5034.ECBがマイナス金利へ



「5029.米国の景気が戻らない理由」でも述べたが、金融緩和
やゼロ金利などは、通貨操作と同じで、通貨安を引き起こして、そ
れ以外の国では、経済がよくなくなる。

このため、米国も経済がよくなることはなく、徐々にしか改善しな
いと言ったが、とうとう、ヨーロッパは一番効果的な中央銀行の預
金金利をマイナス金利にした。普通銀行の余剰金は、ECBに預け
ずに、他国に飛んでいくことになり、ユーロを低くできる。

このように為替操作ではなく、金融政策を取ると、それで影響され
る国も、それを真似するしかない。ということで、円も円高になっ
たら、そのとき、日銀はマイナス金利を導入することになる。

現時点、米国経済は徐々に上昇しているように見えるので、日本の
円が高くならないが、要注意であろう。

韓国は、ウォン高で、サムソン以外の企業は大変なことになってい
るようである。このため、韓国は為替操作をしているが、米国から
非難されるために、あまりできない。しかし、金融緩和もできない。

ということで、影響が大きいことになる。

さあ、どうなりますか?

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16年12月までの金融政策運営に関するECB声明全文
2014年 06月 6日 06:42 JST
[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は
5日、2016年12月までの金融政策運営について以下の声明を
発表した。ECB理事会はきょう、固定金利で全額供給する主要リ
ファイナンシング・オペ(MRO)を必要な期間継続し、少なくと
も2016年12月の積み期間終了まで実施することを決定した。
2016年12月の積み期間終了までに、期間3カ月の長期リファ
イナンスオペ(TLTRO)を固定金利・全額供給方式で複数回行
うことも決めた。3カ月物LTROの金利は期間中のMROの平均
を用いる。
理事会はまた特別リファイナンスオペについて、6月10日に行わ
れるオペ後の積み期間終了をもって打ち切ることを決定した。
さらに証券市場プログラム(SMP)で供給した流動性を吸収する
毎週の不胎化オペも10日で停止する。
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ECB、預金金利マイナスに―LTRO追加実施、不胎化オペ中止も発表
2014 年 6 月 5 日 23:55 JST  WSJ
 欧州中央銀行(ECB)は5日、主要政策金利を過去最低の0.15%に
引き下げ、ECB史上初めてマイナスの預金金利を導入した。極めて低
いインフレ率が定着し、ユーロ圏の弱々しい回復が軌道から外れる
のを防ぐ。
 ECBは今回、昨年11月から0.25%で維持していた主要政策金利を
0.10%引き下げた。限界貸出金利も0.35%引き下げ、0.40%とした。
 市中銀行がECBに預け入れる翌日物預金金利はマイナス0.1%とし
た。預金金利は2年近くゼロが続いていたが、市中銀行は今後、ECB
に預ける余剰資金に手数料を支払うことになる。ECBほどの規模を持
つ中央銀行がマイナスの預金金利を導入するのは前例がない。今回
の一連の利下げはエコノミストの予想通りだった。
 ドラギ総裁はさらに理事会後の定例記者会見で、企業をはじめ「
実体経済への融資を支援する」数々の措置を発表した。
 その1つが長期流動性供給オペ(LTRO)の対象を絞った「ターゲッ
トLTRO」だ。LTROは市中銀行に低利の融資を提供するものだが、今
回は家計や企業に対する新規融資実績に応じた上限金額を各行に設
定する。
 過去の証券市場プログラム(SMP)で供給された流動性を吸収する
ため毎週実施していた不胎化オペの中止も決めた。資産担保証券
(ABS)の買い入れ準備も急ぐ考えだ。
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韓国の人件費15%増、ウォン安で経済に大打撃―中国紙
Record China 6月6日(金)5時40分配信
2014年6月4日、環球時報(電子版)によると、米自動車大手ゼネラ
ルモーターズ(GM)韓国はこのほど「2014年の韓国国内の人件費は
ウォン高で15%増加し、過去最高になった」と述べ、今後の業績へ
の打撃を懸念した。
GM幹部は「従業員の賃金、ボーナスなど人件費が大幅に増加するこ
とで、グループ全体だけでなく、韓国の自動車業界、韓国経済が不
利益を被る」と指摘した。
韓国最高裁は昨年12月、従業員のボーナスなどを基本賃金の枠内に
組み込むことを決定。これにより労働者コストが大幅に増加するた
め、自動車業界から反発が出ていた。
韓国雇用主連合会の統計によると、今回の決定により企業全体で
13兆7500億ウォン(約1兆7500億円)の負担増になると予測される。
(翻訳・編集/AA)



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