5091.ウクライナ、ガザから始まる戦争



欧米と中露の対決になる可能性が出てきた。冷戦が始まり、中東で
熱戦になる可能性もある。中国は東風41で抑制力を確保して、米
中対決をしないように準備をし始めた。その検討   津田より

0.中国の動向
中国の東風41は、ワシントンを攻撃できる高速大陸弾道ミサイル
で米国を攻撃でき、かつ対ミサイル防衛網を無効化できるとしてい
るとした。

そして、これに対応するため、米国は日本の集団自衛権を必要とし
ていたことが分かる。日本の自衛隊の監視体制で早い段階にキャッ
チし、かつ発射初期段階で打ち落とすことが必要になる。このため
、日本の自衛隊が持つ偵察無人機とイージス艦も活用したいのであ
る。

このため、防衛省が、自衛隊初の宇宙部隊を5年後をめどに発足さ
せる方針を決め、米政府に通告したというが、米国は日本に要求し
ていた。事実、各国の衛星の配置図などを既に日本に提供している。

中国との宇宙戦争に備える体制を日米で備えることになる。宇宙を
取ったほうが、戦争に勝つということになる。その兵器としてビー
ム兵器があることも明らかである。宇宙戦艦ヤマトを持った国が勝
つということのようである。

もう1つ、中国はロシアと一緒に、中東のエネルギー資源を狙って
いるので、アラブ全体がまとまれば、ロシアとともに中国はアラブ
の味方をして、中東に出ていき、欧米石油会社を追い出し中ロで中
東資源を独占的に仲介する方向である。このため、アジアでの紛争
は沈静化する必要がある。アラブも単独の軍隊では、イスラエルと
米国には負けるので、ロシアと中国の武力を必要としている。この
工作の裏にトルコのエルドガン首相がいるような気がする。

よって、ベトナムや日本との紛争は沈静化することになる。尖閣諸
島の領有権問題で、中国の専門家は「日中は最終的に話し合いで解
決するだろう」と語ったと、環球時報(電子版)が伝えた。この環
球時報は、急進派であり、尖閣を戦争で取り返せと騒いでいた新聞
であるが、尖閣より中東の方が石油資源が豊富であり、そちらに、
中国を向かせるようである。

もう1つが、日系企業が脱中国になり、技術的に優れている日本企
業がいなくなると、人民元の上昇による産業構造の高度化ができな
くなる。既に東南アジアより動労賃金が高い中国は電子産業や自動
車産業にシフトする必要がある。しかし、低技術の欧米台企業を追
い出し始めている。日本企業が現在、中国は必要なのである。

このため、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(AP
EC)首脳会議で、安倍首相と中国国家主席、習近平との会談が実
現する可能性が出てきた。

この方向が有り、ディプロマット誌に「Stop Predicting China's 
Economic Collapse」が出てきた。中国の動向を見て書いたような気
がする。

1.イスラエル
5090で、イスラエルは早期に戦闘を止めるべきであると述べた
が、残念ながら、イスラエルのネタニヤフ首相は2日夜、パレスチ
ナ自治区ガザでの軍事作戦について「目標が達成されるまで継続す
る」と述べた。イスラエル軍は3日中にもイスラム原理主義組織ハ
マスが建設したトンネルの破壊を終える予定であるので、当初の目
的は達したのに、被害が少ないので、目的を拡大してしまった。

これは、世界に反ユダヤ主義を広める自殺的な行為である。

イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの「人道停戦」のあっけ
ない崩壊は、仲介を主導してきた米国の影響力の陰りを印象づけた。
同盟国イスラエルに停戦を受け入れるよう圧力をかけてきたオバマ
大統領は後退を余儀なくされている。米国も止めることができなか
った。このため、止めるのは、アラブ諸国になる。アラブ単独では
イスラエル軍に負けるのは、6回の中東戦争でわかっている。

このため、助けを求めることになる。それは欧米と冷戦的な状況に
あるロシアになる。

ロシアはアラブ全体がまとまれば欧米を見返すために、アラブの味
方をするはずである。このため、トルコが仲介して、イランとサウ
ジが話し合っているはずだ。

事実、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事作戦で、多
数の死者が出たのを受け、ドイツでイスラエルに対する抗議行動や
ユダヤ教を標的とした暴力行為が頻発している。

ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の過去を抱えるドイ
ツでは、イスラエル批判はタブー視されているが、過激なスローガ
ンが掲げられ、反ユダヤ主義が拡大する兆しを見せている。

ドイツでもこのような状況であり、その他の国では反ユダヤ主義が
大きな正義になってきた。トルコのエルドガン首相が一番激しい。

これに対して、イスラエルのネタニアフ首相は、反ユダヤ主義は認
められないと述べているが、それがとうとう、世界に蔓延し始めて
いる。

国連人道問題調整室(OCHA)のエイモス室長は「戦争にもルー
ルがある」とし、双方に市民保護の責任を果たすよう求めたが、こ
れは、ほとんど、イスラエル向けである。犠牲者数でガザでの民間
人1600人以上であり、一方イスラエルは民間人3名である。

やっと、イスラエル軍は3日夕、パレスチナ自治区ガザ地区に侵攻
した地上部隊の大半の撤収を完了した。しかし、ガザ境界などに一
部を残留させる。しかし、イスラエルが停戦交渉に引き続き応じな
い場合、ハマスが攻撃を拡大し、戦闘が再燃する状況でもある。

経済封鎖を解かない停戦をハマスは認めないし、米ケリー国務長官
の停戦案でも入っている。この条件をイスラエルは認めない。

2.米国とロシア
オバマ米大統領は1日、プーチン露大統領との電話会談後の記者会
見で、ロシアのウクライナへの介入やパレスチナ自治区ガザでの戦
闘などで影響力を発揮できないことへの釈明に追われた。
 「外交には時間がかかる」と理解を求めつつ、「米国は地球上で
最も強い国だが、すべてを支配しているわけではないことを人々は
忘れている」と述べ、米国の力の限界も強調した。
 「プーチン大統領とロシアが(国際協調という)長期的利益を無
視した場合、戦争は問題外として、我々ができることには制約があ
る」「プーチン氏の思考を支配することはできない」という。

「ロシアは再び国際社会から孤立し、過去数十年の発展から後戻り
する。これはプーチン氏の選択だ」。オバマ米大統領は29日、追
加制裁を発表する声明でこう述べたが、その通りになる。

電話会談では、そのプーチン露大統領はロシアに対する制裁強化が
「2国間関係と世界全体の安定に重大な損失をもたらす」と述べ、
対米批判を展開した。冷戦状況になったということである。

EUは30日、ウクライナ情勢をめぐり、在欧資産凍結の追加対象
となる8個人と3企業への制裁を発動した。資産凍結の対象は95
個人23企業・団体となった。

ロシア中央銀行は30日、欧米の経済制裁による影響を受けている
国内銀行を支援する用意があると表明した。
米国は29日、対ロシア制裁リストに同国の銀行第2位のVTB、
VTB傘下のモスクワ銀行、ロシア農業銀行などを追加。欧州連合
(EU)も同日、ロシアの国営銀行に対し欧州金融市場での資金調
達を禁止するなどの追加制裁を発表した。

ロシアの経済発展はより内向きな、自給自足的なものになり、制裁
によってロシアと西側諸国の関係は、冷戦時のようなか、少なくと
も今以上に冷ややかな局面に移行する。新しい冷戦的な状態になる。

このため、ロシアも対応策を取ることになる。プーチン氏は、大統
領就任後で最大級の深刻なジレンマに直面している。ウクライナ東
部での親露派が負けているが、それに支援すると、欧州のエネルギ
ー企業への制裁で、ロシアは大打撃を受けることになる。

この時、一つの逃げ道を発見した。イスラエルがちょうど良くガザ
でホロコースト(パレスチナ人大虐殺)を始めた。石油や天然ガス
の最大の供給先と連携することで、欧州にエネルギー代替先を封鎖
できることになる。

米国は、もう1つの失敗をしている。アルゼンチンのデフォルトを
恣意的に起こしたことである。アルゼンチンと債権者が合意した債
権を買い集めたヘッジファンドがその合意を覆して、無理矢理にデ
フォルトした。これはあまりにも酷い。米国人の神経を疑う行為で
ある。

しかし、金融的に絶対的な優位があれば、米国の行動は受け入れら
れただろうが、米国とほぼ同じ程度の金融的優位がある中国が、ア
ルゼンチンを支援して、スワップを締結しているので、今後の債権
市場を握るのは中国になる可能性が高くなった。

米国は、ここでも落ち目になってきたのである。

アルゼンチンのキルチネル大統領がウォール街のヘッジファンドを
にらみつけ、支払いを拒否する理由は、明らかである。米国に頼ら
なくても中国があるので、困らないし、この一件で、米国の金融市
場から海外の債権は逃避することになると見る。

金融ビジネスには信用と信頼が重要であるが、それを踏み外した米
国は信頼できないということになる。

3.それ後はどうなるか?
早く、イスラエルは戦闘を終結して、ハマスとの停戦に応じること
である。ハマスの経済封鎖を解く停戦条件は受け入れる必要がある。

普通の生活をするためには、必要なことであるからだ。今の状態は
、戦前の欧州のユダヤゲットーと同じである。自分たちがされた同
じことをパレスチナ人たちにすることは、ナチス・ドイツがユダヤ
人を迫害したのと同じように、認めることができない。

日本は、中東に中国が出ていけるように、当分、日中は仲直りをし
て時間的な余裕をもらい、次の紛争に備える必要がある。おそらく
、第7次中東戦争では、米国はイスラエルの味方をして負けること
になり、衰退が明確化することになる。

その次に、日米と中露の戦いがなる。そうならないためには、ある
程度の武力を持ち、中国と対等に渡り合える必要がある。このため
には、決戦兵器を手に入れる必要がある。

しかし、徐々に、黙示録的世界が急速に広がり、びっくりする展開
になってきた。

黙示録的な結末にならないことを願うしかない。イスラエルの行動
が重要であり、その支援者である米国の指導力が今ほど必要なとき
はないのに、それを放棄している。米国の指導層は、最後の審判を
求めているのであろうかと疑いたくなる。

ロシアも状況が同じである。中国は漁夫の利を狙っている。

大変なことになり始めている。

参考資料:
5090.イスラエルはガザ侵攻を早期に中止するべき
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/260802.htm

5085.カトリック教の最後の予言
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/260728.htm

5084.これからの世界はどうなるのか?(p.0304)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/260727.htm

Stop Predicting China's Economic Collapse
http://thediplomat.com/2014/08/stop-predicting-chinas-economic-collapse/

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「東風41」の開発を事実上公表 中国 北米射程の大陸間弾道ミ
サイル
2014.8.2 22:42 sankeibiz  
 【北京=川越一】中国人民解放軍が開発を進めているとされてい
た、北米のほぼ全域を射程圏とする新型の大陸間弾道ミサイル(I
CBM)「東風(DF)41」の存在が2日までに、中国政府機関
の公式サイト上で明らかにされた。軍創設を記念する8月1日の「
建軍節」に合わせた事実上の公表とみられ、軍の士気向上とともに
、米国を牽制(けんせい)する意図がうかがえる。
 2日付の中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時
報(電子版)などによると、陝西省環境観測センターが公式サイト
に掲載した業務動向報告の中に「東風41戦略ミサイル研究」に関
する記載があった。同紙は東風41に関する情報が「偶然」掲載さ
れたとしているが、これまで軍が公式に認めていない東風41開発
の情報開示を習近平指導部が容認、もしくは指示した可能性が高い。
 中国メディアは東風41が核爆弾を搭載できる多弾頭型で、太平
洋を越えて北米西海岸へ、またユーラシア大陸と大西洋を超えてワ
シントンに着弾する能力を有していると図解している。
 中国の軍事専門家は同紙に対し東風41の対応速度の速さなどを
強調し、「米国のミサイル防衛システムを素早く破るチャンスがあ
る」と指摘した。
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防衛省、初の宇宙監視部隊創設へ 5年後めど、情報は米に提供
 防衛省が、自衛隊初の宇宙部隊を5年後をめどに発足させる方針
を決め、米政府に通告していたことが分かった。日米関係筋が2日
、明らかにした。当面は、役割を終えた人工衛星やロケット、その
破片など宇宙を漂う物体「宇宙ごみ」を監視し、人工衛星との衝突
などを防止することを主な任務とする。
 軍事、非軍事両分野の宇宙開発で米ロを猛追する中国をけん制す
る狙いがある。情報は米軍に提供し、陸海空に次ぐ「第4の戦場」
と言われる宇宙分野でも日米連携の強化を図る。
2014/08/03 02:00   【共同通信】
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<尖閣問題>中国専門家「最終的には話し合いで解決」「相互依存
が友好関係を強化」―米華字紙
Record China 8月2日(土)10時3分配信
2014年7月31日、米華字紙・僑報によると、尖閣諸島の領有権問題で
、中国の専門家は「日中は最終的に話し合いで解決するだろう」と
語った。1日付で環球時報(電子版)が伝えた。
日本総合研究所上海センター主任の経済学者・呉軍華(ウー・ジュ
ンホア)氏は、日清戦争ぼっ発から120年目の現在について「当時ほ
ど激動した状態ではないが、十分に複雑な状態だ」と説明。双方の
民間の敵対感情が深刻化しており、互いに対する好感度も昨年、国
交正常化以来最低を記録したことを指摘した。
その上で、呉氏は歴史的にみて日中が対立するポイントはほとんど
変わっておらず、「ついては離れ、離れてはつく」関係だと主張し
た。双方が隣国、大国、共通の敵や価値観、歴史的な怨念などにか
かわらず、互いに依存していることが友好関係の強化に有利な要素
となるとした。尖閣問題については「最終的に話し合いで解決する
だろう」と語った。(翻訳・編集/AA)
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安倍首相を動かす中国政局の「ある情報」 
2014/8/1 6:00日本経済新聞 電子版
 首相、安倍晋三が11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会
議(APEC)首脳会議をにらみ、中国国家主席、習近平との会談
を本格的に探り始めた。きっかけは、安倍の周辺にもたらされた中
国の国内政局に関する「ある情報」だった。
 7月14日、衆院予算委員会の集団的自衛権をめぐる集中審議。「
戦略的互恵関係の原点に立ち戻って日中関係を改善させていきたい
。そのなかで、11月の北京APECの際に首脳会談を行いた…
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ガザ:イスラエル軍大半撤収…現地報道 トンネルほぼ破壊
毎日新聞 2014年08月03日 20時29分(最終更新 08月04日 01時26分)
 【エルサレム大治朋子】イスラエル軍は3日夕、パレスチナ自治
区ガザ地区に侵攻した地上部隊の大半の撤収を完了した。ガザ地区
を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスとの停戦交渉を拒否した
ままの独自の判断で、ガザ境界などに一部を残留させる。イスラエ
ルのネタニヤフ首相は2日夜、記者会見し、地上戦の最大目標に掲
げていたイスラエル攻撃用のトンネル破壊はほぼ完了したと表明し
ていた。ハマスの今後の対応が注目される。
 イスラエルやエジプトとの境界付近に残る一部部隊はトンネルの
捜索・破壊やハマスの攻撃を警戒する。首相は会見で「軍(とハマ
スと)の衝突を最小限にとどめる必要がある」と述べており、今後
は可能な限り空爆で対応したい考えとみられる。イスラエル兵64
人が死亡し、ガザ戦闘としては過去最悪を記録。全員が7月17日
の地上戦開始後に死亡している。
 また、軍はガザ上空から「『安全な場所があると思うな』と、地
下に隠れている(ハマスの)リーダーたちに伝えてほしい」と書か
れたビラを配布した。ハマス幹部の殺害は続ける趣旨とみられる。
 一方、停戦交渉について首相は会見で、ハマスが停戦合意を破っ
てきたと強調したうえで「外交的な手法で安全を確保することは望
ましい」と述べた。イスラエルは停戦交渉を拒否する姿勢を維持し
ているが、エジプトやパレスチナ自治政府の仲介努力次第では応じ
る可能性もありそうだ。
 イスラエルのハーレツ紙によると、ハマス幹部らは3日朝、カイ
ロに到着。交渉に積極的な姿勢を見せている。2日夜以降、ハマス
の攻撃は縮小傾向にあるが、イスラエルが停戦交渉に引き続き応じ
ない場合、ハマスが攻撃を拡大し、戦闘が再燃する状況もある。
 エジプトとの境界のラファでは3日、約3000人の市民が避難
する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学
校が砲撃を受け、10人が死亡、約30人が負傷した。国連関係者
はイスラエルの攻撃とみられるとしており、国際社会の批判がさら
に高まりそうだ。
 7月8日以降の戦闘に伴うガザ側の死者は1830人以上、イス
ラエル側は兵士64人を含む67人となった。イスラエルは3日、
「ハマスに拉致された疑いがある」としていた兵士の遺体を確認。
拉致後に死亡したとみられるという。
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イスラエル首相「治安回復」まで作戦継続=ハマス、徹底抗戦の構
え
 【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は2日夜、記者
会見し、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦について「目標が達成
されるまで継続する」と述べた。地上侵攻の目的である地下トンネ
ルの破壊は終えつつあるとの認識を示した上で、作戦の本来の目的
である「治安回復」が達成されるまで、「必要な限り」戦闘を続け
ると宣言した。
 イスラエルのメディアによると、イスラエル軍は3日中にもイス
ラム原理主義組織ハマスが建設したトンネルの破壊を終える予定。
軍部隊は既にガザの市街地から撤退し始め、境界地帯に移動してい
るもようだという。
 首相は、ガザで武装勢力に拉致された可能性のある兵士について
、「取り戻すための努力は何でもする」と強調。また、ハマスがロ
ケット弾攻撃などを継続する場合、「耐え難い報いを得ることにな
る」と警告し、ハマスをけん制した。
 この発言を受け、ハマスはAFP通信に対し、徹底抗戦の姿勢を
示しており、双方の犠牲者がさらに増える可能性もある。イスラエ
ルがガザへの軍事作戦を開始した7月8日以降のパレスチナ人の死
者は1650人以上。イスラエル側も66人が死亡している。
(2014/08/03-07:37)
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米国の影響力に陰り オバマ大統領、停戦の早期実現悲観視
2014.8.2 16:44
 イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの「人道停戦」のあっ
けない崩壊は、仲介を主導してきた米国の影響力の陰りを印象づけ
た。同盟国イスラエルに停戦を受け入れるよう圧力をかけてきたオ
バマ大統領は後退を余儀なくされている。
 米政府当局者によると、「72時間」停戦合意は、本格停戦へ向
けた交渉入りに「最低限必要な時間」を逆算して設定したものだっ
たが、1時間余りで戦闘が再開。仲介に奔走してきたケリー米国務
長官は完全にメンツをつぶされた。
 「米国は地球上で最強の国だが、世界中をコントロールしている
わけではない。そのことをみんな忘れているようだ」。オバマ氏は
1日の記者会見でこう語った。さらに責任はハマスにあるとし、行
方不明になったイスラエル兵の無条件の即時解放を要求。停戦の早
期実現には悲観的な見方を示した。(共同)
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反ユダヤ主義拡大の兆候=抗議行動が激化−ドイツ
 【ベルリン時事】イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍
事作戦で、多数の死者が出たのを受け、ドイツでイスラエルに対す
る抗議行動やユダヤ教を標的とした暴力行為が頻発している。ナチ
スによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の過去を抱えるドイツで
は、イスラエル批判はタブー視されているが、過激なスローガンが
掲げられ、反ユダヤ主義が拡大する兆しを見せている。
 抗議行動の参加者は「ユダヤ人に死を」「ガス室に送れ」などと
叫んだと伝えられる。また、西部ブッパータールでシナゴーグ(ユ
ダヤ教礼拝所)に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生。ベルリンでは
ユダヤ人青年が何者かに殴られた。
 ドイツ・ユダヤ人中央評議会のグラウマン会長は「ユダヤ人に対
する邪悪で暴力的な憎悪が爆発している」と懸念を表明。また、イ
スラエルのハダスハンデルスマン駐独大使は、ナチス政権下で起き
た反ユダヤ主義暴動「水晶の夜」に触れ、「ユダヤ人がベルリンの
路上で追われている。1938年の時と同じだ」と語った。
(2014/08/02-14:22)
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「戦争にもルールある」と双方に市民保護で警告 国連高官
2014.8.1 09:17
 国連安全保障理事会は7月31日、イスラエル軍とイスラム原理
主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ地区の情勢をめ
ぐり会合を開いた。国連人道問題調整室(OCHA)のエイモス室
長は「戦争にもルールがある」とし、双方に市民保護の責任を果た
すよう求めた。
 エイモス氏は、国連が避難所として開放していた学校が相次いで
砲撃され、住民多数が死亡したことを念頭に「安全な場所などない
というのがガザの現実だ」と述べた。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のクレヘンビュ
ール事務局長は、UNRWA施設で保護している市民らが22万人
に達し、数千人の妊婦や新生児も含まれると指摘。水不足で衛生状
況が悪化、感染症など「病気が蔓延(まんえん)し始めている」と
懸念を示した。(共同)
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米国の力には限界も…オバマ氏、米露会談後に
2014年08月02日 22時27分Yomiuri Shimbun
 【ワシントン=白川義和】オバマ米大統領は1日、プーチン露大
統領との電話会談後の記者会見で、ロシアのウクライナへの介入や
パレスチナ自治区ガザでの戦闘などで影響力を発揮できないことへ
の釈明に追われた。
 「外交には時間がかかる」と理解を求めつつ、「米国は地球上で
最も強い国だが、すべてを支配しているわけではないことを人々は
忘れている」と述べ、米国の力の限界も強調した。
 「プーチン大統領とロシアが(国際協調という)長期的利益を無
視した場合、戦争は問題外として、我々ができることには制約があ
る」「プーチン氏の思考を支配することはできない」
 オバマ氏は、ロシアへの制裁圧力が進んでいることをアピールす
る一方、プーチン氏と対話を重ねても行動を変えさせられない現状
を認めた。イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が続くガザ
情勢や、イスラム過激派が台頭するイラク情勢についても「即時の
成果は出ていないが、前進はしている」と釈明した。
 オバマ外交を「弱腰」「受け身」と批判する声に対し、「我々の
国力には限りがあることを認識しなければならない」とし、「結果
論」や「あら探し」をすべきでないと反論した。
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米ロ首脳、相互に批判 プーチン氏「重大な損失」
2014.8.2 07:51
 オバマ米大統領は1日、ロシアのプーチン大統領と電話協議し、
ロシアがウクライナ東部の親ロシア派武装勢力への支援を続けてい
るとして深刻な懸念を伝えた。プーチン氏はロシアに対する制裁強
化が「2国間関係と世界全体の安定に重大な損失をもたらす」と述
べ、対米批判を展開した。
 両首脳が直接話し合ったのは、ウクライナでマレーシア航空機が
撃墜された7月17日以来。米ホワイトハウスとロシア大統領府に
よると、停戦の重要性や対話の継続では一致したが、緊張緩和の糸
口は見いだせなかったもようだ。
 オバマ氏はその後の記者会見で「プーチン氏の思考をコントロー
ルするのは不可能だ」とした上で、国際社会ができることは、現在
の姿勢を変えなければ「ロシアが傷つく結果になる」とプーチン氏
に伝えることだと述べた。(共同)
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米では強硬論も 欧州では影響懸念の声 G7のロシアめぐる声明
2014.8.1 00:31 sankei[ロシア]
 【ワシントン=加納宏幸、ミュンヘン=宮下日出男】先進7カ国
(G7)と欧州連合(EU)の首脳は7月30日、ウクライナ東部
でのマレーシア航空機撃墜を受け、ロシアがウクライナ情勢の沈静
化に役割を果たさなければ制裁をさらに強化するとの声明を出した。
クリミア併合や東部の親ロシア派武装勢力への支援により、ロシア
がウクライナの主権を侵害しているとし、「重大な懸念」を表明。
事件の原因調査や犠牲者の遺体収容に向けて全面的な停戦を求めた。
 「ロシアは再び国際社会から孤立し、過去数十年の発展から後戻
りする。これはプーチン氏の選択だ」。オバマ米大統領は29日、
追加制裁を発表する声明でこう述べた。主要国(G8)や主要20
カ国・地域(G20)のメンバーという国際的な地歩を失うことに
なると脅した格好だ。
 ただ、米議会では、プーチン氏の行動様式は容易に変わらないと
して、決定的な打撃を与えるよう求める意見が出ている。米下院の
マッコール国土安全保障委員長(共和党)は30日、ロシアには制
裁の衝撃を吸収する力があるとして「効果的ではない」と指摘。ロ
シアの原油輸出を制裁対象とするよう求めた。
 また、次期大統領選の有力候補とされるルビオ上院議員(同)や
米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは、オバマ氏が否定する
ウクライナ軍への武器供与を実施するよう求めた。
 一方、EUは30日、ウクライナ情勢をめぐり、在欧資産凍結の
追加対象となる8個人と3企業への制裁を発動した。個人ではロシ
アのプーチン政権に近い企業関係者3人らが新たに含まれた。
 プーチン氏に近い3人はロシア銀行の主要株主2人と、プーチン
氏の柔道仲間でパイプライン建設会社などを保有するロテンベルク
氏。企業では併合後のクリミアに進出した金融機関や航空会社、対
空兵器の製造会社が対象となった。
 EUは撃墜事件後、ロシア政府を支援する個人や企業も制裁対象
にできるよう基準を拡大し、今回初めて適用された。資産凍結の対
象は95個人23企業・団体となった。EUは8月1日、金融部門
などに対する経済制裁も正式発動する見通しだ。
 ただ、ロシアとは経済関係が深いだけに影響への懸念も根強い。
EUはロシアの最大の貿易相手である一方、ロシアはEUの第3の
貿易相手で天然ガスの最大供給国だ。制裁ではガス部門を除外する
など、「EUへの影響を抑え、露経済に打撃を与える」ことを念頭
に加盟国の調整を図った。
 制裁の影響は露側で今年、国内総生産(GDP)の1・5%相当
、EUでも0・3%に上るとも伝えられ、イタリアなど回復途上の
南欧諸国の懸念は強い。
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追い込まれたプーチン大統領、味方を維持するための戦い
2014.07.31(木)  Financial Times
(2014年7月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
まず、破綻した石油会社ユーコスの元大株主らに500億ドルの賠償金
を支払えという命令が裁判所からロシアに下された。次に、欧州連
合(EU)がウクライナ問題について、初めてロシア経済の全セクタ
ーに真の打撃を与えうる追加制裁を科すことを決めた。
 この2日間で、欧州とロシアの関係は冷戦終結後最悪の状況に陥っ
た。1980年代半ば以降で最悪と言ってもいいかもしれない。
 タイムマシンで昔に戻ったような感覚は、29日の米国の動きによ
りさらに強まった。ロシアは新型の地上発射型巡航ミサイルの実験
を行っており、ロナルド・レーガンとミハイル・ゴルバチョフの間
で交わされた重要な軍縮条約に違反していると米国が非難したのだ。
 ロシアのメディアや政治家は、ユーコスの件の裁定とEUによる「
第3段階」の制裁の開始を結びつけ、これはロシア経済に打撃を加え
る試みだとする陰謀論を展開しているが、この2つの出来事が同じタ
イミングで明らかになったのは偶然にすぎない。
昔の冷戦に戻るわけではないが・・・
 ただ、この2つが重なったことにより、グローバル経済との統合を
深めようとするポスト共産主義のロシアの試みが水を差されたり、
下手をすれば反転したりする恐れが生じている。ロシアの経済発展
はより内向きな、自給自足的なものになってしまうだろう。
 また、制裁によってロシアと西側諸国の関係は新しい、そして(
かつての冷戦時のようなとまではいかなくとも)今以上に冷ややか
な局面に移行する公算が大きい。
 「2つの密閉されたシステムが欧州で対峙する状況に戻ることはあ
り得ない。経済は今後も、統合されることはないにしても、互いに
関係し合う状態が続くだろう」。英王立国際問題研究所(チャタム
ハウス)のジェームズ・シェール氏はこう語る。「ただ、今まで通
りの状況に戻ることは不可能だという感じもする」
 ロシアと西側の関係がさらに悪化するか否かは、ウラジーミル・
プーチン大統領次第でもある。この問いは、ソビエト時代の末期で
も1人の人物次第で決まったものだが、今ではその度合いがさらに強
まっている。
プーチン大統領が直面する深刻なジレンマ
 東西の亀裂が大きく広がった今、制裁発動の理由であるウクライ
ナ東部の紛争は最悪の段階に入りつつあるのかもしれない。それは
ロシアが支援する武装勢力が優勢だからではなく、劣勢だからだ。
 勢いを取り戻したウクライナ政府軍は、分離主義者(親ロシア派
武装勢力)が支配する地域の3分の2をここ数週間で奪還した。親ロ
派武装勢力が逃げ込んでいる主要都市のドネツクとルガンスク、さ
らにはドネツクとロシア国境とを結ぶ高速道路も近々絶ち切ること
になりそうだ。
 これにより、プーチン氏は、大統領就任後で最大級の深刻なジレ
ンマに直面している。プーチン氏はこれまで、ウクライナ東部のロ
シア系住民はキエフの「ファシスト」指導部による深刻な脅威にさ
らされているとの見方を、国営テレビを使ってロシア国民に訴えて
きた。ここで親ロ派武装勢力の敗北を許せば、大統領自身に力がな
いように見えてしまい、記録的な高水準にある支持率も低下する恐
れが出てくる。
 とはいえ、EUが真剣な制裁に乗り出した以上、ウクライナの親ロ
派武装勢力への支援を大幅に強化する――あるいはロシアが直接軍
事介入する――ことは、ロシア経済にさらにダメージを及ぼす対抗
措置を招いてしまう恐れがある。そうなればこの面でも、時間が経
つにつれて大統領への支持が下がり始める可能性がある。
 またプーチン氏は、ロシアの孤立が深まることに(内輪では)強
い懸念を表明している大物実業家たちと、親ロ派武装勢力への支持
をやめないよう圧力をかけてくるナショナリストの論客たちとの板
挟みになっている。
親ロシア派武装勢力への支援は継続
 シェール氏は、第3段階の制裁の開始と、さらなる追加制裁の脅し
がプーチン氏にウクライナ東部の全面侵略を見送らせる可能性はあ
ると言う。プーチン氏は全面侵略を選択肢として残しているが、ま
だ代償が大きすぎると考えているように見える。
 だが、シェール氏によると、ロシアはモルドバの沿ドニエストル
に似た形でウクライナ最東端地域を欧州の新しい「凍結された紛争
」に変えるために、国境の向こう側に十分な支援を与え続けるとい
う。「これはウクライナと同国の経済、秩序立った機能に対する武
器として利用される」とシェール氏は指摘する。
 アナリストの中には、たとえ制裁を強化しても、プーチン氏は引
き続き、ロシアに敵対的だと見なす北大西洋条約機構(NATO)への
ウクライナの加盟を防ぐという大きな目標を達成するために必要だ
と思うことを何でもすると見る向きもある。
  シンクタンク、カーネギー財団モスクワセンターのドミトリー・
トレーニン所長は、ロシア政府は次第に、米国の目標はウクライナ
を巡ってロシアの手を縛ることではなく、「経済的な苦痛という手
段を通じてプーチン政権を倒すこと」だと見なすようになっている
と警告する。
 「プーチン氏が手を引いたり、側近が彼に方針を転換するよう説
得したりするのを期待することは、事態の深刻さを理解できていな
い証拠だ」とトレーニン氏は言う。
ロシア自身にとっての大きな戦い
 同氏によると、プーチン氏にとっては、ウクライナを巡る争いは
もう、ロシア自身にとっての大きな戦いと化しており、この戦いで
は、プーチン氏が国民を味方につけておかねばならず、それができ
なければ、プーチン政権、ひいては国家の崩壊に見舞われる恐れが
あるという。
 「そうでなければ、新たな地政学的な大惨事が起きるかもしれな
い」とトレーニン氏は話している。
By Neil Buckley
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米欧、ロシアへの追加制裁を実施へ
2014年07月30日 13時58分Yomiuri Shimbun
 【ワシントン=井上陽子、ブリュッセル=三好益史】米政府は29
日、マレーシア航空機撃墜事件などを受け、ロシアの金融、軍事関
連4社と、エネルギー分野への追加制裁を実施すると発表した。
 欧州連合(EU)も同日の大使級会合で、ロシアに対する資本取
引規制や新規の武器取引禁止など本格的な制裁の実施で合意した。
米国とEUは、事件後もロシアがウクライナ情勢を悪化させている
との批判を強めており、足並みをそろえて制裁強化に踏み切った。
 オバマ米大統領は同日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、今回
の制裁について「米国が欧州と緊密に協調したことで、ロシアへの
大きな打撃となるだろう」との見通しを示した。米政府の追加制裁
のうち金融分野では、ロシア第2位の大手銀行「ロシア連邦外国貿
易銀行(VTB銀行)」など三つの国営銀行について、米金融市場
での資金調達などを大幅に制限する。
 また、ロシア最大の造船会社で、露海軍艦船を建造する「統一造
船会社」の米国内の資産を凍結。エネルギー分野では、ロシアによ
る原油産出の可能性がある北極海沖などでのプロジェクトに対し、
特定の製品輸出を禁じる。
 一方、EUが決定した資本取引規制では、EU域内の企業や個人
を対象に、ロシアの国営銀行が発行する債券や株式の売買・仲介業
務を禁止する。エネルギー分野では、北極海などでの石油開発で設
備や技術の供与を行わないとしたほか、武器取引や軍事転用できる
製品や技術の提供も禁じる。
 このほか、プーチン大統領に近い個人や企業などの8人・3社を
資産凍結や渡航禁止の制裁対象に加えることも決めた。
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ロシアが中距離核戦力全廃条約に違反…米報告書
2014年07月30日 10時47分Yomiuri Shimbun
 【ワシントン=今井隆】米国務省は29日、軍備管理や核不拡散
などに関する報告書を発表し、1987年に米国と旧ソ連が締結し
た中距離核戦力(INF)全廃条約に、ロシアが違反したと明記し
た。
 具体的には、ロシアが実施した地上発射型巡航ミサイルの実験や
ミサイル発射装置の所持・製造が、「条約の義務に違反している」
と指摘した。ただ、実験の実施時期などは記していない。
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EU、対露経済制裁へ…防衛など主力産業対象に
2014年07月30日 01時21分 Yomiuri Shimbun
 【ブリュッセル=三好益史】欧州連合(EU)は29日、ウクラ
イナ情勢を巡り、ブリュッセルで大使級会合を開き、ロシアに対し
て初の経済制裁を科すことで合意した。
 これまでロシア高官など個人への制裁が中心だったが、加盟国内
に多数の犠牲者が出たマレーシア機撃墜事件を受け、ロシアの経済
活動に影響を与える厳しい制裁に踏み切った。
 ロイター通信によると、新たな制裁は、防衛やエネルギーなどロ
シアの主力産業が対象。ロシアの技術革新に貢献する製品や機密技
術の提供を制限する。エネルギー分野については、石油産業に限定
し、天然ガスは対象としない方針。EUは天然ガスの約3割をロシ
アに依存しており、報復による影響を避けるためとみられる。
 今回の制裁については、EU経済への影響を検証するため、3か
月後に再検討する方針を確認した。
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ロ、米欧制裁強化に反発 「国際問題に悪影響」
 【モスクワ、ブリュッセル共同】ロシア外務省は30日、ウクラ
イナ情勢をめぐる米国の経済制裁強化について「米ロ両国の協力が
決定的な役割を果たす国際問題にも、極めて都合の悪い状況を生む
」と批判する声明を発表した。欧州連合(EU)による制裁強化に
対しても米国追随だと批判した。報復の制裁には言及していない。
 ロシア外務省は声明で、EUによる制裁がエネルギー分野に及ん
だことを踏まえ、欧州でエネルギー価格が上昇する結果を招くと主
張した。
 EUは30日、ウクライナ情勢をめぐり在欧資産凍結の対ロシア
追加制裁を発動する。
2014/07/31 00:26   【共同通信】
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ロシア中銀が国内銀行支援を示唆、欧米の追加経済制裁にらみ
2014年 07月 30日 18:11 JST
[モスクワ 30日 ロイター] - ロシア中央銀行は30日、欧米
の経済制裁による影響を受けている国内銀行を支援する用意がある
と表明した。
米国は29日、対ロシア制裁リストに同国の銀行第2位のVTB
(VTBR.MM: 株価, 企業情報, レポート)、VTB傘下のモスクワ銀行
、ロシア農業銀行などを追加。欧州連合(EU)も同日、ロシアの
国営銀行に対し欧州金融市場での資金調達を禁止するなどの追加制
裁を発表した。
中銀は声明で「必要があれば、これらの組織が顧客、預金者および
債権者の利益を守るために必要な対策を支援する」と述べた。
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「冷戦後最大の制裁」=国有銀行の株価急落−プーチン政権に打撃も
 【モスクワ時事】ウクライナ東部のマレーシア機撃墜事件を受け
、米国と欧州連合(EU)が本格的な対ロシア経済制裁を決めた。
ロシアの高官やメディアは「制裁恐るるに足らず」と宣伝するが、
識者はかねて「外国投資家の不信や経済成長の鈍化を招く」(クド
リン前財務相)と指摘。国民生活が打撃を被れば、支持率低下につ
ながりかねず、プーチン大統領は窮地に陥りそうだ。
 「冷戦後最も厳しい制裁」。30日昼のロシア国営テレビは、米
欧の追加制裁を3番目のニュースで伝えた。標的は金融市場だと警
戒を促しながらも「主要平均株価は約2%上がり、市場は制裁を無
視した」と平静を装った。それでも制裁対象となった国有VTB銀
行は株価の大幅下落を免れなかった。(2014/07/30-19:52)
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アルゼンチン大統領、ウォール街に刃向かう
By JUAN FORERO, KEN PARKS AND SHANE ROMIG
2014 年 8 月 1 日 12:18 JST 更新
 【ブエノスアイレス】アルゼンチンは7月31日、また金融界ののけ
者となった。政治的けんかが好きなキルチネル大統領がウォール街
のヘッジファンドをにらみつけ、同国を過去13年間で2度目のデフォ
ルト国にしたためだ。
 大統領が16億ドル(1640億円)の債権を持つ債券保有者との和解
を拒否したことは、短期的には政治的な急場しのぎとなる可能性が
ある。エコノミストやアナリストは、これはゆっくりと崩壊しつつ
ある同国経済から目をそらさせ、労働者層の多くの国民の支持を高
めることになると述べている。労働者たちは大統領のペロン党の支
持基盤となっている。
 しかし、キルチネル氏が2007年に大統領に就任して以来、多くの
戦闘的な政策を取ってきた、今回もこれまでと同様、リスクを伴い
、深刻なリセッションを招き、脆弱な通貨ペソをさらに下落させる
可能性がある。また既に40%以上と、世界最高の部類に達している
インフレをさらに押し上げることにもなりかねない。
 彼女の大統領就任初期の中央銀行総裁を務めていたマルティン・
レドラド氏は「実体経済の観点から見れば、良いことは何もない」
と語った。
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アルゼンチン国債を格下げ=「部分的デフォルト」に−米S&P
 【ニューヨーク時事】米格付け大手スタンダード・アンド・プア
ーズ(S&P)は30日、債務返済問題で揺れるアルゼンチンの国
債格付けを「CCCマイナス」から、部分的なデフォルト(債務不
履行)を示す「SD(選択的デフォルト)」に引き下げたと発表し
た。6月30日に支払期限が来た国債の利子が、30日間の猶予期
間を経ても支払われていないことが理由。
 2001年にアルゼンチンが陥ったデフォルトをめぐっては、米
裁判所が6月、債務再編に応じなかった債権者に全額返済しない限
り、他の債権者への利払いは認めないとの判断を示した。
 これに対し、アルゼンチンが反発。同国政府とファンド側の交渉
は歩み寄りがないまま、猶予期間最終日に交渉が決裂。同国はデフ
ォルトに陥る見通しだ。今回の問題を受けてデフォルト級に格下げ
したのは、S&Pが初めて。
 S&Pは今月初め、SDへの格下げの可能性を指摘しており、市
場への影響は限定的とみられる。同社は、アルゼンチンが債務削減
に応じた債権者への利払いを実施すれば、同国に対する訴訟リスク
や国際金融市場の状況を勘案した上で格付けを見直す可能性がある
と説明。その場合、「CCC」級か低い「B」級への格上げになる
確率が高いという。(2014/07/31-07:59)
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アルゼンチンが選択的債務不履行 その背景
広瀬隆雄2014年07月31日 08:32BLOGOS
アルゼンチンが一部ヘッジファンドに対する支払い猶予期限である
7月30日までに満額の支払いに応じなかったため、選択的債務不履行
となりました。
背景を説明します。
アルゼンチンは2001年に通貨危機に見舞われ、約1,000億ドルの国債
が債務不履行となりました。
その後、同国は債権者の大半(93%)とエクスチェンジ・オファー(
別の、価値の低い国債と交換すること)に合意し、額面100ドルのオ
リジナルの債券につき約30ドルで債券を再発行し、投資家とアルゼ
ンチン政府が痛み分けすることにしました。
ところがアルゼンチンが当時発行していた債券の一部はニューヨー
ク州法に準拠した債券でした。
これに注目したエリオット・マネージメントなどの一握りのヘッジ
ファンドが、このニューヨーク州法に準拠したアルゼンチン債を投
資家からかき集め、ニューヨークで上記のエクスチェンジ・オファ
ーを不服とし、あくまでも満額支払いを要求する訴訟を起こしたの
です。
ニューヨーク連邦地裁はヘッジファンド側を支持し、満額支払いを
要求しているヘッジファンドの支払い要求に応じなければ、他のエ
クスチェンジ・オファーに応じた債権者たちに対しても利払いを行
ってはいけないという停止命令を出しました。
アルゼンチン政府は、すでに債権者に対する利払いのために準備さ
れた5.39億ドルの資金を、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン銀
行に開設したエスクロー口座に入金済です。でもエスクローから債
権者に対する支払いは未だ実行されていませんでした。
クリスティーナ・キチネル大統領はヘッジファンドからの圧力に屈
しないということを公約に掲げており、これが有権者からの支持の
源泉になっています。だから今回、エリオット・マネージメントと
の和解に応じなかったのは、既定路線と言えます。
それにエリオット・マネージメントへの満額支払いに応じてしまう
とエクスチェンジ・オファーに既に合意している93%の債権者に対し
ても即時支払の義務が発生し、1,200億ドル前後の支払いをする必要
が生じます。
するとアルゼンチン政府としては満額支払いに応じるインセンティ
ブは、全くないわけです。
デフォルトが宣言されるとエクスチェンジ・オファーを待っている
債権者たちには8%の利払い義務が発生します。するとエクスチェン
ジ・オファーを待っている債権者たちにとって逆にその方が好都合
になるという見方も出来るわけです。
アルゼンチンの現在の外貨準備高は290億ドルです。



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