4983.木質資源の可能性が増えている



木は、「セルロース」「リグニン」「ヘミセルロース」は主要化学
成分でできていて、幹部分ではこの3つが全成分の約95%を占めて
いると。セルロース50%とヘミセルロース20%でリグニンが30%の割合
である。

このうち、リグニンは、三重大学の船岡正光教授が分離に成功して
いる。リグニンはセルロースをくっつける役割をしている。

セルロースは紙の材料として使われてきた。このため、紙をある形
に整形して、それにリグニンをかけると木質の物ができることにな
る。

しかし、このリグニンを取り出すと、セルロースは分解して糖にな
ってしまうし、セルロースを取り出すとリグニンが破壊される。

京大の矢野浩之は、このセルロースを分解して、セルロースナノフ
ァイバーとして取り出し、それで材料を作った。強度が鉄より5倍
も強い材料を作り、かつ透明性を確保したことと5ミクロンという
薄さにできたことで、次世代ディスプレーシートや自動車の構造材
など、多岐にわたる利用が期待されている。

ヘミセルロースは多糖類として、利用価値がある。主たる物質はキ
シランである。

森林総合研究所では、「セルロース」「リグニン」を両方ともに壊
さないで取り出す方法を研究しているし、リグニンから炭素繊維を
作ったようである。

セルロースを発酵菌で分解して植物性プラスチックを作ることもで
きる。

というように、木質資源の可能性が増えている。もちろん、木で使
うのが、一番コストが安いが、石油が無くなった時の準備はするこ
とが必要であり、出来つつあるということなのようですね。

後は、コストの引き下げが必要である。


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