5077.米国は混乱する世界の縮図に



元共和党上院院内総務のハット・ブキャナン氏がアメリカン・コン
サバティブ誌に「America: Microcosm of a world on fire」を論じ
ている。リンクは最後。

米国の国境における無駄な騒動を見ると、「自由主義とは、西洋の
自殺の考え方である。」とジェームス・バーナムが洞察した、1964
年に述べていることが、その通りであると思える。

自由主義の信念から、西洋的な市民生活を自殺させているようであ
る。南の国境や、それ以外からも自由を求め、体制に絶望した人た
ちを受け入れている。

これらの人の受け入れを拒否すると、いろいろな名前で呼ばれる。
人種差別主義者、外国人嫌い、移民排斥主義者などで、これらは反
自由主義者ということである。

しかし、第3世界の状況の低下が続き、移民は続いているが、米国
に富をもたらすと言われる昨今の「多様性」について検討する。

1960年、米国人の10人に9人はキリスト教徒であり、その先祖はヨー
ロッパであり、私たちは1つの国、1つの国民であった。

それ以来、米国は南米のブラジルのようになってきた。西洋国とは
違い、多民族、多言語、多文化など「ユニバーサルな国」になって
いる。

そして、他の西洋諸国を見ると、確実に将来に姿が見える。

1960年以前は、大量の移民を欧州は受け入れていなかった。第2次
大戦でナチスドイツの選民の後でも、多くの欧州国家は単一の民族
であった。

チュコスロバキア、ユーゴスラビア、ソ連が違っていた。しかし、
冷戦後、その国々は分裂した。3つの国は24の国になったし、サ
ブ国家として、南オセチア、オブハチア、トランジストリアなどで
ある。

今、スコットランドが英国から、カタロニアがスペインから、コル
シカがフランスから、ベネチアがイタリアから、フラマンがベルギ
ーから独立をしようとしている。

クルミアはロシアに復帰して、チェチェンやカフカスの他の地域も
独立するためにロシアと戦っている。

分離主義者の根拠は、経済、民族性、歴史、宗教、言語、文化、国
境などである。

欧州には、同化されないイスラム教徒もいる。米国でもカトリック
のアイスランド人やドイツ人が、プロテスタント米国の中にいるが
、うまくやっている。ドミニカ人、メキシコ人なども米国では折り
合ってうまくやっている。それとは違うようである。

リビア、シリア、イラクが分裂している。スーダン、エリオピアも
そのように様相である。クルド人もトルコ、イラン、イラク、シリ
アから独立を試みるかも知れない。シーア、スンニ派の戦争も最迫
っている。

この中で、イスラム教国で、キリスト教徒は迫害を受けている。ミ
ャンマーではイスラム教徒が仏教徒に迫害を受けている。中国では
、ウイグル人が独立するために、テロをしているという。

このようにヨーロッパ、中東、アジア、アフリカでも、分裂が起こ
っている。しかし、どういうわけか米国は、このようのことが起こ
らない。

世界は、民族的、文化的な闘争に陥っている。闘争の心が宿ってい
るのであろう。しかし、彼らが米国に来て、バカな米国人になる考
えは、少し理想郷との思いがあるからであろう。

戦火の世界で、米国は世界の縮図になってきている。

なぜ、世界を招き入れているのか?
懺悔しなければならない罪があるのか?

くるべきことは予測されているし、予測されていた。

2042年までには、欧州を先祖に持つ米国人は少数になり、アングロ
サクソンは現在でも、カリフォリニア、ニューメキシコ、テキサス
では少数である。ヒスパニックがメキシコ国境よりの4州では多数
派にまもなくなる。

そうなれば、ラテン・アメリカとの国境を閉める候補に得票をしな
いため、国境は開かれる。いままでの米国ではなくなる。

すでに、大麻、中絶、同性愛結婚で、米国はモラルに関わる文化的
な戦いになっている。私たちは、貧富の格差拡大やモラルに関わる
活動で2極分化している。

多くの文化を持つアジア、アフリカ、ヒスパニック、ユダヤなどで
構成する、宗教も多様になる国になる時が来て、この国を一緒に支
えることになるのであろうか?

以上であるが、アメリカン・コンサバティブ誌もブキャナンも保守
主義であるが、どうも米国は世界の縮図になる方向を変えることが
できないようだし、世界の混乱期が差し迫り、米国は動けなくなる
ように見る。

多数派がアングロサクソンではなく、ヒスパニックになり、米国は
急速に政治の方向が変化してくるようだ。

これに日本はどう対応するのか、考える必要が有る。



America: Microcosm of a world on fire

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