4937.高速道路と直結する駅の整備



高速道路と直結する駅の整備
-----阪急京都線西山天王山駅と京都縦貫道の例―――

              平成26年(2014)2月20日(木)
            「地球に謙虚に運動」代表 仲津 英治

「地球に謙虚に運動」ホームページの代表発信欄に「高速道路と鉄道の
連絡駅を整備しよう」(平成22年(2010)8月25日(発信)という一文を掲載
しております。

上記のような連絡駅は、異なる交通機関同士の連絡・利便性を向上し、
鉄道駅へのアプローチのためのロスタイムを減らし、エネルギー消費を
削減し、大きくは環境問題の改善につなげるために重要な対策に成り得る
という信念から発信し、ホームページに掲載しているものです。

 その一つが実現しています。先日、阪急電車を利用することがあり、
同社発行のパンフレット「新駅&駅名変更で宝探し」の中に新駅開業の
ニュースを見付けたのです。非常に嬉しい思いが致し、現地に見学に出
かけてまいりました。

 阪急京都線の大山崎駅と長岡天神駅の間です。新駅の名称は西山天王山
駅と名付けられ、京都の西山に位置し、秀吉と光秀が闘った天王山の傍
にあるのでそういう駅名が付けられたのでしょうか。名神高速道路
大山崎ジャンクションから綾部方面に京都縦貫自動車道が新たに整備さ
れるに当り、阪急京都線を跨ぐ形の自動車道の高架下に新駅が設置され
ています。新駅の設置費用の20億円は、地元の長岡京市と阪急電鉄が折半
したとのことです。

 長岡京市にとっては、都市計画を進めるに当たり、住民の利便性が向上
し、産業誘致も促進され、都市の活性化に貢献するでしょうし、阪急電鉄に
とっては伸び悩む乗客数の増加に繋がることでありましょう。国民経済的
にも地球環境問題にも貢献するプロジェクトです。

 国鉄に入社した昭和43年(1968)頃、「鉄道と道路の結婚」という言葉が
強調されたことを覚えておりますが、46年経ってやっと一つ具現したな、
と感慨を以て受け止めました。
阪急電鉄情報 
長岡京市情報


 こういうプロジェクトは関係者の強い意志と粘り強い交渉と調整の結果、
成立するもので、一朝一夕にできるものではありません。そこで経緯など
を知りたく、長岡京市の担当部局である「建設交通部まちづくり推進室」
と阪急電鉄広報部に照会いたしました。

 それによりますと、平成17年頃(2005)に構想が持ち上がったようですね。
 長岡京市&阪急電鉄の両社のニーズが合致し、プロジェクトは推進された
とのことです。

 長岡京市が負担した10億円の内、5億円は国からの助成金で街づくり交付金
(現在:都市再生整備計画事業 (http://www.mlit.go.jp/toshi/crd_machi_tk_000013.html)
等から、支出されたと伺いました。駅前広場(東口4,700■&西口3,300■)
は、長岡京市が整備し、京都縦貫自動車道の南側路線を構成する京都第二
外環状道路の管理会社である西日本高速道路(株)は、交差部の整備を受け
持ったと伺いました。京都第二外環状道路は平成25年(2013)4月21日(日)
に開業しています。

 新駅には準急と各駅停車の電車が発着し、ラッシュ時は8本/H、昼間時は
6本/Hです。大阪梅田まで34分&310円、京都河原町まで21分&260円の便利
さです。
  駅前広場には阪急バス、京阪バスがJR長岡駅と京阪淀駅を結ぶ形で乗り入
れしており、近隣の方には通勤・通学・買い物等に大幅に利便性が向上した
ことでしょう。そして高速バスも乗り入れしており(西日本JRバス、京成バス、
伊奈バス等)、関東方面と信州方面そして京都府北部の観光地と結んでいます。

 高速バスと鉄道駅の連絡設備であれば、明石海峡大橋の本州側連絡口であ
る舞子駅の例がありますが、西山天王山駅の特徴は、マイカーの駐車場が整
備され、パークアンドライド方式が導入されていることでしょう。40台分
ある駐車場は盛況で、多くの方に利用されているとのことです。

 これらのマイカーが、大阪&京都の都心に入らないだけ、道路交通が緩和
され、排気ガスも削減されているはずです。何よりも利用客が時間短縮&便利
さを感じていることでしょう。
 40台とはそう多くは無い数ですが、都市開発の進んだ大都市周辺では用地確
保が大変であり、スタートとしては、意義ある数字かと思います。バイク、自
転車駐輪場も設けられています。
これからも高速道路と直結する駅が整備され、都市交通問題と環境問題の改
善に貢献することを期待しております。
                        以上
「地球に謙虚に運動」代表




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