5145.日本沈没の危険性から考える政策



アベノミックスが効かなくなるのは、日本経済にとっては悪夢であ
るが、竹中さんのように財政破綻を起こして、変わるしかないとい
うのは行き過ぎであると思う。

財政支出の多くが社会保障費であるので、この改革をしないと財政
破綻は目の前にある。これと同じように日本の経常収支が赤字にな
り、110円という円安が定着してしまい、石油・食料などが値上
がりする可能性も多くなっている。この円安で原価が企業努力でカ
バーできずに、値上げすることになるが、それにより、前年同月比
4.7%減少と消費が冷え込むことになる。

エネルギーもLNG火力に頼り始めているが、一番安いのは石炭火力で
あるし、褐炭まで燃料にできるので、最新式の石炭火力は、すごい
効率であり、そのシフトをするべきが、関西電力などは原子力発電
が動くと見て、石炭火力を作らない。東電は柏崎が動かない可能性
を見て、石炭火力を作る計画をしているが、環境アセスメントが必
要で、5年以上もかかっている。

太陽光発電所は、再生エネ優遇政策で高く、一般家庭の1カ月あた
りの負担がいまの225円から935円へ4倍強になると試算され、この
まま太陽光を増設できない。また、発電の不安定性に対応できてい
ないことで、各電力会社は、接続を拒否し始めた。このように送電
問題が起きて、再生エネルギーが定着できない。

そしたら、石炭火力が出来るまでの間、LNG火力を増強するのではな
く、不安定性問題を解消する送電線整備の間は、原子力を動かすし
かないようである。LNGは、シェール革命でも割高であり、石炭の方
が安い。

当分の間、経常収支の赤字をなくすことが極度の円安にならないこ
との条件になり、極度の円安を阻止して、中小企業の原価高騰を抑
えるしかないようである。

原子力を動かすためには、日中関係を正常化して、戦争の危機を少
なくすることが条件である。

もう1つが、米国の金融緩和終了で、新興国経済は変調を起こして
いる。ドルの巻き戻しが起こり始めて、投資引き上げが起きている。

このため、世界的な投資の巻き戻しが起き始めている。ドルがダメ
なら円での投資をするはずが、円の通貨としての魅力度が落ちて、
円買いのモードにならない。円の実力がなくなったことによる。

日本にとって、非常にヤバイ事態になったような感じがする。

早く、今の日本の事態を把握して、適切な経済政策を打つ必要が出
ている。

まし、このままにすると、日本沈没が見えてくる。スタグフレーシ
ョンに陥る。

しかし、債権デリバティブのピムコをビル・グロス氏が退社したこ
とで、日本国債の突然の金利上昇ということはなくなった可能性も
ある。日銀の金融緩和が国債市場を巡る戦いには勝ったようである。

しかし、日本が弱いと認識したら、次のビル・グロス氏が出てくる
ことになる。長期金利が上昇したら、財政破綻が起きることになる
ので、日銀の量的緩和という手は、残しておくことが必要になって
いる。

だんだん、日本の選択できる選択肢が狭まってきたような感じがす
る。

危機感を持って政治をする必要になっているようである。



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再生エネ優遇見直し必至 経産省、家計負担1割増も 
2014/9/30 11:20nikkei
 太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーの固定価格買い取
り制度が発足から2年で、早くも転機を迎えている。経済産業省は
30日、再生可能エネルギーの導入がこのまま続くと、一般家庭の1
カ月あたりの負担がいまの225円から935円へ4倍強になるとの試算
を示した。現状のまま制度を維持するのは困難な情勢で、政府は抜
本的な見直しを急ぐ。
 経産省は同日開いた総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委
員会で、政府が6月時点で認定した再生エネがすべて発電を始める
と、買い取り総額は現状の約4倍の2兆7018億円に達すると明らか
にした。
 たとえば東京電力管内なら10月の平均的な家庭の電気代は月8423
円。再生エネの導入がこのまま続くと、買い取り負担額によって電
気代が1割超、上がる計算だ。
 2012年度に始まった再生エネ制度では、太陽光などで作った電気
を固定価格で買い取ることを電力会社に義務付けている。たとえば
、太陽光は1キロワット時あたり32円、風力は22円で買い取ってい
る。発電コストが10円前後の火力や原子力より優遇し、差額を家庭
や企業の電気代に上乗せしている。
 特に、太陽光は買い取り価格が高いため、企業や個人の参入が相
次ぎ、政府が認定した再生エネ施設のうち82%を大規模な太陽光発
電所(メガソーラー)が占めるほどになっている。
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日本の財政再建に潜む、2つの重大欠陥
2014/9/30newspicks
2000年代に小泉政権の中枢で、日本の財政・金融政策を動かしてき
た竹中平蔵氏。現在もオピニオンリーダーとして様々な経済改革を
唱え続けている。今回、そんな竹中氏に10年前を振り返ってもらい
、現在の日本経済が当時の予測と比較して、どこが良くなり、どこ
が悪くなったのか。または、現在の日本経済が抱える問題点、中で
も大きな問題となってくる財政赤字の今後、そして、6年後に迫っ
た東京オリンピックが日本社会をどう変えるのかについて聞いた。
消費増税しても財政赤字は改善しない
――小泉政権で財政・金融政策の中枢を担ってから、約10年が経ち
ました。当時の予測と比較して、現在の日本経済をどのように評価
していますか。
ほとんどの日本人が忘れていることがあります。実は2002年の基礎
的財政赤字は28兆円ほどありましたが、07年には6兆円まで減ってい
たことです。この間、増税はしていません。私はよく言うのですが
、小泉政権があともう1年半続いていたら、日本は財政黒字になっ
ていたと思います。
しかし、その後の展開は、まったく予測と違うものになってしまっ
た。一番大きな原因は政権交代が起こって、非常に大きな政府をつ
くってしまったことです。
実は小泉政権が終わるまで、一般会計の規模は約83兆円でした。そ
の間、財政を削ったという批判もありましたが、実際には削ってい
ない。増やさなかっただけなのです。
それが今や100兆円です。16兆円くらい増えている。今年から消費増
税して8兆円ほど収入を増やす目論見ですが、ばら撒いたあとで、
その半分くらいを増税しているわけです。これは非常に良くないシ
ナリオです。
一方で、良くなった面もあります。1つは、ITが当時の予想以上に
人々のライフスタイルに定着したことです。私が象徴的だと思うの
は、新幹線のエクスプレス予約です。これができたとき、ITは人間
の生活を変えると思いました。
もう1つが東京という街です。日本橋・銀座は三井、大手町・丸の
内は三菱、六本木・赤坂は森ビルというゾーンを分けた開発競争の
結果、東京は非常に良い街になりました。ただ、遅れているのは羽
田空港の国際化ですね。今羽田と結ばれているのは世界19都市、成
田を入れても88都市しかありません。世界の主要都市であるロンド
ンは350都市、パリは250都市もあります。北京でさえ93都市です。
もちろん条件が違うところもありますが、羽田の国際化は急務だと
思います。
“普通の人”がほとんど税金を払っていない日本
――10年前から振り返ると、ポジティブ、ネガティブの両面がある
中で、今後10年のこともお聞きしたいと思います。一番気になって
いるのは財政問題です。現在の借金は1000兆円、GDPの2倍超の水準
の借金を抱えています。
私は基本的に財政再建は難しくないと思っています。なぜなら02〜
07年の5年間で増税なしで、28兆円から6兆円まで赤字を減らしたわ
けですから。それと同じことをやれば、財政再建はできるんです。
同じことというのは、財政支出を増やさないことです。
ところが、麻生政権以降、社会保障を聖域化したため、自動的に毎
年1兆円も借金が増えていくことになってしまった。社会保障を削
るというと批判の声が大きくなりますが、その結果、残念ながら今
後の財政は相当厳しい状況になると思います。
もし財政再建を社会保障改革なしに消費増税でカバーしようとする
と、消費税を30%以上にしなければならないという試算もあります
が、これは現実的ではありません。
実は日本の社会保障と税というのは、2つの大きな欠陥を抱えてい
るのです。税金の欠陥は、意外にも“普通の人”が所得税を払って
いないことです。
通常、“普通の人”が払う所得税は税率10%以下です。では、この
“普通の人”が占める比率は所得税全体の何割だと思いますか?
ちなみにイギリスは15%、ドイツ、アメリカは30〜40%です。日本
はなんと80%にもなるのです。つまり、ほとんどの人は税金を払っ
ていない。高額所得者だけが高い税率を課せられ、所得税が空洞化
しているのです。
普通の人にも所得税を払ってもらわないと税は成り立ちません。政
治家はこれが言えないから、なんでもかんでも消費税と言っている
わけです。この欠陥をどう補えるかが今後非常に重要なポイントに
なります。
社会保障にも重大な欠陥があります。日本の社会保障は、「自助」
「共助」「公助」という定義の中で、圧倒的に「共助」の面が大き
い。つまり、“保険”なのです。結果的に社会保障予算は、年金、
医療、介護といずれも“保険”でやっているものばかりです。
一方で、日本は「公助」が実に少ない。税金でやらないといけない
ことを、この国はほとんどやっていないのです。
その典型が女性に対する補助です。産休のための所得保障、子育て
の所得保障、一度家庭に入った人が職場復帰するときの職業訓練な
ど重要な補助をほとんどやっていません。これでは、女性が輝く国
にはなれません。
慌てて変わろうとする「シンデレラの国」
――なぜ政府は、そうした状況を変えようとしないのでしょうか。
最大のポイントは日本が素晴らしい国だからです。日本経済は強く
、政治家がいい加減な政策をしても、生活水準は揺るがない。だか
らこそ、「ゆでガエル現象」になっていく。危機にならないことが
、潜在的な危機を強めているというメカニズムです。
もう1つは、日本人みんなが目の前の小さな利益の喪失に敏感にな
り過ぎて、将来の大きな利益を逃している。政治家、官僚、ビジネ
スマン、消費者に共通した問題です。
――日本の歴史を振り返ってみても、絶体絶命のピンチに陥らない
かぎり、なかなか変わらない。やはり財政破綻こそが変わるきっか
けとなるのでしょうか。
実はフランスやドイツの人と話をしていると、日本はイギリスと同
じだと言うんです。フランスとドイツは常に隣国の脅威に晒され、
自分で変わらないと生き残れない。一方で、日本とイギリスは国土
を海に守られているから、なかなか自分から変われない。
だから、イギリスは「シンデレラの国」と呼ばれているそうです。
シンデレラは靴を忘れますが、12時になることはわかっているのに
、その備えをしなかった。慌てて変わろうとするから、シンデレラ
の国と呼ばれるんです。
日本も急に変わる国です。明治維新がまさにそうですし、戦後の民
主化もそう。非常にショックが大きい。だからこそ、財政破綻とい
う大きなショックをできるだけ避けるための対策を立てたいという
のが、政策を勉強している人間の気持ちですね。
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ピムコ上場投資信託から資金流出、グロス氏退社後
2014年 10月 1日 03:51 JST
[30日 ロイター] - 米債券運用会社パシフィック・インベスト
メント・マネジメント(PIMCO、ピムコ)は30日、「トータ
ル・リターン上場投資信託(ETF)」(BOND.P: 株価, 企業情報,
 レポート)について、ビル・グロス氏退社後2日間の資金流出が5
億5000万ドル近くに上ったことを明らかにした。
ただ29日の流出額は9800万ドルと、退社を発表した前週末
26日の4億4800万ドルから大きく縮小したとしている。
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8月の実質消費支出、前年比4.7%減少 家計調査 
2014/9/30 8:34nikkei
 総務省が30日発表した8月の家計調査によると、2人以上の世帯
の消費支出は1世帯当たり28万2124円で、物価変動の影響を除いた
実質で前年同月比4.7%減少した。前年同月を下回るのは5カ月連続
。季節調整して前月と比べると0.3%減少した。
 勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯当たり消費支出は30万5836
円で、前年同月比6.0%減少した。前年同月を下回るのは5カ月連続
。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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円安でも輸出伸びぬ謎 世界需要、盛り上がり欠く 
2014/9/29 2:00 (2014/9/29 3:30更新)日本経済新聞 電子版
 円相場は1ドル=109円近辺と2008年秋のリーマン・ショック前の
円安水準に戻った。円安で企業の輸出競争力は高まるが、1〜8月
の輸出額は約46.9兆円と、リーマン前(07年1〜8月)の9割に届
かない。円安の追い風でも、なぜ輸出回復の足取りは鈍いのか。背
景を探った。
 リーマン後の円高基調が円安に変わったのは12年秋。それから約
2年間で円は対ドルで約3割下がった。05年1月〜07年6月の前回
の円安局…
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