4921.米バランサー外交に比アキノもクレーム



フィリピンのアキノ大統領が、日本をサポートしてくれた。4日、
米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに応じ、「Philippine 
Leader Sounds Alarm on China」(最後にリンク)で第2次大戦を
防ぐため、ヒトラーをなだめて1938年にチェコスロバキア・ズデー
テン地方をナチス・ドイツに割譲する融和策が取られたものの、奏
功しなかったと指摘したのだ。

その上で「間違っていると思うこと(中国の主張)に『イエス』と
言って、そのうち事態がさらに悪化しない保証があるのか」と米国
のバランサー外交をけん制した。

それも、このインタビューは7日から始まる日米外相会談の前にだ。

中国から圧迫を受けるアジアの人たちは、米国の中国配慮が非常に
危ないと思っていることを日本以外でも同じであると米国にアピー
ルしたことになる。これは日本の価値観外交をサポートしたことに
なる。

このため、オバマ大統領も、中国の宗教問題を発言することになる
し、7日、ケリー米国務長官は、ワシントンを訪れている岸田外相
と会談し、中国が領有権を主張している尖閣諸島も含めて、米国は
日本を防衛するという姿勢を再度、明らかにした。さらに「米国は
中国が設定した防空識別圏を承認も容認もしない」と明言した。

ということで、アキノ大統領の発言が大きいので、中国は「そうし
た論じ方は想像さえできないもので、全く道理はない」と批判し「
中国は国際正義を守り、反ファシズム戦争の勝利のために多大な犠
牲を払い、歴史的な貢献をした」と述べ、第2次大戦で果たした役
割を強調した。

日本の菅義偉官房長官は、「全ての関係国が緊張を高める一方的な
行為を慎むべきだ」と指摘し、「南シナ海問題は海洋秩序にからむ
ことであり、国際社会全体が関心を持っている。対話を通じた平和
的な解決を望む」と述べ、比アキノ大統領の意見に理解を示した。

しかし、日米外相会談では、事前の打ち合わせ通り、日米双方が靖
国参拝に関する言及を控えたが、ケリー氏は韓国との関係改善に向
けた取り組みについて質問した。岸田氏は「粘り強く対応する」と
答えたが、気まずさも目立った。

また、外交政策に影響力を持つスーザン・ライス大統領補佐官(国
家安全保障担当)の中国への融和的な姿勢が際立って、「中国との
関係は、米国の中でも協力を進めていかなければならないという声
もある。協力できる分野もあれば、対立分野もある」と米中関係の
一般論にとどめ、防空識別圏の批判を一切口にしなかった。

というように、米国の外交政策は大きくは変化しない可能性が高い
ようである。

米国の外交姿勢が中国配慮というなら、日本は独自外交をすること
になるが、アジア諸国の首脳にが米国バランサー外交をけん制発言
を言ってもらう必要がありそうである。

さあ、どうありますか?

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日比首脳の中国めぐる発言、有益でない−米太平洋空軍司令官
  2月10日(ブルームバーグ):米太平洋空軍のカーライル司令
官(大将)は、日本とフィリピンの首脳が中国の地域での影響力拡
大について、世界大戦前の欧州情勢に例える発言を行ったことは「
有益ではない」と述べた。

同司令官は9日のシンガポールでのインタビューで、「ドイツの台
頭および英独間をはじめとして欧州で起きたことについて、現在の
情勢と類似点があるとは私は全く考えていない」と述べた。「いく
つかの行為、特に日本が行った行為については、他国にとって何が
挑発的なのかをしっかりと考える必要がある」と述べた。

カーライル司令官(58)は東シナ海や南シナ海で中国との問題に関
わる全ての国に緊張緩和を呼び掛けた。中国が防空識別圏をフィリ
ピンやベトナム、マレーシアと南シナ海での領有権を争う南部に拡
大する動きは「非常に挑発的だ」と述べた。
安倍晋三首相はスイスを先月訪れた際、ドイツと英国に強い経済関
係があったにもかかわらず第1次世界大戦に至ったと指摘した上で
、日本と中国は同じような命運を回避する必要があると述べた。フ
ィリピンのアキノ大統領は今月5日付の米紙ニューヨーク・タイム
ズとのインタビューで、南シナ海の領有権を守るフィリピンへの支
持を各国に促し、現状を1938年のナチス・ドイツによるチェコスロ
バキア・スデーデン地方の併合要求に対し、欧米がチェコスロバキ
アを支援しなかったことに例えた。
更新日時: 2014/02/10 09:29 JST
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南シナ海「九段線」めぐる米国務次官補の発言に反論=中国の海洋
権利は国際法の保護受けている―中国外交部
Record China 2月10日(月)9時13分配信
2014年2月8日、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は、ラッセ
ル米国務次官補が米議会公聴会で、中国が南シナ海に設定する「九
段線」を「国際法の原則にそぐわず、立場を調整すべきだ」と発言
したことに対し、「中国の南シナ海における海洋権利は歴史が形成
したもので、国際法の保護を受けている」と反論した。米ラジオ局
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語サイトが伝えた。
中国は約350万平方キロメートルの南シナ海に「九段線」を引き、中
国の主権・主権的権利が及ぶと説明している。これに対し、ベトナ
ム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾なども南シナ海の領
有権を主張している。(翻訳・編集/NY)
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日本に対抗するためロシア・韓国と接近、中国の外交戦略
―中国メディア
Record China 2月9日(日)19時4分配信
2014年2月8日、参考消息網は記事「海外メディア:中国の“ロシア
と同盟、韓国と友好、日本と対抗”戦略が明らかに」を掲載した。
香港紙・香港経済日報によると、現在、中国の外交政策は“ロシア
と同盟、韓国と友好、日本と対抗”戦略を採用していると報じた。
習近平(シー・ジンピン)国家主席はソチ五輪開幕式に出席。プー
チン大統領と首脳会談を行った。過去10カ月で5回目となる中露首脳
会談となり、空前の蜜月機を演出している。
さらにハルビン市に安重根記念館をオープンさせるなど、韓国との
友好関係も強化している。日韓の歴史問題を利用して日米から韓国
を切り離す戦略だ。ロシア、韓国との接近と対照的なのが日本、そ
してその背後にいる米国との対決姿勢と言えそうだ。
(翻訳・編集/KT)
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ライス補佐官、際立つ「親中」…防空圏批判なし
 【ワシントン=今井隆】オバマ米政権内で、外交政策に影響力を
持つスーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)の中国へ
の融和的な姿勢が際立っている。
 訪米した岸田外相との7日の会談では、ケリー国務長官とヘーゲ
ル国防長官が中国の設定した東シナ海の防空識別圏に厳しい姿勢を
示したが、ライス氏は言及すらしなかった。
 岸田氏はライス氏との会談で、中国の防空識別圏を改めて非難。
ところが、外務省関係者によると、ライス氏は「中国との関係は、
米国の中でも協力を進めていかなければならないという声もある。
協力できる分野もあれば、対立分野もある」と米中関係の一般論に
とどめ、防空識別圏の批判を一切口にしなかった。
 日米関係筋は「中国を刺激したくないライス氏の姿勢の表れ」と
指摘する。
(2014年2月9日08時58分  読売新聞)
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日米外相会談 靖国しこり解消、道半ば 韓国対応、残る気まずさ
2014.2.9 08:22 sankei[日米関係]
 「改めて日米同盟は揺るぎないものだと感じた」
 岸田文雄外相は7日午後(日本時間8日未明)、ケリー米国務長
官との会談を終えた後、記者団に胸を張って見せた。
 岸田氏は日本を出発する前、「このタイミングで会談することに
意義がある」と周囲に語っていた。昨年末の安倍晋三首相の靖国神
社参拝で、中国、韓国との融和を求める米側との関係が悪化。ケリ
ー氏が2月に中韓両国を歴訪する予定のため、その前に日米間の「
ボタンの掛け違いを直す」(日本政府関係者)ことが必要だったか
らだ。
 だからこそ、岸田氏は国会審議の合間をぬって訪米を強行した。
ワシントンまでチャーター機を手配。ケリー氏と少しでも多くの会
話を行おうと同時通訳も検討した。中国は各国で反日宣伝を繰り返
しており、早い段階で「対中国」の姿勢をそろえる狙いもあったと
いう。
 会談では、中国による東シナ海への防空識別圏設定について、改
めて「許容できない」との立場で一致。2月下旬から始まる米韓軍
事演習を前に、緊迫化する北朝鮮情勢への対処方針も共有できた。
ケリー氏の中韓訪問前に、当面の目標は達成できたとみられる。
 ただ、日米の足並みが完全に元通りになったかどうか疑問符がつ
く。
 会談では、事前の打ち合わせ通り、日米双方が靖国参拝に関する
言及を控えたが、ケリー氏は韓国との関係改善に向けた取り組みに
ついて質問した。岸田氏は「粘り強く対応する」と答えたが、気ま
ずさも目立った。4月のオバマ米大統領の来日日程についても、国
賓待遇に必要な「2泊以上」を確保できるか確定できなかった。
 靖国参拝で生まれたしこりの解消は道半ばといえそうだ。
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米国が突如として安倍首相に同調、尖閣諸島も含め、日本を防衛す
る姿勢を明らかに―英メディア
Record China 2月9日(日)14時2分配信
2014年2月7日、ケリー米国務長官は、ワシントンを訪れている岸田
文雄外相と会談し、中国が領有権を主張している尖閣諸島も含めて
、米国は日本を防衛するという姿勢を明らかにした。8日付で英BBC
が伝えた。
ケリー国務長官は会談後の記者会見において、「強固な日米関係は
アジア太平洋地域の平和と安定の基礎。米国は日米安保における日
本に対する義務を果たすため、引き続き努力する」と述べ、これに
は「東シナ海情勢も含む」とした。
さらにケリー国務長官は、「米国は中国が設定した防空識別圏を承
認も容認もしない」と明言。「米国はアジア太平洋地域の情勢を変
えるつもりはなく、当地区の繁栄と安定を維持するため、引き続き
努力する」と述べた。
また岸田外相は会談のなかで、4月に予定されているオバマ大統領の
アジア歴訪の際には、日本を公式訪問するよう要請。日韓関係につ
いても、困難な問題はあるものの、日本側は韓国との関係を重視し
ており、核問題などに対して協力する姿勢が必要だという考えを伝
えた。(翻訳・編集/YM)
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日米外相、同盟強化を演出 オバマ氏の来日日程は確定できず 
2014/2/8 22:18nikkei
 【ワシントン=四方弘志】岸田文雄外相は7日(日本時間8日)
のケリー米国務長官らとの会談で、東アジア地域の安定に向けた連
携強化で一致した。安倍晋三首相の靖国神社参拝ですきま風が吹く
中、日米同盟強化の演出に腐心。米側は日本が求めたヘーゲル国防
長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)との個別会談にも
応じた。
 日本側によると一連の会談では靖国問題に触れなかった。背景に
は日米がぎくしゃくすれば「中国や北朝鮮が利するだけ」(外務省
幹部)との危機感がある。中国は日米分断を図り、北朝鮮は月末に
も米韓合同軍事演習が始まれば挑発行為に出るとの懸念がくすぶる。
 ただオバマ氏来日の日程は確定できなかった。日本側は環太平洋
経済連携協定(TPP)の日米交渉妥結などを目指すが、関税の扱
いで合意のメドが立っていない。米側が求める韓国との関係修復も
具体的なきっかけは見えない。日本側は米側に4月下旬の2泊以上
の滞在を打診しているが、韓国も同時期の訪韓を米政府に求めてい
る。
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中国原潜3隻が集結=南シナ海で海軍力誇示
 【香港時事】中国系香港紙・文匯報は8日、同国の民間軍事サイ
トなどの情報として、南シナ海に面する中国南部・海南島の亜竜湾
海軍基地に最新型の戦略型ミサイル原子力潜水艦「晋」級(094
型)とみられる潜水艦3隻が停泊していることが確認されたと報じ
た。
 全部で数隻しかないといわれる中国の戦略型原潜が集結するのは
異例。フィリピンなど東南アジア諸国と領有権を争う南シナ海で海
軍力を誇示する狙いがあるとみられる。(2014/02/08-18:04)
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南沙諸島:中国海軍がブイ投下…ベトナム海軍撤去
毎日新聞 2014年02月08日 18時40分(最終更新 02月08日 19時54分)
 【北京・石原聖】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一
部加盟国が領有権を争う南シナ海で、ベトナムが実効支配する南沙
(スプラトリー)諸島の砂州「東景宏島」(中国名・染青沙洲)付
近に3日、中国海軍の船が海面にブイを投下したが、ベトナム海軍
が即座に撤去した。中国メディアが8日、ベトナムメディアの報道
を引用して伝えた。
 中国は南シナ海の図面上に九つの破線「九段線」を記してほぼ全
域に主権・主権的権利があると主張。今年1月からこの海域で操業
する外国漁船に中国当局の許可取得を義務づけるなど漁業権の制限
を強めた。直後には、中国の監視船がベトナム漁船を取り締まる事
案が2件発生した。
 また、マレーシアの排他的経済水域(EEZ)にあり、中国が最
南端の領土と主張する南沙の暗礁「ジェームズ礁」(中国名・曽母
暗沙)近海では中国の艦艇3隻が甲板の上で「主権宣誓式」をした。
 中国は管轄権を行使し、南シナ海の領有権主張を国内外に浸透さ
せる動きを加速させている。
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「中国はナチスドイツ」、フィリピン大統領の発言に日本が理解示
す―シンガポール報道
2014年02月07日sinnka
シンガポールメディアの聯合早報網は7日、フィリピンのアキノ大
統領が中国を第二次世界大戦前のナチスドイツに例えた発言をした
ことに、日本が理解を示したと報じた。
アキノ大統領はこのほど受けた米紙ニューヨーク・タイムズの取材
に対して、南シナ海の領有権問題をめぐる中国の主張について戦前
のナチスドイツになぞらえて語り、これに中国メディアが激しく反
発している。
アキノ大統領の発言に対して日本の菅義偉官房長官は6日の記者会
見で中国を念頭に、「全ての関係国が緊張を高める一方的な行為を
慎むべきだ」と指摘。「南シナ海問題は海洋秩序にからむことであ
り、国際社会全体が関心を持っている。対話を通じた平和的な解決
を望む」と述べた。
中国の国営新華社通信はアキノ大統領の発言について、「歴史に無
知な素人政治家であることを露呈した」などと酷評した。
(編集翻訳 恩田有紀)
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アキノ氏発言に「強烈な不満」=「反ファシズム戦争に貢献」−中国
 【北京時事】中国外務省の洪磊・副報道局長は7日の記者会見で
、フィリピンのアキノ大統領が南シナ海の領有権を主張する中国を
第2次世界大戦前のヒトラーのナチス・ドイツと重ねて論じたこと
について、「そうした論じ方は想像さえできないもので、全く道理
はない」と批判した上で、「強烈な不満」を表明した。
 洪副局長は「中国は国際正義を守り、反ファシズム戦争の勝利の
ために多大な犠牲を払い、歴史的な貢献をした」と述べ、第2次大
戦で果たした役割を強調した。(2014/02/07-19:40)
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フィリピン大統領「中国対抗に支援必要」 米紙報道 
2014/2/6 0:11
 フィリピンのアキノ大統領は4日、米紙ニューヨーク・タイムズ
のインタビューに応じ、南シナ海での海洋権益をめぐる中国の強硬
姿勢に対抗するためには、各国の強力な支援が必要だと訴えた。同
紙電子版が伝えた。
 アキノ氏は第2次大戦を防ぐため、ヒトラーをなだめて1938年に
チェコスロバキア・ズデーテン地方をナチス・ドイツに割譲する融
和策が取られたものの、奏功しなかったと指摘。
 その上で「間違っていると思うこと(中国の主張)に『イエス』
と言って、そのうち事態がさらに悪化しない保証があるのか」とけ
ん制した。(ニューヨーク=共同)

Philippine Leader Sounds Alarm on China

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