5116.ウクライナの敗北



ISISのイラク・シリアの戦いも気になるが、それより、ウクライナ
東部の戦いの方が重要である。この戦いを見通そう。津田より

0.ポロシェンコ大統領の発言
前回、黙示録の時代が始まり、今までの常識が通じなくなってきた
とした。これからは、新しい事態に新しい考え方で望まないといけ
ない。このウクライナ情勢を見る時に言える。欧米の民主主義だけ
が正義という観点だけでは、事態の見方として間違える。

BBCによると、ポロシェンコ大統領は、「his country is "close 
to a point of no return - full scale-war".ウクライナは全面戦
争から戻れなくなる点の近くにいる。」と。

この意味は、ロシアと全面戦争を行う可能性があるということであ
る。これはただことではない。この戦争に欧州も巻き込まれたら、
それは、第3次世界大戦になり、核戦争となる可能性も出てくる。

立場が似ているリトアニアのグリバウスカイテ大統領は「ロシアは
欧州への統合を望むウクライナと戦っている。事実上、欧州に対し
て交戦状態にあるということだ」と述べ、欧州はウクライナを軍事
的に支援する必要があると訴えた。

事実、スウェーデン軍は、ロシアの行動を冷戦時と比較するために
、ウクライナ東部の情勢を探るために偵察飛行を行う可能性はある
ようだ。

しかし、NATOのバーシュボウ事務次長は、NATOが、ウクラ
イナ危機の解決を試みるうえで、「直接的な軍事行動」に出ること
はない。と述べた。そうしてくれないと、恐ろしい。

事実ロシアのプーチン大統領も、「ロシアは核大国だ。関わり合い
にならない方が良い」と述べ、核兵器を使った第3次世界大戦にな
ると牽制した。

米オバマ米大統領は、「20〜30年前に比べて物騒ではないと約
束する。冷戦時代の試練に相当するものではなく、われわれは対処
できる」との見解を示したが、この見解は普通に考えるとおかしく
、ロシアとの裏取引をしているような感じを受ける。事実、7月に
米露は北欧の国で秘密交渉をしている。

ミアシャイマー・シカゴ大学教授も、ロシアの高官たちはワシント
ンに対してこれまで何度も、グルジアやウクライナを反ロシアの国
に作り替えることも、NATOを東方へと拡大させるのも受け入れ
られないと伝えてきたし、ロシアが本気であることは2008年に
ロシア・グルジア戦争で立証されていた。

結局のところ、プーチンと彼の同胞たちがリアリストの分析に即し
て考え、行動しているのに対して、欧米の指導者たちは、国際政治
に関するリベラルなビジョンを前提に考え、行動している。

その結果、アメリカとその同盟諸国は無意識のうちに相手を挑発し
、ウクライナにおける大きな危機を招き入れてしまった。状況を打
開するには、アメリカと同盟諸国は先ず「グルジアとウクライナを
NATO拡大策から除外する」と明言し、ロシアの要求を認めるこ
とであるという。

どうも、政権のアドバイザーであるステファン・ウォルト氏も同じ
考え方であり、米国の一流のリアリストたちは、その方向の意見で
ある。

この線で米露は合意しているようにも感じる。米露は、裏取引でき
るルートを持っている。今一番の優先順位は「イスラム国」という
ことであるようだ。これは正真正銘のテロ組織であり、裏取引もで
きない。

1.軍事介入の原因
つい最近、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでの戦争を止め
、停戦に向かうとしていたのに、なぜ、それとは反対の動きに出て
きたのであろうか?

ロシアがウクライナ東部に侵略したのかは、ウクライナのポロシェ
ンコ大統領とロシアのプーチン大統領がベラルーシの首都ミンスク
で会談したが、停戦条件でロシアとウクライナは合意できずに、特
にロシアが要求している連邦制と親露派との交渉をポロシェンコ大
統領は、強く拒否したからのようである。

もう1つが、親露派武装組織を8月末までに武装解除させようとし
たことで、ウクライナのイーホル・ハルチェンコ駐日大使も、親ロ
シア派勢力との戦闘について、「戦闘の凍結などの妥協はしない。
我々は勝利を確信している」と述べ、親ロシア派の制圧作戦を優先
する姿勢を示した。

このため、ロシアは停戦条件が満足できずに、それならということ
で、ロシア正規軍を侵入させ、親露派を補強して、ロシアに有利な
停戦に持っていこうとしているようだ。

今までは、ロシアの特殊部隊であり、軽装備の部隊であったが、今
回はロシア正規軍で重装備であり、各所でウクライナ軍は敗退して
いる。

このため、ウクライナ軍が優勢だった東部の戦闘状況は雲行きがあ
やしくなり、ロシアから侵入したとみられる戦車部隊などが突然攻
撃して、ノボアゾフスクからさらに戦線を広げ、約40キロ西で政
府が同州の臨時の行政拠点を置く人口45万の都市マリウポリまで
攻めているようだ。

ウクライナ東部軍は、首都キエフに援軍を要請しているが、援軍を
差し向けられるほど、兵力がなく、補充なしでの防衛となっている。

大軍を持つロシアは補充部隊を切れ目なく送り込めるが、ウクライ
ナ軍は、ほとんどの部隊を現に東部に展開しているので、補充部隊
を持たない。このままにすると、東部は完全にロシア軍の支配下に
なる事態である。

このため、ウクライナのポロジェンコ大統領は、NATO軍に援軍
を要請しようとしている。しかし、NATOもロシアと対決して第
3次大戦になるので、それには乗れない。

それどころか、欧州連合(EU)は、ロシアの軍事介入に対して、
首脳宣言に「ロシアに対する新たな制裁の準備がある」とし、「金
融制裁分野で拡大の余地がある」とした。独仏英の首脳も制裁拡大
に言及しており、首脳会議で経済制裁強化で合意するようだ。

しかし、ロシア産天然ガス輸入の削減などというロシアが本当に困
る制裁はないことになる。軍事介入という重大なことでも、それに
比べて、本当に小さな制裁しかできないことが明確化することにも
なる。

このように欧州を頼っても無理である。このため、相当に負けてか
ら、ウクライナ政府はロシアと親露派に停戦を申し込むことになる
ようだ。もちろん、半独立的な連邦制を受け入れ、東部2州でのロ
シア軍事産業の部品を作ることを承認するしかない。

負け方が大きい場合悪くすると、東部が独立する事態にもなる。

2.予測の根底
このように予測するのは、「神と二と四との大きな戦あると知らし
てありたが、いったん二と四との天下になるところまで落ち込むぞ」
光7帖である。二と四とはロシア、中国のことであり、欧米諸国も、
この2国の要求を聞くしかない。特に欧州は、軍事費を減少させて
、ロシアのような大軍を持っていないので、無理がある。

欧州の指導者たちは、国際政治に関するリベラルなビジョンを前提
に考え、行動しているが、その行動の裏付けには軍事力が必要であ
るが、平和が続き軍事力を大幅に削減してきた。

そのため、ロシアや中国に軍事力を出して来られると、その行動が
止まり、それを見たロシアや中国は、欧米は口だけであり弱腰で、
強く出てば通ると思うことになる。この繰り返しが現時点、起こっ
ている。

欧米の衰退と世界に見えることになる。このため、益々、多くの国
が、中国やロシアに味方することになる。今まで実力を持っていて
も軍事力を持たない国が偉そうにすることが難しくなることを意味
する。

力の強い者勝ちの世界が、当分、広がることになりそうである。

さあ、どうなりますか?


参考資料:
Poroshenko: Ukraine 'close to point of no return'
http://www.bbc.com/news/world-europe-28997946

Sweden military HQ raises readiness level over Ukraine
http://www.defensenews.com/article/20140830/DEFREG01/308300025?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

5113.ウクライナ東部でロシア軍が侵略
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/260829.htm

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NATO:ロシアとの紛争を危惧してウクライナ情勢への直接的な
軍事行動は計画していない
30 8月 2014, 11:06VOR
   北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ南部・東部の状況に
軍事介入した場合、ロシアとの紛争が発生する恐れがあるため、
NATO加盟国は、ウクライナ危機の解決を試みるうえで、「直接
的な軍事行動」に出ることはない。NATOのバーシュボウ事務次
長が、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に出演し、この
ような見解を述べた。
   バーシュボウ事務次長によると、欧米諸国は、経済制裁を用いて
ロシアへ影響を与えようとしている。バーシュボウ事務次長は、「
私たちは現時点で、国際的な孤立へ導く経済制裁を行おうとしてい
る。私たちはこのような形で、ウクライナの主権および領土保全の
回復という、公正な政治的解決に達することができる」と主張した。
   イタル・タス
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ウクライナ情勢:露大統領「核大国」強調 欧米を威嚇
毎日新聞 2014年08月30日 東京夕刊
 【モスクワ真野森作】ウクライナ情勢を巡り、欧米諸国とロシア
の対立が深刻化している問題で、ロシアのプーチン大統領は29日
、「ロシアは核大国だ。関わり合いにならない方が良い」と述べ、
欧米側を露骨に威嚇した。西部トベリ州で、ロシアの若者を集めた
対話集会で語った。「ウクライナ東部に1000人以上のロシア兵
を侵入させている」などとの欧米側の非難については、明言を避け
ながらも介入を否定した。欧州連合(EU)は30日の首脳会議で
ロシアの直接的な軍事介入を非難する首脳宣言を採択する見通しで
、米国と歩調を合わせた対露制裁強化にも乗り出す構えだ。
 プーチン氏はこの日、全国から集めた大学院生らの質問に答え、
国営テレビが生中継した。欧米との対立を巡って「ロシアが大規模
な紛争に突入することはない」と述べつつ、「核戦力をより小型で
効率的かつ近代的なものに強化している」と語った。また、「ロシ
ア人とウクライナ人は実際上、一つの民族」と語り、欧米の関与を
けん制した。
 ウクライナ東部で続く戦闘に関しては、「(ウクライナ)政府軍
が都市や村を包囲し、住民を攻撃している。第二次大戦でナチスド
イツ軍に包囲されたレニングラード(現サンクトペテルブルク)を
連想する」と述べた。ここ数日で親露派武装勢力が攻勢を強め、ウ
クライナ軍を撃退していることについては「人々を守るためだ」と
理解を訴えた。
 ロシア軍の介入問題については、越境してウクライナ側に拘束さ
れたロシア兵が「標識が無く、道に迷うことは十分あり得る」と語
り、故意の侵入を改めて否定した。「1000人以上のロシア軍侵
入」の指摘には触れなかった。ウクライナ政府に対し、親露派勢力
との交渉を求めたが、ロシアはあくまで「部外者」との立場を示し
た。
 一方、6月に決裂したロシア、ウクライナ両国の天然ガス価格交
渉で、ノバク露エネルギー相は29日、仲介役のEUのエッティン
ガー欧州委員とモスクワで会談。ロシアは前回交渉と同じ1000
立方メートル当たり385ドルを改めて提示し、進展はみられなか
った。
 会談後、エッティンガー委員は「武器としてガスを用いるべきで
はない」と述べた。
 ロシアは昨年12月、ウクライナのヤヌコビッチ前政権との交渉
で、それまでの406ドルから268・5ドルまで大幅に値下げす
ることで合意した。2月の政変でヤヌコビッチ氏が失脚した後の4
月、485ドルへ一気に値上げし、ウクライナ側が反発していた。
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「冷戦時代よりまし」=危機対処に自信−米大統領
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は29日、ニューヨークで非
公式行事に出席し、ロシアのウクライナ介入拡大や、イラクやシリ
アでのイスラム過激派の攻勢などの外交安保危機について「20〜
30年前に比べて物騒ではないと約束する。冷戦時代の試練に相当
するものではなく、われわれは対処できる」との見解を示した。
 オバマ氏は、不安定化する中東情勢をめぐり「古い秩序が通用し
なくなり、新秩序が成立していない」と指摘。地域の経済は機能せ
ず、将来に希望を持てない多くの若者が過激主義に誘惑されている
と述べた。(2014/08/30-15:03)
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悪いのはロシアではなく欧米だ
―― プーチンを挑発した欧米のリベラルな幻想 
Why the Ukraine Crisis Is the West's Fault
―― The Liberal Delusions That Provoked Putin
ジョン・ミアシャイマー  シカゴ大学教授
 フォーリン・アフェアーズ リポート 2014年9月号
ロシアの高官たちはワシントンに対してこれまで何度も、グルジア
やウクライナを反ロシアの国に作り替えることも、NATOを東方
へと拡大させるのも受け入れられないと伝えてきたし、ロシアが本
気であることは2008年にロシア・グルジア戦争で立証されてい
た。結局のところ、米ロは異なるプレーブックを用いている。プー
チンと彼の同胞たちがリアリストの分析に即して考え、行動してい
るのに対して、欧米の指導者たちは、国際政治に関するリベラルな
ビジョンを前提に考え、行動している。その結果、アメリカとその
同盟諸国は無意識のうちに相手を挑発し、ウクライナにおける大き
な危機を招き入れてしまった。状況を打開するには、アメリカと同
盟諸国は先ず「グルジアとウクライナをNATO拡大策から除外す
る」と明言する必要がある。
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ウクライナ情勢:EU 新たな対露制裁検討「金融に余地」
毎日新聞 2014年08月31日 05時30分
 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)は30日、ブリュッ
セルで首脳会議を開いた。ロシアがウクライナに事実上の軍事介入
を始めたことを憂慮し、首脳宣言案に「ロシアに対する新たな制裁
の準備がある」との文言が盛り込まれた。EU高官は30日、毎日
新聞に「金融制裁分野で拡大の余地がある」と話した。独仏英の首
脳も制裁拡大に言及しており、首脳会議で経済制裁強化で合意する
可能性が高まっている。
 EU首脳会議はヘルマン・ファンロンパウ欧州理事会常任議長(
EU大統領)の後任など人事案をまとめるために設定されていた。
しかし、ロシアがここ2週間で兵器や兵士をウクライナ領土内に送
り込み戦闘を行っているとする事実が明らかになり、急きょウクラ
イナ問題を討議することとなった。
 EU外交筋によると、28日の大使級協議では首脳宣言案につい
て「武器や兵員の派遣を増強させている」とロシア政府を直接非難
、「新たな制裁の用意がある」との文言を盛り込むことで一致した
。首脳が30日、制裁に踏み込むかどうか政治判断を下す。
 独仏英の首脳はすでに制裁拡大に言及。ロイター通信によると、
バローゾ欧州委員長は30日、ウクライナのポロシェンコ大統領と
の共同会見で、ロシアに対し「より強力な措置を取る用意ができて
いる」と述べ、追加制裁を検討していることを明らかにした。
 また、EU高官は30日、毎日新聞に「金融制裁の可能性がある
」と述べた。EUは今月、ロシアの政府系金融機関、開発銀行など
のEU域内での資金調達禁止▽新規の武器売買契約の禁止▽軍事転
用可能な高度な技術・製品の提供禁止▽深海、北極圏、シェールオ
イル掘削のための技術・製品の提供禁止??を発動。金融制裁を拡大
する場合、対象を民間金融機関に広げたり、除外されている短期の
資金調達や直接投資を禁じたりする措置も視野に入るとみられる。
 EUが総消費量の約3割を依存しているガスなどエネルギー分野
について高官は「市民生活への影響が大きい」として制裁対象にす
るのには慎重な見方を示した。EU首脳が経済制裁拡大の大枠を決
定。欧州委員会に具体案を出させ後日、発動することになるという
。ただ、ロシアが今月、対抗策として発動した農産品のEUからの
輸入禁止では、バルト3国やポーランドに大きな影響が出ている。
制裁拡大はEUも傷つくため首脳は慎重に討議するとみられる。
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ウクライナ駐日大使「勝利を確信」 親ロ派制圧へ意欲
機動特派員・大野正美、石橋亮介2014年8月31日01時23分
 ウクライナのイーホル・ハルチェンコ駐日大使が朝日新聞の取材
に応じ、東部地域で激化する親ロシア派勢力との戦闘について、「
戦闘の凍結などの妥協はしない。我々は勝利を確信している」と述
べ、地域の安定に向け親ロシア派の制圧作戦を優先する姿勢を示し
た。戦闘への直接関与を強めるロシアに対し強い危惧を表明し、日
本を含む主要7カ国(G7)が協調しロシアへの圧力を強めるべき
だと訴えた。主なやり取りは次の通り。
 ――現在の東部地域の状況は。
 数週間前から、ロシアがあからさまに国境を超えて戦闘員を送り
込んで来ており、実質的にはウクライナとロシアの戦争だ。残念な
がら東部の国境の一部は親ロシア派が支配しており、ウクライナの
管理が及んでいない。ロシアは派兵を否定しているが、クリミア併
合の際も、最初はロシア軍の展開を否定し、後になって認めた。
 ――最高議会選挙が近いようですが、ヤヌコビッチ前大統領の与
党「地域党」は大半が離反している。ドネツクやルガンスクなど東
部地域の住民代表を担う党はありますか。
 選挙は10月に行うだろう。東部地域の声を誰が代弁するかは地
域住民の問題だが、まずは戦争を終えなければ選挙の実施は難しい
。10月までに制圧作戦が終わるよう期待するしかないが、戦闘の
凍結などの妥協はない。我々は勝利を確信している。
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リトアニア大統領「ロシアは事実上、欧州と交戦」
2014.8.31 02:23
 リトアニアのグリバウスカイテ大統領は30日、ウクライナ情勢
をめぐり「ロシアは欧州への統合を望むウクライナと戦っている。
事実上、欧州に対して交戦状態にあるということだ」と述べた。
 ブリュッセルでの欧州連合(EU)臨時首脳会議の会場に入る際
、記者団に語った。
 旧ソ連構成国のリトアニアはウクライナ危機をめぐり、ロシアに
対し強硬な姿勢を示している。グリバウスカイテ氏は「ウクライナ
は欧州を代表して戦っている」として、欧州はウクライナを軍事的
に支援する必要があると訴えた。(共同)
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連絡調整グループ、9月1日に会合か
2014.8.31 02:22
 タス通信は30日、ウクライナ東部情勢の正常化に向け、ウクラ
イナとロシア、欧州安保協力機構(OSCE)を主体とする「連絡
調整グループ」の会合が9月1日、ベラルーシの首都ミンスクで開
かれると報じた。ベラルーシ外務省当局者の話として伝えた。
 ロシアのプーチン大統領は30日、ベラルーシのルカシェンコ大
統領と電話協議し、連絡調整グループには3者に加え、ウクライナ
東部の親ロシア派組織の代表者が参加することが重要との認識を強
調した。
 親露派組織「ドネツク人民共和国」の「副首相」を名乗るプルギ
ン氏は30日、ロシア通信に会合には自分が出席すると述べた。
(共同)
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ウクライナ大統領「数千人の外国部隊が領土に入っている」露軍の
侵入改めて指摘
2014.8.31 01:33
 ウクライナのポロシェンコ大統領は30日、訪問先のブリュッセ
ルで「現在、数千人の外国部隊、数百台の外国の戦車がわれわれの
領土に入っている」とロシア軍のウクライナへの侵入を改めて指摘
、欧州連合(EU)による追加制裁の発動に期待を表明した。ウク
ライナ国家安全保障会議のルイセンコ報道官は30日、同国東部へ
の「ロシアによる直接の軍事侵攻が続いている」と述べた。
 ポロシェンコ氏と会談したEUのバローゾ欧州委員長は30日の
共同記者会見で「われわれは(ロシアに対し)強力な措置を取る用
意ができている」と述べ、加盟国が合意すれば追加制裁を速やかに
発動できるとの考えを示した。
 EU加盟国は30日にブリュッセルで開く臨時首脳会議で、ロシ
アに対する経済制裁の追加策を固めるよう欧州委に求めることで合
意する見通し。(共同)
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親ロシア派、西へ戦線拡大 ウクライナ拠点の占拠狙う
ブリュッセル=吉田美智子、キエフ=喜田尚2014年8月31日00時49分asahi
 ウクライナのポロシェンコ大統領は28、29日、ドイツのメル
ケル首相との2日連続の電話会談で「東部の真相を28カ国首脳に
伝える」とEU首脳会議へ意気込みを伝えた。
 ウクライナ軍が優勢だった東部の戦闘状況は雲行きがあやしくな
ってきた。ドネツク州南部では、ロシアから侵入したとみられる戦
車部隊などが突然攻撃。親ロシア派の武装勢力は国境近くのノボア
ゾフスクからさらに戦線を広げ、約40キロ西で政府が同州の臨時
の行政拠点を置く人口45万の都市マリウポリ占拠を狙う。
 ポロシェンコ氏は28日、緊急声明で「ロシア軍の侵入」を訴え
たが、EUとNATO首脳会議が続く日程をにらんだのは確実だ。
直後にウクライナ政府は前政権が決めた「非同盟の方針」を転換し
、ロシアが最もいやがるNATO加盟を目指す姿勢をアピールして
外交上のカジを切った。
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ロシアは介入停止を=ゴルバチョフ氏
 【モスクワ時事】ノーベル平和賞受賞者のゴルバチョフ元ソ連大
統領は30日、ウクライナ東部へのロシアの軍事介入は「全世界に
飛び火する恐れがある」として、介入をやめるようプーチン政権に
強く求めた。ロシアのラジオ局に語った。
 ゴルバチョフ氏は、故ライサ夫人がウクライナ系。ロシア人とウ
クライナ人は「一つの民族だ」と述べ、直ちに殺し合いをやめるた
め手を尽くさねばならないと訴えた。その上で「国家間の紛争とな
り、規模が拡大し、総動員となれば、欧州を舞台としたおぞましい
激戦に突入する恐れがある」と警告した。(2014/08/30-19:14)
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米大統領「さらなる制裁」ロシアに警告 NATO協議へ
ワシントン=奥寺淳、ニューヨーク=中井大助2014年8月29日17時14分asahi
 ウクライナ領内にロシア軍が侵入したとのウクライナの緊急声明
を受け、オバマ米大統領は28日、米ホワイトハウスで記者会見し
、「ウクライナに侵入する行為はロシアにさらなる重大な結果を招
くことになる」と語って対ロシア制裁の強化を警告した。9月4、
5日に英国で開かれる北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議で
追加制裁を協議する考えを示した。
 オバマ氏はこの日、ドイツのメルケル首相と電話協議した。「ロ
シアが暴力を助長し、親ロシア派武装勢力を訓練し、武装させてい
る」と強調し、現在のウクライナ東部における混乱は、親ロシア派
武装勢力を支援するロシア側に責任があるとの見方で一致した。
 またオバマ氏は、ウクライナのポロシェンコ大統領を9月18日
に初めてホワイトハウスに招き、ウクライナと同国民を強く支持す
ることを明らかにした。
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親ロ派が支配地域拡大 ロシア、和平交渉にらみ加勢 
2014/8/30 1:30日本経済新聞 電子版
 【モスクワ=田中孝幸】ウクライナ東部で同国政府軍と戦闘を続
ける親ロシア派武装勢力が支配地域を一気に広げつつある。大規模
なロシア部隊が越境し、親ロ派に加勢しているもようだ。ロシアに
は親ロ派の勢力圏を拡大することで、今後の和平交渉を有利に進め
る思惑がある。
 北大西洋条約機構(NATO)は29日、ウクライナ情勢を巡り、
大使級の会合を臨時開催した。ラスムセン事務総長は会合後、「ロ
シア部隊がウクライナ内で…
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親ロ派に支配継続を促す プーチン大統領が声明
2014年8月30日03時41分asahi
 ロシア軍がウクライナ領に侵入したとして欧米が批判を強める中
、ロシアのプーチン大統領は29日、声明を発表し、親ロシア派武
装勢力にウクライナ東部の支配を続けるよう求め、ウクライナへの
対抗姿勢を鮮明にした。ウクライナは、ロシアが嫌う北大西洋条約
機構(NATO)加盟へ道を開く手続きに踏み出した。
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ウクライナ侵入、容認できず=ロシア対応を協議へ−EU
 【ジュネーブ、ブリュッセル時事】ロシア軍がウクライナ領内に
大規模に侵入したとみられることに対し、欧州連合(EU)各国首
脳からは28日、「容認できない」とロシアを非難する声が相次い
だ。EUは29、30の両日に非公式外相理事会を、30日に首脳
会議を開催する予定で、ロシアへの対応が重要議題に浮上している。
(2014/08/29-05:46)
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ウクライナ情勢巡り国連安保理が緊急会合
8月29日 7時16分NHK
ウクライナ東部にロシア軍の部隊が国境を越えて侵入したと伝えら
れたことを受けて、国連の安全保障理事会で緊急の会合が開かれ、
欧米各国が主権の侵害だと非難したのに対しロシア側は混乱の責任
はウクライナ側にあるという従来の主張を繰り返しました。
28日午後、日本時間の29日未明に開かれた安保理の緊急会合で
は、まずフェルトマン事務次長が報告を行い、「ロシア軍の関与の
情報に関心を寄せている。事実であれば国際法と国連憲章の重大な
違反に当たる」と強い懸念を示しました。
続いて欧米各国やウクライナから、ロシア軍の侵入は明らかで主権
の侵害に当たるという非難が相次ぎ、このうちアメリカのパワー国
連大使は「これでロシアの本性が明らかになった。ウクライナの不
法な分離主義者を支え、ともに戦闘に加わろうとしている」と厳し
く糾弾しました。
これに対してロシアのチュルキン国連大使は、事実関係に言及しな
いまま、「現在の混乱を招いた責任はウクライナ政府にある。国内
の融和を図ることなく、力を使って東部を弾圧してきた」と述べ、
従来の主張を繰り返しました。
安保理ではこれまで20回以上もウクライナ情勢を巡る会合が開か
れてきましたが、欧米とロシアの非難の応酬に終始しており、ロシ
ア軍の大規模な部隊が侵入したとされる新たな事態を前に打開策を
打ち出すことができるのか、問われることになります。
==============================
ロシア軍兵士、ウクライナ領内に1000人以上=NATO軍高官
By JAMES MARSON IN MARIUPOLAND GREGORY L. WHITE
2014 年 8 月 29 日 03:07 JST  WSJ
【モンス(ベルギー)】北大西洋条約機構(NATO)軍高官によると
、ウクライナでは1000人を「相当上回る」数のロシア軍兵士が軍事
作戦に加わっている。
 NATO軍高官は匿名を条件に「ロシア軍はウクライナ領内での戦闘
に積極的に関与している」と明かし、「ウクライナ軍とロシア軍の
交戦を示す明確な証拠がある」と続けた。
 さらに「ロシア軍の動きは急激に活発化した」と指摘。「軍事行
動は表向き親ロシア派分離主義勢力によるものだが、背後ではロシ
アが大きく支援している」と述べた。
 この高官によれば、ロシアはウクライナ軍の東部奪還作戦の成功
に対応し、国境沿いの兵力を2万人にまで増強したほか、ウクライナ
領内での行動を活発化させた。
 「ロシアに(ウクライナ内の親ロシア派)分離主義勢力の負けを
受け入れるつもりがないのは明白だ。(中略)敗北を回避するため
、あらゆる手段を尽くす公算が大きい」という。
 ウクライナで活動するロシアの兵士は義勇兵だとの見方に対して
は「銃を持った暴徒と、事実上の軍隊が存在する。今いるのは後者
だ」と述べた。
 ほかにもウクライナで撮影されたロシア製の高性能自走砲の写真
が証拠になるとし、自走砲のような高度な装備の扱いには相当の技
能と訓練が必要だと説明した。
 またロシア軍の行動によってウクライナの前線は実質的に2つに増
えたと述べ、最近の動きはウクライナ軍の成功によってロシアが作
戦変更を迫られたことの表れだとの見方を示した。「もはや後方支
援ではない。(中略)もっとあからさまになった」とこの高官は語
った。
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米大統領「イスラム国」対応で有志連合形成へ 
2014/8/29 7:06 nikkei
 【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は28日、ホワイトハウ
スで記者会見し、イスラム過激派「イスラム国」への包括的な戦略
は「まだない」と述べた。イラクに続き、シリア領のイスラム国へ
の空爆をただちにする環境にはないとの考えを示したものだ。イス
ラム国は「地域全体の脅威」と語り、これに対応するため「有志連
合」を形成する方針も明らかにした。近くにケリー国務長官を中東
に派遣する。
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ウクライナが停戦に向け「行程表」策定へ、ロシア大統領と会談
2014年 08月 27日 09:32 JST
[キエフ 27日 ロイター] - ウクライナのポロシェンコ大統領
は、緊張が続くウクライナ東部の情勢をめぐり、ロシアのプーチン
大統領とベラルーシの首都ミンスクで会談した。会談後、ポロシェ
ンコ大統領は、早期停戦に向けた「ロードマップ(行程表)」を策
定する方針を表明。
プーチン大統領は前向きな会談だったとしながらも、停戦条件の詳
細は、ロシア政府ではなく、ウクライナ政府と武装勢力が決めるべ
きだとの立場を示した。
プーチン大統領は記者団に「停戦条件については、実質的な協議を
しなかった。停戦条件はロシアが協議できるものではない。これは
ウクライナ、ドネツク、ルガンスク間の問題であって、ロシアの問
題ではない。ウクライナの問題だ」と発言。「ロシアが貢献できる
のは交渉実現に向けた信頼醸成でしかない。絶対に交渉が必要だ」
と述べた。
両首脳は2時間にわたって会談。ポロシェンコ大統領は「非常に厳
しく複雑な」協議だったとしたうえで「可能な限り早期に停戦体制
を実現するため、ロードマップが用意される。これは絶対に二国間
のものとする必要がある」と述べた。



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