5052.ウクライナ和平は可能か?



ウクライナのポロシェンコ大統領は20日夜、軍に対し東部で続く親
ロシア派武装勢力との戦闘の一時停止を命じ、15項目の包括的な和
平計画を発表した。親ロ派の武装解除を促すのが狙いだが、東部ド
ネツク州では21日も各地で戦闘が続き、早くも停戦宣言は形骸化し
つつある。

ウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共和国」は22日、ポ
ロシェンコ大統領が軍に命じた停戦を認めないと表明した。軍への
攻撃継続と武装解除の拒否を宣言した。

政府によるとポロシェンコ氏は19日から東部の有力者約400人と会
ったが、和平計画への全面支持は得られなかった。ポロシェンコ政
権は東部独立を宣言する武装勢力との交渉には応じない立場を堅持
している。

しかし、東部経済を掌握し政界に強い影響力を持つ国内最大の富豪
リナト・アフメトフ氏は19日、「話し合いを通じてしか平和は得ら
れない」と述べ、親ロ派勢力との協議を否定する姿勢を批判した。

それを受けて、ロシア大統領府は和平計画の発表直後に声明を出し
「武装解除を求める最後通牒(つうちょう)のようだ」と批判。「
対話開始の提案という最も重要な要素が欠けている」と指摘した。

しかし、オバマ米大統領は20日、メルケル・ドイツ首相、オラン
ド・フランス大統領と個別に電話会談し、ウクライナ東部の緊張緩
和に向けてロシアが具体的な措置を直ちに取らなければ、制裁を強
化する方針を確認した。

これに対して、ロシアのプーチン大統領は22日、ドイツのメルケ
ル首相、フランスのオランド大統領と電話で協議し、ウクライナの
ポロシェンコ大統領の和平計画を実現するためには「本当の停戦」
による支えが重要だとの認識を示した。プーチン氏は和平計画を「
おおむね支持している」と重ねて表明し、ウクライナ政権と親ロシ
ア派との交渉を即座に始めることが必要だと指摘した。


親露派武装組織との対話をするかしないかが問題点であることが分
かる。ウクライナ東部有識者の意見は、東部の自治を獲得すること
であり、武装組織も独立ではなく、自治拡大で合意ができるが、そ
れをウクライナに軍事顧問団を派遣して、米国が阻止するという形
のようである。

ここでも米国の判断は、間違えている。米ライス安全保障担当補佐
官は何をしないのであろうか?

ヨハネの黙示録、ハルマゲドンを実現するように、行動しているよ
うにも感じる。

さあ、どうなりますか?

==============================
和平計画実現には「本当の停戦」必要 プーチン氏が独仏首脳と
電話協議
2014.6.22 23:20 [ウクライナ]
 ロシアのプーチン大統領は22日、ドイツのメルケル首相、フラ
ンスのオランド大統領と電話で協議し、ウクライナのポロシェンコ
大統領の和平計画を実現するためには「本当の停戦」による支えが
重要だとの認識を示した。ロシア大統領府が発表した。
 プーチン氏は和平計画を「おおむね支持している」と重ねて表明
し、ウクライナ政権と親ロシア派との交渉を即座に始めることが必
要だと指摘した。(共同)
==============================
ウクライナ軍の停戦認めず=武装解除を拒否−親ロ派
 【モスクワ時事】ウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共
和国」は22日、ポロシェンコ大統領が軍に命じた停戦を認めない
と表明した。幹部が交流サイトで明らかにした。軍への攻撃継続と
武装解除の拒否を宣言した格好だ。
 理由について共和国幹部は、親ロ派との「合意形成がなかった」
ことを挙げた。(2014/06/22-23:40)
==============================
ロシア軍、ウクライナ国境付近の集結を否定
モスクワ2014年6月22日01時52分asahi
 ロシアのウシャコフ大統領補佐官は20日、ウクライナ国境付近
の国境警備部隊は増強しているが、ロシア軍を集結させている事実
はないと述べた。イタル・タス通信が伝えた。
 ウシャコフ氏は部隊増強の理由を「ウクライナ国境の状況が懸念
されるため」と説明している。ロシアは、紛争が続くウクライナ東
部から大量の難民が流入していると指摘している。
 一方、プーチン大統領は21日、ロシア中央軍管区のロシア軍に
対して、即応態勢をチェックするための大規模な抜き打ち演習の実
施を命じた。管区内のロシア軍はこれを受けて臨戦態勢に入った。
演習は28日まで続くという。中央軍管区はウラル地方からシベリ
アにかけての地域で、ウクライナには接していない。(モスクワ)
==============================
ロシア大統領、和平計画を支持/ウクライナに対話を要求
2014/06/22 05:30
 【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は21日、声明を発表
し、ウクライナのポロシェンコ大統領が表明した一方的な停戦宣言
を含む和平計画を支持すると表明した。同時に、対話プロセス開始
に向けた「実際的な行動」が伴わなければ計画は実現しないと、ウ
クライナ側に注文を付けた。
 プーチン氏がポロシェンコ氏の和平計画への立場を公式に表明す
るのは初めて。条件付きながら支持の姿勢を示したことで、ウクラ
イナ政権にとっては後押しとなる。
 声明は、衝突を続ける全ての当事者に戦闘を止め、交渉のテーブ
ルにつくよう呼び掛けた。親ロ派がプーチン氏の意向に沿い戦闘を
止めるかどうかが焦点。
==============================
ウクライナ停戦命令、形骸化 東部親ロ派が戦闘継続 
2014/6/21 20:33 (2014/6/21 21:46更新)nikkei
 【モスクワ=田中孝幸】ウクライナのポロシェンコ大統領は20日
夜、軍に対し東部で続く親ロシア派武装勢力との戦闘の一時停止を
命じ、15項目の包括的な和平計画を発表した。親ロ派の武装解除を
促すのが狙いだが、東部ドネツク州では21日も各地で戦闘が続き、
早くも停戦宣言は形骸化しつつある。
 「和平の取り組みは新たな段階に入った」。20日夜に同州の軍司
令部を訪れたポロシェンコ氏は27日までの短期停戦を宣言。戦闘員
への恩赦やロシアへの退路提供も打ち出し、親ロ派に武装放棄を呼
びかけた。半面、投降しない勢力は27日以降に徹底的に掃討すると
重ねて警告。親ロ派の抗戦も想定し「軍部隊や市民への攻撃があっ
た場合は応戦する」と語った。
 親ロ派武装勢力は20日、和平計画を「全く信頼できない」として
拒否する考えを表明。軍部隊との交戦を続けた。激戦地である同州
スラビャンスク周辺では21日未明、軍部隊と武装勢力の間で銃撃戦
が発生。同州のロシアとの国境地帯でも激しい戦闘が起こった。
 政府によるとポロシェンコ氏は19日から東部の有力者約400人と会
ったが、和平計画への全面支持は得られなかった。ポロシェンコ政
権は東部独立を宣言する武装勢力との交渉には応じない立場を堅持
している。
 東部経済を掌握し政界に強い影響力を持つ国内最大の富豪リナト
・アフメトフ氏は19日、「話し合いを通じてしか平和は得られない
」と述べ、親ロ派勢力との協議を否定する姿勢を批判した。
 ロシアは東部情勢を巡りウクライナへの非難を強める。ロシア大
統領府は和平計画の発表直後に声明を出し「武装解除を求める最後
通牒(つうちょう)のようだ」と批判。「対話開始の提案という最
も重要な要素が欠けている」と指摘した。
 ウクライナ軍が20日に奪還を宣言したロシアとの国境周辺でも緊
張が高まっている。タス通信によると20日深夜、80人を超えるウク
ライナの国境警備隊員が武装勢力に追われて越境し、ロシア側の保
護を求めた。
 ポロシェンコ氏は27日、欧州連合(EU)との自由貿易を柱とす
る連合協定を調印する方針。同日には停戦期限が終わり、戦闘の激
化も想定される。ロシアのプーチン大統領は中央軍管区の部隊に対
し21日から28日まで演習を実施するよう指示した。国境警備を名目
にしたロシアの介入への懸念も広がっている。
==============================
対ロシア制裁の強化警告=ウクライナ停戦受け−米独仏
 【ワシントン時事】オバマ米大統領は20日、メルケル・ドイツ
首相、オランド・フランス大統領と個別に電話会談し、ウクライナ
東部の緊張緩和に向けてロシアが具体的な措置を直ちに取らなけれ
ば、制裁を強化する方針を確認した。ホワイトハウスが発表した。
 米独仏3カ国首脳は、ウクライナ東部で政府軍が一方的な停戦に
入ったことを「歓迎」。その上でロシアに対し、ウクライナ国境付
近に再集結している軍部隊を撤収し、親ロシア派武装勢力への武器
供給を停止するよう重ねて強調した。
 一方、アーネスト米大統領副報道官は20日の記者会見で、「ウ
クライナ東部の情勢を口実にロシア軍が動くことは容認しない」と
警告。また、東部で起きている人権侵害について「ロシアの支援を
受けている武装勢力が人を殺し、拉致している」と非難した。
(2014/06/21-10:22)
==============================
軍部隊は「国境警備強化」=対ウクライナ圧力を否定−ロシア
 【モスクワ時事】北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事
務総長がウクライナ国境付近に再びロシア軍部隊が集結したと指摘
したことに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官は20日、「部隊
集結ではなく、プーチン大統領の命令に基づく国境警備強化だ」と
主張し、ウクライナに圧力をかけているとの見方を否定した。タス
通信などが伝えた。
 ラスムセン事務総長は19日、「ロシア軍の数千人が国境付近で
増強されている」と述べ、緊張緩和に逆行するとして懸念を示した。
この発言に、ペスコフ報道官は「驚いている」と不快感を表明した。
(2014/06/20-23:40)




コラム目次に戻る
トップページに戻る