5041.イラク・シリアのアルカイダ武装勢力が攻勢



イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国(I
SIL)」は、イラク第2の都市モスル、ティクリートなど北部各
地を制圧した後、首都バグダッド方面に進撃し、首都北方のサマラ
付近で政府軍部隊と衝突した。

そして、イラク第2の都市モスルで11日、武装勢力がトルコ総領
事館を占拠し、総領事のほか子供3人、同国特殊部隊の数人らトル
コ人計48人を拉致した。トルコ首相府筋が明らかにした。

シリア内戦に、旧アルカイダ系武装勢力がいて、他のシリア反政府
系武装勢力と戦闘になったことは聞いていた。この旧アルカイダ系
武装勢力が、イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイ
スラム国(ISIL)」であり、イラク、シリアのシーア派と戦う
ようである。ISILと日本の新聞は言うが、ISISという言い方が欧米
新聞には一般的である。

この勢力がなぜ力を持ったかをニューヨーク・タイムズ紙で解説し
た「With Mideast in Crisis, Militant Force Gains Strength」が
載っている。リンクは最後。

この勢力は、シリアやイラク政府軍より多い日当、より良い兵器、
より良い訓練を受けているという。イスラム教スンニ派信者をスン
ニ派各国や世界から兵士として集めている。米国やドイツからの参
加もあるようだ。そして、これがシリア農民や都市民にとっても良
い待遇であるので集まる。

そして、原理主義者が少ないことにもなる。このため、グループ内
での揉め事も少ない。しかし、兵士には厳しい宗教上の決まりを守
ることを求める。そして、支配地域の異教者(もちろんシーア派を
含む)からその財産を没収している。

このため、強いことになるようである。以上であるが、疑問が出る。

これだけの資金を誰が出しているのか?答えは湾岸諸国の王様達で
ある。

このため、米国に今までは気兼ねしていたが、米国が中東離れを起
こし、シーア派をイラクで米国は助けたので、スンニ派はシリアと
イラクで劣勢になった。このため、世界的に兵士を集めて、それを
支援してるのである。タリバンもスンニ派組織であり、これにも支
援しているはずである。

サウジは、中国にも近づいている。中国はイランとの関係が近い。
ということで、この中東では敵と味方がわからない状態になってい
る。

中東は、このため、戦争が起きやすいことになっている。

さあ、どうなりますか?

米国はスンニ派、シーア派を国ごとに違う勢力を支援してきたが、
この考え方は無理がある。イスラム教社会は繋がっていることを、
米国はどうして、見ないのか不思議である。

といことで、日本は傍観者でいるしかないが、気がかりである。

さあ、どうなりますか?



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トルコ総領事ら48人を拉致、イラク・モスルで武装勢力=関係筋
2014年 06月 12日 04:05 JST
[アンカラ 11日 ロイター] - イラク第2の都市モスルで11
日、武装勢力がトルコ総領事館を占拠し、総領事のほか子供3人、
同国特殊部隊の数人らトルコ人計48人を拉致した。トルコ首相府
筋が明らかにした。
48人は武装勢力の拠点に連れ去られたという。同筋によると、ト
ルコ当局は全員の無事を確認した。
イラク北部に位置するモスルは前日10日、アルカイダ系のイスラ
ム教スンニ派過激派組織「イラクとレバントのイスラム国(ISI
L)」に掌握された。
前日にはまた、モスルの発電所に燃料を輸送していたトルコ人のト
ラック運転手28人がISILによって連れ去られており、これま
でにモスルで少なくとも76人のトルコ人が拉致されたことになる。
政府高官らによると、トルコのエルドガン首相はアタライ副首相や
トルコ国家情報機関の次官らと緊急会合を開いた。
国連の会合出席のため訪米中のダウトオール外相は日程を切り上げ
、トルコに戻るという。トルコ外務省の高官がロイターに対し明ら
かにした。
今回の事態を受けて、11日のトルコ株式市場や通貨リラは急落、
域内の緊張激化・拡大への懸念が広がった。
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首都北方で政府軍と衝突=過激派攻勢、テロで37人死亡−イラク
 【カイロ時事】イラク北部のモスルやティクリートを相次いで制
圧し、首都バグダッドに迫るイスラム教スンニ派の過激組織「イラ
ク・レバントのイスラム国(ISIL)」は11日、首都北方のサ
マラ付近で政府軍部隊と衝突した。AFP通信などが伝えた。
 ISILの武装集団は車列を組み、ティクリートから首都北方約
120キロのサマラに向かって南下。劣勢が続く政府軍部隊は、武
装集団に空爆を加えるなどして懸命の阻止を試みた。
 こうした中、バグダッドのイスラム教シーア派居住区などでIS
ILの関与が疑われる爆弾テロが相次ぎ、少なくとも37人が死亡
した。シーア派主導のマリキ政権は、さらに窮地に追い込まれつつ
ある。(2014/06/12-05:49)
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過激派、首都方面へ進撃=モスル脱出50万人−イラク
 【カイロ時事】イラク第2の都市モスルなど北部各地を制圧した
イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国(I
SIL)」は11日、武装集団を南下させ、首都バグダッド方面に
進撃した。ISILはツイッター上に声明を出し、モスルを含むニ
ナワ州全ての境界を「完全に管理下に置いた」と宣言、今後も攻撃
を続けると表明した。AFP通信などが伝えた。
 モスルではISILによる支配を恐れ、人口の4分の1に相当す
る50万人規模の住民が市外へ脱出。モスルにあるトルコ領事館で
は、外交官ら20人以上がISILに身柄を拘束された。
 武装集団はこの日、モスルから首都北方のティクリートに向かっ
た。ティクリートに近いバイジで治安部隊と衝突した末、一部がテ
ィクリートに到達したという。
 ティクリートは、2003年のイラク戦争で米軍に打倒されたフ
セイン元大統領(スンニ派)の故郷で、米国の支援を受けてきたマ
リキ政権に批判的な住民が多い。ISILには、この地を拠点にバ
グダッド進攻の機会をうかがう狙いがあるとみられる。
(2014/06/11-22:45)


With Mideast in Crisis, Militant Force Gains Strength

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