5195.アベノミクスの終焉



自民党のアベノミクスは、円安にして大企業の輸出を促進して、国
内景気を押し上げようとしたが、残念ながら、大企業は海外工場を
畳んで日本に戻らず、輸出は伸びなかった。

しかし、円安にしたことで輸入する石油、LNGガスの値段が上昇し、
かつ消費税増税とバブルパンチをくらい、物価が上昇したが、国内
企業の利益は上昇しないために、多くの人の給与は同じであり、よ
って、消費を控えたのである。

この円安を継続しても、大企業の利益は大きくなるので、一面の効
果はあるが、もう一面の主に中小の国内企業の利益を拡大する必要
が出ている。

しかし、自民党の公約を見ても、それを推進する政策がない。ただ、
消費者へ金を配るだけであり、それでは無理がある。根本の部分で
の対策を打たないと、日本の景気は復活しないし、潜在成長力は、
労働人口の減少で、マイナスになっているように感じるので、アベ
ノミクスでは目標としているデフレ脱却はできない。

デフレ脱却ができない上に、1年半後、消費税増税になり、日本の
景気回復は絶望的になる可能性が高いように感じる。

そろそろ、違う目標を持った経済政策を打ち出す必要があると思う
が、自民党には、それがわからないようである。短期的な人気取り
の政策は、そろそろ限界のようである。

やっと、アベノミクスの終焉が見えてきたように思う。

さあ、どうなりますか?

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アベノミクスの終焉
池田 信夫
2014年11月17日13:28agora
キャプチャ今年の7〜9月期のGDP速報値が、予想以上に悪かった。
これを増税の影響だという人が多いが、それは誤りである。増税の
影響は一過性なので、右の図(朝日新聞)の比較でもわかる通り、
半年たつとGDPはプラスに戻るのが普通だ。増税率はほとんど同じな
ので、この差は消費税以外の要因と考えるしかない。
GDP統計の中身をみると、家計消費は+0.3%に回復している一方、
住宅投資が−6.7%(年率−24.1%)と大幅に落ちたのがきいている。
これは地価上昇を見込んで駆け込み的に行なわれた住宅投資の反動
と、資材不足や人手不足が原因だろう。設備投資も−0.2%で、これ
は円安やエネルギー価格の上昇によるコストアップが原因だ。3%の
消費増税より、2年で40%以上も上がったドルの影響のほうが大きい
のだ。
キャプチャ他方、アベノミクスでもっとも期待されていた円安によ
る外需の寄与度は、+0.1%だ。去年までずっとマイナスだったのが
わずかにプラスに転じたが、ネットの効果はほとんどない。唯一の
効果は、財政支出である。公的資本形成は、7〜9月期も+2.2%にな
った。
要するに「輪転機ぐるぐる」でインフレ・円安にして景気を回復さ
せようというアベノミクスのねらいは、空振りに終わったというこ
とだ。デフレ脱却で実質賃金が下がり、個人消費は落ちた。円安で
企業のコストが上がり、設備投資が大きく減った。
民主党の枝野幹事長の「アベノミクスは株価を上げることには効果
があっても、われわれの想像以上に実体経済に悪い影響を与えてい
る」というコメントは、珍しく的確だ。金融政策は資産価格を動か
すことはできても、GDPを引き上げることはできないのだ。
これで増税の先送りはほぼ確実だが、こんなボロボロの状態で解散
・総選挙はできるのだろうか。野党が「アベノミクスの失敗」を攻
撃し、日銀総裁の更迭を求めて選挙戦を展開したら、自公は過半数
を割るのではないか。
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経済対策2〜3兆円、消費押し上げに重点 
2014/11/18 0:40日本経済新聞 電子版
 内閣府が17日発表した7〜9月の国内総生産(GDP)速報値が
2四半期連続のマイナス成長となり、政府がまとめる経済対策への
期待が高まってきた。安倍晋三首相が18日にとりまとめを指示する
見通しだ。消費増税後の反動減が響いたものの、足元で持ち直し始
めた個人消費の押し上げに重点を置く。災害対策以外の公共事業は
盛らず、2兆〜3兆円程度の比較的小さな規模に抑える方向だ。
 「対策規模は大きくなるほど効果がある…
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GDPはショッキング、もはや消費増税議論すべきでない=本田参与
2014年 11月 17日 10:07 JST
[東京 17日 ロイター] - 安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣
官房参与を務める本田悦朗・静岡県立大学教授は17日、内閣府が
発表した7─9月期の国内総生産(GDP)速報値について「ショ
ッキングだ。もはや、消費税増税を議論している場合ではない。日
本経済を支えるため、経済対策に議論を集中すべき」とロイターに
語った。
7─9月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期
比0.4%減、年率換算では1.6%減で、年率で7.3%減と大
幅に落ち込んだ4─6月期から2四半期連続のマイナス成長となっ
た。市場予想の年率2.1%を大幅に下回った。
(竹本能文 編集:田中志保)
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英BBC「アベノミクスはうまくいっていないように見える」
 日本のGDPが2四半期連続のマイナスとなったことは、海外で
もニュースとなり、イギリスのBBCテレビは「アベノミクスはう
まくいっていないように見える」と論評しました。
 「世界第3位のGDPが、去年の同じ時期と比べて1.6%下落
しました」
 BBCは、「日本が景気後退局面に入った」と伝え、安倍総理が
週内にも衆議院の解散に踏み切る見込みであると報じました。BB
Cは、安倍総理が総選挙で新たに4年の任期を得る可能性が高いと
予測したうえで、こう不安要素を指摘しています。
 「安倍首相の経済政策がうまくいっていないのが本当の不安要素
です。2年間続いてきたアベノミクスは、うまくいっていないよう
に見えます」
 また、「アベノミクスによって日本の株価が上がったのは事実だ
が、利益を得たのは一部の富裕層のみで、庶民の消費の拡大にはつ
ながっていない」としています。
(18日04:47)TBS


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