5199.安倍首相、街の声を無視



安倍首相の自分勝手さがテレビ出演で出てしまった。安倍首相がTV
の街の声に反論したことだ。これは政治家にとって命取りになりか
ねない。

TBSの「NEWS23」で、若い主婦2人の「全然アベノミクス(の恩恵)
は感じていない」「大企業しかわからへんのちゃう」という街の声
を聞いて、安倍首相は「6割の企業が賃上げしている。全然、声に
反映されていません。これ、おかしい」と反発。「(テレビ局の)
皆さん(声を)選んでおられる」と、偏向番組かのように非難した。

安倍首相の言うことも事実であるが、大手企業に勤める人は、全国
民の20%しかいない。このため、多くの一般国民は全然恩恵を受
けていないのも事実である。それを安倍首相は否定してしまった。
大多数の国民の声を無視したことの事実は、大きなダメージを受け
る事になる。

日本テレビ「ニュースゼロ」のインタビューで、解散時期について
「総選挙をしているときではない」と問われると、何度も質問をさ
えぎり「それは間違っている」と強弁。「われわれは常に命をかけ
ている。選挙は政治家にとって命がけだ」と気色ばみ、世論調査で
65%が解散に「反対」と答えたことについて「(政権を)そのま
まやれといっている方が65%もいる」などと論議をすりかえた。

このように安倍首相の取り巻きが、街の声を事前に入れて、それへ
の反論の仕方も教えていないことによる大きなチョンボが出てしま
ったようである。これは致命傷にもないかねない。

参謀の飯島参与の失敗でしょうね。小泉元首相は、肌で庶民の声を
理解できるが、お坊ちゃん育ちの安倍首相には、庶民感覚が無い。
このため、事前にご講義しておくことが必要であった。

これでまた、自民党は票を減らし、共産党が票を増やしたように感
じる。他の野党は、早く体制を作り、受け皿になることである。

そのためには、野党統一候補にすることだ。自公民、野党、共産の
3候補が出る選挙区が理想であるが、このような選挙区はどの程度
できるのであろうか?

さあ、どうなりますか?

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衆院選:生き残り図る野党 議員の流動化加速
毎日新聞 2014年11月21日 02時40分
 衆院解散を翌日に控えた20日、自民党への対抗軸作りを模索す
る野党の流動化がさらに進んだ。解党を決めたみんなの党だけでな
く、生活の党からも民主党に合流する動きが表面化した。ただ、小
政党からの合流は議員の「生き残り」の側面もあり、「野合」批判
を招く懸念もある。選挙区調整の「時間切れ」を前に自党の候補擁
立を優先する動きもあり、野党連携は壁にぶつかりつつある。
【村尾哲、飼手勇介】
 「自分が正に民主党だという気持ちで頑張ってほしい」
 海江田万里代表は20日、みんなに離党届を提出した山内康一国
対委員長と中島克仁衆院議員を党本部に迎え、満面の笑みで握手を
交わした。
 現職の合流は、候補者不足に悩む民主にとっては朗報だ。山内氏
は埼玉13区、中島氏は山梨1区で擁立する調整に入った。
 みんなは2012年衆院選で18議席を獲得したが、解党決定で
「四分五裂」(関係者)となった。山内氏らに加え柏倉祐司、杉本
和巳の両氏も民主からの立候補を調整中だ。渡辺喜美前代表は新党
結成を模索しており、維新の党への合流を目指す議員もいる。渡辺
氏と対立した浅尾慶一郎代表は、無所属での立候補を検討中だ。
 一方、生活の党の小沢一郎代表は20日までに、衆院議員が選挙
に有利と判断すれば、離党を認める意向を周囲に伝えた。右腕であ
る鈴木克昌幹事長は民主への復党が決まり、青木愛氏も離党を検討
している。
 小沢氏は衆院選に向け分裂した民主との連携を目指したが、「小
沢アレルギー」の強い民主と溝が埋まらなかった。生活にとどまる
衆院議員は小沢氏や、同日午後に離党を断念した村上史好氏らとな
りそうだ。小沢氏としては側近議員の「延命」を図り、衆院選後の
連携の芽を残す狙いもあるとみられる。
 みんななど「第三極」は前回衆院選で存在感を示したが、「分裂
ばかりで存在感が低下した」(維新幹部)ままでの解散・総選挙と
なった。土壇場での民主合流は、議席増が見込まれる民主のほうが
比例復活の可能性が高まるとの議員心理が働いたとみられる。
 これに対し、民主は「安倍政権への対抗軸を作るため、合流を歓
迎したい」(幹部)とこの流れを加速させたい考えだ。消費増税を
めぐる12年の分裂劇では、造反者に除籍(除名)など厳しい処分
を下した。復党には規約上、一定の手続きが必要となるが、18日
の常任幹事会では、過去に除籍された議員でも柔軟に復党を認める
可能性を確認した。
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街の声を無視して政治はできない 安倍首相がさらけ出した
「アベノミクスの限界」
木村正人2014年11月19日 19:55BLOGOS
前に進むしかない
安倍晋三首相は18日夜、21日の衆院解散を表明した。2015年10月に
予定していた消費税率を8%から10%への再引き上げは1年半先送
りし、17年4月には必ず再増税を実施する。12月2日公示、14日投
開票となる。
争点は再増税先送りではなく、アベノミクスの是非である。日銀の
黒田バズーカ2、法人税引き下げ、年金積立金管理運用独立行政法
人(GPIF)の運用見直しという切り札まで出したアベノミクス。
これを途中で投げ出した場合の市場の反動を考えただけでも、ゾッ
とする。円高・株安・デフレに逆戻りする。これは前に進むしかな
い。
人為的に円安・株高を作り出し、消費税の影響抜きで2%の安定イ
ンフレを達成しようというアベノミクスは最初から退路なき経済政
策なのだ。
日銀は19日の会合で、黒田バズーカ2について前回反対した3委員
が賛成に回り、賛成8、反対1で黒田バズーカ2の継続を決めた。
サウジアラビアが米国のシェールガス潰しに本格的に動き出したた
め、原油安がどこまで進むかわからない。原発再稼働が停滞し、エ
ネルギー源を輸入に頼る日本には朗報だが、2%の安定インフレを
目指す黒田・日銀にとっては不安材料だ。
出したばかりの黒田バズーカ2をすぐに引っ込めるわけにはいかな
い上、日銀内の足並みが乱れていると市場からを受け止められると
悪影響が出ると判断したのかと、意地悪な筆者は勘ぐってしまう。
安倍首相の自己採点
18日夜、民放の報道番組に出演した安倍首相の発言がインターネッ
ト上で流れている。まず、安倍首相がアベノミクスの成果をどのよ
うに説明したのか、筆者の感想を交えながら紹介しよう。
【成長】
安倍首相「われわれが政権につく前はマイナス成長でした」
(筆者)この1年間でも3四半期がマイナス成長になっている。潜在
成長率がマイナスに転落している恐れもある。
【雇用】
安倍首相「今年の大卒者・高卒者の内定率も上がっている。有効求
人倍率は22年ぶりの高水準。特に高卒者は14%も上がった」
(筆者)確かに失業率も3%台になり、完全雇用と言える状態。職種
を問わなければ、これはアベノミクスの成果だ。
【賃金】
安倍首相「今年4月2%以上、上がりました。物価安定目標を上回
っています。15年間で最高と言っていい。雇用は拡大し、賃金は上
昇し、消費は拡大し、景気の好循環が生まれ始めたのは事実」
(筆者)ここまで言えるかは怪しい。名目賃金は上昇しても実質賃
金は下がる一方。厚生労働省の速報によると、9月の現金給与総額
は前年比0.8%増の26万6595円、7カ月連続で増加したが、物価の変
動を考慮した実質賃金は前年比2.9%減と15カ月連続でマイナス。
【企業収益】
安倍首相「企業が最高収益を上げている」
(筆者)自動車や電機メーカーといった輸出関連企業は切り下げら
れた円ベースで収益を計算すると、収益は膨らんで当然。問題なの
は輸出企業が円安でも国内生産能力を高めていないことだ。
【旅行収支】
安倍首相「海外からの観光客は昨年1千万人。今年は1300万人。旅
行収支は過去ずっと3兆円のマイナスだったが、黒字になった。大阪
万博が開かれた1970年以来だ」
(筆者)筆者は大阪出身なので、大阪万博のアメリカ館の「月の石
」、ソ連館に入場するため気が遠くなるほど並んだのを覚えている
。親父がずるをして横入りしたので恥ずかしかった。
今の円安はあの頃の水準なのかと思うと安倍首相のように素直には
喜べない。昭和36年生まれの筆者が初めて海外旅行したのは平成4年
、31歳のときだった。
街の声を無視するな
筆者がびっくりしたのは、安倍首相がTVの街の声に反論したことだ
。これは政治家にとって命取りになりかねない。
TBSの「NEWS23」で、若い主婦2人の「全然アベノミクス(の恩恵)
は感じていない」「大企業しかわからへんのちゃう」という街の声
を聞いて、安倍首相は「これは街の声ですから、選んでると思いま
すよ。もしかして」と発言した。
安倍首相「自民党が政権を奪取する前は、国民総所得は40兆円減少
していました。それがプラスになっている。マクロでは明らかにプ
ラスになっている。ミクロでみていけばいろいろな方がおられます」
(筆者)若い主婦の声はミクロではなく、マクロとしても説明がつ
く。筆者が首相なら「アベノミクスの効果はまだ社会の隅々にまで
は届いていません。私にもっと時間をいただければ、アベノミクス
の効果を必ずお届けします」と言っていただろう。英国でも世界金
融危機後、実質賃金がプラスに転じるまでには相当、時間がかかっ
た。
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街の声に「おかしい」/首相、出演テレビで逆ギレ
しんぶん赤旗2014年11月20日 09:40BLOGOS
 安倍晋三首相は解散表明した18日の深夜テレビ番組に相次いで
出演し「電波ジャック」を試みました。民放のキャスターから経済
政策や解散の時期について疑問を示されると、「それは間違ってい
る」とたびたび逆上しました。
 TBS「ニュース23クロス」はアベノミクスに対する街の声を
紹介。「効果はあった」「全然、恩恵を受けていない。給料も上が
っていない」と賛否両論を流しましたが、首相は「6割の企業が賃
上げしている。全然、声に反映されていません。これ、おかしい」
と反発。「(テレビ局の)皆さん(声を)選んでおられる」と、偏
向番組かのように非難しました。
 キャスターから「実質賃金が15カ月連続で減少している」と言
われると、質問をさえぎって「大事なところなんで言わせて」「も
う一点言わせて」と横車。「国民総所得はプラスになっている」と
都合のいい議論を展開し、批判に耳を貸さない態度でした。
 日本テレビ「ニュースゼロ」のインタビューで、解散時期につい
て「総選挙をしているときではない」と問われると、何度も質問を
さえぎり「それは間違っている」と強弁。「われわれは常に命をか
けている。選挙は政治家にとって命がけだ」と気色ばみ、世論調査
で65%が解散に「反対」と答えたことについて「(政権を)その
ままやれといっている方が65%もいる」などと論議をすりかえま
した。
 首相の態度はインターネット上で話題に。ツイッターで「街の声
聞いて首相キレているわ。国民の声だぞこれは」などの声が飛び交
いました。



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