えた選挙戦で勝ち残った衆院議員はいず
れも、選挙地盤が盤石であり、「十ヶ条」の実践者だとみてよい。
(政治部編集委員 松本浩史)
選挙 評価固め十ヶ条
兼田喜夫
 一、選挙は戦い。戦いは作戦。作戦の基本は、候補者のイメージ
アップ(相手候補のイメージダウン)事前活動、緒戦、中盤、終盤
を通じ、綿密周到な計画と陣営の訓練が肝要。投票〆切の六時まで
全力を尽せ。
 二、有権者の半数以上が婦人。婦人こそ人気つくりのメーカー。
婦人は思いつめたら一生懸命。婦人を味方にしよう。
 三、有権者の構成は、今や昭和生れが七三%。大正生れが一七%
。明治生れが一〇%。近代的感覚、カッコいい選挙にも留意し、陣
営の鮮度保持に努力しよう。
 四、拠点づくりを急ぎ、点を線に結ぼう。点はまず身近かな者、
親類縁者、同級生、学校の同窓関係から。それを線に継ぎ、拡大を
図ることが肝要。支持者カード、政治地図を作成しよう。
 五、行事は早めに企画し、大きな集会と併せ、部落、学区ごと等
、キメこまやかな座談会も企画し、末端に強く浸透する努力が必要。
 六、食わずぎらいはいけない。反対派の支持者とみても、あたっ
てみよう。先手を打って頼んでみる努力が意外に功を奏す。(全国
区選挙等では特に)
 七、頼みっ放しは駄目。人をかえ、点検を綿密に行うことが絶対
必要。
 八、接触度の高い活動家や人望のある人を陣営に組み入れ、口コ
ミ作戦を重視、展開しよう。
 九、得票は一票一票、足でかせぐこと。一票一票が積って山をな
し、当選となる(千里の道も一歩から)
 十、人気だけでは決して勝てない。人気よければ陣営が弛み、対
立候補に乗ぜられる。最期まで危機意識に燃え、強固な団結と強固
な必勝の信念を持って頑張ろう。
◇
 (注) 田中氏の首相在職は昭和47年7月7日〜49年12月
9日の886日間。現在、投票の締切時間は原則午後8時。
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日本社会に野党は存在しえない
小幡 績
2014年12月16日06:33agora
選挙における最大のレッスンは、日本には野党は存在しえない、と
いうことだ。
公明党は明示的に与党だが、かつての55年体制の社会党も、野党
という名の与党であり、既存の権力の枠組みに組み込まれていた。
単に、権力を狙わない脇役に徹した与党だったのだ。
だから、今後も、野党は存在しえない。
野党になった瞬間に、その政党は終わる。
それを一番よく知っていたのは自民党だ。
民主党による政権交代が起こった時、自民党が恐れたのは、野党時
代が続くことだ。自民党は与党であり、野党ではありえない。地方
組織、事務組織、すべての組織が与党であることを前提に組み立て
られており、野党であることに耐えられないからだ。
新生党における失敗を民主党は繰り返した。
彼らが権力を握るためには、野党になりえない自民党を野党であり
続けさせることが最優先課題であり、そのためには、政策などは二
の次で、与党(連合)を何が何でも維持することだけが重要だった。
しかし、それに失敗した。
選挙を繰り返せば、自民党が必ず浮上してくる。
なぜなら、自民党だけが組織的な選挙戦を戦えるからだ。
政党の中で、組織として体をなしているのは、公明党と共産党を除
けば、自民党しかないからだ。
ほかの政党は、すべて、都市部の世論、という政治の素人の気まぐ
れのムードに依存することでしか、勝てないからだ。風がない場合
には、ボランティア的な、いわゆる勝手連に依存するしかなく、個
別にこれで勝利する逸材もいるが、広がりはなく、この力も一時的
、その場しのぎであり、ある意味、一度勝ってしまうと、むしろこ
れで勝ち続けるのは難しくなる。
一部、なんらかの背景を下に、個人商店として当選を続けられる場
合もあるが、それでは、政党としての広がりが持てず、組織的な勢
力になりえない。だから、政権をとることはできないのだ。
***
この組織の源泉は、地方議員だ。市町村議会議員がいて、県議会議
員がいて、それぞれのスタッフがいる。彼らが、地元の核となって
ネットワークを持っている。ネットワークというよりも、地域社会
に根付いていると言った方がいい。
民主党の地方議員もいるが、議員になるだけでは意味がない。自民
党系の地方議員は、地方の名士が議員という名前に代わり、給与も
もらうようになっただけのことであり、かつては選挙なしに、相続
していた村長という地位を、選挙というプロセスを踏むようになっ
ただけのことであり、選挙があってもなくても、同じなのだ。
だから、彼らはネットワークであり、組織であり、地域社会そのも
のである。一方、野党の地方議員は、ただの一人の議員に過ぎない
のだ。
これが、日常的にも、選挙の時も、組織として動員される。だから
、国会議員あるいは候補は、この組織に乗っかればいい。
逆に言うと、そういう組織がないと、トップが自らどぶ板回りをお
ぜん立てなしに行う。大物政治家がどぶ板回りというが、あれは、
お膳立てが出来ているところを回るだけだから、効率が良い。しか
し、その組織あるいはネットワーク、あるいは地域社会のつてがな
いと、回ること自体が大変だし、効率的という次元まで話が行かな
い。それでも、一度当選すれば、認知はされるし、バックグラウン
ドはあるから、少しずつ機能していく。
与党であることが、日本の地域社会には絶対的に必要だ。
なぜなら、地域社会では、全員与党だからだ。
メインストリームであろうがなかろうが、共同体はともに生きてい
く。村の生活で、野党ということはあり得ない。ナンバーワンにな
れないナンバーツーの家柄であり続けるだけのことだ。あるいは、
ナンバーワン候補だが、それが事件でもない限り回ってこない、と
いう役回りをし続けるだけのことであり、野党ではない。
村は一体となって、運命共同体であり、意見が多少違っても、まと
まって、一体となって生きていくしかないのだ。
野党になるということは、差別されるということであり、空気が読
めないということであり、いじめの対象となるということだ。
日本社会においては野党は存在しないのだ。
だから、コーポレートガバナンスも、社外取締役も、社外監査も、
本質的には存在しえないのだ。
野党なしという前提で、与党の中で牽制をし、変なことが起きない
仕組みを作る必要があるのだ。
オーナー一族に対する番頭制度であり、婿養子システムなのだ。
したがって、政治においても、野党に期待できないのではなく、我
々は野党というものを認めていないのだ。
意味が分からないのだ。
存在意義を認識したことがないのだ。
だから、今後も、政権交代というのは、熱病にうなされたり、ある
いは、大きな真の危機が起きたときに、起こるだろうし、必要とさ
れるだろう。
それは、明治維新のような、真の危機、体制転換が起きなければい
けないときにだけ起こるものであり、それこそ、1000年に一度
のこと、大化の改新と明治維新だけなのだ。
戦後ですら、あれは大きな修正であって、体制転換ではなかったのだ。
したがって、一度、与党体制が確立すれば、それは長期に継続する
のが、日本社会としては自然なことであり、二大政党制がなじまな
いだけでなく、多党連立制的なものも、欧州と異なり、持続するの
は無理だ。
そして、持続するためには、地域に根付いた組織が必要であり、そ
れは、現時点では自民党、公明党、共産党のみであり、浮動層は、
気まぐれでほかに行くとしても、結局は、それらに飽きて、与党に
戻ってくるのだ。共産党の方が、与党である分、ましなのだ。
ただ、金融政策をはじめ経済政策においては、行き詰れば、政治や
外交や社会と異なり、細かく、日常的に転換が必要となる。これが
、与党の枠組みで起こることが必要だ。
1990年代末に、金融国会と呼ばれた時期には、ある意味それが
実現したのであり、小泉政権が本質的に何らかの転換を起こしたか
どうか意図したかどうかはともかく、その体裁を整えて、勝利した
のだ。
今後も、そのような形のマイナーな政策転換を準備しておく必要が
あるが、それは、本質的な意味での政権交代の形とはならないので
はないか。



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