5141.なぜローカル経済から日本は甦るのか?



冨山和彦氏の表題の本を読んだ。GとLの経済成長戦略という副題が
ついているが、ローカル経済とグローバル経済が違い、そのルール
が違うし、グローバル企業が工場を海外に移したことで、グローバ
ルな大企業がいくら儲けても、ローカルには影響しない。

1980年代には、大企業が輸出をすると、その下請けが地方にあ
り、そのため、輸出が増えるとローカル経済も潤ったが、今はない。

現時点のローカル経済は、公共的な企業が支えているので、大企業
の恩恵を受けない。まるで別の存在であり、安倍首相が、その内に
地方に波及すると言ったが、残念ながら、そのようなことは起こら
ない。

ローカル企業の再生をするしかない。ローカル企業は地方交通や介
護・病院、スーパーなどの公共事業であり、リーマンショック以前
から地方は人手不足になっていた。サービス業は、景気に影響され
ないので、需要がある所に企業がないといけないが、このため、そ
の人手不足になったからといってグローバルに持っていくことはで
きない。

ナショナル大企業がローカルに来ても、ローカル企業が密度を持っ
て立地していると、勝てない。特にスーパーが良い例である。

イオンなどがロードサイドに立地して、一時繁栄したが、地方のメ
インが高齢者になり、ロードサイドの店にも人が来なくなった。高
齢者は、車に乗れなくなり、バスなどの公共交通に戻ってきている。

このため、地方は昔のように駅前にコンパクトシティ化して、そこ
に集めないと、水道などのインフラを維持できなくなる。

ローカル企業は集約して、不良企業は撤退させることであるという。
この退出ができるように法を整備することであるという。

と富山さんはいう。

しかし、地方企業の社員の給与は、東京などの大都市の給与に比べ
て、3割くらい低い。このため、地方企業に勤める社員は、大都市
に出ない理由がある。それは農家を兼業しているので、安くても、
農業をやっているので、年収は大都市に出たのとあまり違わないこ
とによる。

しかし、次の代は、子供の数が少なく、全ての子供が大都市の大学
に行き、農家を継がなくなった。大企業に入ったほうが生涯給与が
高いことによる。

このため、親が残されて65歳になり、会社を退職して、年金と農
家をしている。しかし、75歳以上になり、農業ができなくなるが
、子供が戻ってくることはない。このため、耕作放棄になるのだ。

ローカル企業を再生しても、ローカル経済の中心である農業や林業
を復活しないと、ローカル経済は復活しないと思う。

さあ、どうなりますか?




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