5010.南シナ海衝突の報道がおかしい



ニューヨーク・タイムズ紙の「Vietnam Fails to Rally Partners 
in China Dispute」で、ASEANでベトナムは中国への非難声明を期待
したが、ASEANでは中国との関係が緊密な国が有り、中国を名指して
の非難声明はできず、遠回しな声明になってしまった。石油掘削設
備を設置する場所が、ベトナムから140KMしか離れていない排他
的経済水域内である。明らかに中国の侵略であるのに、批判ができ
ないことになったと。最後にリンクがあるので、詳しくは見てくだ
さい。

このため、中国は12日、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳
会議が南シナ海情勢をめぐり、全ての当事者に自制を求めたことに
関連し、「南シナ海問題は中国とASEANの問題ではない。ベト
ナムが各国を抱き込んで中国に圧力をかけようとしても、失敗する
」と表明した。裏で中国が動いて、遠回しな声明にしたのである。

ケリー米国務長官も12日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸
島近くで中国とベトナムの艦船が衝突したことに関し、中国の行動
に強い懸念を表明したが、中国が侵略したことを問題視しない声明
であり、中国の侵略を認めているように見える。

このため、ベトナムのネット上で「武力に訴えてでも領土を守れ」
との対中強硬論が勢いを増しているのは頷ける。

どうして、ベトナムの排他的経済水域で中国が行動をしていること
を、日本の報道機関も明らかにしないのであろうか?
非常に一方的に中国に有利な報道をする必要があるのであろうか?

2年前、その場所にベトナムがリグを置こうとした時に、中国がク
レームをつけた場所である。これを認めると、どんどん東シナ海で
も、日本の排他的経済水域での開発をすることになる。

世界秩序を中国は崩すことになるが、それを口をくわえて見ている
こと自体、非常に危ないことであると思うが?

さあ、どうなりますか?

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米国務長官、中国に懸念表明 ベトナムとの艦船衝突 
2014/5/13 6:53
 【ワシントン=共同】ケリー米国務長官は12日、南シナ海の西沙
(英語名パラセル)諸島近くで中国とベトナムの艦船が衝突したこ
とに関し、中国の行動に強い懸念を表明した。今回の艦船衝突をめ
ぐって、米閣僚が公に中国を批判したのは初めて。
 ワシントンの国務省で、シンガポールのシャンムガム外相と同日
会談し「最も新しい懸念は、パラセル諸島での中国の挑戦だ」と述
べた。
 同時に「南、東シナ海の航行と交通に関わる全ての国家は、この
攻撃的な行動を深く懸念している」と指摘。中国との間で「直接対
決や独断的行動ではなく、法や仲裁などを通じた平和的な解決を望
む」と強調した。
 シャンムガム氏は、東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議
で南シナ海情勢について「深刻な懸念」を表明した声明を踏まえ「
全ての当事者が受け入れ可能な方法で、紛争や意見の相違を解決す
ることが必要だ」と応じた。
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ベトナムの圧力は「失敗」=南シナ海問題で不快感−中国
 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は12日の記者会
見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が南シナ海情勢
をめぐり、全ての当事者に自制を求めたことに関連し、「南シナ海
問題は中国とASEANの問題ではない。ベトナムが各国を抱き込
んで中国に圧力をかけようとしても、失敗する」と不快感を表明し
た。
 華副局長は「ベトナム側は冷静に事実を見詰め、中国側の(石油
掘削)作業への妨害を停止すべきだ」と改めて要求。一方、ベトナ
ムと引き続き緊密に協議する姿勢も強調し、「適切に問題を解決し
ていく」と訴えた。(2014/05/12-20:49)
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対中強硬論、ネットで台頭=南シナ海の衝突で−ベトナム
 【ハノイ時事】南シナ海の西沙(ベトナム名ホアンサ、英語名パ
ラセル)諸島付近の海域で、領有権を争う中国とベトナムの対立が
激化する中、ベトナムのネット上で「武力に訴えてでも領土を守れ
」との対中強硬論が勢いを増している。
 ベトナムのニュースサイトでは、外務省が中国の石油掘削を非難
し、中国船によるベトナム船への体当たりの映像を公表する記者会
見を行った7日以降、南シナ海関連の記事への意見投稿が急増。多
くが「敵を倒せ」「祖国独立のため戦う準備はできている」といっ
た「主戦論」だ。
 ベトナムと中国との軍事力に圧倒的な差があるが、「負けてもい
いから戦おう」という主張も。中国製品の不買運動を呼び掛ける意
見や、ベトナム当局を弱腰だと非難し「民主革命が必要だ」と訴え
る声もある。(2014/05/12-20:32)
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南シナ海に「深刻な懸念」…ASEAN議長声明
2014年05月12日 19時31分Yomiuri Shimbun
 【ヤンゴン=石崎伸生】東南アジア諸国連合(ASEAN)は12
日、ミャンマーの首都ネピドーで11日に開かれた首脳会議の議長
声明を発表した。
 議長国はミャンマー。声明は、南シナ海で中国とベトナムの対立
が深刻化していることを念頭に、「南シナ海で起きている出来事に
対する深刻な懸念」を表明し、10日の外相声明と同様に中国をけ
ん制する内容となった。
 声明では、特定の国の名指しを避けつつ、「南シナ海の航行や飛
行の自由、海洋の安全、平和と安定を維持することの重要性」を確
認した。ASEANと中国が協議を進めている、法的拘束力のある
南シナ海の「行動規範」について、早期策定の必要性を強調した。
 「深刻な懸念」は10日の外相声明に明記された一方、11日の
首脳会議で採択された「ネピドー宣言」には盛り込まれなかった。
中国が外相声明に反発していることについて、議長声明では「外相
声明の重要性を認識する」と強調した。
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南シナ海問題、ASEANと中国との問題ではない=中国外務省
2014年 05月 12日 10:19 JST
[北京 11日 ロイター] - 中国外務省は10日に声明を発表し
、南シナ海の問題は、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)と
の間の問題ではないとし、一部の国が中国とASEANの友好関係
を悪化させるため、この問題を利用しようとする動きに中国は反対
するとの姿勢を示した。
ASEANは11日、中国とベトナムなどが領有権を争う南シナ海
問題で、関係当事国に自制を促すことなどを盛り込んだ宣言を採択
した。
中国外務省は声明で、南シナ海の緊張緩和に向け2002年に採択
された「南シナ海行動宣言」を引き続き履行するため、中国はAS
EAN諸国と連携する用意があると表明。
この問題に関係する一部のASEAN参加国が「南シナ海行動宣言
」を尊重・履行し、南シナ海の平和や安定、海上保安に貢献するこ
とを望んでいる、との考えを示した。


Vietnam Fails to Rally Partners in China Dispute

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