5221.選挙戦に初参加で



ある民主党の政治家の選挙を手伝った。選挙現場に出て、声を出し
たのは初めての経験である。しかし、現場に出ると逆風が凄まじい
のがわかった。

候補者は好きであるが、民主党ならイヤという声を何遍聞いたか、
一度や二度ではない。これは苦戦であると思っていたら、日経新聞
の予測でも、対立の自民党候補優位と出て、その通りであると思っ
た。

このため、選挙戦後半の1日、諏訪大社に願をかけに行った。しか
し、今回の選挙予測は全て外した。自分が選挙の当事者になり、自
分の願望と予兆との区別ができなくなっていた。この切り分けをこ
とどとくできずに外したようである。私の限界点を、またも思い知
らされた。予測するなら、部外者でないといけないということを!

今回は、連合の選対の人も候補者の事務所に詰めて、動員などの手
配をしてくれた。選挙戦で苦戦と見た選挙参謀が今までとは違い、
連合に応援を頼んだようである。前回選挙は連合に声をかけていな
いという。

この候補者は、地元の支援者が多数、事務所に連日、詰め掛けて作
業を手伝ってくれている。多数の熱心な候補者の信者がいる。

そして、最初に連合が動員をかけて、集めた組合員たちが事務所で
作業をした時、地元の熱心な信者たちは、小声で連合の組合員たち
を見て、臭いが違う、得体が知れないと話していた。地元支援者は
60歳以上の男女の高齢者と20歳前後の学生たちであり、連合の
組合員たちは、背広とネクタイ姿の30歳代ぐらいの人たちであり
、異質であるのは一目でわかる。

もちろん、地元の中小企業からも人が来ているが、その人たちは、
ナッパ服やジャンパーであり、また、今までに数度も手伝っている
ので、皆が顔なじみである。

地元支援者たちは、事務所開きを聞きつけて来て、初めお互いに挨
拶から始まる。前回の選挙後のお互いの暮らしや病気の話で盛り上
がっている。そして、今回来ない人の消息をお互いが話をしている
。地域が3つあり、それぞれ、地域に特徴があるようである。

このような事務所であり、連合の動員で来た組合員たちは、次の日
から上の階の事務所での作業になり、地元の支援者たちとは別で作
業をすることになった。

選挙参謀が地元民の声を聴いて、危ないと判断して、そのようにし
たようである。これから後は、地元支援者たちも、気兼ねなく話を
しながら、作業をし始めた。

この事務所の地元民でも一番熱心な人がいて、朝から晩まで、毎日
来て、全体の作業を見て、作業全体の進捗を見ている。その内、選
挙参謀が、事務所の空気を変えるためかどうか、姉御タイプの女性
を送り込んできた。

この姉御の登場で、事務所全体の一体感と明るさが増した。このた
め、地元に顔がある支援者が、事務所に毎日顔を出すようになり、
知らず知らずに巻き込まれている。私も最初は一週間だけ手伝い、
事務所での作業がなくなる後半からは来ないことにしていたが、姉
御に頼まれて多くの時間を選挙活動で過ごすことになった。

後半は、事務所で準備したパンフを街頭で配る活動をした。地域が
3つで、商業地、住宅地、工場地域であり、それぞれをまず、回り
たいと思い、それぞれを代表する駅頭でパンフを配り、演説をした
が、その印象が大きく違う。

アベノミクスで恩恵を感じる人が多い地域では、パンフの受け取り
率が悪いが、恩恵を受けていないと感じる地域では、演説中に声を
掛けてくれ、かつパンフの受け取り率が良い。

もう1つが、天候や夕方・昼間の違いで、パンフの受け取り率が大
きく違う。この情報を整理すると、選挙戦術学になりそうであると
思った。

このパンフを配るにも、コツがあるようだ。受け取り率の悪い地域
でもある高齢の女性は、確率よく受け取ってもらっている。挨拶し
、下からパンフを差し出して、もらっている。

もう1人が学生で、受け取りそうな人を先に目星をつけて、その人
に話しかけて、もらってもらう方法を取っていた。この学生も確率
が良い。

この候補の1200人大集会を後半に開催したが、その会場に定数
以上の人が詰めかけた。連合の動員があったと思うが、非常に多く
の人が集まった。このため、多くの人が当選を確信したようである。

しかし、現場を見ている我々とは、印象が違った。選挙本部長も、
その気配を感じて苦戦であり、皆さんが近所の人を誘って投票して
ほしいと話した。

14日、今日は午前3時当たりで当選確実が出るのであろうと覚悟
をして午後8時に選挙事務所に行ったが、苦戦の割に午後9時半に
NHKが当選確実を出した。出口調査で対立候補に相当な差が出て
いたが、不在者投票の結果が出るまで当確が難しいと見ていた。
選挙参謀も、あまりにも早いと話した。

しかし、NHKが当確を出したのであるからと、10時に万歳をし
て、選挙活動中に知り合った地域住民の仲間と祝杯を挙げに、近く
の飲み屋に行った。そこでビール3杯ほど飲んでいたら、仲間の一
人が開放速報をネットで見て、対立候補に1000票差が付けられ
たと言った。

これは大変だと、再度、選挙事務所に引き返した。午前1時に、選
挙参謀から選挙区の票が出終わり、負けたと告げられた。比例での
当選は確実であったが、NHKが誤ったという。

今回の得票数は、前回と同じような数字であるが、対立候補の票数
が前回に比べて、1万票以上も多くなっている。このため、逆転さ
れたようである。

地元の人達は、ほとんどが自転車か歩ける距離にいて、午前2時で
も帰れる。しかし、私は、選挙事務所に午前2時半まで居て、朝一
番の電車を待つために、マックに入り、時間を潰した。

このため、朝帰りになった。この経験は面白かった。

また、地元支援者とも今後の活動を進める必要があると思った。地
元支援者が選挙活動の中心にいるのは、正常な姿のような気がする。
連合の組合員中心では、地元民のお祭りにならない。




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