4994.キヌアという雑穀



キヌアは、ヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物で、アカザやホウレン
ソウは近縁である。南米アンデス山脈の高地アルティプラーノにお
いて数千年前より食用に栽培されている擬似穀物であり、モロコシ
、キビ(黍)、アワ(粟)、ヒエ(稗)などと同様に雑穀に分類さ
れる。国際連合食糧農業機関(FAO)で集計している雑穀の中では一
番生産量が少なく、2011年の年間生産量は約8万トンで、世界100ヶ
国以上で生産されているモロコシの5420万トンの約700分の1、ミレ
ットの2771万トンの約350分の1でしかなく、生産国もペルー、ボリ
ビア周辺に限られている。とウィキペディア。

キヌアの穂は品種により、赤、黄、紫、白など様々な色を呈し、直
径約2mmの種子を一つの房に250-500個程度つける。脱穀した種子は
白く扁平な円形をしており食料となる。冷涼少雨な気候でもよく育
ち、逆に水はけの悪い土地では種子の収量は大きく減る。

キヌアは、その他の雑穀同様に栄養価が高く、キヌアと近縁のアマ
ランサスはエンバク、ハトムギ、ライ麦同様にタンパク質を13-14%
と多く含む。キヌアとアマランサスは他の雑穀に比べマグネシウム
、リン、鉄分など無機質(ミネラル)やビタミンB類を多く含む。特
に葉酸は緑黄色野菜に匹敵する量を含んでいる。ただしキヌアや雑
穀が高栄養価であるとの評価は主穀であるトウモロコシやコメ、小
麦と比較しての事であり、キヌアを含む雑穀は、豆類ほど栄養価は
高くない。

日本では、白米に混ぜて炊いて食べるのがブームになったことがあ
った。キヌアを混ぜて炊いた米は若干粘り気が強く、またいわゆる
「薬臭い」香りがする事がある。この独特の臭気を誤魔化すため、
炊き込み御飯にするなどの工夫が行われることが多い。

日本でも山梨県で栽培実績があるが、普及には時間がかかるし、日
本の気候に合う品種を選ぶなど、ペルー、ボリビアの高地で育つた
めに、いろいろと改良することが必要のようである。

しかし、キヌアは世界的に有名になり、かつ生産量が少ないために
価格が暴騰している。

日本での安定的な生産は、需要が少ないことでまだできないようで
ある。

少し、様子見をしていることでしょうかね。


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