5062.揺れ動く朴大統領はどう動く



中国の習近平国家主席は3日、国賓として韓国を初訪問し、朴槿恵
(パククネ)大統領とソウルの大統領府で会談。両首脳は共同声明
で「朝鮮半島での核兵器開発に断固として反対する」とし、名指し
は避けながらも北朝鮮を批判した。共同声明の本文は対日関係に触
れなかったが、旧日本軍の慰安婦問題についての共同研究を付属文
書に明記した。両首脳は中韓自由貿易協定(FTA)の年内締結で
も一致した。

習主席は、「蜜月関係」を築いてきた朴大統領との首脳会談で、韓
国を日米両国から切り離すため、安全保障や経済など多方面から提
案を示したが、朴大統領は、「アジア重視」を掲げる米国と、米主
導のアジア秩序に挑戦する中国とのはざまで揺れ動いた。

韓国が最も苦慮したのが、習氏が上海で5月に打ち出した中国主導
のアジア新秩序「アジア安全観」への対応だった。同調すれば、リ
バランス(再均衡)政策でアジア関与を強める米国との同盟関係に
「ひびが入る」(韓国政府当局者)ためだ。

共同声明では、「外交・安保上級戦略対話の定例化」などがうたわ
れただけで「アジア安全観」には直接言及しなかった。韓国は、米
国と中国の二股外交を今後も継続するということである。

しかし、習政権は、自ら設立に意欲を燃やす政府間銀行「アジアイ
ンフラ投資銀行(AIIB)」への加盟を韓国に働きかけてきたが
、これへの加盟を韓国は了解した。

これは、経済的には中国陣営に入るということである。軍事的には
、まだ米国との同盟関係を守り、経済的には中国との同盟関係を結
ぶということである。

3紙(朝鮮日報と中央日報、東亜日報)に投稿してきたが同じ内容
であり、習氏は、中韓の貿易額が、米韓と日韓の貿易額の合計より
大きいと指摘。中韓の自由貿易協定(FTA)交渉を加速し「利益
のパイをさらに大きくする」と呼び掛けたが、それに朴大統領は、
同調した。

この上、朴大統領は、中国との関係について「中国の夢と韓国の夢
が一つに交わり、北東アジアの夢としてより大きくなってほしい」
と期待を表明したのである。

2日間の日程で来韓した習主席をもてなすため、初日の晩さん会に続
き、翌日に特別昼食会を開いた。韓国メディアは、これを外国の元
首をもてなすのは極めて異例だと伝えた。

日韓関係は絶望的であり、集団的自衛権で米国が朝鮮半島有事に輸
送を依頼されても、絶対に受け付けることができない事態である。

韓国は、準仮想敵国とでもいうような位置になった。

粛々と北朝鮮との関係を正常化する方向で進むしかないようである。

さあ、どうなりますか?

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揺れ動く朴大統領…習氏は日米と韓国切り離し策
2014年07月04日 07時47分 Yomiuri Shimbun
 【ソウル=蒔田一彦、豊浦潤一】中国の習近平シージンピン国家
主席は3日、「蜜月関係」を築いてきた韓国の朴槿恵パククネ大統
領との首脳会談で、韓国を日米両国から切り離すため、安全保障や
経済など多方面から提案を示した。
 朴大統領は、「アジア重視」を掲げる米国と、米主導のアジア秩
序に挑戦する中国とのはざまで揺れ動いた。
 朴大統領は首脳会談後の共同記者会見の冒頭、「習主席と私は昨
年初めの就任後1年余りの期間に5回会いました。協議を重ねるご
とに主席との信頼関係がより深まっていることを実感しています」
と、にこやかに語りかけた。隣に立つ習氏も「我々はともに世界的
な課題に対応し、安全を守らなくてはいけない」と述べ、中韓連携
を強調した。
 今回、韓国政府が最も苦慮したのが、習氏が上海で5月に打ち出
した中国主導のアジア新秩序「アジア安全観」への対応だった。
「アジアの安全はアジアの人々が守る」というもので、同調すれば
、リバランス(再均衡)政策でアジア関与を強める米国との同盟関
係に「ひびが入る」(韓国政府当局者)ためだ。
 習氏は3日付の韓国主要各紙に掲載された寄稿で、中韓両国は「
安保環境の複雑な課題に共同で対処しなければならない」と主張し
、朴大統領との会談で「アジア安全観」への踏み絵を迫る構えも見
せていた。
 共同声明では、「外交・安保上級戦略対話の定例化」などがうた
われただけで「アジア安全観」には直接言及しなかった。朴大統領
は、米韓同盟を重視する立場から、「アジア安全観」に距離を置い
たとみられる。
 実際、朴大統領は2日放送の中国国営中央テレビのインタビュー
で、「(習主席の)アジア安全観を非常に注視している」とし、「
今後、十分な時間をかけて対話を進め、関係国の意見に耳を傾けた
い」と同調の言質は与えなかった。
 一方、習氏は、中国中心の新たな金融秩序に韓国を引き寄せるこ
とには成功した。習政権は、自ら設立に意欲を燃やす政府間銀行「
アジアインフラ投資銀行(AIIB)」への加盟を韓国に働きかけ
てきた。日米が主導するアジア開発銀行(ADB)などに対抗する
もので、日米の影響力を排除し、中国主導の秩序を作るという意味
では、アジア安全観と発想は同じだ。米国や日本は外されている。
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朴大統領「韓流と漢風で中韓両国の心の距離近づく」―中国メディア
Record China 7月4日(金)1時40分配信
2014年7月3日、騰訊新聞によると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大
統領は先月30日、中国中央テレビのインタビューに応じ、中国の習
近平(シー・ジンピン)国家主席の韓国訪問や中韓の自由貿易協定
、従軍慰安婦問題など、両国を取り巻くさまざまな話題について語
った。
朴大統領は、中国との関係について「中国の夢と韓国の夢が一つに
交わり、北東アジアの夢としてより大きくなってほしい」と期待を
込めた。
韓国のドラマや文化が中国に浸透し、また韓国でも中国ブーム「漢
風」が吹いていることについて、朴大統領は「中国での韓流、韓国
での漢風が一緒に交わり、文化を通じて両国国民の心の距離がさら
に近づくことを願っている」とも述べた。
「ドラマをよく見るか」という質問に対しては、「夜に時間があれ
ば、韓国の人気ドラマを見ることが楽しみだ」と語った。
朴大統領は「両国の高校生を対象に年1回、文化交流月間を設けては
?」というネットユーザーからの提案に賛同を示した上で、「子ど
ものころから相互理解を深め、友人関係を築けば、両国の友好関係
は一層深まり、継続的な発展の基礎ともなる」と述べた。
(翻訳・編集/NY)
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北朝鮮の核開発「断固反対」 中韓首脳会談、慰安婦問題研究へ
(07/03 17:44、07/04 01:55 更新)hokkaido-np
 【ソウル松本創一】中国の習近平国家主席は3日、国賓として韓
国を初訪問し、朴槿恵(パククネ)大統領とソウルの大統領府で会
談した。両首脳は共同声明で「朝鮮半島での核兵器開発に断固とし
て反対する」とし、名指しは避けながらも北朝鮮を批判した。共同
声明の本文は対日関係に触れなかったが、旧日本軍の慰安婦問題に
ついての共同研究を付属文書に明記した。両首脳は中韓自由貿易協
定(FTA)の年内締結でも一致した。
 中国最高指導者が、北朝鮮より先に韓国を訪問したのは初めて。
共同声明と付属文書で日本と北朝鮮を同時に批判し、拉致問題をめ
ぐる日朝接近へのけん制を狙った可能性もある。両首脳の会談は5
回目。
 北朝鮮の核問題については、昨年6月の共同声明に盛り込んだ「
重大な脅威」との文言から、今回は「核開発に断固反対」と、より
強い表現に改めた。中国はこれまで、北朝鮮への直接的な批判に難
色を示してきたが、韓国を優先する立場に転じたとみられる。
 今回の共同声明は、前回の声明でうたった日中韓首脳会談の開催
には言及しなかった。付属文書に盛り込まれた慰安婦問題の共同研
究では、両国に残る資料を共有し、旧日本軍による慰安婦募集の強
制性の裏付け作業などで協力していくとみられる。両国は慰安婦募
集の強制性を認めた河野談話の検証結果を公表した安倍政権の姿勢
に反発しており、協調して対抗する意図がある。
 知的財産関連の協議を残している中韓FTAについては「交渉を
肯定的に評価し、年末までに交渉を妥結するよう努力する」とした
。人民元と韓国ウォンの直接取引市場を韓国に開設することでも一
致。両国は、経済・貿易、環境、エネルギー、教育など12分野の
協力文書に署名した。
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中国主席、韓国3紙に寄稿 「米韓と日韓の合計より大きい中韓の
貿易額」
2014.7.3 11:15 [韓国]
 韓国の保守系大手3紙は3日、韓国を同日訪問する中国の習近平
国家主席の寄稿文を掲載した。習氏は訪韓が「両国の関係発展に新
たな動力を吹き込む」と期待を表明、「地域の安定に損害を与える
いかなる行動も反対に直面する」と北朝鮮の核開発などを暗に牽制
(けんせい)した。
 3紙は朝鮮日報と中央日報、東亜日報で、いずれも同じ内容。習
氏は、中韓の貿易額が、米韓と日韓の貿易額の合計より大きいと指
摘。中韓の自由貿易協定(FTA)交渉を加速し「利益のパイをさ
らに大きくする」と呼び掛けた。
 また「いったん動乱が起きれば、域内国家のだれもが無事ではい
られない」とし、中韓が協力して「この地域の恒久的な平和と安定
を実現するため建設的な役割を果たすべきだ」と強調した。(共同)
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<習近平訪韓>韓国が異例の厚遇、初日の夕食会に続き、翌日に特
別昼食会―中国メディア
Record China 7月3日(木)15時42分配信
2014年7月3日、環球時報(電子版)によると、韓国政府は、3日から
2日間の日程で来韓する中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席を
もてなすため、初日の晩さん会に続き、翌日に特別昼食会を開く。
韓国・東亜日報によると、習主席は3日午後に朴槿恵(パク・クネ)
大統領と首脳会談を行い、その後、大統領府で行われる国賓晩さん
会に出席する。
訪問2日目の4日は、ソウル大学で講演した後、首脳同士の特別昼食
会に出席。午後は両国の経済界関係者約450人が集まる中韓経済通商
協力(ビジネス)フォーラムに出席する。
韓国メディアは、初日の晩さん会に続き、翌日にも特別昼食会を設
けて外国の元首をもてなすのは極めて異例だと伝えた。(翻訳・編集/NY)
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中韓は戦略的パートナーになれるか
――北朝鮮、日本、アメリカと中韓関係
Can Beijing and Seoul Become Strategic Partners?
スコット・スナイダー 米外交問題評議会シニアフェロー
 フォーリン・アフェアーズ リポート16:45 - 2014年7月3日
東京では、「韓国はアメリカや日本との関係よりも中国との関係を
優先させるのではないか」と考えられている。だが、両国の経済関
係の深化をバックに、習近平と朴槿恵が今後の中韓関係をどのよう
に形作っていくつもりなのか、そしてその目的をどこに据えている
のかは、依然としてはっきりない。韓国は半島統一に向けた主導権
をとりたいと考え、一方、中国は北朝鮮を完全に見捨てるのを躊躇
っている。日本の歴史問題をめぐっても、中国は韓国との共闘路線
に前向きだが、韓国はむしろ日本との問題はアメリカを交えて対処
したいと考えている。・・・
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歴史問題「対日共闘」=中国主席、3日に訪韓−対北朝鮮より実利
優先
 【北京、ソウル時事】中国の習近平国家主席は3、4の両日、韓
国を国賓訪問し、3日夕に朴槿恵大統領との首脳会談に臨む。安倍
政権が集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を決定した直後の
会談。行使容認に強い懸念を示す中韓の首脳は戦争被害国として日
本の歴史問題を取り上げ、「対日共闘」を明確に打ち出す方針だ。
 また1992年の中韓国交正常化以降、中国最高指導者が就任後
、北朝鮮トップとの会談に先立ち、韓国を訪問するのは初めてとな
る。
 中国外務省でアジア問題を担当する劉振民次官は「中国は南北朝
鮮と共に友好協力関係を保持している」と説明している。しかし北
朝鮮の度重なる核実験などにいら立つ習指導部としては、朝鮮戦争
を共に戦った北朝鮮との「血で結ばれた友好」関係よりも、韓国と
の実利関係を優先。北朝鮮が中韓首脳会談を意識したとみられる短
距離ミサイルなどの発射を繰り返す中、中国の朝鮮半島政策の変化
を象徴する訪問となりそうだ。(2014/07/02-14:41)



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