ウクライナ問題を優先する米国は、ロシアから中国を離すために、 東ジアでの中国の優先権を譲歩した可能性がありそうである。 ライス米大統領補佐官は、中国の楊潔チ・国務委員とウクライナ情 勢をめぐって協議し、ウクライナの主権と領土は尊重されなければ ならないとの見解で一致した。ホワイトハウスが5日声明で明らか にした。 この会談では、その代わりを中国は要求したことが容易に想像でき る。その要求が何かと見ていると、中国の王毅外相は8日、「アメ リカと共同でアジア太平洋地域の平和と安定を守る」と述べ、中国 がこの地域でアメリカと対等な大国の地位を目指す意思を示した。 要するに、米国は東アジアでの中国の優先権を認めた可能性が浮か んでくる。 米オバマ政権は、中国と同程度に、安倍首相の国粋主義が非常に危 険と思っている。このため、日本にも中国にも寄らないという立場 を取っている可能性がある。 そして、ロシアには本格的に対抗するようである。 日本の行動は、米国から疑惑の目で見られていることを意識して、 行動することが重要である。 さあ、どうなりますか? ============================== 中国 アジア太平洋で米と対等な地位目指す 3月8日 18時06分NHK 中国の王毅外相は北京で開かれている全人代=全国人民代表大会に 合わせて、8日、記者会見を開き「アメリカと共同でアジア太平洋 地域の平和と安定を守る」と述べ、中国がこの地域でアメリカと対 等な大国の地位を目指す意思を示しました。 この中で、王毅外相は去年行われたオバマ大統領と習近平国家主席 の首脳会談で、双方が「新型の大国関係」を築くことで一致したと 主張したうえで、「ビルの建設に例えれば、互いに尊重し合うこと がビルの基礎だ」と述べ、少数民族や台湾問題のほか、沖縄県の尖 閣諸島や南シナ海の島々を巡る周辺国との対立を念頭に、中国の「 核心的利益や重大な関心事」を尊重するようアメリカに求めました。 そのうえで「われわれはアメリカと共同でアジア太平洋地域の平和 と安定を守る。この地域は米中が争う賭博場でなく、新型の大国関 係の試験場になるべきだ」と述べ、中国がアジア太平洋地域でアメ リカと対等な大国の地位を目指す意思を示しました。 また、北朝鮮の核問題については「朝鮮半島は中国の玄関口だから 、われわれにはレッドラインがある。それは戦乱が起きるのを絶対 に許さないことだ」と強調し、6か国協議の議長国として関係国に 対して協議の早期再開を改めて呼びかけました。 ============================== 歴史や領土問題で日本と妥協の余地ない=中国外相 2014年 03月 10日 06:23 JST [北京 8日 ロイター] -中国の王毅外相は8日、全国人民代表 大会(全人代)期間中に開いた記者会見で、歴史や領土問題で日本 と妥協する余地はないとの見解を示した。 王外相は「歴史と領土という原則的な問題で妥協の余地はない」と 発言。過去と明確に決別してこそ、現在の対立を脱して関係が生ま れ、将来が開けると述べた。 ============================== 中国「公平な立場」強調 ウクライナ情勢 2014/3/8 21:34日経 【北京=島田学】中国の王毅外相は8日の全国人民代表大会(全 人代、国会に相当)に合わせた記者会見で、ウクライナ情勢につい て「中国は関係国との意思疎通を続け、政治解決のために建設的な 役割を果たしたい」と述べた。状況の改善に向けて「慎重な対応が 必要だ」とも指摘。関係国が政治対話による危機収束を目指すよう 促した。 「ウクライナ情勢を巡っては、中国は公平で客観的な立場だ」。 王外相は中国に仲介役を求める声が上がっていないにも関わらず、 ロシアと欧米との仲介役を果たす意思を示した。これは中国自身の 立場を明確に示す事態を避けるためだ。 中国はウクライナ情勢を巡り、欧米の対ロシア制裁には反対を表 明したものの、一貫してロシア支持への明言を避けている。ロシア とは友好関係にあるが、国内で少数民族の独立問題を抱える中国と しては、ウクライナ南部のクリミア自治共和国の分離の動きは決し て歓迎できない事態だ。王外相の記者会見は、外交と内政で板挟み となっている中国外務省の苦しい立場を浮き彫りにした。 「中国は責任ある大国だ」。李克強首相は5日の政府活動報告で 、国際社会の問題解決に積極的に取り組む意欲を示したばかり。ウ クライナ情勢では空回りを余儀なくされ、仲介役を果たすのに必要 な国際社会からの信頼感もまだ低い。 ============================== 米補佐官、中国国務委員とウクライナの領土尊重の重要性で一致 2014年 03月 6日 15:32 JST [ワシントン 5日 ロイター] - ライス米大統領補佐官は、中国 の楊潔チ・国務委員とウクライナ情勢をめぐって協議し、ウクライ ナの主権と領土は尊重されなければならないとの見解で一致した。 ホワイトハウスが5日声明で明らかにした。 中国はウクライナ問題について、他国の問題には干渉しないとの立 場を堅持しており、戦略的パートナーであるロシアへの批判を控え ている。 声明によると、協議では「地域・世界の課題に対処すべく現実的な 協力」を深めることが、米中関係にとって重要との認識を再確認し た。 ロシアとウクライナとの対立については「国際法にのっとり、かつ 、ウクライナの主権と領土保全を尊重するような平和的解決策を見 つける努力を支援することが、米中双方の利益にかなうとの点で合 意した」。