5011.南極の氷河融解でどうなる



プロジェクト・シンジケート誌に「Risky Reserves」、アメリカン
コンサバティブ誌に「Climate Change Isn’t Just About Sea Levels, 
And Adaptation Will Require Action, Not A Sense Of Futility」
が載っている。米国保守系の人たちは、気候変動での自然エネルギ
ー政策を嫌っていた。その保守系雑誌に行動を起こすべきと出てい
る。これは米国では革命的である。最後にリンクがあるので、詳し
くは読んでください。

2つの評論が出てきた背景に、米国の科学者グループは12日、南極
大陸で6つの氷河が急速に溶け出し、それによって世界最大級の氷床
の1つがむしばまれようとしていると発表したことである。もう1つ
が、米国各地での山火事が多発していることや巨大な竜巻が頻発し
、ワシントンでは深層崩壊が起きて40名程度の人が亡くなるなど、
米国民にも実感できるようになってきたからである。

数日前にオバマ大統領も、気候変動に対応した政策を取るとしてい
る。しかし、皮肉にも気象の上昇は現在、止まり低くなってきてい
る。これは太陽活動が低下したからという説と、海が吸収して一時
的に気温が低下したという説がある。

しかし、現時点、深海の温度は1990年に比べて、2度から4度
も上昇して、かつ大気の温度が低くなったので、水蒸気の発生が多
くなり豪雨になる確率が増、かつ南極の氷河が融解して、海面上昇
を引き起こすことになるという。

深海魚やダイオウイカが浮かび上がってくるのも、この深海温度が
上昇したことであるという人もいる。

しかし、今から気候変動対策をしても手遅れである。しきい値を超
えているし、今後、発展途上国や中国などが一層の開発をするので
、地球の気候は大きく変化する。暴風、竜巻や豪雨の頻発とそれに
伴う崖崩れ(深層崩壊)、海面上昇は起きる。

海面が4フィート(約120センチ)押し上げることを考えて、準備を
しておくことである。地方都市の海岸部、山間部は放棄することも
視野に入れて置くことである。

その変化する気候に対してどうするのかを考える時期ではないのか
と思うし、早く、自然の摂理に従った生活ができる技術を石油より
安い価格でできることである。

日本の循環型社会構成技術を世界に広めるチャンスでもあり、早く
、それに気がついて、成長戦略を組み替えることである。

例えば、沖縄大学の比嘉先生が考案したEM法という食品ゴミを腐葉
土に変える技術は、発展して、AIー1という愛知県の方法や、スラバ
ヤでの高倉式コンポストになっている。発展のポイントは、その土
地に適した菌、酵素を組み込んむことのようである。また作り方が
簡単であり、該当のHPを見てください。

この発展系が、「TS エコファーム」などが提供する強力化した酵素
と菌で養豚などのし尿処理に使える環境浄化技術になっている。

生ゴミからバイオエタノールをつくる装置は日立造船と京都市が作
って、稼働しているなど、ここに来て日本はこの分野での開発成功
例が多くなってきている。ビジンスにもなってきた。

また、RTにはフィリピンで重金属を取り込む植物があり、それを使
った環境浄化の可能性が載っていた。(リンクは最後)

日本では、仁丹が金属を吸収する菌をカプセルに入れて、それを燃
やすと金属が回収できるというシステムを開発している。

リサイクルの課題である。

また、プラスティックを石油に変える装置も日本にあり、ブレスト
社が世界に販売している。世界の都市が注目しているようである。

まだ、探せば、このようなことが沢山あるように思うが、どうであ
ろうか。

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南極の氷河融解、氷床の融解につながると数メートルの海面上昇に
By ROBERT LEE HOTZ
2014 年 5 月 13 日 14:49 JST  WSJ
 米国の科学者グループは12日、南極大陸で6つの氷河が急速に溶け
出し、それによって世界最大級の氷床の1つがむしばまれようとして
いると発表した。このまま放置されれば、膨大な水が海に流れ込ん
で、世界的に海面が向こう数世紀にわたって数メートル上昇する恐
れがあるという。
 米国航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)とカリフォ
ルニア大学アーバイン校の2つの研究者グループは、人工衛星による
数十年間の観測と航空機からの観察の結果、これら氷河の後退は既
に「もはやあと戻りできないポイント」に達したかもしれないと推
測している。
 氷床は広大な大陸規模の氷帽(ice cap)の一部で、厚さは場所に
よって数マイルにも及ぶ。氷床は氷河の流出によって縮小する。湖
が川からの水の流出によって縮小するのと同様だ。研究結果は米国
地球物理学連合の学会誌「ジオフィジカル・リサーチ・レター」に
掲載される予定だ。
 氷河の融解だけでも既に毎年、グリーンランドの氷床全体と同じ
程度の海面上昇の要因になっている。こうした南極沿岸部の氷河か
ら溶ける水は全体で見ると海面を4フィート(約120センチ)押し上
げる可能性があるという。
 研究を指揮したNASAの氷河学者エリック・リグノット氏は「氷は
今後何十年、何百年にもわたってこのセクター(分野、領域)で後
退していくだろうし、われわれはそれを阻止できない」と述べ、「
こうした氷河の後退ペースは将来、鈍化するよりも加速する公算が
極めて大きい」と語った。
 急速な融解の原因について、研究者チームは広範な気象変動によ
って引き起こされたと述べ、例えば地域的な気温の上昇、大洋の海
流の水温上昇、風の吹き方の変化を挙げた。
 だが、極氷の専門家がもっと懸念しているのは、氷河の変化が南
極大陸の膨大な「西南極氷床」の安定を脅かすことだ。「西南極氷
床」は地球の海面を10フィート(約3メートル)上昇させるほどの量
の水を氷の形で閉じ込めているからだ。南極大陸には全体として、
地球の淡水の約60%が何百万ないし何千万立方マイルもの極氷
(polar ice)の中に閉じ込められている。
 これまで専門家たちは、沿岸氷河は、海底に結合した状態にあり
、それが氷床を安定させていると確信していた。だがこの沿岸氷河
が近年、海水温の上昇によって浸食されるにつれて海底から遊離し
て海に浮かび、溶解の速度を上げているという。
 この研究とは別に、ワシントン大学の研究チームは、沿岸氷河の
融解によって西南極氷床が崩壊し始めているというコンピューター
によるデータ解析結果を今週、米科学誌「サイエンス」に発表する。
同チームは200?900年で氷床が完全に消滅すると推測している。

Climate Change Isn’t Just About Sea Levels, And Adaptation Will Require Action, Not A Sense Of Futility
Risky Reserves
New species of metal-munching plant found in Philippines

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