5169.林業再生が日本の活性化



木のセルロースから構造材やガラスの代替できるセルロース・ナノ
ファイバーや、木を構成するリグニンからベンゼンを生成すること
、ヘミセルロースからはブタジエンを生成できる。石油の価格が下
がっているが、いつかは安い石油はなくなり、比較的安い天然ガス
に移行する。

この時、不足するのが石油にあるが、天然ガスにないベンゼンやブ
タジエンなどである。この物質は合成ゴムやABS樹脂、フェノール
やポリカーボネートになり、タイヤ、自動車の部品、ナイロン繊維
や洗剤や薬品の原料になる。

このように数年か数十年後には、木からの化学物質を生み出さない
と、現在の便利な生活ができなくなる。

このため、その将来を見て、林業の再生が急がれる。しかし、現在
、林業は廃れていて、限界集落の多くが山間部にあり、昔は林業で
生活していた土地である。多くは木炭の産地であったが、現在、炭
を使うことはない。しかし、木を生産する観点からのおかしいこと
になっている。

なぜ、この林業が廃れたのかと調べると、戦後の循環型林業を林野
庁は、林業家に強制して、1ヘクタールに3000本も植樹したこ
とで、間伐が必要になってしまったが、欧州などは植樹の密度を疎
にして、間伐をしない林業をしている。欧州は粗放型林業である。
ドイツなどは、この林業に100万人も従事している。

一方、日本は悲惨である。今、山の手入れをしないために、木が大
きくならず、根を張れずに山崩れの原因にもなっている。循環型林
業の失敗である。針葉樹の一色した結果がこのようなことになって
しまった。欧州は広葉樹であるが、日本は手入れが必要な針葉樹に
なっている。しかし、手入れしないと針葉樹は淘汰される。

今後は、欧州と同じような粗放型林業にして、少ない人数で多くの
林野を管理でき、かつ機械化してコストを下げる必要があるという
ことである。

もう1つが、欧州の林業は、木の各部を全て売る商品開発している
が、日本はそれができていない。構造材以外に、細い木を組み合わ
せた集成材、木質ペレット、フローリング材、内装材、合板などの
用途を確立して、現状でも採算が合うようにすることである。

その上で、化学物質やセルロース・ナノファイバーなどの研究開発
をして、より利益を多くできることができれば、エネルギーは再生
エネルギーや水素になり、化学物質は木から得ることで、将来も現
在と同じ生活が出来ることになる。コストを下げる努力を石油が高
価に使えなくなったときのことを考えて研究することである。

現在の限界集落が、またゴールドラッシュのような状態になること
も考えられるのである。

といいように、限界集落問題は、林業を産業として確立できるかど
うか問題を解決できることになる。

さあ、どうなりますか?



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