木は、「セルロース」「リグニン」「ヘミセルロース」は主要化学 成分でできていて、幹部分ではこの3つが全成分の約95%を占めて いると。セルロース50%とヘミセルロース20%でリグニンが30%の割合 である。 このうち、リグニンは、三重大学の船岡正光教授が分離に成功して いる。リグニンはセルロースをくっつける役割をしている。 セルロースは紙の材料として使われてきた。このため、紙をある形 に整形して、それにリグニンをかけると木質の物ができることにな る。 しかし、このリグニンを取り出すと、セルロースは分解して糖にな ってしまうし、セルロースを取り出すとリグニンが破壊される。 京大の矢野浩之は、このセルロースを分解して、セルロースナノフ ァイバーとして取り出し、それで材料を作った。強度が鉄より5倍 も強い材料を作り、かつ透明性を確保したことと5ミクロンという 薄さにできたことで、次世代ディスプレーシートや自動車の構造材 など、多岐にわたる利用が期待されている。 ヘミセルロースは多糖類として、利用価値がある。主たる物質はキ シランである。 森林総合研究所では、「セルロース」「リグニン」を両方ともに壊 さないで取り出す方法を研究しているし、リグニンから炭素繊維を 作ったようである。 セルロースを発酵菌で分解して植物性プラスチックを作ることもで きる。 というように、木質資源の可能性が増えている。もちろん、木で使 うのが、一番コストが安いが、石油が無くなった時の準備はするこ とが必要であり、出来つつあるということなのようですね。 後は、コストの引き下げが必要である。