5004.植物資源環境の整備が重要



石油などの地下資源がなくなると、その資源を代替する原料分の生
物資源が必要になる。その上に、世界の人口が増加して、その分の
食糧生産を増やす必要があり、そのような要求を果たそうとすると
、そこには環境耐性が強く、かつ量産できる品種の開発が必要にな
る。

また、地球の多様性を確保するためには、原野や自然の森林も残す
必要があり、植物に求める要求が大きくなることが予想できる。例
えば、森林資源では今はツンドラ地帯の木を大量に伐採して安価に
輸入しているが、そのうちになくなる。そうすると、国内産の木が
大量に必要になる。

その準備もしておくことである。

木の促成については、王子製紙が北海道で開発した北海ポプラ、北
海ホープという速成できるポプラの品種が有名である。3・4年ほ
どで大きな木になり、パルプとして利用できるという。

セルロース、リグニンなど木の構造物質は、多くの製品原料になり
、かつエタノールなどのエネルギー物質にも出来るので、有効な資
源になる。

このポプラの速成と同様に速成できるのが、本州ではコバハンでタ
ニガワハンノキである。気候により速成できる木が違う。

このような品種を作るのにも、いろいろな品種の生物資源の確保が
重要になる。その多彩な遺伝子があると、品種改良ができるのであ
る。
もう1つが、DNAの組み換えであるが、これは危ないので基本的には
品種改良で行うことになる。

その生物資源を集めるために、世界的なネットワークが必要になり
、その構築を農業生物資源研究所が中心にやっている。

このような地道な研究環境を整えて初めて、よりよい品種ができる
のである。

イモの世界の種をこの農業生物資源研究所は集めたという。キャサ
バもその中にある。

このように、次の文明として植生文明の準備が着実に進んでいるの
である。

さあ、どうなりますか?

==============================
農業生物資源研、東南ア3国と植物遺伝資源の特性解明へ共同研究

掲載日 2014年05月08日   
 農業生物資源研究所はベトナム、ラオス、カンボジアの3カ国と
、植物遺伝資源の特性解明に関する共同研究を進める。期間は5年。
2015年度以降はスリランカやミャンマー、インドネシアなどと
も連携する。アジア地域で植物遺伝資源に関する国際条約を結び、
植物遺伝資源を相互利用できる環境を整える「アジア植物遺伝資源
構想」の実現に結びつける。
 国内農業の競争力を高める新品種開発には、育種素材として多様
な遺伝的特性を持つ植物遺伝資源確保が必要。しかし途上国を中心
に自国の遺伝資源への権利意識が高まり、海外からの新たな遺伝資
源の導入が難しくなっている。こうした状況を受け、アジアで2国
間共同研究を推進する。
 ベトナムとはカボチャ、キュウリやイネ、ラオスとはナスやイネ
、カンボジアではトウガラシやメロン、イネなどの植物の遺伝資源
を中心に共同研究を進める。


コラム目次に戻る
トップページに戻る