5124.ISISへの戦略は



NATOと米国が、ISIS攻撃で共同体制を取るが、それ以外の国の参加
を要請している。特に、スンニ派諸国の参加が必要であるが、しか
し、スンニ派諸国は、その戦いに消極的である。

表面の理由は、米国がシリア内戦に手伝わなかったことなどを上げ
ているが、実は、この戦いはスンニ派対シーア派になると思ってい
るのである。

事実、米国はイランとの連携を拒否しているが、イランの最高指導
者ハメネイ師は、過激派「イスラム国」に対抗するため米軍との連
携を許可した。

オバマ米政権がイラクやシリアで台頭する過激派「イスラム国」へ
の長期的な壊滅作戦を準備し、最終的な壊滅まで少なくとも3年間
を見込んでいると報じた。

このため、中国の参加を打診するために、ライス補佐官を中国に派
遣した。ロシアは、米国にウクライナ東部の優先権と引換えという
条件になり、当面は、ISIS攻撃に参加はしないようである。

さあ、どうなりますか?


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対イスラム国戦略、国民向け演説へ…米大統領
2014年09月08日 10時48分Yomiuri Shimbun
 【ワシントン=今井隆】オバマ米大統領は7日放送されたNBC
テレビのインタビューで、イスラム教スンニ派の過激派組織「イス
ラム国」に対する戦略などについて、10日に国民向けの演説を行
うと明らかにした。
 シリアへの空爆拡大の可能性について、どのように表明するかが
焦点となる。
 オバマ氏はインタビューで、「これはイラク戦争と同じようなも
のではない」とも述べ、地上部隊は派遣しない考えを改めて強調し
た。9日には議会幹部と協議する。「イスラム国」に対する国際的
な包囲網構築を急ぐ意向も重ねて示し、「サウジアラビアやヨルダ
ン、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコなどのスンニ派の国に立
ち上がってもらう必要がある」と語った。
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イスラム国の壊滅に「3年」 米、長期作戦を準備
2014.9.8 15:08
 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は7日、オバマ米政権がイラ
クやシリアで台頭する過激派「イスラム国」への長期的な壊滅作戦
を準備し、最終的な壊滅まで少なくとも3年間を見込んでいると報
じた。次期政権下での継続を前提にした計画といえる。
 作戦は3段階に分かれ、最初が現在もイラクで実施している限定
的な空爆の継続で、第2段階は今週にも見込まれるイラクの新政権
発足後、イラク軍やクルド勢力、イスラム教スンニ派部族への武器
供与などを想定している。
 最終段階はシリア国内への攻撃だが、各国の利害関係が複雑に絡
むため曲折もありそうだ。
 オバマ大統領は7日のテレビ番組のインタビューで、地上軍の派
遣に否定的な考えを示した。イスラム国について10日に演説する
予定だが「地上軍の発表ではない」と語った。(共同)
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イスラム国との戦い、アラブ諸国は米に懐疑的 「連合」参加に気
乗りせず
By JAY SOLOMON
2014 年 9 月 8 日 17:02 JST
 【ワシントン】オバマ米大統領は過激派組織「イスラム国」との
戦いで、アラブ諸国と連合を組み、支援してもらうことを計画の柱
にしている。だが今のところ、アラブ諸国の政府高官たちはそのア
イデアに気乗りしていない。
 中東地域の政府は、米国主導の連合への参加を表明する前に、イ
スラム国に対してどのような軍事的・財政的・外交的措置を取る準
備があるのかを明確にすることをオバマ政権に迫っているという。
米国とアラブ諸国の政府高官が明かした。
 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンを含む主要
国は、米国政府が他の国々、特にリビア、エジプト、チュニジアの
イスラム武装組織に対してもより積極的に追求すると約束すること
を求めている。「イスラム国」はイラク・シリア国境をまたがる地
域を制圧している。
アラブ諸国参加の前提
 協議に参加しているあるアラブ国家の高官は「イスラム国や中東
地域のその他の過激派がもたらす脅威に対処する必要性に関しては
、誰もが合意している」と話す。「だが、その目標をどのように達
成するかを示す戦略や計画が見えてこないと、アラブ諸国が戦闘に
参加するのは難しいだろう」
 ケリー国務長官ら米政府高官は今週から中東に散らばり、イスラ
ム国との戦いで米国主導の連合に参加するよう働きかける。
 7日に放送されたNBCニュースとのインタビューで、オバマ大統領
は「ヨルダン、UAE、トルコといった米国の同盟国だけではなく、サ
ウジアラビアなど、スンニ派国家も参加する必要がある……近隣国
なのだから。そうした国々は今現在、米国以上に直接的な危険にさ
らされている」と述べた。
 先週行われたアラブ諸国の高官たちへのインタビューでは、中東
における米国の役割が縮小したこともあって、イスラム国に対する
オバマ政権の作戦には依然として懐疑的だという声が聞かれた。
 主要なスンニ派国家、特にサウジアラビアは、オバマ大統領がア
サド政権と戦う穏健派の反政府勢力を支援するためにもっと積極的
にシリアに介入しなかったせいでイスラム国の台頭が加速したのだ
と考えている。
 シリア国内でアサド政権と戦う穏健派の反政府勢力を拡大する上
で、オバマ政権はアラブ諸国とトルコに大きく依存してきたが、ほ
とんど成功しなかった。必ずしも政府の同意を得ずにそうした国々
から供給された資金や武器は、最終的に過激派組織の手に渡ってし
まったと警鐘を鳴らす米政府高官もいる。
サウジ国王はオバマ氏に憤慨
 アラブ諸国高官たちによると、サウジアラビアのアブドラ国王は
、シリアの政権が民間人に化学兵器を使用した後に、オバマ大統領
が警告していた軍事攻撃を実行しなかったことに特に憤慨している
という。
 あるアラブ国家の高官は「それがイスラム国台頭のきっかけの一
つとなったとサウジ政府は考えている」と語った。
 オバマ大統領は欧州で先週、英仏トルコを含む9カ国から、対イス
ラム国の新たな連合に参加することへの合意を取り付けた。アラブ
諸国で参加を表明した国はまだない。
 オバマ大統領は、新たな連合はさまざまなアプローチを組み合わ
せることになると述べた。それは▽イラクのイスラム国戦闘員を標
的とした空爆▽イスラム国と敵対している中東の武装勢力への武器
供与▽軍事作戦の資金調達のためにイスラム国が不法に原油を販売
することを防ぐ統一措置などだ。
 米国は、イスラム国の戦争機構に向かう資金や外国人戦闘員の流
れを寸断する上で、サウジアラビア、UAE、カタール、トルコ、ヨル
ダンが非常に重要だとみている。また、こうした国々の政府がその
影響力を使って、ここ数カ月間にイスラム国と同盟を築いたイラク
のスンニ派をイスラム国から引きはがすことも望んでいる。
 米政府高官たちは、そうした国々がイラク軍やシリアの反政府勢
力に訓練を提供し、場合によっては合同軍事作戦に参加することで
、イスラム国に対する軍事作戦が強化されることを想定していると
語った。
 カタールとUAEは2011年、北大西洋条約機構(NATO)によるリビア
の独裁者、カダフィ大佐を狙った空爆を支援した。
 主要なスンニ派国家との協議に参加しているある米政府高官は「
その2カ国は訓練のための物理的な空間や場所を提供することができ
、訓練・装備・助言で米国と協力することに合意することもできる
」と話す。「両国は代弁者となり、穏健派のスンニ派の声を彼らの
コミュニティーに発信することもできる」。
 外遊の概要を聞かされた外交官によると、ケリー国務長官はヨル
ダンとサウジアラビアを訪れる予定だという。リヤドではサウジア
ラビア、UAE、オマーン、クウェート、バーレーン、カタールが加盟
する湾岸協力会議(GCC)の外相たちとの会談が予定されている。
 先週土曜日(6日)、ケリー国務長官はイスラム国について協議す
るためにナビール・エルアラビー・アラブ連盟事務総長に電話をし
た。「両氏はアラブ連盟とその加盟国が連合において強い姿勢を取
る必要性について話し合った」と国務省は明かしている。
 イスラム国や、シリアやイラクで活動するその他の過激派組織に
よる脅威が拡大したこの数カ月間に、米国とアラブの同盟国のあい
だに分裂が浮上してきた。
米国と関係なく戦う意志
 米財務省の高官は、イスラム国やアルカイダ関連組織への資金が
ペルシャ湾岸諸国、特にクウェートとカタールから流入し続けてい
ると懸念を口にする。先月、米財務省はそうした組織に資金を提供
したとしてクウェート在住の3人の資本家に制裁措置を科した。
 クウェートとカタールの高官は自国の政府によるイスラム国やそ
の他の過激派組織への資金提供を否定してきた。
 サウジアラビア、エジプト、UAEの3カ国は中東地域の過激派組織
と戦う上で、米国とは関係なく、独自に活動する意志が強まってい
ることを示してきた。米国はエジプトのムスリム同胞団のイスラム
主義運動や北アフリカや中東で活動する関連組織がもたらす脅威を
過小評価してきた、とその3カ国は主張する。
 米政府高官は、先月あったリビアのイスラム武装勢力に対する一
連の空爆はUAEとエジプトのしわざだとにらんでいる。エジプトの基
地から発進したUAEの戦闘機がリビアの首都トリポリの標的を攻撃し
たのだという。
 エジプト政府もUAE政府もその攻撃で果たした役割については肯定
も否定もしていない。しかしアラブ諸国の高官たちは、こうした軍
事作戦は、エジプトとUAEが拡大しているとみる安全保障上の脅威へ
の対応で、米国への信頼が失われている証拠であると述べた。
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イスラム国の構成員か ベルギー発砲事件の容疑者、過激思想→テ
ロの疑い強まる
2014.9.7 15:46
 ベルギーで5月に4人が殺された発砲事件で逮捕されたアルジェ
リア系フランス人の男が、犯行前に内戦下のシリアで過激派「イス
ラム国」の構成員として人質や捕虜を監視していたと、人質だった
フランス人記者らが証言した。米CNN(電子版)などが6日、伝
えた。
 欧米出身の若者がシリアに赴いてイスラム国の過激思想の影響を
受け、母国などで大規模テロを起こす懸念が強まる中、実際にテロ
行為に及んだ疑いが濃厚となったことで、国際社会のイスラム国に
対する不安は一層高まりそうだ。
 男はフランス北部出身のメディ・ネムシュ容疑者。同国メディア
によると、2013年にシリア内戦に参加した。(共同)
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対「イスラム国」で米と連携許可 イラン最高指導者 
2014/9/6 0:52
 【テヘラン=共同】英BBC放送は5日、複数の情報筋の話とし
て、イランの最高指導者ハメネイ師が、イラクとシリアで勢力を拡
大する過激派「イスラム国」に対抗するため米軍との連携を許可し
たと伝えた。
 反米路線を掲げるハメネイ師はこれまでイラク情勢への欧米の介
入に反対していたが、イスラム国の脅威が拡大する中で、米軍との
連携は不可避と判断したとみられる。
 BBCによると、ハメネイ師は革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」
のソレイマニ司令官に、イスラム国との戦いでイラク軍やクルド人
部隊のほか、米軍とも連携することを許可した。
 イランはイラクへの軍の派遣を否定しているが、同司令官はこれ
までも頻繁にイラクに出入りし、イラク軍やイスラム教シーア派の
民兵を支援してきたとみられている。
 シーア派のイランは同派が主導するイラクのマリキ政権を支持し
てきたが、スンニ派のイスラム国の台頭後、マリキ首相は退陣に追
い込まれた。イラクからシリア、レバノンにかけてシーア派の影響
力を維持したいイランはイスラム国の勢力拡大に警戒を強めている。










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