5099.ウクライナ東部へロシアが侵攻する2



ポーリン・ポリシー誌の「The Chaos Convoy」を読むと、ロシアの
軍用トラックが赤十字の許可を得て、ウクライナ国境に向かってい
るが、まだ、赤十字は許可していないという。プーチンは違う戦い
をし始めた可能性があるという。48時間以上の不明瞭にした侵略
の可能性をウクライナ政府が疑っている。もう1つが、食料以外の
ものを運んでいる可能性があるという。リンクは最後。

このため、赤十字国際委員会(ICRC)は13日、ロシアがウク
ライナ当局やICRCに支援物資の「総目録」を提出したと明らか
にした。その上で「ウクライナの国境当局者が正式に国内搬入を許
可すれば、ICRCが支援物資を受領するために、トラックに積ん
だ物資のすべてを詳細に記した一覧表が必要となる」と話した。

ウクライナのヤツェニュク首相は13日、ロシアがウクライナ東部
に向けて派遣に踏み切った人道支援団について、外部からのいかな
る人道支援も赤十字国際委員会(ICRC)の監督の下で実施され
る必要があると述べた。

同首相の発言が、ウクライナ政府がロシアからの支援を完全に拒否
することを示しているのか、単に支援物資を積載したロシアのトラ
ックのウクライナ入国を拒否することを示しているのかは、現時点
では明らかになっていないが、状況が刻々変化している。

そして、ロシアのプーチン大統領は13日午後(日本時間同日夜)
、クリミア半島の主要都市セバストポリで安保政策の意思決定機関
である安全保障会議を開催した。プーチン氏が安全保障問題につい
て議論した。14日に重要演説を行う見通しという。

ロシア、カザフスタン、ベラルーシの3カ国の首脳会合の場にウク
ライナのポロシェンコ大統領を招くというが、最後通牒を渡す可能
性もある。

嫌な感じを私は受けるが、どうであろうか?

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露大統領:クリミア訪問、安保会議開催 14日に重要演説
毎日新聞 2014年08月13日 23時18分(最終更新 08月14日 00時24分)
 【モスクワ真野森作】ロシアのプーチン大統領は13日午後(日
本時間同日夜)、ロシアが今年3月に編入を強行したウクライナ南
部クリミア半島の主要都市セバストポリに到着し、安保政策の意思
決定機関である安全保障会議を開催した。プーチン氏のクリミア訪
問は5月以来2度目。同半島の安全保障問題について議論した。
14日に重要演説を行う見通し。ロシアメディアが伝えた。
 安保会議が係争地で開かれるのは極めて異例。ウクライナ東部で
のマレーシア航空機撃墜事件後、欧米や日本が対露制裁を強める中
、ロシアとしてクリミアを手放さない意思を示す狙いがある。
 一方、ロシア通信によると、プーチン氏は13日、カザフスタン
のナザルバエフ大統領と電話で協議した際、ロシア、カザフスタン
、ベラルーシの3カ国の首脳会合の場にウクライナのポロシェンコ
大統領を招く案も話し合ったという。ウクライナ東部情勢の正常化
を探っている模様だ。
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ロシア人道支援、赤十字監督の下で実施する必要=ウクライナ首相
2014年 08月 14日 01:27 JST
[キエフ/ボロネツ(ロシア) 13日 ロイター] - ウクライナ
のヤツェニュク首相は13日、ロシアがウクライナ東部に向けて派
遣に踏み切った人道支援団について、外部からのいかなる人道支援
も赤十字国際委員会(ICRC)の監督の下で実施される必要があ
ると述べた。
同首相の発言が、ウクライナ政府がロシアからの支援を完全に拒否
することを示しているのか、単に支援物資を積載したロシアのトラ
ックのウクライナ入国を拒否することを示しているのかは、現時点
では明らかになっていない。
ただ、アバコフ内相は自身のフェイスブックのページに、「プーチ
ン大統領が派遣した『人道支援団』に(ウクライナの)ハリコフ州
に立ち入ることを許可しない。こうした挑発行為をウクライナ領内
で行うことは許さない」と書き込んでいる。
支援物資を載せたトラック280台は12日、モスクワ郊外からウ
クライナ東部に向け出発し、モスクワから約500キロ離れたロシ
ア南西部ボロネツの空軍基地に到着した。国営ロシア通信(RIA
)によると、支援団は13日朝、ウクライナとの国境に近いベルゴ
ロドに向け出発。ベルゴロドからウクライナのハリコフ州に入ると
している。
ウクライナICRCの報道官によると、ICRCは現在、ロシアが
送った支援物資の分配先や運搬方法について決定するため、品目な
どの具体的な情報の提供を待っている。物資を運搬するルートは未
定としている。
国連報道官によると、ウクライナの紛争による死者数は推計で8月
10日時点で2086人に達し、7月26日時点の1129人から
増加。同報道官は、事態は明らかに悪化しているとしている。
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ロシアの支援物資、赤十字「詳細な一覧表が必要」
2014年 08月 14日 04:25 JST
[ジュネーブ 13日 ロイター] - 赤十字国際委員会(ICRC
)は13日、ロシアがウクライナ当局やICRCに支援物資の「総
目録」を提出したと明らかにした。ただ、物資引き取りには詳細な
一覧表が必要とした。
ICRC報道官のAnastasia Isyuk氏はロイターに「(総目録には)
飲料水ボトルや食品関連、発電機などの基本的な必需品が含まれて
いる」と説明。
その上で「ウクライナの国境当局者が正式に国内搬入を許可すれば
、ICRCが支援物資を受領するために、トラックに積んだ物資の
すべてを詳細に記した一覧表が必要となる」と話した。
同氏は、国境通過の手順や通関などいくつかの重要問題について、
詰めの作業が必要との認識を示した。また、状況は刻一刻と変わっ
ており、支援物資の扱い方法に関する詳細を示すことはできないと
も述べた。
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謎のトラック、軍用か=ロシア人道支援に懸念−ウクライナ
 【モスクワ時事】ロシアのプーチン政権が、戦闘が続くウクライナ
東部に派遣した人道支援団のトラック280台をめぐり、国内外で
疑念が高まっている。不自然に白く塗装された上、ナンバープレー
トはない。インターネット上では「軍のトラックではないか」との
指摘もある。
 トラックには人道支援物資の穀物400トン、砂糖100トン、
離乳食62トン、医薬品54トン、寝袋1万2000人分、発電機
69基を積載。ウクライナ政府の同意を得ずに「見切り発車」で出
発した。ロシアは「非常事態省の車列」と説明している。
 ただ、ロシアのあるブロガーによると、12日未明にトラックが
集結・出発したモスクワ郊外の場所は、非常事態省の管轄ではなく
「軍用地」とされる。赤十字国際委員会(ICRC)との「調和」
を意識してトラックは白色で統一されたが、ある作業員は交流サイ
トに「数日前に塗った」と投稿した。
 運転手も正体は不明。仮に非常事態省の所属でも、武器携行が許
される「治安機関」であることから、ウクライナ政府は入国を認め
ない方針だ。プーチン大統領が「護送車列」と軍事用語で表現した
ことも、人道支援を隠れみのにした軍事介入を想起させ、ウクライ
ナで懸念を呼んでいる。(2014/08/13-18:39)
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コラム:プーチン氏が貫く「孤立路線」、さらなる代償も覚悟か
2014年 08月 13日 16:03 JST
William E. Pomeranz
[12日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領はウクライナ危機
を通じて「独り善がりの」手法を取り、ロシアは「独立国」、非同
盟だとの立場を繰り返し表明してきた。しかし、ロシアはプーチン
氏が表現するほど孤立してはいない。プーチン氏が現実を直視でき
ない、あるいはあえて現実を無視しようとしているという事実が、
ロシアのグローバルな役割を著しく損なう一連の決定につながって
いる。

過去20年間にロシアが成し遂げた国際組織への相次ぐ進出を、同
国政府は大きな成果と考えている。ロシアは一段とグローバル経済
に組み込まれるようになった。ただ、こうした実績によって今やプ
ーチン氏は大きなジレンマに陥ったのだ。

旧ソ連崩壊後、ロシアは数々の条約に調印し、欧州評議会(COE
)、主要国首脳会議(G8)、世界貿易機関(WTO)など数えき
れないほどの国際機関に加盟した。

ロシアが加盟に伴う義務を理解していたかどうかは不明だ。例えば
プーチン大統領はロシアのWTO加盟直後、世界的な不安定期に加
盟国が保護貿易主義的な政策を導入することを認めるよう要求した。

とはいえ、ロシアは国際機関への加盟によって交渉のテーブルに着
く権利を手にし、世界情勢に対する影響力を増したというのが、ロ
シアにおけるコンセンサスだった。加えて、仮にロシアが正式加盟
に必要な前提条件をすべては満たしていないとしても、ロシアを国
際システムとグローバルな統治体制から疎外するのではなく、仲間
に引き入れる方が好ましいと、米国や欧州連合(EU)は概して信
じ込んでいた。
ウクライナ危機によって、この考え方は特に西側諸国にとって欠陥
があることが露呈した。一方でプーチン氏にとって事態はもっと大
きな疑問を生じさせた。すなわちロシアはグローバルなシステムの
一部であり続けるべきかという疑問だ。

ロシアの国際機関に対するどっちつかずの態度は、一人の独裁指導
者が公的機関を何世紀にもわたり支配した過去の歴史を反映してい
る。実際に2012年の大統領への再就任以降、プーチン氏の政治
的課題は、議会や司法、メディア、高等教育機関、非政府組織など
他のすべての政治および市民組織を抑えることだったが、このプロ
セスに対し実質的な反発はほとんどなかった。このため、プーチン
氏がウクライナ危機への介入に際し、国際機関から邪魔されること
はないという固い信念を抱いていたとしても驚きはない。

帝政後、第2次大戦後の国際システムがどのように機能してきたか
に関するプーチン氏の根本的な誤解が、経済面で既に深刻な結果を
招いている。EUと米国の経済制裁の下で、ロシアの国有銀行とロ
シア企業は国際銀行システムへのアクセスが制限された。ロシアは
欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)からの新
規融資が受けられなくなり、この損失は毎年数十億ドル規模に達す
る。

一方、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは、独占禁止規制違反を
めぐる欧州委員会の調査について評決待ちの状態だ。こうした調査
の場合、グーグルやマイクロソフトで証明済みのように、巨額の罰
金が科されることが多い。
最大の民間石油会社だったユコスの資産没収を定めたプーチン政権
下の2004年の収容法案については、既に7月に結論が出た。オ
ランダ・ハーグの常設仲裁裁判所と欧州人権裁判所はロシア政府に
対し、不当な没収に対してそれぞれ500億ドルと26億ドルの賠
償金の支払いを命じている。
ロシアは今回、西側の制裁に対抗して農産物の輸入禁止措置を打ち
出したほか、EUや米国、モルドバ、ウクライナから輸入される果
物や野菜、肉などに関する検疫制度の乱用も続けている。これらは
WTOの紛争処理機関に対する申し立てのネタになりそうだ。ポー
ランドは既にWTOに提訴する意向を明らかにしており、他国が追
随する可能性もある。
ロシアが最終的にウクライナ危機に関して支払う代償は、必ずしも
金銭面だけでなく、機会損失の面からも評価すべきだ。ロシアのG
8参加資格停止は、プーチン大統領が租税回避とオフショアバンキ
ングの取り締まりを主導しようと計画していた議長国就任日の前日
に決まった。
ロシアは当時、資本逃避に悩むG8参加国から好意的な反応を得ら
れるのが確実な情勢だった。ロシアの今年上半期の資本逃避額は
750億ドルに達し、昨年1年間の総額を既に上回っている。現在
は資本逃避の問題に単独で対処しなければならない状況だ。
ロシアはいかなる同盟関係にも制約を受けないと考えているかもし
れない。しかし、実際にはロシアにとって国際機関の重要性は高ま
り、ロシアはグローバル経済から簡単に撤退できなくなっている。
実際にプーチン氏が提案したほぼすべての制裁は裏目に出ており、
財政状況はかえって弱体化した。
例えばプーチン氏は、ロシアの代替決済システムができるまでの間
、マスターカードとビザに保証金の預託を義務付ける制裁を課した
が、実際にはロシア国民のクレジットカード決済の利用が脅かされ
る結果となった。
ロシアがシベリア上空を通過する欧州━アジア路線の使用を禁止す
るとのうわさも広まった。これらの報道を受け、海外の航空会社か
ら3億ドル以上の手数料収入を受け取っているアエロフロート・ロ
シア航空の株価は急落した。
食料の輸入禁止に伴い、ロシアが支払う代償額はまだ不透明だ。し
かし、こちらも深刻なコストになる可能性が高い。ロシアは欧州か
ら高級食品、ウクライナとモルドバから低価格の農産品の輸入を失
うからだ。ロシアの評論家は、代替の供給手段がある上、物流面の
障害も容易に克服できると主張する。さらに経済制裁はロシアの食
品生産会社や農機具メーカーに恩恵を及ぼすとまで言う。ただ、ロ
シアの小売業者は牛肉や魚、果物、野菜などに関して不足分を補う
ため、早急に海外のパートナーを探すことが必要だ。
これらの対抗制裁を実行するプーチン氏の命令には、食品価格の急
上昇を防止する目的でロシア政府が適切な対策を講じるよう求める
条項が、はっきりと盛り込まれた。つまり、プーチン氏は明らかに
制裁に伴う一部の経済コストの負担を予期していることになる。
国内機関と国際機関の双方の役割を常々無視することで、プーチン
氏は自らを窮地に追い込んだのだ。彼に残された選択肢は、ウクラ
イナ東部に関して妥協を示し、国内の政治的反発を招くか、あるい
は逆にドネツク、ルガンスク共和国の双方に直接介入するかのどち
らかだ。前者の場合は手続きを円滑化するために国際機関に頼るこ
とになるだろうし、後者の場合は国際社会の大部分に対して公然と
挑戦することになる。
プーチン氏は2つ目の選択肢に傾きつつあるように見える。しかし
そのことは、ロシアの主権は強まる孤立によってこそ保護されると
プーチン氏自身が信じていることも意味する。
旧ソ連の独裁者スターリンは、ソ連を世界経済から隔絶させる政策
を追求することで、1930年代に同様の手法を試みた。ウクライ
ナ危機の前にプーチン氏は少なくともグローバル化の役割を認めて
いたと思われる。最近の彼の行動から示唆されるのは、グローバル
な市場と、第2次大戦後のグローバルな枠組みにロシアがどこまで
組み込まれたかをめぐる認識の欠如だ。計算を見誤ったことに対す
る代償は計り知れないものになる。
ロシアの世論調査によると、プーチン氏の支持率は過去14年間で
最も高い。彼の成果はしかし、ほかでもない自身の権力強化を手助
けしてくれた国内外の組織を傷付けることによって手にしたものだ。
大統領就任後のいつの時期に比べても彼の権力は強まったが、同時
に危うさも一段と増している。
*筆者のウィリアム・ポメランツ氏はウッドロウ・ウィルソン・セ
ンター/ケナン研究所の副所長。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


The Chaos Convoy

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