5194.バイオコークス



茶かす、木材の破片、籾殻などのバイオマスのゴミから、バイオコ
ークスを作ることに成功した。石炭の代替燃料として期待される。

開発したのは、近畿大学理工学部井田民男教授であり、コーヒーや
お茶の粕、もみ殻などの農産系廃棄物、流木や河川敷の草、間伐材
や、おからなどの食品廃棄物など。全てのバイオマスが原料になる。

バイオコークスの成型は、まず原料となるバイオマスを10%から15%
程度水分を残して乾燥させる。次に、原料を細かく粉状に粉砕する。
粉状に粉砕した原料を成型装置中央に設置したシリンダーに詰め込
む。詰め込んだ原料を4tの荷重をかけて圧縮していく。その後、180
℃の熱を加えながらさらに圧縮していく。最後に冷却工程を経るこ
とでバイオコークスが完成する。装置に原料を入れて、わずか40分
で環境に優しいバイオコークスが完成する。しかも、この成型技術
では、100gの原料から100gの燃料を作ることができる。容量は1/10
になる。

完成したバイオコークスは、鉄よりも硬い硬度を持つ。その硬度に
より、鉄を溶かす高炉に使用することが可能で、1000度まで熱に耐
えることができる。鉄を溶かす炉の製造を手がける株式会社ナニワ
炉機研究所で、完成したバイオコークスの実証試験を実施。その結
果、製鉄の燃料である石炭コークスを20%バイオコークスに代替して
も、鉄を溶かすために必要な熱量と熱効率は全く変わらないことが
判明した。

バイオコークスのコストは石炭の半分であり、石炭より安くなり、
火力発電コストがより安くなることが確実である。

そして、マレーシアでパームヤシによるバイオコークス製造試験が
開始している。

福島の放射線を含みゴミを容量1/10にするためにも、この技術を使
うということである。貯蔵が楽になる。

このように優れた燃料ができたことで、新エネルギー財団が実施し
ている2011年度新エネ大賞(資源エネルギー庁長官賞)のほか環境
省の2012年度地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞している。



生物由来の新しい燃料資源バイオコークス

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