5059.江戸東京博物館は素晴らしい



江戸東京博物館は素晴らしい。その紹介(リンクは下に) 
                          淵

相撲の両国国技館のすぐ横、そこに江戸東京博物館がある。入って
まず目を引くものは、実物大の日本橋である。まるで自分が旅人に
なったようで、その橋を渡り切るところから、江戸観覧がスタート
するという趣向になっている。 

さて橋を渡ってみると、大名屋敷、長屋、江戸城松の廊下、隅田川
沿いの街並みなどが、模型で再現されている。その一々を説明する
わけにいかないから、いくつか拾って書きましょう。 

まず江戸の街並みと、そこに住む庶民の姿が、模型で生き生きと描
かれている。ずいぶん楽しそうである。殊に夏の夜の川涼み、花火
などは映像展示で見たが、風情があってよい。身分の高い者も低い
者も、同じ場所で涼んでいたというのが、江戸の特徴である。 

さらに進めば、洋書がガラス棚に陳列されていた。私の横にいた欧
米人の老夫婦は、まるで先祖の書でも発見したかのように満悦の様
子で洋書に目をやっている。アメリカ人と思われる学生グループも
来ていたが、はしゃぐ素振りもなく熱心に江戸文化に触れようとし
ていた。若いながら殊勝である。 

これらの展示品を見て分かることは、明治になって急に西洋文明が
入ってきたのではない。その前から江戸に流入していた事である。
葛飾北斎はコンパスを持っており、遠近法も熟知していた。 

また歌舞伎の劇場もあった。職員さん?が説明してくれたが、舞台
仕掛けが現在の歌舞伎と同じで、場面が切り換わる鮮やかさは見事
なものだ。 

そして展示の後半からは、文明開化となり、江戸が東京に変わる。
その中に、明治の中学生が用いた世界地図があった。見ればアフリ
カに国名の記載もなく、国境線もない。何だかアフリカが大きな無
人島に見える。アジア全域も似たりよったりである。地図上に、国
家群がひしめいているのは欧米だけのことで、アジアには国がまだ
少ない。当時の世界観が、地図でわかる。 

江戸東京博物館は、かなり刺激的である。飽きがこない。料金以上
の値打ちはあるので、一度は行ってみるものである。博物館をでる
と、ちゃんこ料理店が幾つかあった。帰りの食事にはもってこいで
あると思う。 
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/permanent/index.html 

江戸東京博物館

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