アベノミックスがうまくいっていない。第1の矢は、成功のように 見えたが、円安による輸出額の増大を狙っていた。しかし、日本の 製品競争力が低下したことと、海外に逃げた工場の戻りがなく、当 初の目論見が実現しなかった。 再度、日本の製造業を活性化するということは無理であるというこ とが、わかったことになる。 第2の矢はどうなったか。財政出動で景気刺激策を打つとして、公 共事業の工事費を増大させたが、労働力不足で、民間工事ができず に、工事量が増えなかったことで、景気刺激ができないことになっ た。 また、労働賃金も上昇せずに、円高による食糧・エネルギー価格や 増税後の便乗値上げなどで、価格は上昇したので、消費者は消費を 抑制し始めた。このため、景気が一層、下落した。 労働環境の条件も厳しくしたことで、低価格のレストランも潰れる か、低価格が維持できず、値上げしたことで、最下層の人たちの生 活は一層きびしくなっている。 第3の矢は、いろいろな改革を打ち出したことで、ターゲットが決 めないことになった。抵抗勢力からの反撃にあい、改革が不十分に なってしまった。 というように、アベノミックスの狙いは、よかったが、その遂行で 多くの失敗をしていた。このため、経済活性化はできずに、景気は 失速し始めた。 安部首相は、外交・安全保障に力を掛けることも重要であるが、経 済がおかしくなると、国民からの支持は得られなくなり、政権の基 盤が崩壊する可能性も出てきた。 もう1つに、安部首相は苦境になると、精神的な負担が大きくなり 、持病の腸炎が悪化する危険性もある。 野党も政権交代できるように、現実的な政策、特に経済政策を真剣 に検討して、交代できるように準備する必要がありそうである。 さあ、どうなりますか?