5106.「イスラム国」の強い理由



米国は、ISIS「イスラム国」に対する空爆とクルド人部隊の連携し
た攻撃で、北部ダムの支配を取り戻した。90以上の車両や戦車な
どを破壊し、かつ人的な損害も大きかったのであろう。

それに対する報復として、米ジャーナリストのジェームズ・フォー
リー氏を処刑し、かつ、処刑の動画をユーチューブに掲載した。

米政府は、イラクにある米施設・公館の警備を強化するため、最大
300人程度の米兵の追加派遣を検討しているし、オバマ米大統領
は20日、イスラム国に対して「卑劣な攻撃で非武装の市民を殺害
し、女性や子供を誘拐している。数千人のスンニ、シーア両派のイ
スラム教徒を殺害してきた」と非難。イスラム国は最終的に消えて
いく運命にあると強調し、攻撃を増強する方向であることを明確化
した。

グローバル・ポスト誌に「Why is the Islamic State still so strong?」
が載っている。最後にリンク。

「イスラム国」の強い理由と弱い点は何かを考察している。「イス
ラム国」は自立する組織を作った。アルカイダは武装組織であり、
資金は外部に依存していたが、このISISは、石油精製所を持ち、石
油を売って収入を得ている。またイラクの小麦の4分の1の生産地
を支配下に入れ、その小麦を売って収入を得ている。

それと30台の米国最新鋭戦車アブラハム1を持ち、ヘリコプター
や遅い飛行機を落とせるロシア製の対空ミサイルを持つ。ISISのメ
ンバーは1箇所に3千人から1万人程度である。

弱い点は、厳格な規律を守らせるために、周囲に味方がいない。シ
ーア派は敵であり、同胞団やハマスも民主主義の組織で信用できな
いという。正規軍と戦ったことがなく、米軍の空爆とクルド人の軍
の連携で北部ダムを奪還されている。

しかし、イラクのスンニ派住民は、マリキ政権の迫害より、この「
イスラム国」の方が良いとして、統治を受け入れている。イラク政
権が変化すれば、「イスラム国」は消滅するのであろうか?

欧米誌の見方を疑問視する。それは、欧米に対する嫌悪感を忘れて
いる。徐々に米軍が出て行くと、その分、ISISを利することになる
ような気がするがどうであろうか?

さあ、どうなりますか?


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ジャーナリスト処刑を非難=イスラム国の「居場所ない」−米大統領
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は20日、休暇先のマサチュ
ーセッツ州で声明を読み上げ、イスラム教スンニ派過激組織「イス
ラム国」によって米ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏(
40)が処刑されたことを確認し、「彼らの思想は破綻している。
21世紀に居場所はない」と非難した。
 大統領は「米国民を守るためにやるべきことを続ける。われわれ
は油断なく、無慈悲になる」と表明、イラクでの空爆を継続する方
針を示した。さらに「この悪を取り除くために共通の努力が必要だ
」と指摘し、中東域内の各政府や市民の協力を重ねて求めた。
 また、イスラム国に対して「卑劣な攻撃で非武装の市民を殺害し
、女性や子供を誘拐している。数千人のスンニ、シーア両派のイス
ラム教徒を殺害してきた」と非難。イスラム国は最終的に消えてい
く運命にあると強調した。(2014/08/21-07:53)
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兵士300人増派検討か=イラク北部で空爆続行−米軍
 【ワシントン時事】複数の米メディアは20日、米政府がイラク
にある米施設・公館の警備を強化するため、最大300人程度の米
兵の追加派遣を検討していると報じた。米軍はまた、イラク北部モ
スル近郊のダム周辺で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国
」に対する空爆を続行した。
 イスラム国は19日、米国人ジャーナリストを殺害する映像を公
開し、拘束しているもう1人の米国人の命も危ういと警告した。米
政府は在留米国人の安全確保に万全を期すと同時に、空爆によりイ
スラム国に圧力を加えていく姿勢を改めて明確にした。
(2014/08/21-06:14)
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米国人ジャーナリスト殺害の映像、イスラム過激組織が掲載
2014.08.20 Wed posted at 09:35 JST
(CNN) イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国(旧イラク
・シリア・イスラム国=ISIS)」が、2012年にシリアで行
方不明になっていた米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリ
ーさんの首をはねて殺害する映像を、動画共有サイトのユーチュー
ブに掲載した。
この映像には別の米国人ジャーナリストについても、オバマ大統領
がイラクでの軍事作戦を中止するかどうかに生命がかかっていると
脅迫する内容が含まれていた。
映像の中でフォーリーさんは地面の上にひざまずいた姿で「真の殺
人者」は米国だとする声明を読み上げさせられ、「もっと時間が欲
しかった。解放されてもう一度家族に会いたかった」と言った後に
、首をはねられた。
米国家安全保障会議(NSC)広報はこの映像について真偽を確認
中だとしたうえで、「もし本当だとすれば、罪のない米国人ジャー
ナリストの惨殺に身の毛がよだつ」と述べた。
フリーランスジャーナリストのフォーリーさんは12年11月、シ
リア北西部のトルコとの国境付近で武装集団に拉致されたと伝えら
れていた。当時は米ニュースサイト「グローバルポスト」と契約し
ていた。
問題の映像には、別の米国人ジャーナリスト、スティーブン・ソト
ロフさんとみられる男性も映っていた。武装集団は、ソトロフさん
の生命はオバマ大統領の次の行動次第だと警告している。ソトロフ
さんは米誌タイムやフォーリン・ポリシーと契約しており、2013
年にシリアとトルコの国境付近で拉致されていた。
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対クルド武器供与で作業部会=イラクのダム周辺で空爆継続−米国
防総省
 【ワシントン時事】米国防総省のカービー報道官は19日、イラ
クで勢力を広げるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」と交
戦するクルド人治安部隊への武器供与について検討するため、ヘー
ゲル国防長官が省内に作業部会を設置したと明らかにした。記者会
見で語った。
 報道官は「(少数派住民の)大規模な虐殺と人道に対する罪を犯
し続けている」とイスラム国を重ねて批判。クルド部隊への軍事支
援に関しては、現時点ではイラク中央政府や周辺各国が主体になっ
ており、国防総省として今後、直接支援の在り方を詰めると述べた。
 一方、米軍は過去24時間に、イラク北部モスル近郊のダム周辺
で、さらに2回の空爆を実施した。うち1回の空襲でイスラム国の
検問所1カ所を破壊したが、残る1回では戦果を得られなかった。
(2014/08/20-07:03)


Why is the Islamic State still so strong?

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