5015.ウクライナ連邦に向けて



ウクライナ東部親露派武装集団は、住民投票まではうまくいったが
、独立宣言したことと、暫定政府が対話を始めたことで孤立化の道
に入ってきた。東部住民はウクライナからの独立ついては拒否して
いるようである。  津田より

0.分離独立派の攻勢
ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州で11日、住民投票が実
施された。その住民投票で、親ロシア派は12日、自治権の拡大に
ついて、「賛成」がドネツク州でおよそ90%、ルガンスク州でお
よそ96%に達したと発表した。

しかし、投票率について、親ロ派はルガンスク州で約85%、ドネ
ツク州で約75%だったと発表しているが、トゥルチノフ大統領代
行は12日、東部の住民投票について「警察や専門家の情報による
と、ルガンスク州で約24%、ドネツク州で約32%の有権者が参
加したにすぎない」とする独自調査結果と発表した。

そして、現地報道によると、本人確認がずさんで「1人で5回投票
できた」との証言もある。来た人で賛成票を投じた男性技師のアレ
クセイさん(32)でも「いかなる権力も地域の事情を考慮し、妥
協点を求めて対話すべきだ。東部・南部にとっては欧州連合(EU
)でなく、ロシアの経済ブロックに入ることに利益がある」と述べ
、ウクライナからの独立には疑問視している。

ということで、トゥルチノフ大統領代行は、住民投票を「茶番であ
り(親ロ派武装集団の)殺人や重大犯罪を隠すプロパガンダだ」と
批判。結果にはいかなる法的効力もないと改めて強調した。また、
親ロ派への軍事行動を継続する意向を表明した。

この見解を参考に、欧州安保協力機構(OSCE)のブルカルテル
議長(スイス大統領)は12日、ウクライナ東部2州で親ロシア派
が11日に強行した住民投票について「違憲」とした。そして、欧
州連合(EU)は12日、対ロシア制裁の対象に ビャチェスラフ・
ボロージン大統領府第1副長官、パラシュート部隊のウラジーミル
・シャマノフ司令官を追加するなど、対ロシア制裁の対象に新たに
個人13名、およびクリミア企業2社を加えることを決定、官報で
制裁対象を公表した。

これに対して、ロシアのプーチン大統領は14日、自国防衛産業の
部品を海外で調達せず、自給体制の整備が望ましいとした。そして
、報復処置として、ロシアは13日、宇宙ロケットエンジンの米国向
け販売を禁止することを明らかにした。このエンジンは米国の軍事
ロケットや情報衛星の大部分で打ち上げに利用されている。

ロシア大統領府は12日、ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両
州の住民投票で示された民意を「尊重」するとした上で、暫定政権
と親ロシア派の対話促進に期待するとした。ただ、住民投票を合法
なものと認めるか否かは明確にしなかった。

プーチン大統領は7日、実施のための条件が整わないとして、親ロ
派に住民投票の延期を要請したが、拒否された。声明は親ロ派に配
慮しつつ、一方的な分離独立やロシアへの編入までは認めないとい
うプーチン政権の姿勢を改めて示したようだ。

このロシアに対して、米国は12日に「プーチン・ロシア大統領の
延期要請に従って、ロシア政府が住民投票の阻止に向けて影響力を
行使しなかったことに失望している」と強調した。

そして、親ロシア派が「独立」を宣言し、ロシアへの編入を求める
ウクライナ東部では、暫定政権を支持する住民が逃げ出すなど混乱
が続いている。

しかし、ウクライナ東部ドネツク州のスラビャンスクの市長を名乗
るビアチェスラフ・ポノマリョフ氏は12日、ウクライナ東部はロ
シア軍による安定と平和維持が必要とした。しかし、このようなこ
とはプーチンは望んでいないので無理である。

そして、親ロシア派は、改めてウクライナから独立すると表明して
今月25日に行われる大統領選挙には参加しない姿勢を示し、ウク
ライナは事実上分断したまま大統領選挙を迎えることが強まった。

1.武装勢力に反撃開始
欧州の安全保障機関・全欧安保協力機構(OSCE)の議長国スイ
スのブルカルテル大統領は12日、ロシアのプーチン大統領と電話
で協議し、正常化へ向け、ウクライナ国内勢力の対話を進める「和
平工程表」への支持を得た。

和平工程表は、(1)暴力停止(2)円卓会議による対話(3)武
装解除(4)大統領選挙実施が柱で、14日にもキエフで円卓会議
開催を目指す。プーチン大統領とOSCEは「暫定政権と(親露派
が独立宣言した)東南部の代表との直接対話を含め、OSCEの提
案に沿った努力を続けることが重要」との点で一致した。

この平和工程表がうまくいくように、OSCE=ヨーロッパ安全保
障協力機構の監視団のアパカン団長は、今後2か月程度の間に監視
員を200人から2倍以上に増やし、対応を強化していく考えを示
した。

暫定政府は14日、親ロシア派の住民が多い東部の代表などを交え
た「円卓会議」の初会合を首都キエフで開いた。ただ、親ロ派武装
勢力は入っておらず、早期の戦闘終結につながるのか疑う声もある。

親欧米の新政権は円卓会議を舞台に東部の穏健な親ロ派を取り込み
、分離独立を唱える過激な武装勢力を孤立させる戦略を描く。ヤツ
ェニュク氏は14日の円卓会議で「武器を持たないあらゆる人と話
し合う」と強調。ロシア系住民が求める地方分権を取り入れた憲法
改正を急ぐ考えを示した。

ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は15日、東部ドネツク州
の親ロシア派が、ロシア編入を求めていることについて「盛んに報
じられているが、正式な要請は届いていない」と述べ、突き放した。
住民投票の「民意」には配慮しつつも、ウクライナ東部編入のシナ
リオをロシア政府は描いていないことを示した。

しかし、東部ドネツク州の親ロシア派勢力「ドネツク人民共和国」
は15日、「議会」を開き「議長」に幹部のプシリン氏を選出した。
この時点で孤立していることを自覚していない。

この状況を読んで、ドネツク市のルキヤンチェンコ市長は、「円卓
会議」に出席して、ロシア系市民との対話を呼び掛けた。

そして、政府主催の第2回「円卓会議」が17日、東部ハリコフで
開かれた。しかし、ここで親ロシア派に対する軍の制圧作戦の中止
を求める参加者もおり、議論は並行線をたどった。

ウクライナ最高検も16日、東部の親ロシア派勢力「ドネツク人民
共和国」と「ルガンスク人民共和国」をテロ組織に指定した。両勢
力をテロ組織とみなしたことで、暫定政権と親ロ派の対話は難しく
なりそうだ。当分、紛争が続く事になる。

「ドネツク人民共和国」は16日、ドネツク州の炭田の経営権を握
る大富豪アフメトフ氏に「納税」を要求した。これに対し、アフメ
トフ氏は「ウクライナ国内法のみに基づき企業活動を行っている」
と反論。人民共和国の要求には従わない姿勢を鮮明にした。アフメ
トフ氏は住民投票に理解を示していた。というようにウクライナ連
邦制には賛成であるが、独立には反対ということである。

このように住民の意向とは違う独立を宣言したことで、徐々に、親
露派武装集団が孤立して、テロ組織化してきた。

しかし、親ロシア派武装勢力は14日夜、ウクライナ軍が制圧した
検問所を24時間以内に明け渡さない場合、攻撃を開始すると最後
通告を出したが、現時点では攻撃をしていないようである。

現時点は、ウクライナ東部の紛争終結の妥協点を探す事になるよう
だ。

1.米知識人の意見
それでは、米国の知識人はどう見ているのであろうか?

ナショナル・インタレスト誌には多数の評論が載っているが、バラ
ス ジャラビック氏の「The Only Way to Save Ukraine: Federalization」
が、解決案として、ロシアが望んでいる案であり、米国はそれを認
めると、大枠で紛争は終わる。武装勢力をどうするかに問題が移る。

CNN「Kissinger on Russia's global integration」で、キシンジャ
ーも、プーチンの希望がウクライナ東部の自治拡大であると見てい
るとした。ロシアは現在、国内で大きな問題が出ている。民主化が
停滞し産業が不十分である。プーチンが目指しているのは、侵略的
なヒットラーではなく、国力を強化するカイザーであるいう。とい
うことで、プーチンの連邦制が解決案であるという。

ミッシェル・コフマンは、「The Battle for Ukraine: Who Is Winning?」
で欧米はロシアに懲罰的な制裁を加えたが、この紛争でロシアがほ
しいものを取ったとしている。欧米は紛争の出口を求めるだけで、
右往左往しただけだと。

イアン・ブレマーはプロジェクト・シンジケート誌で、「Cold War 
or Cool Calculation?」で、オバマとメルケルがロシアに対して、
制裁を強化すると言っているが、米国とEUのロシアとの取引規模が
大きく違い、米国が制裁規模を大きくしても、EUはそれができない
で、米国単独の制裁になってしまう。このため、それもできない状
態になっていた。また、制裁をしたとしても、中国が世界最大の貿
易国であり、その中国が漁夫の利を得ることになり、制裁が大きく
効かないことになる。と諦めのポジションである。

このような方向から、ロシアが当初から提唱していたウクライナの
連邦制になることが欧米露中の間では確実になったようである。

やっと、方向が決まってきた。ロシアが勝ち、欧米が負けたことに
なる。最初からウクライナにNATO軍を出さないと決めたことで、軍
事的劣勢で、最初から負けている。オバマ外交の弱点であり、強気
がないと相手に舐められるだけである。

3.影響が拡散
このウクライナ紛争を見ていたのが、中国である。ロシアの攻勢に
欧米諸国は、弱気で何の軍事的な対応もしないことで、ロシアと同
じ行動をしても、大丈夫ということを知ったのである。

このため、南シナ海に中国は攻勢をかけてきたのだ。

この対応に弱気で対応すると、それはいつか戦争に打って出ること
になる。中国が侵略して、ベトナムがそれに対して攻撃することに
なる。戦争をしないことを最初に宣言すると、それは負けになるこ
とを米国リベラル派やオバマ大統領は知らないようである。

何か、いやな予感がするが、気の性であろうか?

日本の周辺で戦争が起きた時のシュミレーションをすることである。

そうすると、国内の原子力発電所に放置している使用済燃料棒を、
処理することが緊急の課題になるとみるが、どうであろうか?

安全保障を真剣に考えることが必要になった時代が来たのである。

さあ、どうなりますか?



参考資料:
The Battle for Ukraine: Who Is Winning?
http://nationalinterest.org/feature/the-battle-ukraine-who-winning-10484

The Only Way to Save Ukraine: Federalization
http://nationalinterest.org/feature/the-only-way-save-ukraine-federlization-10452

Kissinger on Russia's global integration
http://cnnpressroom.blogs.cnn.com/2014/05/11/kissinger-on-russias-global-integration/?iref=allsearch

Cold War or Cool Calculation?
http://www.project-syndicate.org/commentary/ian-bremmer-argues-that-the-west-should-offer-more-carrots-for-ukraine--rather-than-more-sticks-for-russia

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ウクライナ円卓会議、議論は並行線 制圧作戦中止の声も
キエフ=喜田尚2014年5月17日23時31分
 ウクライナの危機をめぐり、国内の政治勢力、地方代表が参加し
て打開を目指す政府主催の第2回「円卓会議」が17日、東部ハリ
コフで開かれた。ヤツェニュク首相は米国、ロシア、欧州連合(EU
)と事態沈静化で一致した4者合意重視を強調したが、親ロシア派
に対する軍の制圧作戦の中止を求める参加者もおり、議論は並行線
をたどった。
 ヤツェニュク氏は、東部で政府庁舎を占拠する親ロシア派が武器
を捨てれば免責することなど4者合意を守る方針を確認。その一方
で「テロリストとは交渉しない」考えも強調した。
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ウクライナ:事態打開、糸口見えず 円卓会議、次回は21日
毎日新聞2014-05-18 03:35:13
 【モスクワ真野森作】混迷するウクライナ情勢の打開を目指し、
暫定政権が主催する第2回「円卓会議」が17日、ウクライナ東部
の主要都市ハリコフで開かれた。親露派を除外した円卓会議から事
態打開の糸口を見いだすのは難しく、25日の大統領選を控え東部
や南部では緊張状態が続いている。
 ヤツェニュク首相は「脱中央集権化が必要」と改めて訴え、東部
や南部で多くの住民が母語とす...
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ウクライナ経由の欧州向けガス輸送、16日は通常通り=ガスプロム
2014年 05月 17日 01:33 JST
[モスクワ 16日 ロイター] - ロシアの国営ガス会社ガスプロ
ム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)は、ウクライナを経由した
欧州諸国への天然ガス輸送は16日現在、通常通りに行われている
ことを明らかにした。
ロシアは、ウクライナが天然ガス代金を前払いしなければ、6月に
供給を停止すると警告。ウクライナを経由した欧州諸国への供給に
影響が出るとの懸念が出ている。
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親ロ派が「納税」要求=炭鉱主は拒否−ウクライナ東部
 【モスクワ時事】11日の住民投票で「独立国」になったと主張
するウクライナ東部の親ロシア派勢力「ドネツク人民共和国」は16
日、ドネツク州の炭田の経営権を握る大富豪アフメトフ氏に「納税
」を要求した。現地メディアが伝えた。
 人民共和国の幹部は声明で「公務員や年金生活者に(給与や年金
を)支払う必要がある」と主張。アフメトフ氏に人民共和国への忠
誠を求めるとともに納税を迫っている。
 これに対し、アフメトフ氏の企業グループ広報は声明を出し「ウ
クライナ国内法のみに基づき企業活動を行っている」と反論。エス
カレートする人民共和国の要求には従わない姿勢を鮮明にした。ア
フメトフ氏は住民投票に理解を示していた。(2014/05/17-05:45)
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親ロ派は「テロ組織」=対話困難に−ウクライナ
 【モスクワ時事】ウクライナ最高検は16日、東部の親ロシア派
勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」をテロ組
織に指定した。両勢力をテロ組織とみなしたことで、暫定政権と親
ロ派の対話は難しくなりそうだ。
 両勢力は東部ドネツク、ルガンスク両州で武装して庁舎を占拠。
11日に住民投票を強行し、独立国家の樹立を一方的に宣言してい
た。
 最高検はテロ組織に指定した理由について「序列や資金源、武器
供給網を有している」と説明。刑事事件として捜査を開始したこと
を明らかにした。暫定政権は親ロ派に対する「対テロ作戦」を継続
している。(2014/05/17-06:40)
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ロシアの防衛産業、部品の海外調達避けて=プーチン大統領
2014年 05月 15日 03:42 JST
[ソチ(ロシア) 14日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領
は14日、自国防衛産業の部品を海外で調達せず、自給体制の整備
が望ましいとの考えを示した。
自身の邸宅で開いた防衛当局者らとの会議で述べた。
大統領は「防衛部門はわれわれの領土内で製造されたものを使い、
どの国にも依存しないよう最善を尽くす必要がある」と指摘。「そ
うすれば、われわれの防衛産業にとって利益となるのは確かだ」と
話した。
米国は、一部ハイテク製品の輸出も対ロシア制裁の対象に加える姿
勢も見せる。大統領の発言は、ウクライナ情勢をめぐり西側が制裁
を課したことを受けたものとみられている。
ただ大統領は、防衛産業で用いる部品の交換に資金が必要で、すべ
てを国産品に切り替えるには最大2年半かかるとの考えをこれまで
示していた。
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ロシアが報復措置、米国向けロケットエンジン販売禁止
By ANDREY OUSTROUKH AND DOUG CAMERON
2014 年 5 月 14 日 17:51 JST WSJ
 ロシアのドミトリー・ロゴジン副首相は13日、宇宙ロケットエン
ジンの米国向け販売を禁止する計画を明らかにした。このエンジン
は米国の軍事ロケットや情報衛星の大部分で打ち上げに利用されて
いる。
 副首相はまた、GPS(全地球測位システム)衛星の追跡網について
、米国がロシアを拠点に利用する部分を停止する考えを表明。さら
に、ロシアによる国際宇宙ステーションの運用期間を2020年に打ち
切ることも提案した。米国政府は2024年までの宇宙ステーション運
用を求めていたが、ロシア側がこれを断った格好。
 欧米を中心に相次ぐ対ロ制裁を受けて打ち出された今回の措置は
、米国がロシアの宇宙技術に依存する部分をターゲットにしたもの。
西側の制裁措置の一部は、防衛および宇宙部門を管轄するロゴジン
副首相に向けられている。
 米国防総省は衛星打ち上げエンジンの多くを、ロシア国営会社
NPOエネルゴマシOAOからの輸入に頼っている。米国は向こう2年間の
打ち上げ計画をまかなう十分なエンジンを確保しているが、ウクラ
イナ危機を受けたサプライチェーンへの懸念の高まりが国防総省に
国内代替品の検討を急がせている。
 米国では先月末、国防総省とユナイテッド・ローンチ・アライア
ンス(ULA)がNPOエネルゴマシと取引することを禁止する判決が出
た。その後、NPOエネルゴマシがロゴジン副首相の支配下にあるとは
特定できないとの米政府高官らの証言を受け、この判決は先週取り
消された。ULAはロッキードマーチンとボーイングが設立した合弁事
業。
 米国は防衛目的に利用され得る技術のロシア向け輸出を制限した
が、ロゴジン副首相はこれに対する報復措置を取ったとみられる。
副首相は、米国政府が非軍事目的のみに利用することを証明できた
場合にのみ、ロケットエンジンを供給すると述べている。
 米国は15日、国産エンジンを搭載した新たなGPS衛星を打ち上げる
予定。ロシア製エンジンを使った次のロケット発射は5月22日に計画
されている。ULAは将来の打ち上げ計画分をまかなう予備を持ってお
り、11月にはNPOエネルゴマシとユナイテッドテクノロジーズによる
合弁会社が輸入するエンジンが到着する予定だと述べている。
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ウクライナ、親ロ派と初会合 武装勢力は反発 
2014/5/14 20:32 (2014/5/14 23:19更新)nikkei
 【モスクワ=田中孝幸】ウクライナ政府は14日、親ロシア派の住
民が多い東部の代表などを交えた「円卓会議」の初会合を首都キエ
フで開いた。新政権に不満を持つロシア系住民に融和姿勢を示し、
国家の東西分裂を回避するのが狙いだ。ただ東部の独立を問う住民
投票を強行した親ロ派の武装勢力は入っておらず、早期の戦闘終結
につながるのか疑う声もある。
 会議は緊張緩和に向け欧州安保協力機構(OSCE)が12日に提
案した「和平工程表」の柱だ。欧州連合(EU)の働き掛けにロシ
アも応じた経緯がある。首長や宗教指導者、経済人らが参加。週1
回の頻度で開く。
 成果を望むドイツはOSCEを代表する円卓会議の共同議長に、
ボスニア紛争の調停経験があるイシンガー元外務次官を派遣。13日
にはシュタインマイヤー外相がウクライナ入りし、ヤツェニュク首
相らと協議した。
 東部ドネツク州からは地元住民から支持を受けるドネツク市のル
キヤンチェンコ市長が出席し、ロシア系市民との対話を呼び掛けた。
今後、6月15日に想定される大統領選の決選投票に合わせて地方の
権限強化を問う国民投票の実施を求める意向で、新政権が受け入れ
るかが焦点となる。
 親欧米の新政権は円卓会議を舞台に東部の穏健な親ロ派を取り込
み、分離独立を唱える過激な武装勢力を孤立させる戦略を描く。ヤ
ツェニュク氏は14日の円卓会議で「武器を持たないあらゆる人と話
し合う」と強調。ロシア系住民が求める地方分権を取り入れた憲法
改正を急ぐ考えを示した。
 親ロ派の武装勢力は反発を強める。インタファクス通信によると
14日、ドネツク州クラマトルスクやスラビャンスクの近郊で武装集
団とウクライナ軍の銃撃戦が起き、同軍兵士8人が死亡した。
 ロシアが柔軟な姿勢に転じる兆しもある。プーチン大統領側近の
ナルイシキン下院議長は14日のテレビ番組で、25日のウクライナ大
統領選に関し「選挙を実施しなければさらに悲しい状況になるのは
明らかだ」と述べ、条件付きで選挙結果を認める可能性を示唆した。
 ロシアはウクライナの北大西洋条約機構(NATO)への加盟を
阻むため、地方に外交政策の拒否権を与える「連邦制」の導入を主
張。円卓会議では連邦制につながる地方分権策で合意するかを注視
している。
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親ロ派の「正式要請」なし=編入論を一蹴−ロシア外務省
 【モスクワ時事】ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は15
日の記者会見で、ウクライナ東部ドネツク州で住民投票を強行した
親ロシア派が、ロシア編入を求めていることについて「盛んに報じ
られているが、正式な要請は届いていない」と述べ、突き放した。
住民投票の「民意」には配慮しつつも、ウクライナ東部編入のシナ
リオをロシア政府は描いていないことを示した。(2014/05/15-22:56)
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ドネツク親ロ派、「議長」「国防相」を選出=ウクライナ
 【モスクワ時事】ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派勢力「
ドネツク人民共和国」は15日、「議会」を開き「議長」に幹部の
プシリン氏を選出したと発表した。インタファクス通信が伝えた。
また「国防相兼安全保障会議書記」にストレルコフ氏を選んだとも
明らかにした。
 ドネツク人民共和国は11日に事実上の独立を問う住民投票を強
行した主体。実施後に「政府」と「軍」を創設すると宣言していた。
住民投票については、親ロ派の後ろ盾であるロシアを含め、国際社
会は合法性を認めていない。(2014/05/16-00:28)
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ウクライナ 監視員を大幅増へ
5月16日 4時47分NHK
ウクライナの状況を現地で確認している、OSCE=ヨーロッパ安
全保障協力機構の監視団の団長は、今後2か月程度の間に監視員を
2倍以上に増やし、対応を強化していく考えを示しました。
欧米諸国などで作るOSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構は、こ
とし3月からウクライナに監視団を派遣し、現地の状況を確認した
り、建物を占拠している親ロシア派の関係者などから聞き取りを行
ったりしています。
その監視団のアパカン団長が15日、オーストリアのウィーンで加
盟国に対して非公開での報告を行ったあと、記者会見しました。
この中でアパカン団長は、現在200人近い態勢で活動している監
視団の規模を、今後1か月でおよそ300人にまで拡大したいと述
べました。
さらに、その後1か月程度で人数をさらに200人増やし、今の2
倍以上となる500人の監視員で、ウクライナ各地での活動を強化
していきたいという考えを示しました。
監視団の状況について問われると、アパカン団長は「安全上の理由
から自由に動くことができず、行動が制限されることもある」と話
し、暫定政権と親ロシア派の武装集団が衝突するなど緊張が高まる
なかで、活動が難しくなっていることを認めました。
また、今月25日に予定されている大統領選挙に向けては、「現段
階では選挙を妨害するような兆候は確認していない」としていて、
選挙の状況を監視するためのOSCEの別のチームを支援するなど
して、無事に選挙が行えるよう協力していくと強調しました。
米はロシアなどに協力求める
ウクライナの大統領選挙が無事に行えるよう、OSCE=ヨーロッ
パ安全保障協力機構が対応に当たっていることについて、アメリカ
のケリー国務長官は15日、訪問先のロンドンで記者会見し、「ロ
シアと、ウクライナの分離主義者たちに、選挙の実現に向けて協力
するよう求める」と述べ、ロシアや親ロシア派にも協力を求めまし
た。
そのうえで、ケリー長官は「もしロシアや、その代理の勢力が選挙
を妨害したら、そのときは追加の制裁を科す」と述べ、改めてロシ
アや親ロシア派を強くけん制しました。
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ウクライナ東部 選管で妨害活動
5月16日 5時13分NHK
ウクライナ東部では、今月25日に予定されているウクライナ大統
領選挙を前に、親ロシア派の武装集団が選挙管理委員会の事務所に
相次いで押し入って、妨害活動を行っており、大統領選挙が混乱な
く実施されるのか懸念されています。
ウクライナ東部では、住民投票の結果を受けて、親ロシア派が独自
の軍隊を創設するなど独立の動きを加速させているのに対し、暫定
政権は親ロシア派の武装集団を強制排除する軍事作戦を続け、ウク
ライナの大統領選挙を前に双方の対立が深まっています。
東部の中心都市ドネツクでは15日、武装集団が自動小銃などを携
えて地区の選挙管理委員会の事務所に押し入り、選挙で使用するパ
ソコンを奪っていったということです。
選挙管理委員会の担当者は、NHKの取材に対して「武装集団は暴
力をふるうようなことはしませんでしたが、いい気分ではありませ
ん」と話していました。
また、ドネツク州政府によりますと、別の都市クラマトルスクでも
14日、武装集団が選挙管理委員会の印鑑を奪ったり、職員に対し
て大統領選挙の準備作業を続けないよう脅したりしたということで
す。
ウクライナの大統領選挙は、ことし2月の政変後に高まった緊張の
緩和を目指して、暫定政権が主導して準備を進めていますが、親ロ
シア派は「住民投票の結果を受けて、われわれは独立する。別の国
の大統領選挙は実施させない」と反対の姿勢を強めており、大統領
選挙が混乱なく実施されるのか懸念されています。
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ウクライナ:退去しなければ軍に攻撃開始…親露派最後通告
毎日新聞 2014年05月15日 20時08分(最終更新 05月15日 21時07分)
 【モスクワ田中洋之】ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク
州で政府庁舎などを占拠する親ロシア派武装勢力は14日夜、ウク
ライナ軍が制圧した検問所を24時間以内に明け渡さない場合、攻
撃を開始すると最後通告を出した。検問所は親露派がドネツク州北
部スラビャンスクなどの道路に設けたもので、東部で展開している
ウクライナ軍が制圧し、親露派の強制排除に乗り出していた。
 親露派の副司令官はロシア通信に対し「暫定政権側が検問所から
立ち退かなければ、すべてを撃滅し焼き尽くす」と警告した。
 一方、ウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は15日、
ドネツク州北部クラマトルスク近郊でウクライナ軍が親露派の秘密
基地を破壊し、ウクライナのテレビ番組を中継しているテレビ塔の
半径5キロ圏内から親露派を掃討したと述べた。
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EU委員長 ウクライナ大統領選を後押し
5月14日 4時09分NHK
EU=ヨーロッパ連合のバローゾ委員長は、ウクライナ暫定政権の
ヤツェニューク首相と会談し、今月25日に予定される大統領選挙
は、「ヨーロッパの安定に死活的な重要性を持つ」と述べ選挙の実
施を後押しする姿勢を強調するとともに、ロシアに選挙を妨害しな
いよう警告しました。
EUの執行機関に当たるヨーロッパ委員会のバローゾ委員長は13
日、ベルギーのブリュッセルで、ウクライナ暫定政権のヤツェニュ
ーク首相と会談し、総額110億ユーロに上る支援策の一部を実行
する協定に署名しました。
続いて行われた記者会見でバローゾ委員長は、ウクライナ東部で親
ロシア派が主導して行った住民投票は、「正当性はなく違法だ」と
したうえで、今月25日に予定される大統領選挙について、「ウク
ライナだけでなくヨーロッパの安定に死活的な重要性を持つ」と述
べ、選挙の実施を後押しする姿勢を強調しました。
そのうえで「ロシアが現在のような行動を続ければ国際社会からさ
らなる孤立を招くだけだ」と述べ、ロシアに対し選挙を妨害しない
よう警告しました。
またウクライナのヤツェニューク首相は、親ロシア派が地方政府の
庁舎などの占拠を続けるウクライナ東部の一部では、選挙の実施が
難しい場所もあると認めたうえで、「選挙を妨害しようという、い
かなる試みも失敗するだろう」と述べ、選挙を確実に実施する考え
を示しました。
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ウクライナ東部 「独立宣言」受け逃げる市民も
(05/14 05:57)tv-asahi
 親ロシア派が「独立」を宣言し、ロシアへの編入を求めるウクラ
イナ東部では、暫定政権を支持する住民が逃げ出すなど混乱が続い
ています。
 暫定政権を支持する市民:「ロシアに編入されたら(状況は)更
に悪くなります。銀行システムが完全に破綻するわ」
 ウクライナ東部では、住民投票の結果を受けて、親ロシア派が「
独立」を宣言してロシア編入を求めています。しかし、ロシア側は
「結果を尊重する」と表明するにとどめています。親ロシア派は、
今月25日の大統領選挙をボイコットし、「独立」への動きを加速す
る構えですが、市民の意見は割れています。
 一方、地元メディアによりますと、クラマトルスク近郊で、親ロ
シア派がウクライナ軍の装甲車を攻撃し、軍の兵士7人が死亡したと
いうことです。
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ロシア大統領、20日訪中=クリミア編入後の蜜月アピール
 【モスクワ時事】ロシア大統領府は13日、プーチン大統領が20
、21両日に中国を訪問すると発表した。習近平国家主席の招請に
伴う公式訪問となる。ウクライナ危機後、プーチン大統領が旧ソ連
の独立国家共同体(CIS)以外の主要国を訪れるのは中国が初め
て。
 ウクライナ南部クリミア半島を掌握・編入後、日米など先進7カ
国(G7)が対ロ制裁で足並みをそろえる中、ロシアにとっては中
国との「蜜月」をアピールする狙いがあるとみられる。中国はロシ
アに配慮し、欧米の制裁に反対している。(2014/05/13-18:38)
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ウクライナ情勢:対話進める和平工程表プーチン大統領支持
毎日新聞 2014年05月13日 12時20分
 【ブリュッセル斎藤義彦、ワシントン和田浩明】混迷するウクラ
イナ問題で、欧州の安全保障機関・全欧安保協力機構(OSCE)
の議長国スイスのブルカルテル大統領は12日、ロシアのプーチン
大統領と電話で協議し、正常化へ向け、ウクライナ国内勢力の対話
を進める「和平工程表」への支持を得た。これを受け、OSCEは
ウクライナ暫定政権、親露派の両代表が参加する「円卓会議」の準
備を始めた。
 一方、ドイツのシュタインマイヤー外相は13日、ウクライナの
暫定政権と親露派の双方を訪れ、対話を促す。東部2州の住民投票
で双方の対立は一層鮮明となったが、周辺国は事態の改善を目指し
、外交努力を活発化させている。
 和平工程表は、(1)暴力停止(2)円卓会議による対話(3)
武装解除(4)大統領選挙実施??が柱で、14日にもキエフで円卓
会議開催を目指す。OSCEは武装解除のための基金設置も始めた。
 OSCEやロイター通信によると、プーチン大統領とOSCEは
「暫定政権と(親露派が独立宣言した)東南部の代表との直接対話
を含め、OSCEの提案に沿った努力を続けることが重要」との点
で一致した。OSCEは「米露、欧州連合(EU)、ウクライナ暫
定政権から前向きな反応を得た」としている。
 交戦などで互いに死傷者を出し、厳しく対立している暫定政権側
と親露派が直接対話する可能性は現時点では低いとみられている。
このため、シュタインマイヤー外相は両者の説得にあたる。また、
ウクライナ暫定政権のヤツェニュク首相が13日、ブリュッセルで
バローゾ欧州委員長と和平や支援について話し合う。
 一方、ウクライナ東部2州の親露派住民が実施した住民投票につ
いて、米国務省のサキ報道官は12日の定例記者会見で「ウクライ
ナ法上、違法であり、国を分断し、混乱を生む試みだ」と批判、結
果を受け入れない意向を改めて示した。また、住民投票で二重投票
や子供の投票など結果の正当性に疑念を持たせる行為の情報もあっ
たと指摘した。
 ケリー米国務長官も15日、ロンドンでウクライナ情勢について
各国外相と協議する。
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住民投票「認めない」=ロシアに失望−米報道官
 【ワシントン時事】カーニー米大統領報道官は12日の記者会見
で、ウクライナ東部ドネツク州などで行われた住民投票について「
ウクライナの法律の下では違法で、(国を)分断・混乱させる明白
な試みだ。米国は結果を認めない」と表明した。
 カーニー氏は、メディアが伝えている住民投票の不正行為にも言
及。その上で「プーチン・ロシア大統領の延期要請に従って、ロシ
ア政府が住民投票の阻止に向けて影響力を行使しなかったことに失
望している」と強調した。
 また、モスクワの在外投票所の安全のために警察官を配置してい
る報道を見たと批判。ロシアの国営メディアも「いわゆる住民投票
を正当化しようとしていた」と指摘した。
 ただ、ロシアへの制裁強化に関しては「もしロシアが25日のウ
クライナ大統領選の妨害に関与すれば、一段の代償を科す」と述べ
るにとどめた。(2014/05/13-08:51)
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ウクライナ 分断のまま大統領選挙の懸念
5月13日 6時06分NHK
ウクライナ東部で行われた住民投票の結果を受けて、親ロシア派は
、改めてウクライナから独立すると表明して今月25日に行われる
大統領選挙には参加しない姿勢を示し、ウクライナは事実上分断し
たまま大統領選挙を迎える懸念が強まっています。
ウクライナ東部の二つの州で11日に行われた住民投票で、親ロシ
ア派は12日、独立も視野に入れた自治権の拡大について、「賛成
」がドネツク州でおよそ90%、ルガンスク州でおよそ96%に達
したと発表しました。
これを受けて記者会見した親ロシア派の幹部は、「われわれが主導
して先月7日に樹立を宣言した『ドネツク人民共和国』は住民の承
認を得た」と勝利宣言し、ウクライナから独立する方針を改めて表
明しました。
また、ロシアへの編入を実現するために、今後ロシア政府への働き
かけを強めるとともに独自の軍を創設し、ウクライナ東部で親ロシ
ア派に対する軍事作戦を続ける暫定政権と力で対抗する姿勢を打ち
出しました。
さらに、今月25日に行われるウクライナの大統領選挙には「参加
しない」として、欧米も交えた暫定政権側との対話についても拒否
する姿勢を示しました。
ウクライナの大統領選挙は、ことし2月の政変以降の混乱を収拾し
ようと暫定政権が主導していますが、親ロシア派との対立は深まる
一方で、事実上分断したまま選挙を迎える懸念が強まっています。
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ウクライナ東部、ロシア軍の平和維持が必要=親ロ派代表
2014年 05月 13日 03:53 JST
[スラビャンスク(ウクライナ) 12日 ロイター] - ウクライ
ナ東部ドネツク州のスラビャンスクの市長を名乗るビアチェスラフ
・ポノマリョフ氏は12日、ウクライナ東部はロシア軍による安定
と平和維持が必要との考えを示した。
ウクライナ東部では11日に地域の独立を問う住民投票が実施され
、親ロシア派の選挙管理委員会代表によると89%が賛成票を投じ
た。
ポノマリョフ氏は、ウクライナ政権が派遣した軍隊を占領者とみな
すとしたうえで、「(ウクライナ軍は)撤退するべきだ。われわれ
は自らの領土を防衛する」と述べた。
同地域では「ドネツク人民共和国」の創設が宣言されているが、同
共和国はロシアの軍事支援を必要としているかとの質問に対し、「
この地域に将来的な安定と平和をもらたすためには、ロシア軍が必
要だ」と述べた。
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親ロ派と対話促進を=住民投票の結果尊重−ロシア
 【モスクワ時事】ロシア大統領府は12日、声明を出し、ウクラ
イナ東部ドネツク、ルガンスク両州の住民投票で示された民意を「
尊重」するとした上で、暫定政権と親ロシア派の対話促進に期待す
ると表明した。ただ、住民投票を合法なものと認めるか否かは明確
にしなかった。タス通信などが伝えた。
 プーチン大統領は7日、実施のための条件が整わないとして、親
ロ派に住民投票の延期を要請したが、拒否された。声明は親ロ派に
配慮しつつ、一方的な分離独立やロシアへの編入までは認めないと
いうプーチン政権の姿勢を改めて示したものだ。
 声明は「ロシアは住民投票の準備と実施を注視した。(反ロシア
派による)投票妨害の試みがあったにもかかわらず、投票率は高か
った」と評価した。一方で「住民投票の結果は、文明的な方法によ
って実現される(べきだ)」と述べ、暴力ではなく、対話による問
題解決を求めた。
 その上で、欧州安保協力機構(OSCE)が提示した緊張緩和に
向けたロードマップ(行程表)を含め、仲介努力を歓迎するとの立
場を示した。(2014/05/12-22:17)
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ロシア大統領に「成果」要請=緊張緩和でOSCE議長
 【ジュネーブ時事】欧州安保協力機構(OSCE)のブルカルテ
ル議長(スイス大統領)は12日、ウクライナ東部2州で親ロシア
派が11日に強行した住民投票について「違憲」と指摘した。また
、ロシアのプーチン大統領と12日に電話会談し、緊張緩和へ「目
に見える成果」を求めたことを明らかにした。(2014/05/13-07:29)
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EUが対ロ制裁の対象公表、大統領府第1副長官・軍幹部ら追加
2014年 05月 13日 06:57 JST
[ブリュッセル/モスクワ 12日 ロイター] - 欧州連合(EU
)は12日、対ロシア制裁の対象に ビャチェスラフ・ボロージン
大統領府第1副長官、パラシュート部隊のウラジーミル・シャマノ
フ司令官を追加した。
EUはこの日、対ロシア制裁の対象に新たに個人13名、およびク
リミア企業2社を加えることを決定、官報で制裁対象を公表した。
制裁の対象となったクリミア企業は「PJSC Chernomorneftegaz」、
「Feodosia」の2社。
これに対し、ロシア外務省はEUの制裁拡大を批判する声明を発表
した。
「パートナーとしてのEUの信頼を損ねるともに、ウクライナ問題
の解決支援で客観的な役割を果たすとするEUの主張に疑問が生じ
る」とし、ウクライナ東部2州で実施された自治権拡大に関する住
民投票の結果を尊重するよう求めた。
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投票率、2〜3割=東部住民投票は「茶番」−ウクライナ首脳
 【モスクワ時事】ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は12日
、東部で親ロシア派が実施した住民投票について「警察や専門家の
情報によると、ルガンスク州で約24%、ドネツク州で約32%の
有権者が参加したにすぎない」とする独自調査結果を明らかにした。
 住民投票の投票率について、親ロ派はルガンスク州で約85%、
ドネツク州で約75%だったと発表している。これに対し、トゥル
チノフ大統領代行は「ルガンスク州の多くの地域では住民投票自体
が行われていない」と指摘した。
 その上でトゥルチノフ大統領代行は、住民投票を「茶番であり(
親ロ派武装集団の)殺人や重大犯罪を隠すプロパガンダ(宣伝)だ
」と批判。結果にはいかなる法的効力もないと改めて強調した。ま
た、親ロ派への軍事行動を継続する意向を表明した。
(2014/05/12-20:43)
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住民投票に不正疑惑=「1人5回」の証言も−ウクライナ
 【モスクワ時事】ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州で11
日、親ロシア派が強行した住民投票では不正が疑われる事例が相次
いだ。現地報道によると、本人確認がずさんで「1人で5回投票で
きた」との証言もある。(2014/05/12-11:35)
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ウクライナ東部、親ロ派が独立巡り住民投票強行 
2014/5/11 21:41nikkei
 【キエフ=石川陽平】緊張が続くウクライナ東部のドネツク州と
ルガンスク州で11日、地域の独立の是非を問う住民投票が行われた。
行政庁舎などを不法占拠する親ロシア派勢力が一方的に実施し、ウ
クライナ政府や欧米から「違法」と批判されている。投票の結果「
独立」の支持が大半を占めたと主張するのは確実。同国の東西分裂
が一段と深刻になり、親ロ派勢力と政府側の武力衝突が激しくなる
恐れがある。
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東部「住民投票」ルポ 反対派は姿見せぬまま「この日待っていた
」「戦争くる恐れ」
2014.5.11 21:45 sankei
 ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州で行われた11日の「
住民投票」。州都ドネツク市内で投票所とされた学校には、午前8
時の投票開始から市民が次々と足を運んだ。
 「この日を待っていた」と話したのは女性医師のアベリナさん(
56)だ。「2月の政変で首都キエフにできたのは非合法のファシ
ズム政権であり、今や(東部で)自国民に銃を向けている。現政権
のウクライナにとどまることはできない」と力説した。
 「国家としての自立」に賛成票を投じた男性技師のアレクセイさ
ん(32)は「いかなる権力も地域の事情を考慮し、妥協点を求め
て対話すべきだ。東部・南部にとっては欧州連合(EU)でなく、
ロシアの経済ブロックに入ることに利益がある」と述べた。


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