5117.アベノミックスの限界



アベノミックスがうまくいっていない。第1の矢は、成功のように
見えたが、円安による輸出額の増大を狙っていた。しかし、日本の
製品競争力が低下したことと、海外に逃げた工場の戻りがなく、当
初の目論見が実現しなかった。

再度、日本の製造業を活性化するということは無理であるというこ
とが、わかったことになる。

第2の矢はどうなったか。財政出動で景気刺激策を打つとして、公
共事業の工事費を増大させたが、労働力不足で、民間工事ができず
に、工事量が増えなかったことで、景気刺激ができないことになっ
た。

また、労働賃金も上昇せずに、円高による食糧・エネルギー価格や
増税後の便乗値上げなどで、価格は上昇したので、消費者は消費を
抑制し始めた。このため、景気が一層、下落した。

労働環境の条件も厳しくしたことで、低価格のレストランも潰れる
か、低価格が維持できず、値上げしたことで、最下層の人たちの生
活は一層きびしくなっている。

第3の矢は、いろいろな改革を打ち出したことで、ターゲットが決
めないことになった。抵抗勢力からの反撃にあい、改革が不十分に
なってしまった。

というように、アベノミックスの狙いは、よかったが、その遂行で
多くの失敗をしていた。このため、経済活性化はできずに、景気は
失速し始めた。

安部首相は、外交・安全保障に力を掛けることも重要であるが、経
済がおかしくなると、国民からの支持は得られなくなり、政権の基
盤が崩壊する可能性も出てきた。

もう1つに、安部首相は苦境になると、精神的な負担が大きくなり
、持病の腸炎が悪化する危険性もある。

野党も政権交代できるように、現実的な政策、特に経済政策を真剣
に検討して、交代できるように準備する必要がありそうである。

さあ、どうなりますか?




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