5053.シーアとスンニの戦いの陣営は



米国の衰退は以前から始まっているが、その米国があろう事かイラ
ンと共同作戦を行うことになり、RTの「Israel’s Netanyahu warns 
Obama on working with Iran in Iraq」で、ネタニエフ首相は米国
を非難しているが、注目されているのはサウジアラビアとイスラエ
ルの孤立である。

イスラエルとサウジアラビアの関係は、シーア派イランに比べて良
いし、エジプトの軍事政権とも良い。というように、スンニ派湾岸
諸国は、米国の後ろ盾をなくして、独自でシーア派と戦う必要にな
り、アフガンではタリバン、イラクではISISをサポートしているの
であろう。

このシーア派とスンニ派の戦いに、世界は巻き込まれることになる。

日本はイスラエルと良好な関係であるので、イランは日本を敵と認
定したようである。イスラエルはシリアを空爆してスンニ派を支援
している。米国と中国はシーア派に中立か味方する。ロシアもシー
ア派イランに味方するというように、スンニ派が不利になっている。

イスラエルとサウジはシーア派イランから逃げられないので、同盟
を結び、色分けがはっきりしてくる。

日本もサウジ、イスラエルの味方になるようだ。イランは中国を選
択している。

というように、黙示録の体制ができてくる。

さあ、どうなりますか?


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対日批判に急転換したイラン 中韓接近も
2014.6.23 11:25 sankei[中東・アフリカ]
 イランの対日観が変化しつつある。6月18日、イラン国営「イ
ランラジオ」が、安倍晋三政権を非難する「東アジアの軍拡に対す
る懸念」と題する奇妙なホセイニー解説員による論評を報じた。
「イランラジオ」は、政府の完全な統制下にあるので、これはイラ
ンから日本へのシグナルだ。(SANKEI EXPRESS)
 <韓国が新たに日本の軍拡に懸念を示しました。韓国・ヨンハプ
通信が北東アジア歴史財団のソク・トンヨン事務総長の記事として
伝えたところによりますと、日本の安倍総理大臣の軍拡とアジアに
おける大きな軍事力の創出に向けた動きは、懸念を引き起こすもの
であるとしています。ソク事務総長はまた、ダブルスタンダード的
な措置と軍拡に向けた時間稼ぎに関して、安倍首相を非難していま
す。
 日本で安倍首相率いる右派が勝利したことで、日本の軍事政策に
対する懸念が近隣諸国の間で高まっています。とりわけ安倍首相が
当選後すぐに、防衛政策の変更と憲法9条の改正を目指すようにな
りました。憲法を変更することで、日本は戦争を行う為に国境を越
えることも禁止されなくなります>
 韓国からの一方的情報に基づいた日本批判だ。安倍政権を「右派
」と位置づけ、安倍政権が力を持っていることが、「日本の軍事政
策に対する懸念が近隣諸国の間で高まっている」原因と決めつける。
 さらに日本の憲法改正に対する中国、韓国の立場への共感を隠さ
ない。
 <確かに安倍首相は、改憲しても、日本は戦争放棄を守ると表明
しています。しかし、中国や韓国は依然として日本の改憲とそれに
よる結果について懸念しています。これ以前にも中国は安倍首相の
防衛力増強、最新鋭の兵器の製造、西側からのより多くの軍事物資
の購入にむけた努力を批判し、「日本はアジアの支配を目的とした
軍事勢力に変化しようとしており、地域の平和を危機に陥れる」と
しています>
 その上で、日本の武器輸出の緩和に対して懸念を表明する。
 <実際、日本の防衛政策変更や武器輸出に関する法律の改正に向
けた急速な歩みは、4月から急速に懸念を高めています。ある日本
のニュースチャンネルは17日火曜、日本政府は武器の輸出が緩和
されてからはじめて、防衛産業の国際見本市ユーロサトリ2014
で軍事技術を展示したと報道しました。この報道によりますと、日
本企業10社以上が装甲車、ヘリコプター、パラシュートなどの防
衛装備品をこの見本市で展示しています。ユーロサトリ2014は
フランス・パリで16日月曜から開幕し、20日金曜までの日程で
行われます。この世界最大の防衛産業の見本市は、ロシアなど57
カ国1500社の企業が参加し、開催されています>
 これまで「ラジオイラン」は、日本に対しては、好意的な報道を
基調にしていた。イランの親日感情を強調することで、米国の同盟
国である日本に、米国とは一線を画した親イラン政策を取らせるた
めの世論誘導を行うことが「イランラジオ」の役割だったからだ。
しかし、イランは、安倍政権に対して、急に批判的になった。それ
は、5月12日に東京で安倍晋三首相とネタニヤフ・イスラエル首
相が「日本・イスラエル間の新たな包括的パートナーシップの構築
に関する共同声明」に署名したからだと筆者は見ている。
 この共同声明に基づき、日本は、安全保障面でのイスラエルとの
提携を急速に進めている。「敵の敵は味方だ」というマキャベリ流
の外交をイランは行う。日本とイスラエルが接近することに対抗し
て、日本との関係が良くない韓国、中国にイランは擦り寄ろうとし
ているのである。今後、韓国、中国がイランを巧みに用いた反日策
動を強化する危険を過小評価してはならない。
(作家、外務省主任分析官 佐藤優)
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イラク過激派の資金遮断呼びかけ…米・エジプト
2014年06月23日 12時55分Yomiuri Shimbun
 【カイロ=久保健一】ケリー米国務長官は22日、エジプト・カ
イロを訪問し、同国のシシ大統領、シュクリ外相とそれぞれ会談し
た。
 ケリー氏は会談後の記者会見で、イラクで勢力を拡大しているイ
スラム過激派組織「イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)に
ついて、「イラクだけでなく、(中東)地域全体への脅威だ」と指
摘。中東諸国に対し、「違法な福祉団体や裏ルート」を通じ、「避
難民支援を装った資金」がISISに流れないように協力を呼びか
けた。
 ケリー氏は国名を挙げなかったが、イラクのマリキ首相は、サウ
ジアラビアなど湾岸アラブ諸国から資金が流入しているとみている。
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米国とシーア派の協調行動はスンニ過激派の夢
2014.06.23(月)  Financial Times
(2014年6月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
米英による2003年の侵略がいかにして2014年に単一国家としてのイ
ラクの内部崩壊につながったのかを巡る激しい議論は、イラク軍を
訓練し武装するのに300億ドルを費やしたにもかかわらず、同軍がな
ぜジハード(聖戦)戦士の大群の前にあっさり退散したのかを問う
困惑した米国議会の議論とともに、やる価値のある議論だ。だが、
そうした議論がイラクを救うことはない。
 米国主導の占領がイラク国家を粉々にした――地域の勢力バラン
スを変え、宗派間の戦いに火を付け、それまでイラクを支配してい
た少数派スンニ派を権力の座から追い落とした――無謀さの後には
、シリアを巡る西側のお粗末な意思決定が続いた。
 シリアの(多数派のスンニ派による)反政府勢力に対する西側の
支援をサウジアラビアとペルシャ湾岸の同盟国並びにトルコの手に
委ねたこと、さらにバシャル・アル・アサド大統領と戦う主流派の
反乱者に対するしみったれた支援が、中近東でジハード主義のフラ
ンケンシュタインの怪物を生み出すのは必至だった。
 だが、当面の急務は、「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」
が――少なくとも今のところは――その先頭に立っている、本質的
にスンニ派のアラブ蜂起である動きをどのように食い止めるか、だ。
 アルカイダによって生み出されたジハード主義の運動の実績は、
ほぼ一様に失敗の連続だった。彼らの残虐性の裏側にあるのはナル
シシズムだ。ジハード主義者の全体主義的な急進主義は、しばしば
保守的な社会や部族の特権と対立するため、めったに同調者をつな
ぎとめることができない。
 それがISISの前身に起きたことだ。ISISの前身組織は2007〜08年
の米軍増派の時期に、スンニ派のアラブ民族によってイラク中部と
西部の大部分から追い出された。シリアだけではジハード主義の復
活を説明できない。
ジハード主義勢力を後押しした最大の要因
 シリアの戦場は、ジハード主義勢力に貴重な後方守備隊と安全な
補給ラインを与えている。だが、何にも増して彼らに成功をもたら
しているのは、今春の総選挙後に3期目を迎えることになったイスラ
ム教シーア派のヌリ・アル・マリキ首相が宗派的な政策を実行し、
サダム・フセインの下で享受していた権力を失った後に屈辱を受け
てきたイラクのスンニ派を迫害したことだ。
 マリキ首相は、スンニ派のアラブ民族だけでなくクルド人も敵に
回した。クルド人はイラク北部で自治を行っているが、同盟的な解
決策には、敵対するシーア派とともに触媒的な役割を果たす存在だ。
イスラーム・ダアワ党出身のマリキ氏は莫大な権力と資源をため込
んだため、シーア派のミニ・サダム――そしてISISの兵士採用担当
軍曹――になった。
 折しもスンニ派のアラブ民族がイラク政府から疎外されているこ
とが原因でマリキ政権に立ち向かおうとしている時に、ジハード主
義者はサダム・フセインの軍隊とバース党の残骸であるスンニ派の
権力構造にしがみついている。この思いも寄らない連合を分裂させ
る見込みはない。
 イラクは間違いなく、この憎しみに満ちた攻撃を阻止するための
助けを必要としている。「米陸軍・海兵隊暴動鎮圧フィールドマニ
ュアル」の共著者であるイラク戦争の退役軍人、ジョン・ナグル氏
が先日書いたように、「事態を制御し、戦う意志を鼓舞するための
米国の空軍力と特別作戦部隊がなければ、1975年にサイゴンが陥落
したように、バクダッドが陥落する現実の可能性がある」。
 だが、マリキ氏に、より包含的になるよう求めることは無益だ。
マリキ氏は先日、クルド人とアラブ・スンニ派の形ばかりの指導者
数人を同じ舞台に召集したが、彼らと目を合わせることもできなか
った。2011年の米軍撤退の後に続くはずだった権力分割協定を破棄
したこの極めて対立的な首相は、緊急的な挙国一致内閣に置き換え
られるべきだ。
 もしイラクの政党が多数派の連立を組めば、それは非民主的では
ない。マリキ氏が率いる会派「法治国家連合」は最近の選挙で第一
勢力を維持したが、獲得した議席は325議席中92議席と、過半数を大
きく下回っている。
米国などがマリキ首相を支援すれば地域の全スンニ派の怒り
 だが、聖職者による武装の呼びかけによって動員されたシーア派
民兵およびイランとの事実上の連携によって、米国が今空軍力でマ
リキ氏を支援することになれば、それはジハード主義者の夢の実現
となり、地域全体のスンニ派の怒りを買うだろう。
 元駐米カタール大使のナセル・ビン・ハマド・アル・カリファ氏
は先日こうツイートした。「イラクの犯罪人アル・マリキを支える
ための西側によるイラク介入はどんなものであれ、すべてのスンニ
派アラブ民族、イスラム教徒によって自分たちに対する戦争として
受け止められるだろう」
By David Gardner in Beirut
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イスラエル軍、シリアを空爆…3人死傷の報復
2014年06月23日 12時40分Yomiuri Shimbun
 【エルサレム=上地洋実】イスラエル軍は23日、シリア政府軍
の拠点施設など9か所を空爆した。
 イスラエルが占領する北部ゴラン高原で22日、シリア側から攻
撃があり、イスラエル人少年ら3人が死傷したことを受けた措置。
イスラエル軍は、シリアからの攻撃を「重大な挑発行為」とみなし
、報復に踏み切った。
 空爆の標的には、シリア政府軍の司令部などが含まれ、イスラエ
ル軍は、「目標を正確に攻撃した」との声明を発表した。
 ゴラン高原では今年3月にも爆弾攻撃があり、イスラエル軍兵士
4人が負傷。イスラエル軍は、シリア政府軍拠点への空爆などを行
った。





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