5140.日本の次の戦略は?



昨日は、ある人と会い、意見を交換した。アベノミックスの問題点
と今後の戦略をどうすればよいかということである。

この話の中心は、労働人口が減り、完全雇用状態に有り、これ以上
日本がGDPを増やすためには、どうしたらよいかという点である。

今までのアベノミックスが間違いかというと、そうではなく、増税
前までは輸出量が増加したので、一定の効果はあったが、労働人口
がすべて職に付いたので、止まったことが問題点である。

このためには、グローバル経済圏の大企業中心の輸出を増やすこと
ではなく、中小企業やローカル経済をどう生産性を上げ、付加価値
を高め、賃金を上げられるかということであろうということで一致
した。

この付加価値の高い企業や分野は、どこかという議論になった。

技能がある中小企業も候補になるが、現在、中小企業は急速に企業
数が減っている。大企業の下請けは、仕事が無くなっている。この
ために、候補にできない。冨山さんによると、特にローカル企業が
難しい状態になっているようだ。

中小企業をどうするかも、政策が必要であるが、これは今後、考え
る必要がある。

私は農林業分野ではないかと思うが、現在、それほど付加価値が高
いわけではなく、どうすれば良いのかということになってきた。

しかし、東京近郊園芸農家は、3ヘクタールで4名を雇い事業を行
えるようであり、それなりの年収がある。大潟村のコメ農業は大規
模であるので、普通の農家でも1500万円の収入があるという。
浜中町農業協同組合のように畜産の質を高めて、全戸が2000万
円以上の収入があるという所もある。

農業もやり方である。この農業や林業を復活させるしかない。ロー
カル経済の生産性を上げ、付加価値を高めない限り、ローカルから
人口が減り、地方が消滅することになる。

2つしかない。園芸農業では、技能を高めて高額な果物や野菜を作
るか、多量生産して安価な農産物を市場に供給する大規模農家であ
る。このためには、補助金をやめて、大規模農家などを優遇するこ
とや関連企業の農業参入を認めることである。

トマトなら、カゴメが参入しているし、キャベツではサイゼリアが
参入している。

アベノミックスの一の矢:金融量的緩和、二の矢:財政出動は経済
成長には有効ではなくなった。米国が量的緩和を止めた事で新興国
から投資が、金利が上がる米国に戻ることになる。世界的な景気の
減速に見舞われる。

世界経済が減速すると、これ以上の円安になっても輸出が増えない
ので、日本にメリットがなくなる。金融緩和は国債の買取のために
は必要であるので、簡単には止められないが、ほどほどで良いはず。

財政出動で公共事業を増やすと、民間工事ができずに、景気を刺激
できないことになる。工事業者は、今後長く公共事業があると思わ
ないので、労働者を増やさない。工事を選択することになる。

真剣に、第3の矢である日本の産業構造を改革することに取り組ま
ないと、日本の衰退は決定的になる。

今こそ、政治家が戦略を持って、政策を考えないと危ないことにな
る。

ということを話した。今後もある人ととは会話を続けることになる
と思う。

さあ、どうなりますか?



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