4944.ロシア侵略がストップへ



プーチンは、クリミア半島を手にれて、そこでストップした。欧米
は経済的な打撃をロシアに与えたことによる。

ロシアの金融市場は3日、1)株式市場から584億ドル、2)介入資金
で150億ドル──など巨額な資金流出に直面。一説では、たった1日
で1000億ドル相当に及ぶとされていた。いわば外交路線での締め付
けより、金融市場の強烈な一撃がプーチン大統領に「譲歩(climb 
down)」を迫ったとみられる。

このことで、ロシア財務省は4日、原油税を運用する政府系ファン
ド(SWF)「リザーブ・ファンド」の積み増しのための外貨購入
を一時中止すると発表した。ボラティリティーが上昇しているため
とした。経済的な攻撃がロシア経済に大きなダメージを与えている。

ロシア経済が崩壊する可能性が出て、これ以上の侵略ができなくな
り、ロシアのプーチン大統領は4日、親欧米派による政変について
「憲法に反するクーデターが起きた」とし、新政権を法的な正統性
がないとして否定する立場を表明。

自国内に保護しているウクライナのヤヌコビッチ前大統領がロシア
に武力の使用を要請していたとした。また、ロシア上院が承認した
追加の武力行使を含む軍事介入については「今のところ必要性はな
い」と語った。

 ロシア軍が事実上掌握したウクライナ南部のクリミア半島につい
てロシアへの併合の意図はないと強調。一方で「住民が自らの運命
を決める権利がある」とも述べ、現地の市民の意向によって半島が
ウクライナから独立する可能性を示唆した。

 反政権運動が広がるウクライナ東部に関して「(ロシア系)市民
を守るために全ての手段を使う権利を保持している」と指摘。「部
隊投入は最後の手段」とも語り、事態が悪化した場合にロシア軍が
新たに介入する可能性に含みを持たせた。

そして、15万人が軍事演習していたウクライナ国境地域から部隊
を撤退させた。これ以上のウクライナ侵攻はないということである。

正式な経済制裁や、ロシアのエリート層への査証(ビザ)発給停止
などが実施されれば、その痛みはさらに増すことになるので、これ
以上の侵略は損と判断したようである。

一応、沈静化したが、ウクライナ東部地域には、軍票がない武装集
団がいるので、何が起こるか分からない。それより、地域独立の動
きが出てくる。

その動向に目が移ることになる。

また、自国民保護が軍隊移動の理由となると、中国から来ている人
が多い東京などに中国が自国民保護という名目で侵略できることに
なり、恐ろしい時代になったと思う。中国からの労働者を入れるの
は、絶対いけないことがわかる。

そして、ロシアと中国は同盟国の強さを強固にしたようである。中
国は一時、ロシアに批判的であったが、ロシアと中国が協議し、そ
の後、中国はロシアをサポートし始めた。非常に心配な状況になっ
てしまった。

さあ、どうなりますか?


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ロシア大統領「ウクライナ新政権は違法」 
2014/3/5 2:00nikkei
 【モスクワ=田中孝幸】ロシアのプーチン大統領は4日、ウクラ
イナのヤヌコビッチ政権の崩壊後初めて記者会見した。親欧米派に
よる政変について「憲法に反するクーデターが起きた」とし、新政
権を法的な正統性がないとして否定する立場を表明。ロシア上院が
承認した追加の武力行使を含む軍事介入については「今のところ必
要性はない」と語った。
 ロシア軍が事実上掌握したウクライナ南部のクリミア半島につい
てロシアへの併合の意図はないと強調。一方で「住民が自らの運命
を決める権利がある」とも述べ、現地の市民の意向によって半島が
ウクライナから独立する可能性を示唆した。
 反政権運動が広がるウクライナ東部に関して「(ロシア系)市民
を守るために全ての手段を使う権利を保持している」と指摘。「部
隊投入は最後の手段」とも語り、事態が悪化した場合にロシア軍が
新たに介入する可能性に含みを持たせた。
 新政権が5月に実施を決めた次期大統領選については「今のよう
な恐怖の(政治的)環境が続くなら認められない」と語った。6月
にソチで開催する主要国(G8)首脳会議の準備会合に関して「準
備は進めているが(欧米各国が)望まないのなら出席する必要はな
い」と言明した。
 一方、ケリー米国務長官は4日、ウクライナの首都キエフを訪問
した。トゥルチノフ大統領代行ら新政権の首脳と会う。米政府はウ
クライナへの金融支援を急ぐ一方で、週内にもロシアへの制裁を発
動するとの情報も流れている。
 ケリー氏の派遣はオバマ米大統領が2日に急きょ決めた。親欧米
派の新政権を米国として支持する姿勢を示し、ウクライナへの侵攻
を抑止する狙いがある。
 日米欧の先進7カ国(G7)はウクライナへの経済支援で合意し
、国際通貨基金(IMF)も調査団をキエフに派遣。4日から新政
権との協議に入る。新政権側はIMFに150億ドルの緊急融資を求め
ており、10日程度をかけて支援策の詳細を詰める方針だ。
 プーチン大統領は4日、ウクライナとの国境付近の西部軍管区で
実施していた軍事演習の参加部隊に撤収を指示した。15万人規模の
部隊を動員していた演習には欧米から「挑発的行動だ」と反発する
声が出ていた。演習の終了を発表した背景にはウクライナ周辺で高
まる軍事的な緊張をいったん和らげる狙いがあるとみられる。
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時代は再び帝国主義 3月5日
2014.3.5 03:19 sankei[産経抄]
 帝政ロシア時代の1783年、女帝エカテリーナ2世は、トルコ
からクリミア半島を奪い、黒海に面した軍港、セバストポリを建設
した。それから70年後、トルコを後押しする英仏軍とロシアとの
間で、クリミア戦争が起こる。
 ▼将校として従軍した若き日の文豪、トルストイが、セバストポ
リでの最前線の戦いを描いたのが、『セヴァストーポリ』だ。おび
ただしい死体を目の当たりにしながらも、こう書かずにはいられな
い。「ロシア国民を主人公とするこのセヴァストーポリの叙事詩は
、ながくロシアにその偉大なる痕跡をのこすであろう…」(中村白
葉訳)。
 ▼セバストポリとクリミア半島は、第二次世界大戦中の独ソ戦の
激戦の舞台にもなる。多くのロシア兵士の犠牲によって守られてき
た要衝の地を、旧ソ連時代のフルシチョフ首相は、あっさりウクラ
イナに譲ってしまう。ウクライナ人をなだめて、ソ連の安定をはか
るためだった。
 ▼当時、ソ連が崩壊して、ロシアとクリミアとの間に国境線が引
かれる日が来るとは、誰も夢想だにしていない。ロシア国民とクリ
ミアに住むロシア系住民の大部分は、今も納得していないはずだ。
何よりロシアにとって、セバストポリを拠点とする黒海艦隊は死活
的な意味をもつ。
 ▼だからといって、クリミアでのロシアの軍事活動が許されるは
ずもない。1997年のロシア・ウクライナ友好協力条約によって
、国境問題は解決済みだ。19世紀の帝国主義の時代に戻ったかの
ようなロシアの狼藉(ろうぜき)を阻止できるのか、国際社会は大
きな挑戦を受けている。
 ▼それにしても、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」す
るとした、日本国憲法の前文と、世界の実相との隔たりは、大きく
なるばかりである。
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ヤヌコビッチ前大統領がロシアに「派兵要請」
2014.3.5 01:29sankei
 【ウクライナ南部シンフェロポリ=遠藤良介】ロシアのプーチン
大統領は4日の記者会見で、自国内に保護しているウクライナのヤ
ヌコビッチ前大統領がロシアに武力の使用を要請していたことを明
らかにした。
 プーチン氏はヤヌコビッチ氏が政変後に実権を失ったと認めつつ
も、同氏が今も「合法的な大統領だ」と主張した。
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ルーブル動向
安田 佐和子2014年03月05日01:39agora
ロシアの金融市場は3日、1)株式市場から584億ドル、2)介入資金
で150億ドル──など巨額な資金流出に直面。一説では、たった1日
で1000億ドル相当に及ぶとされていた。いわば外交路線での締め付
けより、金融市場の強烈な一撃がプーチン大統領に「譲歩(climb 
down)」を迫ったとみられる。
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ロシアは新たな冷戦を戦える立場にない
2014.03.05(水)  Financial Times
(2014年3月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ソビエト連邦が1968年にチェコスロバキアに侵攻した時、モスクワ
の株式市場は暴落しなかった。なぜか。それは当時のモスクワには
株式市場がなかったからだ。
 去る3月3日はこれとは対照的に、ロシア軍の部隊がクリミアを実
効支配したとの報道を受け、ロシア株が10%の急落を演じた。
 この1968年と現在との違いは、新たな冷戦が始まるとの説は誤解
を生む恐れがあることを示している。
経済制裁の痛み
 正式な経済制裁や、ロシアのエリート層への査証(ビザ)発給停
止などが実施されれば、その痛みはさらに増すだろう。今では、裕
福なロシア人は週末にロンドンやパリに出掛けられる権利を当然の
ものだと思っている。何十億ドルというロシアマネーが西側の銀行
に預けられたり、欧州の資産に投資されたりしている。
 ロシアの中央銀行が自ら行った推計によれば、2012年にロシア国
外に流出した560億ドルの3分の2は犯罪によるものだった可能性があ
るという。汚職で得られた資金は法的措置に弱い。ロンドンの金融
街シティーと、特にスイスの金融当局は、ロシアマネーの出どころ
を問うことへの熱心さではあまりよく知られていない。しかし、今
は、そのような調査を少しだけ急いで行うこともできるだろう。
 プーチン氏自身も、西側に巨額の蓄えがあると以前から噂されて
いる。恐らく、政府からの給料だけでこの財をなしたというわけで
はないだろう。もし西側の諜報機関がちゃんと仕事をしていれば、
その資金がどこにあるかも恐らく分かるだろう。
 ウクライナへの軍事介入に関与したロシアの指導者にビザ発給停
止の適用対象を広げることは、間違いなく可能だ。実行すれば、ロ
シアの指導者たちは欧州で蓄えてきた資金や資産に手を出せなくな
る。米国は以前、セルゲイ・マグニツキー弁護士の殺害を受けて「
マグニツキー・リスト」という名簿を作成し、そこに名前が載った
ロシア政府当局者へのビザ発給を停止したことがある。前例はある
のだ。
 もちろん、制裁がもたらす経済的なダメージは両方向に流れる。
最も明白な西側の脆弱性は、ロシアのエネルギーに対する欧州の依
存だ。ロシア産ガスの蛇口が閉められたために西側の家庭で人々が
震えるイメージは、欧州の指導者を不安にさせるだろう。だが、こ
の点でさえ、欧州の脆弱性――そしてエネルギーを武器に使おうと
するロシアの意欲――は大げさに誇張されることがある。
By Gideon Rachman
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米国が制裁なら米銀融資の返済拒否─ロシア大統領補佐官=報道
2014年 03月 4日 18:44 JST
[モスクワ 4日 ロイター] -ロシア通信(RIA)によると、
同国のセルゲイ・グラジエフ大統領補佐官は、ウクライナ情勢をめ
ぐって米国がロシアに制裁を科せば、外貨準備からドルを外し、米
銀に対する融資返済を拒否すると述べた。
ロシア政府は対外的に強硬姿勢を打ち出す際に、同補佐官の発言を
利用することが多いが、補佐官には政策決定権はない。
補佐官は、米国がロシア企業・個人の米国口座を凍結した場合、投
資家は米国債をすべて売ったほうがよいと発言。「制裁が発動され
た場合は、米銀がロシアの機関に行った融資は返済できなくなる。
他の通貨に乗り換え、独自の決済制度を創設する必要が生じる」と
述べた。
補佐官は「東や南には貿易・経済面で非常に良好な関係を維持して
いる国がある。われわれは、米国への金融依存をゼロに減らし、制
裁から大きな利益を得る道を探す」と述べた。
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ロシアがSWF向け外貨購入を一時中断、ボラティリティー上昇で
2014年 03月 4日 18:49 JST
[モスクワ 4日 ロイター] -ロシア財務省は4日、原油税を運
用する政府系ファンド(SWF)「リザーブ・ファンド」の積み増
しのための外貨購入を一時中止すると発表した。ボラティリティー
が上昇しているため。
同省はウェブサイトに掲載した声明で「金融市場において最近、高
水準のボラティリティーがみられるため、ロシア財務省は3月4日
付で国内市場での外貨購入を一時中止する」と明らかにした。
財務省は同ファンド用に1日当たり35億ルーブル(9570万ド
ル)相当の外貨を購入していた。






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