5031.南米チリの鮭と日本の協力



南米チリの鮭と日本の協力
    
            平成26年(2014)5月29日(木)
                         仲津英治

ペルーで鮭料理との出会い

 去る2月末から3月中旬に掛けて妻と共に南米旅行に出かけました。
主な行き先はペルーとブラジルで、ペルーでは鮭(サケ)料理に
出会いました。

 私は、牛肉を食べなくなって久しいですね。20年以上になりま
しょうか。

 ここに1:2:4:11という整数比があります。一定の栄養価
を得るために必要な栽培面積をトウモロコシなど穀物の場合を1と
しますと、鶏肉なら2倍の、豚肉なら4倍の、さらに牛肉なら11倍の
栽培面積を必要とするという意味がこの整数比にあります。トウモ
ロコシなど穀物を直接人間が頂けば、1の栽培面積で済むのものが、
牛に穀物を喰べさせ、牛肉という形で頂くと、実に11倍もの面積を
必要とすると言われています。

 2006年10月に国連食糧農業機関(FAO)が、家畜、特に牛が世界
一の環境破壊者となったという調査報告を発表しています。すべて
の環境問題への最大の寄与者は、世界で15億頭を数える牛だという
のです。牛はまた人間の1,000倍ものメタンガスを排出すると言わ
れています。メタンガスの温暖化係数は炭酸ガスの21倍です。
でも牛を育成し、その肉を頂いているのは人類です。

 そういう認識から私は可能な限り、お魚を蛋白源として頂くように
しています。

 冒頭の南米旅行の時、同じ旅行者として同行されていたお医者さん
ご夫婦から、「南米には元々サケはいなかったのです。このサケは
日本の協力でチリで養殖されたものですよ」と教わり、そう言えば、
外務省時代にサケ・マスの専門家を派遣する仕事を行なったことが
あるなと思い出したのです。

 私は1977〜1979(昭和52〜54年)、国鉄時代に外務省に出向を命じ
られ、経済協力局技術協力一課というところで勤務し、専門家派遣
という仕事にたずさわりました。

 その時サケ・マス養殖のチリへの技術協力に関わったお話を別添、
述べさせて頂きます。

 南米チリが日本の技術協力により、ノルウェーに匹敵する鮭の
養殖国家になり、日本がサケをチリから最も多く輸入する国になった
という物語です。

「地球に謙虚に運動」代表
仲津 英治


コラム目次に戻る
トップページに戻る