4947.中露同盟確立か?



ロシアは、欧米の経済制裁と非難で苦しくなり、中国に助けを求め
た。この求めに中国が応える。

中国の新華社通信は5日、習近平国家主席が同日、ウクライナ情勢
を巡りロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったと報じた。
両首脳による電話協議は異例で、プーチン氏の要請に応じたものと
もみられる。同通信によると、プーチン氏はウクライナ危機でのロ
シアの立場や事態打開へ向けた対応策を説明した。
ウクライナへの軍事介入の構えも強めるロシアは欧米と厳しく対峙
(たいじ)しており、プーチン氏は会談で習主席にロシアへの支持
を求めたものと受け止められている。

この会談を受けて、中国外務省は7日、米国による対ロシア制裁措
置に関して、「国際関係において何かあるとすぐに制裁を発動した
り、制裁で互いを脅かしたりすることには一貫して反対だ」と述べ
た。

しかし、これと反対に、日本は日米首脳電話会談で米国の制裁処置
を支持したので、日欧米対中露の対立が鮮明化した。

しかし、中国がロシアを応援すると、「主権国家の国境不変更」と
いう大原則にも反することになる。しかし、ロシアはクルミア半島
は、もともとロシア領であったのが、奪う取られたという論理にし
た可能性があるが、中国は原則の変更、または原則の放棄をしない
と、ロシアを支援できないことになった。

それと、今後、米英仏の経済制裁がどこまで進行するのか分からな
いが、ロシアはそれに対抗することになる。その時に中国をもその
対応勢力の中に入れれば、米国や欧州も困る事になる。

こうなると、中露同盟が完成する。これは将来、戦略的には非常に
苦しいことになる。

これをどう防ぐのか、日本はドイツ、イタリア、トルコなどと対応
策を練ることが必要になってきた。

さあ、どうなりますか?

明日の有料版で検討したい。

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中国、対ロ制裁に反対=ウクライナ
 【北京時事】中国外務省の秦剛報道局長は7日の記者会見で、ウ
クライナ危機に絡む米国による対ロシア制裁措置に関して、「国際
関係において何かあるとすぐに制裁を発動したり、制裁で互いを脅
かしたりすることには一貫して反対だ」と述べた。
 秦局長は関係国に「情勢を一段と緊張させるような行動を避け、
共同で努力して政治的に解決する方法を模索してほしい」と要請。
クリミア半島で16日に実施されるロシア編入の是非を問う住民投
票に関しては「平和的に問題を解決し、ウクライナの各民族の利益
を維持し、社会秩序を早期に回復することを求める」と述べるにと
どめた。(2014/03/07-17:49)
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中国は2大外交原則を放棄したか --- 長谷川 良
2014年03月06日08:54agora
ウクライナ南部クリミアの治安問題でロシアのラブロフ外相は3月3
日、中国の王毅外相と電話会談をした。ロシア側の報道によると、
両外相は意見が一致したという。

この報道を読んだとき、「本当だろうか」と疑ってしまった。なぜ
ならば、ロシアがウクライナの主権を蹂躙し、ロシア軍をクリミア
に派遣したことは、内政干渉を拒否してきた中国外交の外交政策に
反する。その上、クリミアが分断されたりすれば、「主権国家の国
境不変更」という大原則にも反するからだ。簡単にいえば、中国が
ロシアのウクライナ政策を支持することは、中国のこれまでの2大
外交原則を放棄することになるからだ。

例を挙げる。中国国営新華社通信によると、「雲南省昆明市の昆明
駅で1日夜、無差別殺傷事件が発生。犯行グループは男6人女2人
の8人でウイグル系反政府グループの犯行とみられる」という。
北京政府が新疆ウイグル自治区の反政府運動、分離運動を非常に警
戒していることは周知の事実だ。昨年10月28日、北京の天安門
車両突入自爆テロ事件が発生したが、その背後にウイグル系グルー
プが関与していたと報じられたばかりだ。

チベット人問題も同様だ。ダライ・ラマ14世が2月21日、オバ
マ米大統領とワシントンで会談したが、中国政府は早速、激しく抗
議している。欧米諸国が北京政府のチベット民族、ウイグル人弾圧
を批判すれば、中国側は「内政不干渉」という外交原則を掲げて反
論してきた経緯があるのだ。

その中国がロシアのクリミア政策を支持すれば、その2つの外交路
線と噛み合わなくなってしまうことは明らかだ。だから、ロシア側
の「中露外相が一致した」という報道は少々、疑わしくなるわけだ。

実際、中国外務省の秦剛報道官は2日、「中国は内政不干渉の原則
を堅持しており、ウクライナの独立、主権と領土の保全を尊重する
」と述べている。だから、中露両国外相の「意見の一致」というロ
シア側の報道はロシア側の一方的なプロパガンダと受け取るべきか
もしれない。

ここまで考えてきた時、読売新聞電子版は北京発で興味深い記事を
発信していた。中国の第12期全国人民代表大会第2回会議開幕前
に、全人代の傅瑩(フーイン)報道官が4日、北京で記者会見し、
「ある国家が挑発すれば効果的に対応しなければならない。中国自
身の領土主権を守り、地域の秩序と安定を守るために非常に必要な
ことだ」と述べ、沖縄県・尖閣諸島問題で対立する日本をけん制す
る発言をした、というのだ。

中国共産党政権はここにきて、ロシアのプーチン大統領と同様、必
要なら軍事力の行使を辞さない攻撃的外交を見せてきている。中国
の外交政策、「内政不干渉」と「国境不変更」という2大外交原則
は、あくまでも建前であり、状況に応じていつでも原則を放棄する
外交路線に変わる可能性があるわけだ。中国の外交路線の“プーチ
ン化”と呼ぶべきかもしれない。その観点からいうならば、先述し
た、「中露両外相の一致」というロシア情報は、ひょっとしたら文
字通り正しいのかもしれない。
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プーチン氏、中国国家主席とウクライナ巡り協議 支持要請か
2014.03.06 Thu posted at 17:12 JST
北京(CNN) 中国の国営新華社通信は5日、習近平(シーチンピ
ン)国家主席が同日、ウクライナ情勢を巡りロシアのプーチン大統
領と電話会談を行ったと報じた。
両首脳による電話協議は異例で、プーチン氏の要請に応じたものと
もみられる。同通信によると、プーチン氏はウクライナ危機でのロ
シアの立場や事態打開へ向けた対応策を説明した。
ウクライナへの軍事介入の構えも強めるロシアは欧米と厳しく対峙
(たいじ)しており、プーチン氏は会談で習主席にロシアへの支持
を求めたものと受け止められている。
新華社によると、これに対し習主席はウクライナの政情は極めて複
雑で慎重な配慮を要する情勢にあるとの認識を表明。現在の混乱は
、事故的な要素に加え、不可避的な要因も絡んで生まれたとの見方
も示した。
習主席はまた、ロシアは地域や世界の平和と安定維持につながる政
治的な解決策を講じて収拾を図ることが可能との考えも伝えた。そ
の上で、緊張緩和に寄与する国際社会の提案と調停努力を支持する
との立場も示した。
ロシアと中国はシリア内戦などの国際問題でこれまで足並みを揃え
てきたが、中国はウクライナ危機に際してはロシア支持に明確に踏
み込まず、欧米の主張にも留意するバランス外交を見せている。同
時にロシアへの批判も控えている。
中国外務省の報道官は先の定例会見で、他国の内政に干渉しないと
の中国の長年の基本方針に言及。ウクライナの独立、主権や領土の
一体性を尊重するともした。親ロシアのヤヌコビッチ政権の崩壊で
は、過激な暴力的な行動が生じたことを非難し、当事者が内部の対
立を平和的に解決するよう促していた。





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