ディプロマット誌に「China's Westphalian Attachment」が載って
いる。最後にリンクがあるので、詳しくは読んでください。
ウエストファリア条約とは何かという説明が必要であると思うが、
1648年に締結された三十年戦争の講和条約で、ミュンスター条約と
オスナブリュック条約の総称である。
この条約の成立によって、教皇・皇帝といった普遍的、超国家的な
権力がヨーロッパを単一のものとして統べる試みは事実上断念され
、これ以降、対等な主権を有する諸国家が、外国の存在を前提とし
て勢力均衡の中で国益をめぐり合従連衡を繰り返す国際秩序が形成
された。この条約によって規定された国際秩序はヴェストファリア
体制とも称される。この体制を支える法律体型ができて、今日にな
っている。
この上で民主化をしてきた欧米の普遍的な現在のヴェストファリア
体制を、中国が拒否して、アジア信頼醸成措置会議（ＣＩＣＡ）と
いう新しい国際体系を構築し始めた。中国の覇権国家への第一歩が
記されたようである。
中国のヴェストファリア体制が確立すると、私企業や個人の自由が
制限される社会になっていくことになる。このため、国際条約や基
準も中国流のものになることで、１９４５年から続いた西洋の価値
や民主化などは、制限されてくることになるようだ。
アジア信頼醸成措置会議（ＣＩＣＡ）は、アジア重視を掲げる米国
を念頭に「アジアの安全は結局、アジアの人々が守らなければなら
ない」と述べた。中国がアジアの安全保障を主導する意欲を示した
もので、米国抜きの秩序づくりを目指す姿勢を強く打ち出した。
この根拠には、中国の経済規模が今年にも米国を抜いて世界一にな
ることも関係している。
ＣＩＣＡ正式加盟国：現在24カ国 オブザーバー：13（国家・国際
組織）で、
加盟国は、中国、ロシア、モンゴル、インド、ベトナム、カンボジ
ア、タイ、バングラディシュ、パキスタン、アフガニスタン、イラ
ン、イラク、ヨルダン、エジプト、トルコ、アゼルバイジャン、キ
ルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザ
フスタン、韓国、UAE、カタールの２４ケ国である。
中国の世界戦略が徐々に明らかになる始めているが、米国はどうす
る気なのであろうか？
不安な時代になってきた。
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中国、アジア安保主導に意欲 習主席、米国を牽制
上海＝金順姫2014年5月22日05時28分
中国の習近平（シーチンピン）国家主席は２１日、上海で開かれ
た「アジア信頼醸成措置会議（ＣＩＣＡ）」の首脳会議で基調演説
し、アジア重視を掲げる米国を念頭に「アジアの安全は結局、アジ
アの人々が守らなければならない」と述べた。中国がアジアの安全
保障を主導する意欲を示したもので、米国抜きの秩序づくりを目指
す姿勢を強く打ち出した。
習氏は演説で「持続可能なアジアの安全保障観を積極的に提唱し
たい」とした上で、首脳会議や外相会議の頻度をあげ、防衛協議の
メカニズムを構築するなどしてＣＩＣＡの地位と役割を高め、「手
を携えてアジアの安全保障協力の新局面を開きたい」と語った。
また、「第三国に向けた軍事同盟の強化は、地域の安全のために
ならない」として、日本やフィリピンとの同盟強化を図る米国を牽
制（けんせい）した。
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中国経済、米抜き世界一に？ 中国側は圧力警戒し否定
2014.5.21 18:38 ［中国］
中国の経済規模が今年にも米国を抜いて世界一になる−。世界銀
行が購買力平価（通貨の購買力による為替レート）で算出した
２０１１年の各国の国内総生産（ＧＤＰ）比較で、中国の経済規模
が米国の約９割に達していたと発表したことをきっかけに、欧米メ
ディアがこんな見方を伝えている。
ただ、中国側はこうした見方に「まだ先進国との格差が大きい」
（国営通信新華社）と否定的。世界一の経済大国となれば、通貨人
民元の切り上げや貿易不均衡是正の要求など、国際的な圧力が強ま
るとの警戒感があるようだ。
世銀が４月下旬に公表した調査結果によると、購買力平価で算出
したＧＤＰは米国が全世界の１７．１％、中国が１４．９％をそれ
ぞれ占めた。３位のインドは６．４％、日本は４位で４．８％だっ
た。欧米メディアはその後の成長ぶりから「中国は今年米国を追い
抜く」（英フィナンシャル・タイムズ）などと相次いで報じた。
中国の名目ＧＤＰは１０年、日本を抜いて米国に次ぐ世界２位に
なった。（共同）
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中国主席熱弁のＣＩＣＡ、日米はオブザーバー参加 ベトナムは副
主席が出席
2014.5.21 13:24 ［中国］
中国の習近平国家主席が２１日、「アジアの安全はアジア人民が
守らなければならない」と熱弁をふるったアジア相互協力信頼醸成
会議（ＣＩＣＡ）首脳会議。加盟する２６カ国のうち、この日の首
脳会議には、ウクライナ情勢をめぐる欧米の制裁に反発するロシア
のプーチン大統領や核問題を抱えるイランのロウハニ大統領ら国家
元首と政府首脳計１３人のほか、南シナ海での中国の石油掘削作業
をめぐり大規模な反中デモが起きたベトナムからはグエン・ティ・
ゾアン国家副主席が出席。
このほか、国連の潘基文事務総長らも出席し、日米はオブザーバ
ーとして参加した。（共同）