5027.燃料電池車を年内にも発売



とうとう、トヨタが2014年中に燃料電池車を発売すると発表し
た。ホンダもトヨタが発売すれば、追従するようである。しかし、
価格は1000万円より安いレベルと、数年前言っていた500万
円台ということではないようである。

もう1つ、問題がある。燃料の水素ステーションがないと普及しな
いが、そのインフラの整備が進んでいない。政府は13年、首都圏
、中京圏、関西圏、北部九州圏を中心に100か所の水素ステーシ
ョンを設置する方針を掲げた。

また、新しいエネルギー基本計画でも、「燃料電池車が日常生活で
も利用できる環境を実現する」と明記した。政府は本気であると思
わせた。

しかし、この設備を作るのには規制緩和が必要であり、関係会社は
運動したが、規制緩和が思うように進まなかった。経産省の固い壁
があり、ドイツレベルの設置基準も緩和されなかった。

このため、1つの水素ステーションを作るのに6億円とも言われて
いるが、採算が取れる見通しが立たない。このため、水素ステーシ
ョンの数が、まだ10ケ所ほどしかない。

これにしびれを切らして、トヨタ自動車は水素を充填するインフラ
整備に乗り出し、2015年にトレーラーに水素タンクを積んだ移動型
ステーションをまず5基程度、自前で用意するという。

2016年には安全審査を国際基準にそろえるというが、今までの経産
省の壁を見ていると、本当かと疑いたくなる。安倍首相は農業改革
も大切であるが、この燃料電池車も大切であるので、首相が強い指
示を出してほしいものである。

2020年までに100万台の燃料電池車が市場に出れば、日本の
エネルギー市場も大きく変わることになると見る。

このためにも、水素ステーションの整備が必要である。


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トヨタ、燃料電池車を年内にも市販 官民の連携拡大 
2014/5/29 2:00日本経済新聞 電子版
 水素で走る燃料電池車の普及に向けた官民の連携が拡大してきた
。経済産業省は5月中に車に積む燃料タンクの規制をゆるめ、1回
の充填で走れる距離を今より2割長くする。2016年には安全審査を
国際基準にそろえ、日本製の燃料電池車を海外に輸出しやすくする。
規制緩和を受け、トヨタ自動車は世界に先駆け早ければ年内にも車
両の市販に乗り出す方針だ。
 燃料電池車は水素と酸素を化学反応させて生み出した電気でモー
ターを動…
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ホンダ、新FCVを日本初公開−3分の高速水素充填で航続距離
700キロメートル以上
掲載日 2014年05月29日nikkan
 ホンダは2015年発売予定の新型燃料電池車(FCV)のコン
セプトモデル「FCEVコンセプト=写真」を日本初公開した。本
社1階のショールーム「Hondaウエルカムプラザ青山」で、6
月6日まで展示する。同車は大幅に小型化した新開発の燃料電池ス
タックを採用し、世界で初めてパワートレーンをセダンのフロント
ボンネット下に配置。大人5人が快適に座れるゆとりのある車室と
、空力を最適化したシルエットを両立した。
 同車は13年11月のロサンゼルスモーターショーで世界初公開
。15年のFCV一般発売が近づく中、日本での公開も待ち望まれ
ていた。
 電池スタックは従来比約3割小型化することで、普及期に幅広い
車種へ展開できる。出力密度は世界最高レベルの1リットル当たり
3キロワット以上。70メガパスカルの高圧水素貯蔵タンクを車体
後方に配し、約3分の高速水素充填と700キロメートル以上
(JC08モード)の航続距離を実現。
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燃料電池車、そっぽを向かれないためには  編集委員 中山淳史 
2014/5/27 7:00日本経済新聞 電子版
 空気中の酸素と車に積んだ水素を反応させて走る燃料電池車。ト
ヨタ自動車とホンダが来年、数百万円で買える量産型の新型車を発
売する計画だが、インフラの整備やそれを左右する規制緩和、ビジ
ネスモデルづくりといった普及にかかわる問題で、準備の遅れが目
立っている。
■水素の充填拠点、設置に遅れ
 自動車メーカーのほか、燃料の供給やインフラ整備を担う企業、
業界団体などに話を聞いてみた。意外に多かったのは、「来年に間…
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トヨタ、日米で水素インフラ 燃料電池車の普及促す 
2014/5/24 2:05日本経済新聞 電子版
 トヨタ自動車は日米で燃料電池車に動力源の水素を充填するイン
フラ整備に乗り出す。日本では2015年にトレーラーに水素タンクを
積んだ移動型ステーションをまず5基程度、自前で用意。米国では
出資するベンチャー企業を通じて拠点展開する。不足する水素ステ
ーションの整備を自ら手掛けることで同年に市販する燃料電池車の
普及を後押しする。
 トヨタが日本で導入するのは移動が可能な簡易ステーション。ガ
ソリンスタンド型と…
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燃料電池車 普及への道
2014年04月27日Yomiuri Shimbun
製造コスト・燃料価格が課題
 水素を燃料に、電気で動く「燃料電池車」の国内販売が、2015
年に始まる。車本体や燃料の価格面で課題はあるものの、走行中の
二酸化炭素(CO2)排出量がゼロという究極のエコカー。国やメ
ーカーでは出来る限り価格を抑え、普及を進める考えだ。
加速スムーズ
 アクセルを踏むと、スーッと加速した。2月、東京都内で開かれ
たイベントで、トヨタ製の燃料電池車に試乗した。公道も走ったが
、エンジン音はほとんど聞こえない。急な坂道でも滑るように上る。
 「ガソリン車に比べて、変速時のショックが少ないのが売りです
」と、同乗してくれたテストドライバーの大塚斉史まさしさん(33
)がPRした。
 燃料電池車は、ガソリンの代わりに、車のタンクに水素を補給す
る。空気も取り込み、搭載した燃料電池で発電。その電気でモータ
ーを動かす仕組みだ。排出するのは水だけで、CO2や大気汚染の
原因となる排ガスは出さない。
 水素補給の所要時間は約3分。満タン時で500キロ以上走るの
で、この点はガソリン車と比べても遜色ない。資源エネルギー庁に
よると、1回の充電に約30分かかり、200キロ程度しか走れな
い電気自動車よりも効率が良いという。
1000万円未満
 国内での燃料電池車の一般販売は、トヨタとホンダが2015年
に始める。
 トヨタは1992年に開発を開始。水素タンクや燃料電池の改良
を重ねてきた。現在はSUV(スポーツ用多目的車)タイプが企業
や自治体に貸し出されている。ガソリン20リットルに相当する水
素を積む構造で、ガソリン車よりも、エネルギー効率が3倍ほど良
いという。
 一般発売用はセダンタイプで、さらに効率を向上させる。イベン
トで展示した車をベースに開発しているという。展示車は床下に高
圧水素タンク2本を配置。満タンにして走れる航続距離は約700
キロに上る。
 同社の主力商品の一つであるクラウンは、ハイブリッドでも走行
距離1キロ・メートルにつき100グラムのCO2を排出するが、
一般発売用の燃料電池車は、もちろん排出ゼロだ。
 普及のカギはやはり値段。これまで、1台あたりの製造コストは
約1億円かかることもあったが、発売価格は「1000万円より安
くしたい」(同社広報部)という。
 ホンダも15年の一般発売に向けて開発中。日産自動車も17年
、量産型の発売を目指している。
燃料は都市圏で
 一般販売スタートに合わせ、燃料を補給する水素ステーションは
4大都市圏を中心に整備される。政府は13年、首都圏、中京圏、
関西圏、北部九州圏を中心に100か所の水素ステーションを設置
する方針を掲げた。
 新しいエネルギー基本計画でも、「燃料電池車が日常生活でも利
用できる環境を実現する」と明記した。
 水素ステーションは、ガソリンスタンド併設型と単独型があり、
原則、国が整備費の2分の1を補助する。昨年度は19件に対し、
計39億円を交付した。今年度予算では72億円を計上している。
 もう一つの大きな課題は燃料価格だ。国の協議会は目標価格を議
論中で、資源エネルギー庁の担当者は、「(満タンにした時に)ガ
ソリン車より安価にならないと普及しない」と言う。水素ステーシ
ョンの設置企業の担当者は「需要を広げるため、最初は赤字覚悟で
価格を抑えなければ」と話す。
 同庁では、燃料補給システムをコンパクトなコンテナにまとめる
方式を推進し、需要に見合った規模にして初期投資を抑える考えだ。
国では20年に、新車販売台数のうち1%を燃料電池車にする目標
を立てている。(寺垣はるか)



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