5066.世界を変えるメガトレンド〜人口予測



「世界を変えるメガトレンド〜人口予測から読み解く21世紀の国
際政治〜」政治人口学が専門のジョージ・メイソン大学教授ジャッ
ク・ゴールドストーン氏の講演会を聞きに、アメリカ大使館アメリ
カンセンターJapanに昨日、行ってきた。

ゴールドストーン教授はゆっくり話してくれるので、英語で分かり
、途中から同時通訳のイヤホンを外して聞いた。しかし、内容は日
本にとって衝撃的である。

先進国では、今後、若い労働者が少なくなる。そして、職を得るた
めに都市に人口が集中して、田舎に住む人がいなくなる。

女性の教育が行き届くと、子供が作らなくなる。これは世界的な傾
向である。このため、若年層が先進国はどこでも少なくなる。

そして、先進国や中国に代わって、途上国の月1000ドル以上を
稼ぐ中流階級の人口が経済成長を担っていく。月1000ドルとい
うのは、洗濯機を買える階級のことで、その上にバイクや自動車を
買うようになっていく。

中国は、今後経済成長がゆっくりになり、人口統計上の危機に陥っ
ていく。

この人口予測では、日本が他の国に比べて強い影響を受けることに
なるという。

日本の今後の人口推移は、15歳から24歳の人口が急激に減少す
る。これにより、イノベーター層がいなくなる。新しい製品が売れ
るのはこの層であるが、この層がいなくなることで、新製品が日本
でヒットしなくなる。そして、25歳から59歳の労働人口も減り
、それに比べて、60歳以上の人口は減らない。

80歳以上と15歳から24歳までの2つの人口は、2020年で
交差して、80歳以上の方が多くなる。また、年金を維持出来るか
どうかは、労働人口と年金人口の比でわかるが、1960年では17
人で1人の年金を支えたが、2010年で4人弱で1人に、2060
年では2人で1人になる。

アジアの中で、日本経済は2010年ではまだ、アジアのリーダで
いられるが、2100年ではタイ、ベトナムとだいたい同じ規模の
経済になる。

中国の労働人口は2010年でピークになり、その後は急激に減少
する。その代わりに60歳以上の人口が増えてくる。中国は今後、
大きな問題が起きる。

それなら、どうするのか?
日本は女性の労働参加率が低いので、この参加を男性と同じ程度に
すれば、まだGDPを12%、増やすことができる。このためには家庭で
の仕事を男性も女性と同じだけすることである。

移民を受け入れることである。建設業、老人介護、農業や水産業に
移民を入れていく。それと科学者、技術者など高スキル者を受け入
れることである。

若い移民を入れると当初は文化的な問題があるが、その子供たちは
、日本語を覚えるので20年か30年も過ぎると、文化的な問題が
なくなり、日本文化が移民の文化を取り入れて多様化し、老人介護
や生活スタイルが変化する。

日本にいながら、移民たちが英語で話すので英語の学習ができ、英
語会話が必要になるので世界的になる。今は日本人で外国に行く留
学生が少ないので、日本人が世界で活躍していない。この環境を変
えることが出来る。

アジアでの同盟関係が重要になるが、東南アジア、アフリカの発展
が中心になる。そして、中国が経済的な危機になり、攻撃的になる
可能性がある。その準備も必要である。

明治維新や戦後で日本は大きく変わったが、それと同じ変化が今後
必要になる。人口減少、高齢者が増加してくると、日本は世界的に
も、アジア的にもリーダではいられなくなる。

米国は移民を受け入れて、人口を維持し、社会構成を維持している
。民主主義を守るにも、人口の維持は必要である。

(Q&A)
Q1:安倍首相は、女性の活用と言って子供が出来にくい環境にして
1億人を維持するというが、できるのか?
A1:家のサポートに移民を利用して、カバーして、また移民を積極
的にすれば、可能である。

Q2:人口爆発して100億人になるというが、どうなりますか?
A2:アフリカの人口が急激に増えている。アフリカの女性は若い内
に結婚して、教育がされていない。また、女性は食糧収集も行うの
で家に縛り付けられいる。このため、子供が多くなる。これは中東
のベトウィンでも同じである。これらの国が人口急増の原因である。

Q3:移民を受け入れるのは、あまり好まない。スウェーデンのよう
な小さくてもクウォリティの高い国にすればよいのではないか?
A3:スウェーデンは、女性の活用が高い国であり、移民も受け入れ
ている。人口の安定的な維持が必要であり、日本はこのままにする
と急激な人口減少になり、大変なことになる。


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